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FILM REVIEW
オーストラリア、タスマニアの大自然を舞台に、絶滅したといわれる"タスマニアタイガー"を探し求める"ハンター"をウィレム・デフォーが演じるサスペンス・ドラマ。ストーリーに難があるが、壮観なタスマニアの大自然を捉えた映像、デフォー演じる孤独な”ハンター”と、父親が失踪して残された家族との心の交流を描いた繊細な演出に惹かれる一品。
2012.2.6 update new 公開中
クリント・イーストウッド監督最新作『J.エドガー』は、"20世紀米国における最大の権力者"といわれたジョン・エドガー・フーヴァーの生涯を、彼とごく親しかった人物との人間関係に焦点を絞り、アメリカ現代史の闇を並走して描くことで、伝説と秘密に彩られた男の悲劇の源泉を鮮やかに解き明かす傑作!ディカプリオはもちろん、共演のナオミ・ワッツ、アーミー・ハーマーも素晴らしい!
2012.2.2 update new 公開中
『断絶』の伝説的映画作家モンテ・ヘルマン監督の21年ぶりの新作『果てなき路』は、劇中劇と本編が複雑に錯綜するジグソーパズルのような作りの傑作フィルム・ノワール。『断絶』のローリー・バードに捧げられた本作からは、全編に張り巡らされた策謀謀略の奥底にゴダール並のロマンチストと言いたくなるモンテ・ヘルマン監督の資質が見えてくる。大傑作『断絶』も同時上映!
2012.1.20 update 公開中
クリスチャン・ガイイの小説「L'Incident」の映画化、名匠アラン・レネの新作『風にそよぐ草』は、撮影監督エリック・ゴーティエ、マチュー・アマルリック、エマニュエル・ドゥヴォス、アンヌ・コンシニらデプレシャン組とレネ作品の常連アンドレ・デュソリエ、サビーヌ・アゼマといった嬉しい顔ぶれが揃う、若々しく軽妙洒脱にしてワイルドな恋愛妄想映画!
2011.12.16 update 公開中
「NO NAME FILMS」の短編『トビラを開くのは誰?』が鮮烈な印象を与えた伊月肇監督の長編処女作品『-×-』(マイナス・カケル・マイナス)が、現在3週間限定でロードショー公開されている。一見慎ましく見える本作は、その実、1970年という記号を契機に、この国に住まう人々と”世界”との関係性を静かに問い直す、ラディカルな意思に貫かれた野心作だ。
2011.12.7 update 公開中
ラブホテルのネオンと娼婦と詩とマーラー交響曲の調べ。水野美紀、富樫真、神楽坂恵、3人の女優の肉体を借りて、現代の渋谷円山町に、古代ヨーロッパの娼婦たちを幻視する、園子温監督の現時点における最高傑作!
2011.11.11 update 公開中
2008年カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞し、イタリア映画ゼロ世代の実力を強く印象づけたマッテオ・ガッローネ監督の『ゴモラ』が、2011年の今、ロードショー公開されている。既に3年前の映画ではあるが、本作で描かれた人類の退嬰ぶりは、全く古びてないどころか、より一層リアルに私たちの現実の写し鏡のような存在感を発揮し始めている。
2011.11.4 update 公開中
2010年のカンヌ国際映画祭を湧かせた『Another Year』が『家族の庭』という邦題で劇場公開される。マイクー・リー監督常連組の息のあったアンサンブル劇は、善良な夫妻が育む”家族の庭”に集う友人や親族の姿を、四季の移ろいを通して時にユーモラスに時にシニカルに描き出し、必ずしも現実を的確に把握して生活しているわけではない忙しない現代人に、人間の持ちうる”善良さ”とその限界について考える機会を与えてくれる。
2011.11.1 update 公開中
イタリア映画祭2010で上映され好評を博した『やがて来たる者へ』は、ジョルジョ・ディリッティ監督の師匠、エルマンノ・オルミ直系の”ネオレアリズモ”の伝統に則して、実際に山村で起きたナチスによる虐殺事件を、少女マルティーナの視点から描く秀作。音響的サウンドトラックが、スクリーンに蘇るイタリア山村の自然美との豊かなコントラストを生み出している。
2011.10.21 update 公開中
デニス・ホッパー、ルー・リード、ジョヴァンナ・メッゾジョルノが共演するヴィム・ヴェンダースの新作『パレルモ・シューティング』の1分1秒が、私たちが生きた20世紀サブ・カルチャーの記憶を呼び起こす。死神的映画作家ヴィム・ヴェンダースが捉えた、デニス・ホッパーの最後の独壇場を目に焼き付け、爆音サウンドトラックに身を委ねよ!
2011.9.2 update 公開中
スペイン内戦を背景に、爆撃によって家族を失った喜劇役者と両親を失った少年の出会いを描く本作『ペーパーバード 幸せは翼にのって』は、その時代を生きた喜劇役者の同業者たちへの賛辞を込めながら、戦争による喪失を静かに深く心に訴える、優しさに満ちた作品。
2011.8.19 update 公開中
TALK SHOW
今年3月に行なわれた上映イベント<ボックスオフィスの彼方に 〜興行の縁で映画を考える〜>では、震災の翌日というタイミングにも関わらず、バーバラ・ローデン『Wanda』上映と坂本安美さん(東京日仏学院)のトークショーが予定通り行なわれた。類い稀なる女性映画『Wanda』について、坂本さんご自身の来歴について、そして、映画と批評について、忌憚のない率直な言葉で語られたトークショーの採録を掲載します。
2011.7.25 update
フランス映画祭2011のために新作『Chantrapas』を引っ提げて来日したゲオルギア(グルジア)の巨匠オタール・イオセリアーニ監督が行なった、映画美学校での感動的な一夜、マスタークラス講義の採録を掲載しました。
2011.7.8 update
INTERVIEW
2012.1.12 update
ソフトバンクの「犬」シリーズなど、数々のヒットCMで知られる山内ケンジ監督の長編処女作『ミツコ感覚』は、初音映莉子と石橋けいの美人姉妹が次々と招かれざる事態に巻き込まれていき、映画は陰鬱な色合いで彩られていく、にも関わらず、笑わずにはいられない大人のブラック・コメディ。ブニュエルやベルイマンをこよなく愛するという山内監督のインタヴューを掲載する。
2012.1.11 update
”奇蹟”を求めて人々が集う世界最大の巡礼地ルルドを舞台に、”奇蹟”がその身に起きた女性と周囲の人々の振る舞いを、見目麗しいビジュアル・センスで描いた、”幸福の喪失”について思索を喚起する寓話、『ルルドの泉で』が公開中のジェシカ・ハウスナー監督のインタヴューをお届けする。それにしても、『ルルドの泉で』の人物構成の背景に『アルプスの少女ハイジ』があったとは!
2011.12.27 update
「反右派闘争」という現代中国の政治的な闇を真正面から扱い、インディペンデント映画史上最大のスケール感で、かつて実在した収容所をゴビ砂漠に再現し、禍々しい砂嵐が吹きすさぶ中、飢餓と病に倒れていった人々の凄惨な振る舞いをスクリーンに蘇らせることで、その地に果てていった魂の復権を謳う、傑作『無言歌』が公開されているワン・ビン監督のインタヴューを掲載。
2011.12.22 update
ワジディ・ムアワッドの原作戯曲「incedcies」にインスパイアされて作られた『灼熱の魂』は、文字通り、観る者の心を焼け焦がさずにはいない、恐るべき傑作である。映画が伝えるアクチュアルなメッセージはもとより、現在と過去、様々な地理が交錯する第一級のサスペンスとしてもとても見応えがある。是非、劇場で本作をご覧になり、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のインタヴューを一読頂ければ幸いである。
2011.12.19 update
ナチス占領下のフランスで起きた悲惨な史実を描いた原作小説タチアナ・ド・ロネの『サラの鍵』を、強力な主演女優クリスティン・スコット・トーマスの出演を得て、エンターテイメントの視点を欠くことなく絶妙のバランスで映画化することに成功した、ジル・パケ=ブレネール監督のインタヴューをお届けする。
2011.12.16 update
トム・クルーズが、ロシア刑務所脱獄を皮切りに、世界一の高さを誇る超高層ビル、ブルジュ・ハリファでの常識破りのノースタント壁面走行を経て、ドバイのサンドストームの中を全力疾走で駆け抜ける『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』は、巨大スクリーンに最適化された超弩級のアクション・エンターテイメントだ。プロモーションの為に来日を果たしたトム・クルーズ、ポーラ・パットン、ブレッド・バード監督の記者会見の全文を掲載する。
2011.12.15 update
『ノルウェイの森』のハツミ役が強く印象に残っている初音映莉子が、CMディレクター、舞台演出家、劇作家として活躍中の山内ケンジ監督の初長編映画『ミツコ感覚』で主役のミツコを演じた。独特の完成度を見せる”山内ワールド”炸裂のブラックコメディ『ミツコ感覚』は、トラン・アン・ユンとは別の方法で彼女を輝かせている。ストーカー男を惹き付けてやまない凛々しい魅力を発するミツコを生きた女優、初音映莉子のインタヴューをお届けする。
2011.12.14 update
西島秀俊が演じる主人公秀二の「映画はかつて真に娯楽であり、芸術であった!」という言葉が胸に刺さる”シネフィル”映画『CUT』は、黒澤明、小津安二郎、溝口健二といった日本映画の巨匠たちへのオマージュであると同時に、今や過酷なものとなった”ピュアシネマ”を作るための闘いを描いた物語映画でもある。過去の名作映画103作品を参照するその手捌きは、さながらアミール・ナデリ監督による”映画史”の様相も呈している。フィルメックスの審査委員長として来日し、その”映画熱”を惜しみなく周囲に拡散したアミール・ナデリ監督の”熱い”インタヴューをお届けする。
2011.11.9 update
ハリウッドを代表する女優ニコール・キッドマンが、同名戯曲に深い感銘を受け、自ら映画化に動いた『ラビット・ホール』(ジョン・キャメロン・ミッチェル監督)は、愛する子どもを失った夫婦の“喪の時間”を描いた珠玉の一品。本作のプロデューサーとして、そして、主演女優として、この難しいテーマに挑んだ勇敢な映画人、ニコール・キッドマンのオフィシャル・インタヴューを掲載する。
2011.10.7 update
”日常を詩情化する男”と称されるアクタン・アリム・クバト監督、9年振りの新作『明りを灯す人』は、キルギスの美しく雄大な自然を背景に、変わりゆく世界の流れに翻弄されながらも、慎ましくも逞しく生きてゆく人々の姿を豊かな詩情を交えて描き、名もなき人々の単純ではない”人生”を明るく照らし出す。 キルギス在住の名匠クバト監督のインタヴューをお届けする。
2011.7.29 update
原発事故以降、来日アーチストのキャンセルが相次ぐ中、オファーを即断で快諾してくれたのだというイエジー・スコリモフスキ監督が、『アンナと過ごした4日間』以来、約1年半振りの来日を果した。フィルムセンターでのトークショーや京都でのイベントなど、多忙を極める監督に貴重なお時間を頂いた私たちは、監督が自らの最高傑作と自負する本作『エッセンシャル・キリング』の創作の源について興味深いお話を伺う幸甚を得た。
2011.6.10 update
『イエローキッド』が高い評価を受けた、若き鬼才真利子哲也監督の新作中編映画『NINIFUNI』が公開される。青山真治監督の最新作『東京公園』のキャメラが蓮實・青山対談で激賞された月永雄太が撮影を手掛けた『NINIFUNI』は、アイドルグループ「ももいろクローバー」と孤独な犯罪者を演じる宮﨑将の劇的なコントラストが観るものの心を揺さぶる、轟音と詩情に満ちた傑作である。『イエローキッド』の公開から約1年半弱、その間に、震災が起き、世界が一変してしまった。そんな状況の中、本作の公開を間近に控える真利子哲也監督に、じっくりとお話を伺った。
NEWS
2012.1.27 update new
東京日仏学院、今年一発目の特集上映「カプリッチ・フィルムズ ベスト・セレクション」がいよいよ始まろうとしている。フランスで最も先鋭的な作品の製作・配給・出版を手掛けるレーベルとして注目されている”カプリッチ・フィルムズ”の傑作群が一挙上映され、『猫、聖職者、奴隷』の木下香監督、boidの樋口泰人氏、カプリッチ・フィルムズのティエリー・ルナス氏らが登壇するトークショーも予定されている。もはや自明のものではなくなった”映画批評”は、現代において未だ有効なのか?という疑問符を頭の片隅に抱きつつも、ロバート・クレイマー、ジャン=クロード・ルソー、ストローブ=ユイレ、アルベルト・セラら、その作品自体がラディカルな映画批評そのものである傑作群に触れ、トークショーの熱に絆されるうちに、そんな疑問符はどこかに消し飛んでいるに違いない。

2月3日(金)~2月26日(日)@東京日仏学院
2012.2.2 update new
名匠オタール・イオセリアーニ監督最新作『汽車はふたたび故郷へ』の公開を記念して、デビュー作『四月』から『ここに幸あり』まで7作品を特集上映する「オタール・イオセリアーニ映画祭2012」がオーディトリウム渋谷で開催される。すでに日本での権利切れとなった『素敵な歌と舟はゆく』が特別上映されるほか、『月曜日に乾杯!』も日本最終上映になる。昨年映画美学校で行われたマスタークラスの忘れ難い夜、ノンシャランに、浪々と唄うように語り続けた御大のお姿を思い出しながら、この貴重な特集上映に足を運びたい。

2月4日(土)〜10日(金)@オーディトリウム渋谷
2011.12.28 update
サイレントからトーキーの時代を跨ぎ、ラブロマンス、サスペンス、悲劇、コメディとあらゆるジャンル映画を、ハリウッド古典映画の言語を駆使して作り上げた、ソビエト娯楽映画の天才ボリス・バルネットの傑作選が渋谷ユーロスペースで開催される。2月9日(木)『帽子箱を持った少女』は、柳下美恵さんピアノ生伴奏付き!

1月21日(土)〜2月10日(金)@ユーロスペース
2012.2.6 update new
昨年、『アンチクライスト』や『100,000年後の安全』といった話題作をいち早く上映した北欧映画祭「トーキョーノーザンライツフェスティバル」が、今年は2月11日(土)〜17日(金)の7日間、渋谷ユーロスペース他で開催される。トマス・ヴィンターベアの『セレブレーション』、トリアーの『エレメント・オブ・クライム』らが上映される「The Origin - 北欧映画作家たちの原点 -」やフリドリクソン監督特集も注目だが、何と言っても1921年のサイレント映画『魔女』(12日の回は柳下美恵さんのピアノ伴奏付き!)はどうしても観ておきたい。

2月11日(土)〜17日(金)
@渋谷ユーロスペース、アップリンク・ファクトリー
2012.1.18 update
2011年ロカルノ国際映画祭で中編映画としては異例の招待作品に選ばれ、青山真治監督の『東京公園』、富田克也監督の『サウダーヂ』と共にロカルノを湧かした真利子哲也監督の最新作『NINIFUNI』(宮﨑将、ももいろクローバー共演)が2月4日(土)より渋谷ユーロスペースを皮切りに全国公開される。『NINIFUNI』の公開を祝して長編デビュー作『イエローキッド』も1週間限定で特別上映される。未見の方は是非この機会に!

『NINIFUNI』
2月4日(土)〜@ユーロスペース
2月25日(土)〜@大阪:シネ・リーブル梅田、名古屋:シネマスコーレ、京都:京都みなみ会館ほか
2011.11.17 update
2011.11.10 update
2011.10.27 update
2011.10.12 update
2011.6.8 update
フランス国内ではIMFストロスカーン専務理事のニューヨークにおける逮捕劇に霞み、ラース・フォン・トリアーの舌禍問題ばかりが目立った感のある今年のカンヌ国際映画祭だが、全体的な傾向として、テクノロジーの進化を競う傾向から、精神性重視の人間らしさが前面に出た作品に回帰する兆しが顕著にみられる、まずまず充実した映画祭だったとの声も聞こえている。OUTSIDE IN TOKYOは、そうした作品群の中から、日本でも公開が待望されているラース・フォン・トリアーの『メランコリア』、ダルデンヌ兄弟の『少年と自転車』、そして、今年の上映作品の中でも最高傑作との呼び声も高いアキ・カウリスマキ『ル・アーヴル』のレビューを掲載する。
RECOMMENDATION
2012.1.27 update new
アピチャッポン・ウィーラセタクン傑作選
「アピチャッポン・イン・ザ・ウッズ」


アピチャッポンの森が爆音”ウォール・オブ・サウンド”の中に蘇る必見必聴の企画上映が吉祥寺バウスシアターで行なわれる。『ブンミおじさんの森』(10)のみならず、『真昼の不思議な物体』(00)、『ブリスフリー・ユアーズ』(02)、『トロピカル・マラディ』(04)という過去の傑作群を35mm/フィルム上映で体験する”ヒア アフター”を彷徨う2週間!
(但し、爆音上映は28日&29日の夜のみ!)

1月28日(土)〜2月10日(金)@吉祥寺バウスシアター
『アニマル・キングダム』


マーティン・スコセッシ『グッドフェローズ』の語りのスタイルを踏襲しながらも、20世紀ギャング映画のように暴力はスペクタクルに炸裂せず、時間をかけて人の内面を抑圧する。先日、WOWOWで放映された”トラウマ映画”、ウォルター・E・グローマンの『不意打ち』同様、実に恐ろしきは母親の溺愛なり!この殺伐としたギャング映画に登場する数少ない”善人”、ジョエル・エドガートンとガイ・ピアースの二人が何と素晴らしい好人物に見えることか。
BOOK REVIEW
2011.11.15 update
タイトルが、蓮實重彦の名著『映画巡礼』を想い出させないでもない本著『ミニシアター巡礼』は、21世紀のミニシアターの観客に、20世紀的にハイ・カルチャーの豊穣で読者を魅了した『映画巡礼』とは異次元の切実さで“あの暗闇”の必要性を迫る。 映画ファンに広く読んで頂きたい好著。
2011.9.9 update
フィルムアート社から刊行された「能動的に映画を体得し、現代を取り巻く問題系にまなざしを向け、知識ではなく知恵(sophia)として点在するものを繋げていく」新シリーズ<CineSophia>の第一弾「ひきずる映画 ポスト・カタストロフ時代の想像力」の書評を掲載。
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