2012年4月26日
『裏切りのサーカス』
ジョン・ル・カレの小説「Tinker Tailor Soldier Spy」を、御大ル・カレを製作総指揮に招き、ジョン・ハート、ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ハーディ、トビー・ジョーンズといった英国の名優をずらりと揃え、『ぼくのエリ 200歳の少女』のトーマス・アルフレッドソン監督が映画化。原作小説のシーンを取捨選択し、『ぼくエリ』同様、引き算の美学で、70年代に"国家のため"に諜報活動に従事した登場人物たちの"感情"の渦を描いている。M16本部が所在する霧のロンドン、ポール・スミスが監修を手掛けた衣装、独特なカラーパレットで構築された映像美が観るものを痺れさせる。ただ、前作と大きく違って弾けているのが、エンディングシークエンス。あそこであの曲を使うアルフレッドソン監督の変態的センスには心底驚かされる。