『エンプティ・アワーズ』アーロン・フェルナンデス

上原輝樹
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メキシコの海岸沿いのモーテルを舞台に、叔父にその運営を短期間任された18歳の主人公と年上女性ミランダとの出会い、そこにゆったりと流れる豊かな時間を、アーロン・フェルナンデス監督曰く"印象派的な点描画"を塗り重ねるようにして描いて行く。スクリーンが呼吸しているような心地よさはウォルター・サレスの映画を想起させる。監督が"メキシコの自然の美"と形容した、年上女性ミランダを演じるアドゥリアナ・パス(メキシコではテレビなどで活躍する有名女優)と主人公を演じるクリスティアン・フェルレルの若い二人が実に瑞々しく、個人的にはとても好きな作品だった。"南"の切なさが、青春映画の切なさと重なりながら、それ故の豊かな"エンプティ・アワーズ"=無為の時間を紡ぐ愛すべき秀作。

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TIFF2013【コンペティション】
『エンプティ・アワーズ』(The Empty Hours / Las horas muertas)アーロン・フェルナンデス
@六本木ヒルズ:スクリーン4(P&I上映)
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