2012年4月 4日

『マリリン 7日間の恋』


映画冒頭の"これは彼らの側から見た物語である"という言葉通り、世紀の映画スター、マリリン・モンローと無名の"サード"助監督コリン・クラークの恋の実際について、余人は知る由もない話だが、『王子と踊り子』(56)が実際に撮影された英国パインウッド・スタジオで、ミシェル・ウィリアムズ、エディ・レッドメイン、ケネス・ブラナーというキャストで、"サード"助監督コリン・クラークの回顧録が見事に映画化されたというだけで充分に夢のある話である。『ブルーバレンタイン』同様、スクリーン上の湿度を上げ、観るものの涙腺を緩ませるミシェル・ウィリアムズが素晴らしいが、シェイクスピア俳優ケネス・ブラナーが最後に呟く「われわれ人間は夢と同じもので出来ている」というプロスペローの儚い台詞が、本作の魅力の本質を見事に表している。

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