上映プログラム 【アジアの風--中東パノラマ】 |
©2011 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved | 『パーフェクト・ゲーム』 127分/韓国語/Color/2011年/韓国 監督/脚本/原作:パク・ヒゴン 製作総指揮:ソン・グァンイク 製作総指揮:イ・ホソン プロデューサー:クァク・ジュンフン 撮影監督:チェ・サンホ 編集:キム・チャンジュ 照明:イ・マンギュ 音響:キム・テソン 録音:コン・テウォン 出演:チョ・スンウ、 ヤン・ドングン、 チェ・ジョンウォン、 マ・ドンソク、 チョ・ジヌン 中日ドラゴンズのストッパーとしても活躍した名投手ソン・ドンヨル(宣銅烈)と、ライバルのチェ・ドンウォン(崔東原)の死闘を描いたスポーツ実話ストーリー。1987年5月16日に行なわれた韓国プロ野球史上最高の名勝負がいま甦る! 韓国では1982年にプロ野球が開始され、国民的な人気を得るようになっていくが、なかでも天才的な2人の投手――釜山を本拠地とするロッテ・ジャイアンツのチェ・ドンウォン(崔東原)と、光州のヘテ・タイガースのソン・ドンヨル(宣銅烈)――が80年代のヒーローであった。アマチュア時代からプロ野球まで宿命のライバルであり続けたチェとソンは数々の名勝負を残したが、なかでも1987年5月16日の死闘は語り草となっている。延長15回、4時間56分に及んだロッテ対ヘテの一戦において、チェは60人の打者に対して209球を投じ、ソンもまた56人を相手に232球を投げるという、現在では考えられない投球を行ったのである。はたして勝利の女神はどちらに微笑んだのか。韓国野球の真髄に迫るスポーツ実話ストーリー。ちなみにソンが96年から4シーズン、中日ドラゴンズでストッパーとして活躍し、99年には胴上げ投手となったのは記憶に新しい。 10/21(日) 16:45 10/24(水) 20:30 |
©2012 ZIO ENTERTAINMENT All Rights Reserved | 『人類滅亡報告書』 113分/韓国語/Color/2012年/韓国 製作総指揮:オ・ヨンフン アソシエイト・プロデューサー:キム・ミョンウン プロデューサー:チェ・ヒョンムク 監督 (「天上の被造物」)/スペシャル・ゲスト・ディレクター (「ハッピー・バースデイ」):キム・ジウン 監督 (「素晴らしい新世界」「ハッピー・バースデイ」):イム・ピルソン 出演:キム・ガンウ、 キム・ギュリ、 パク・ヘイル、 リュ・スンボム、 コ・ジュニ、 ソン・セビョク、 チン・ジヒ、 ペ・ドゥナ キム・ジウン(『悪魔を見た』)とイム・ピルソン(『南極日誌』)の2監督が、「素晴らしい新世界」「天上の被造物」「ハッピー・バースデイ」の3エピソードを撮り分けた近未来SFオムニバス。人類に未来はあるのか! キム・ジウン(『悪魔を見た』)とイム・ピルソン(『南極日誌』)の2監督が3つのエピソードを撮り分けたSFオムニバス作品。第1話「素晴らしい新世界」(監督:イム)は、ゴミを分別せずに処理した結果、未知の怪ウィルスが発生し、次々と人間がゾンビ化していく。第2話「天上の被造物」(監督:キム)は、人間に代わってロボットが労働に従事する近未来。仏教寺院のロボットが悟りを開き、人間に説法する境地にまで達してしまう。人類の脅威とみなして解体しようとするメーカー側と、ロボットを師と仰ぐ僧侶たちが争う。第3話「ハッピー・バースデイ」(監督:キム+イム)は、小学生が怪しいサイトにビリヤードのボールを注文すると、謎の惑星が地球に接近を始める。地下の防空壕に避難した一家の、そして人類の運命は...。カナダのファンタジア国際映画祭で最高賞を受賞。 10/21(日) 20:20 10/26(金) 10:30 |
©MOCUSHURA | 『眠れぬ夜』 65分/韓国語/Color/2011年/韓国 監督/脚本/編集:チャン・ゴンジェ プロデューサー:キム・ウリ 撮影監督:キム・ビョンス 編集:イ・ヨンジョン 録音:パク・ソンヨル 音楽:キム・ドンウク 出演:キム・スヒョン、 キム・ジュリョン 全州国際映画祭の韓国長編映画部門グランプリと観客賞をダブル受賞したインディーズの秀作。結婚2年目の若いカップルがふとしたことから仲違い。気まずい一夜の果てにいかなる結末が訪れるのか...。静謐で格調高い演出に魅了される。 一昨年の『虹』(TIFF10最優秀アジア映画賞)、昨年の『U.F.O.』(TIFF11出品)と、アジアの風では韓国インディーズの注目作を継続的に紹介してきたが、本作もそれらに連なる本年度の収穫である。ヒョンスとジュヒは結婚2年目の若いカップル。共働きだがそれほど裕福でもない。仲のよい彼らはある夏の夜、いつものように料理をして一緒に皿を洗い、いつものように会話をしていたが、なんでもないことで諍いを始めてしまう...。劇的な出来事でなく、日常的な些事の反復とズレを淡々と描くスタイルは格調高く、静かななかに抒情を湛えた演出に魅了される。監督のチャン・ゴンジェは韓国映画アカデミーで撮影を学んだ若手。全州国際映画祭の韓国長編映画部門でグランプリと観客賞を受賞した。(協力:なら国際映画祭) 10/23(火) 21:25 10/27(土) 19:40 |
『老人ホームを飛びだして』 104分/北京語/Color/2012年/中国 監督/脚本:チャン・ヤン 脚本:フォ・シン 脚本:チャン・チョン プロデューサー:アン・シャオフェン プロデューサー:リー・リー プロデューサー:チャン・チアン 撮影監督:ヤン・タオ 編集:ヤン・ホンユー 美術:アン・ビン 音楽:サンパオ 音響:ジャン・ポン 出演:シュイ・ホァンシャン、 ウー・ティエンミン、 リー・ビン、 イエン・ビンイエン 妻を亡くしたグォさんは入居した老人ホームでも元気がない。対照的に同室のチョウさんは明るく前向きで、皆を誘ってテレビの人気仮装番組に応募する。テレビ出演を目標に、老人たちは出し物の練習に励み、グォさんも元気を取り戻していくが、施設長や家族の反対にあう。そこで彼らは古いバスを手に入れてこっそりとホームを抜け出し、天津のテレビ局をめざす...。『スパイシー・ラブスープ』(98)『こころの湯』(99)『胡同(フートン)のひまわり』(05)など、日本でもお馴染みのチャン・ヤン監督の新作は、お得意の人情派コメディ。『孔子の教え』で老子を演じたシュイ・ホァンシャン、『古井戸』の監督で俳優としても知られるウー・ティエンミン、『初恋のきた道』のおばあさん役のリー・ビンをはじめ、中国映画界の至宝というべきベテラン俳優陣が勢揃いしている。 10/25(木) 14:20 10/27(土) 16:40 |
©2012 GMT PRODUCTIONS - LES FILMS DU LENDEMAIN - MORENA FILMS - FRANCE 3 CINEMA - EURO MEDIA FRANCE - INVEST IMAGE | 『ホメられないかも』 108分/中国語(山西省方言)/Color/2012年/中国=韓国 監督/脚本:ヤン・ジン 製作総揮:カオ・ホン 製作総指揮:シャン・ユンフア プロデューサー:シャン・ユィボー プロデューサー:チャン・チュン プロデューサー:リー・ジーフォン 撮影監督:リー・ホンチエン 音響 :ワン・チャンルイ 作曲:シャオフー アニメーション・ディレクター:チャン・ポー 出演:リー・シューチェン、 ワン・チェン 『牛乳先生』(04)『冬に生まれて』(08)で注目された中国インディペンデント映画界の新星、ヤン・ジンの新作。ふたり組の小学生が長距離バスで旅に出る。さまざまな人々との出会いを経て、彼らの世界は広がっていく。 小学校の卒業を間近に控えたある日、シャオポーは親友のヤン・ジンが遠い故郷に帰るのに同行するため家を飛び出す。旅の途中で彼らはさまざまな人々と出会い、世界が広がっていくが、やがて別れが訪れる...。『牛乳先生』(04)『冬に生まれて』(08)がいずれも中国インディペンデント映画祭で紹介されているヤン・ジンは、出身地である山西の田舎町や、子どもの世界のゆったりした描写に非凡な才能を発揮するインディーズ監督で、同じ山西省出身のジャ・ジャンクーと比較されることもある新星である。小学校の教師が給与の代わりに牛の乳を搾ってカネにするよう命じられる『牛乳先生』、不良少年が同級生の女の子と駆け落ちして町で苦労する『冬に生まれて』に続く本作も、田舎の小学生が旅をする姿を少々ユルいテンポで微笑ましく描いている。ひとりの子どもの役名がヤン・ジンとなっているのはご愛敬。 10/21(日) 14:20 10/24(水) 12:20 |
© E-CULTURE PRODUCTIONS, HELIOTROPE FILMS 2012 | 『兵士、その後』 104分/タミル語、シンハラ語/Color/2012年/スリランカ 監督/脚本:アソカ・ハンダガマ 製作総指揮:ラビンドラ・ピリス ライン・プロデューサー:イランティ・アベシンハ プロデューサー:ジャガット・ウェルラワッタ プロデューサー:アヌラ・ファナンド 撮影監督:チャンナ・デシャプリヤ 編集:アジット・ラマナヤカ 録音:ラリット・ワサンタ 音楽:カピラ・ポガラアラッチ 出演:ダルシェン・ダルマラジュ、 スバシニ・バラスブラマニヤム、 ニランジャニ・シャンムガラジャ、 ラジャ・ガネシャン 『この翼で飛べたら』(TIFF02アジア映画賞)などで知られるスリランカの鬼才ハンダガマ、久々の登場。内戦が終わり村に帰還した兵士が体験する疎外と孤独。やがて彼は社会の闇に近づいていく...。 スリランカでは30年に及んだ政府軍と反政府武装組織「タミル・イーラム解放の虎」(LTTE)の内戦が2009年に終結した。それから2年。LTTEの兵士だった男が村に帰還する。彼はかつての恋人と再会して新しい生活を始めるが、村人たちの冷たい視線を受けることになる。男は運転手として雇われた先で終戦後の社会の姿に直面していく...。「子どもの頃から兵士として戦闘に参加し、銃の扱い方以外のことを何も知らない世代にとっては、復員して"普通"の生活に戻ること自体がもうひとつの戦争なのです」(プレス資料より)と監督は語っている。スリランカ映画界の鬼才として知られ、作品を発表するたびに論議を巻き起こすアソカ・ハンダガマ監督は、『マイ・ムーン』(TIFF01スペシャル・メンション)、『この翼で飛べたら』(TIFF02アジア映画賞)、『レター・オブ・ファイヤー』(TIFF05出品)など、スリランカの社会の深奥を見据えた作品群が印象に残る。 10/26(金) 17:20 10/28(日) 16:00 |
『ライフライン』 90分/ペルシア語/Color/2011年/イラン 監督/脚本/編集:モハマド・エブラヒム・モアイェリ プロデューサー:ジャハンギル・コウサリ 撮影監督:ナデル・マスミ 編集:ハミド・ナジャフィ 衣装/美術:フーマン・マスミ 音楽:アリ・コハンデイリ 録音:アスガル・アブグン サウンド・ミックス:ホセイン・アボゥルセドグ メイク:ホセイン・サレヒヤン 視覚効果:ババク・ミルーファラフナク 出演:ハディ・ディバジ、 ラダン・モストウフィ、 カムラン・タフチ、 スィヤマク・アテラスィ、 アリ・オウスィヴァンド 僻地に電力を供給するため、山の斜面に鉄塔を次々と建てて送電線を渡していく男たち。墜落の危険と隣り合わせの鉄塔の上で、ある女性をめぐって争いが起こり...。新感覚のイラン映画。 僻地に電力を供給するため、山の斜面に鉄塔を次々と建てて電線を渡していく男たち。都会から戻ったエムランはそのチームに入って働くが、同じチームのモルードがエムランの恋人に横恋慕したことがきっかけで、墜落の危険と隣り合わせの鉄塔の上で一触即発の状態がエスカレートしていく...。高所と地上の垂直の隔たりが画面に圧倒的なスペクタクル性を与えている、男たちの群像劇。「舞台となっているギャルーガーフは森に囲まれたイラン北部の人口7万の町である。昔からこの町の男たちはみな電線の鉄塔を組み立てる仕事に従事してきた。彼らは年間を通じてさまざまな場所まで遠征して鉄塔を建てる。イラン中の高圧電線や電話線はこの町の男たちによって架けられてきた。その驚くべき技術は父親から受け継がれたものである。危険と隣り合わせの環境で彼らはその技術力を発揮する。彼らの性格が大らかなのは、豊かな自然と文化にさまざまな場所で出会うからだろう」(プレス資料より抄訳) 10/21(日) 11:20 10/23(火) 20:20 |
『沈黙の夜』 92分/トルコ語/Color/2012年/トルコ 監督/脚本/編集:レイス・チェリッキ プロデューサー:アヌル・チェリッキ 製作総指揮:イスラフィル・パルラック 製作総指揮/録音:エクレム・チェリッキ 撮影監督:ギョクハン・ティルヤキ サウンド・ミックス:ヌルクット・オズデミル 出演:イルヤス・サルマン、 ディラン・アクスット、 サブリ・トゥタル、 マイシェケル・ユジェル 14歳の少女が刑務所帰りの熟年男と見合い結婚。意志の疎通のないまま新婚初夜が更けていく...。ベルリン国際映画祭「ジェネレーション14+」部門の最高賞を受賞した見事な室内劇。チェリッキ監督は『頑固者たちの物語』(福岡国際映画祭05出品)で知られる名匠。 都会から離れた地方の村で見合い結婚のセレモニーが行われる。花婿は刑務所帰りの60歳の男。赤いヴェールをまとった花嫁の顔は見えない。互いに面識のないままふたりは寝室に入るが、花嫁のヴェールの下からあらわれたのは、怖れてふるえる14歳の少女の顔だった。男は新婚初夜の"つとめ"を全うしなければならず、少女に優しく接するが、少女は何かと煙に巻いて男を混乱させるばかり。ふたりは駆け引きを繰り返すが埒があかないまま、夜が更けて次第に朝が近づいてくる...。ベルリン国際映画祭「ジェネレーション14+」部門の最高賞を受賞した、ふたり芝居の見事な室内劇。チェリッキ監督は『頑固者たちの物語』(アジアフォーカス・福岡国際映画祭05 出品)で知られるが、村の伝説を次々と連結する『頑固者たちの伝説』から一転、本作はひとつの部屋とふたりの登場人物という限定条件のなかで展開させる構成となっており、1作ごとに語り口の冒険をおこなっている。 10/25(木) 21:00 10/28(日) 10:30 |
『ある学生』 90分/カザフ語/Color/2012年/カザフスタンコ 監督/脚本:ダルジャン・オミルバエフ 撮影監督:ボリス・トロシェフ 音楽:バウルジャン・クアニシ 音響:イリア・ビセロフ 製作総指揮:リマラ・ジェクセンバエワ 出演:ヌルラン・バイタソフ、 マヤ・セリクバエワ、 エディゲ・ボリスバエフ、 バヒトジャン・トルダリエワ、 アルジャン・サイン、 アマンギルディ・アイタリ、 アセリ・サガトワ、 ダルジャン・オミルバエフ 『カルディオグラム』(TIFF95出品)以来、日本でもお馴染みの巨匠オミルバエフが、前作『ショーガ』(07/トルストイ「アンナ・カレーニナ」の翻案)に続き、ドストエフスキー「罪と罰」を映画化。哲学科の学生が殺人に至る過程をキャメラは淡々と追う。 ある哲学科の学生が貧困と孤独に苦しんでいる。彼は富者と貧者、強者と弱者が分かれてしまう世界に疑問を感じている。やがて学生は商店主と客を殺してしまうが、少女サニヤを愛するようになった彼は、罪の意識に苛まれるようになっていく...。『カルディオグラム』(TIFF95出品)『ザ・ロード』(01/NHK共同製作)など、日本でもお馴染みの巨匠オミルバエフは、前作『ショーガ』(07)でトルストイ「アンナ・カレーニナ」を見事に翻案したが、本作はそれに続くロシア文学もので、ドストエフスキー「罪と罰」の舞台を現在のカザフスタンに移して映画化したものである。学生が殺人に至る過程を淡々と追うキャメラの乾いたタッチは、"中央アジアのブレッソン"と称されるオミルバエフの面目躍如といったところ。学生役のヌルラン・バイタソフは、カザフスタン国立芸術アカデミーでドキュメンタリーを学ぶ映画学徒でオミルバエフの教え子である。 10/25(木) 11:25 10/27(土) 11:00 |
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『スギヤ』 115分/インドネシア語、日本語、オランダ語/Color/2012年/インドネシア 監督:ガリン・ヌグロホ 製作総指揮:Y・I・イスワラハディ SJ プロデューサー:ジャドゥック・フェリアント プロデューサー:ムルティ・ハディ・ウィジャヤント プロデューサー:トゥリ・ジョファンニ 撮影監督:テオ・ゲイ・ヒアン 美術監督:アラン・セバスティアン 音響:サトゥリオ・ブディオノ 編集:ワワン・I・ウィボウォ 出演:ニルワン・デワント、 アニサ・ヘルタミ・クスマストゥティ、 ブテット・カルタルジャサ、 ヴァウター・ブラーフ、 ヴァウター・スヴェース、 オルガ・リディア 祖国独立に身を投じたインドネシア初のカトリック司教スギヤプラナタの評伝。 アルベルトゥス・スギヤプラナタ(通称スギヤ/1896~1963)はインドネシア人初のカトリック司教として知られ、祖国独立に身を投じた人物である。バチカンから司教に任命された1940年に始まり、日本軍政時代を経て対オランダ独立戦争期の49年にいたる10年間を描く本作では、少数派のカトリックのリーダーであるスギヤが宗教や民族の違いを乗り越えて人道的な献身をおこない、激動の時代を生き抜いていくさまが描かれている。なお、インドネシア在住の日本人俳優、鈴木伸幸が日本兵を演じている。 10/20(土) 20:20 10/24(水) 16:10 |
『目隠し』 99分/インドネシア語/Color/2011年/インドネシア 監督:ガリン・ヌグロホ 脚本:トゥリ・サソンコ プロデューサー:アサフ・アンタリクサ プロデューサー:ウンダン・ティルタナ 撮影監督:アンギ・フリスカ 作曲:ドゥウィキ・ダルマワン 美術:ナナン・ラフマット 編集:ベック 編集:アルトゥーロ G.P. 出演:エカ・ヌサ・プルティウィ、 ヤヤン・C・ヌール、 M・ディヌ・イマンシャ イスラム原理主義集団に拉致された少女。母は必死に娘の行方を追うが...。 目隠しされた少女たちがどこかへ連れ去られるショッキングなシーンから本作は幕を開ける。イスラム原理主義集団による拉致である。そのひとり、リマが姿を消した家庭では、意を決した母親がリマを教団から奪還しようとして自ら捜索を続けるが、厚い壁が立ち塞がる。「家庭内不和、経済危機、政情不安の3要素が組み合わさった、インドネシアのリアルな現状を描いた」とヌグロホ監督は語っている。宗教を扱いながら人間の不寛容を見据え、寛容を模索している点が、『スギヤ』にもつながるテーマといえよう。 10/20(土) 17:40 10/22(月) 13:50 |
『動物園からのポストカード』 96分/インドネシア語/Color/2012年/インドネシア=ドイツ=香港 監督/脚本:エドウィン プロデューサー:メイスク・タウリシア 共同プロデューサー:ローナ・ティー 共同プロデューサー:タナシス・カラタノス 共同プロデューサー:カール・バウムガルトナー 撮影監督:シディ・サレー 編集:ヘルマン・クマラ・パンチャ 音響:ワヒュウ・トゥリ・プルノモ 音楽:デイヴ・ルメンタ 出演:ラディア・シェリル、 ニコラス・サプトラ、 アジェ・ヌール・アフマッド、 クラリサ・アウレリア・ラディティヤ 動物と人間をめぐるシュールな寓話。インドネシア初のベルリン国際映画祭コンペ入選作。 幼い頃、父親によって動物園に置き去りにされたラナは、そのまま園内に住みついてキリン、ゾウなどさまざまな動物の飼育係になって暮らしている。ある日カウボーイ姿のハンサムな手品師と出会ったラナは、彼と一緒に初めて動物園の外へ出て町で暮らすようになる...。『空を飛びたい盲目のブタ』に続くエドウィンの長編第2作。動物と人間をめぐる寓話というべきシュールな味わいは健在。前作に続いてラディア・シェリルをヒロインに起用しており、彼女はエドウィン映画のミューズとなりつつある。ベルリン国際映画祭コンペティション部門に入選した初のインドネシア映画。 10/21(日) 18:00 10/24(水) 14:00 |
©babibutafilm2008 | 『空を飛びたい盲目のブタ』 77分/インドネシア語/Color/2008年/インドネシア 監督/脚本/プロデューサー:エドウィン プロデューサー:メイスク・タウリシア プロデューサー/撮影監督:シディ・サレー 編集:ヘルマン・クマラ・パンチャ 美術監督:イクバル・ラヤ 美術監督:エロス・エフリン 音響:ワヒュウ・トゥリ・プルノモ 音楽:ウィンドラ・ベンヤミン 出演:ジョコ・アンワール、 クラリン・バハリズキ、 ラディア・シェリル、 アンドーラ・アーリー、 カルロ・ゲンタ、 ポン・ハルジャトモ、 ウィチャクソノ エドウィンのシュールな長編第1作。ロッテルダム国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞。 早くから短編映画で注目されてきたエドウィンの長編第1作。バドミントン、吊るされたブタ、ゲイのカップル、キリスト教のテレビ番組、といった断片的イメージの連鎖。サンドイッチに爆竹をはさんで食べる少女リンダ、スティービー・ワンダーよろしくサングラスをかけ熱唱しながら治療する盲目の歯科医、といった奇癖の人物たち。一見脈絡のないシュールな諸要素から浮き上がるのは、あらゆるマイノリティに心を寄せる作家の視線である。ヤッヒャ役のジョコ・アンワールは秀作ホラー『禁じられた扉』(08)で知られる新世代監督のひとり。ロッテルダム国際映画祭国際批評家連盟賞受賞作。(協力:大阪アジアン映画祭) 10/23(火) 12:55 |
©MILES FILMS & MIZAN PRODUCTIONS | 『虹の兵士たち』 124分/インドネシア語/Color/2008年/インドネシア 監督/脚本:リリ・リザ プロデューサー/脚本:ミラ・レスマナ 脚本:サルマン・アリスト ライン・プロデューサー:トト・プラスティヤント 製作総指揮:バフティアル・ラフマン 製作総指揮:ハイダル・バギル 共同プロデューサー:プトゥッ・ウィジャナルコ 共同プロデューサー:ガンサル・スクリスノ アソシエイト・プロデューサー:アフェシナ・スブリ 撮影監督:ヤディ・スガンディ 出演:チュッ・ミニ、 ズルファニ、 フェルディアン、 フェリス、 イクラナガラ 小さな島の子どもたちと女性教師の交流を描く歴代トップの記録的大ヒット作。 1974年、南スマトラのブリトゥン島にあるイスラム小学校に10人の子どもたちが入学した。多くは貧しい家庭の子たちだが、クラスのリーダーをつとめる子、暗算が得意な子、ラジオを片時も手放さない子など、個性豊かな10人の児童を、新人女性教師ムスリマは「虹の兵士たち」と呼んで熱心に指導した。アンドレア・ヒラタの同名小説を映画化した本作は、貧しいなかでも明るく生きる子どもたちと若い女性教師の交流を描き、インドネシア映画で歴代トップの興行成績を上げる記録的ヒットとなった。(協力:福岡市総合図書館) 10/27(土) 11:30 |
©MILES FILMS & MIZAN PRODUCTIONS | 『夢追いかけて』 122分/インドネシア語/Color/2009年/インドネシア 監督/脚本:リリ・リザ プロデューサー/脚本:ミラ・レスマナ 共同プロデューサー:プトゥッ・ウィジャナルコ 共同プロデューサー:ガンサル・スクリスノ 共同プロデューサー:トト・プラスティヤント アソシエイト・プロデューサー:アフェシナ・スブリ 脚本:サルマン・アリスト 編集:W・イフワンディアルドノ 撮影監督:グナル・ニンプノ 美術監督:エロス・エフリン 出演:フィクリ・セプティアワン、 レンディ・アフマド、 アズウィル・フィトゥリアント、 ルクマン・サルディ、 マティアス・ムチュス 『虹の兵士たち』の続編。子どもたちは成長し、それぞれの夢に向かう。 『虹の兵士たち』の大ヒットを受けて作られた続編。鉱山労働者の息子イカル、父を亡くして孤児となったアライ、彼らの友人ジンブロンの3人の成長の軌跡が、1980年代の高校の下宿生活を中心につづられる。勉学とアルバイトに精を出す彼らのうち、アライはパリで学ぶ夢を持ち、その夢はいつしかイカルにも影響を与えていく。本作は青春映画であり、十代が普通に抱える問題を描いているが、リザ監督によれば「インドネシア全土で頻繁に発生している社会的不平等や不公正な富の配分を描いたものでもある」との由。(協力:福岡市総合図書館) 10/27(土) 14:50 |
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『ゴールデン・スランバーズ』 96分/クメール語、フランス語/Color/2011年/フランス=カンボジア 監督:ダヴィ・チュウ プロデューサー:ジャッキー・ゴルドベルグ 撮影監督:トマ・ファヴェル 音響:ヴァンサン・ヴィラ 編集:ローラン・ルヴヌール 音響/音楽:ジェローム・アレ 在仏カンボジア人監督が祖国のホラー映画史を発掘する貴重なドキュメンタリー。 "黄金のまどろみ"を意味し、ビートルズの曲も想起させるタイトルを持つ本作は、フランスに生まれたカンボジア系のダヴィ・チュウ監督が祖国の映画史を発掘していく貴重なドキュメンタリーである。1960~75年にかけて首都プノンペンは映画の都として東南アジアに君臨し、400本に達する映画が製作された。しかし75年にポル・ポト率いるクメール・ルージュが政権を握るとただちにそのほとんどが処分され、映画人もまた粛清された。現存するフィルムは30本といわれている。本作にはカナダに逃れた『怪奇ヘビ男』のティ・リム・クゥン監督も登場する。 10/20(土) 10:50 10/22(月) 10:20 |
©2011, Tea Lim Koun, All Rights Reserved | 『天女伝説プー・チュク・ソー』 110分/クメール語/Color/1967年/カンボジア 監督/脚本/撮影監督/編集:ティ・リム・クゥン 衣装/メイク:ティ・ミー・ラン 出演:チア・ユットゥン、 ディ・サヴェット、 モンドリン 地上に舞い降りた天女と純朴な農夫の青年が苦難を乗り越えて愛を育むが...。 お転婆な天女の4姉妹が地上へおりて遊んでいると、ふとしたきっかけで末っ子のプー・チュク・ソーだけがそのまま地上で7年間を過ごさねばならなくなってしまう。彼女は若い純朴な農夫ソンヴァットの家で働くことになり、やがてふたりは惹かれあうようになる。しかし悪徳地主のセテイがふたりの仲に横やりを入れ...。"クメール映画の父"と称されるティ・リム・クゥン監督が手掛けたフェアリー・テールの代表作。日本の羽衣伝説などとも響き合うストーリーが興味深い。ヒロインのディ・サヴェット、農夫役のチア・ユットゥンはともに当時のトップスター。 10/28(日) 11:30 |
©Tea Lim Koun, All Rights Reserved | 『怪奇ヘビ男』 164分/クメール語/Color/1970年/カンボジア 監督/脚本/撮影監督/編集:ティ・リム・クゥン 衣装/メイク:ティ・ミー・ラン 出演:モンドリン、 ディ・サヴェット、 サッシ・スボン、 チア・ユットゥン カンボジアでは誰もが知っているホラー黄金期の代表作。恐怖の展開に戦慄せよ! 夫のいる女性が大蛇と関係して身ごもるが、嫉妬に狂った夫によって剣で腹を切り裂かれ、あふれ出た大量のヘビも皆殺しにされる。しかし1匹のヘビが生存していた。やがて成長したヘビはハンサムな青年に変身して人間の社会に入り、美しい娘ソリーヤーと恋に落ちる。ところがソリーヤーの意地悪な継母が、娘の幸せを壊そうとして策略を練るのであった...。東南アジア全域で最もよく知られたカンボジア・ホラー黄金期の代表作。本作もまたソリーヤー役のディ・サヴェットと、ヘビ男役のチア・ユットゥンのトップスター共演作である。翌71年には続編が作られている。 10/28(日) 14:35 |
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