2010年12月17日
『シチリア!シチリア!』
ジョゼッペ・トルナトーレ監督最新作。"ヴィスコンティの『山猫』に登場するドン・ファブリツィオは、「17歳になるまでにシチリアを出なければ、シチリア人の欠点が身に染み付いて取れなくなってしまう」と言っていたが、まさにこの私がそうである"とトルナトーレ監督自信が認める通り、本作の90%を良くも悪くも"シチリア"が占め、観るものを幾分辟易させるかもしれない。しかし、残りの10%、冒頭とエンディングをワープで繋げる子どもの疾走を見事に演出した映画言語のマジックが、いやがうえにも観客の号泣を誘う。主演の伊達男フランチェスコ・シャンナのダンディズムもイタリア映画ならではの豊かさ。