2011年9月29日

『カンパニー・メン』


「ER 緊急救命室」「ザ・ホワイトハウス」を手掛けるTVドラマの名手ジョン・ウェルズの長編映画デヴュー作『カンパニー・メン』は、MBAを持っているホワイトカラーでさえ失業の危機に追いやられる、リーマンショック以降のアメリカの厳しい現実を描いたシリアスな作品ながらも、トミー・リー・ジョーンズ、ベン・アフレック、クリス・クーパー、ケヴィン・コスナーといったハリウッド・スターが揃ったアンサンブル・キャストの豪華さ故、観ていて安心感があり、娯楽作品として立派に成立してしまっているところに、アメリカ映画の懐の深さを感じさせられる。所々に、舞台となった港町ボストンの景観を捉えた見事なショットが紛れ込んでいるのは、名撮影監督ロジャー・ディーキンスの仕事、監督の演出プランによるものだと思うが、絶妙な案配でほどほどに格調を高めるサジ加減がお見事。

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