2012年4月13日
『バトルシップ』
『ハンコック』(07)のピーター・バーグ監督作品。AC/DCの爆音が鳴り響く戦闘シーンにおけるハードロックと米国海軍のホモジニアスな結託は、今や忘れ去られつつある"ハードロック"の反社会性と同時に、合衆国の反ヨーロッパ起源を思い起こさせる。フィクションにおいてエスカレートしたその"アンチ"の心性は、本作においては全人類に対して向けられ、宇宙から"エイリアン"という古き良き知人を呼び寄せ、地球を主戦場と化す。米国海軍を助けるお友達が他ならぬ、我々日本人であるというあながち荒唐無稽とも言い切れないサブプロットも盛り込まれた、重量級痛快娯楽映画。独自の佇まいで信頼感を醸し出す浅野忠信と、豹のようなルックスに加えて、声で観るものを魅了するリアーナが素晴らしい。見ていると愛着が湧いてくる『トランスフォーマー』チーム製作によるCGクリーチャー、リック・ルービン監修によるアゲアゲの選曲とスティーブ・ジャブロンスキーによるオリジナルスコア、音響デザインも秀逸。