2011年12月 1日

『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』


月、北極、南米、中東、ロシア、チベット、サハラ砂漠、カリブ海などなど、世界中を舞台に、情報技術が発達する前の時代にも関わらず、徹底的なリサーチに基づき背景や小道具を描き込んだ、ベルギー生まれのエルジェによる冒険活劇「タンタンの冒険」が、スティーブン・スピルバーグによって映画化されるのは時間の問題だったといって良いかもしれない。ピーター・ジャクソンをプロデューサに迎え、満を持して3DCGで映像化された『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』は、新奇な実写的なクオリティを持つ人間や動物のCGキャラクタが、実写では不可能な漫画的動きで大画面を狭しと動き回る。やりたい放題にやったスピルバーグの悪戯っぽい笑顔を思い浮かんでくるローラーコースター・ムービーに仕上がっているが、ディテイルに目を奪われ過ぎて、観終わってみると、今観たものは一体なんだったのか?と、狐につままれたような気持ちになる人もいるかもしれない。

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