2010年9月 2日

『トラブル・イン・ハリウッド』

思えば21世紀の10年は、デ・ニーロ&パチーノ ファンにとってはフラストレーションが溜まる時代であった。『ヒート』以来の競演作となった『ボーダー』は、まったく噴飯もののチープな仕上がりで、もう完全に二人の時代は終わったのだなという醒めた感慨すら覚えたほど。傑作テレビ映画『エンジェルス・イン・アメリカ』以外にこれといった出演作が思い浮かばないパチーノは、映画よりも演劇にその軸足を移したようで、スクリーンでの存在感は薄まるばかり。一方、デ・ニーロの方は、自らの監督作品『グッド・シェパード』の製作や、コメディを中心に全盛期ほどではないにせよ、十分"名優"ぶりを発揮してきたと言えないこともないが、この新たな10年はより充実したDECADEになることを期待したい。本作は、その3の線のデ・ニーロ主演のハリウッド内幕物。豪華俳優陣(ショーン・ペン、ロビン・ライト・ペン、ブルース・ウィリス、クリスティン・スチュワートなど)とのアンサンブル演技を堪能しつつ、軽い気持ちで楽しめそうな一品。

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