ペドロ・コスタ監督特集2010 ~『何も変えてはならない』公開記念~



現代フランス映画のミューズ、ジャンヌ・バリバールの音楽活動を類い稀なる美しい映像に捉えた新作『何も変えてはならない』のロードショー公開(7月31日)を記念して、ペドロ・コスタ監督作品の特集上映が行なわれる。東京における"コスタ祭り"は、つい先日行なわれた官能的な夜のライブ・パフォーマンスも記憶に新しい「ジャンヌ・バリバール特集」にして既に佳境に入った感するあるが、関連トークイベントも数多く予定されているこれから、更にクールにヒートアップしていくことだろう。そして、何よりも、スクリーンで見てこそ、その得難い体験を自分のものにできるペドロ・コスタ作品に流れる豊かな瞑想的な時間を、神話的世界への探求の旅を、臆面もない映画への愛を、是非ともこの機会に味わってほしい。
2010.7.8 update
Pedro Costa ペドロ・コスタ
1959年生まれ。リスボン大学、国立映画学校に学び、とりわけアントニオ・レイスに師事。卒業後、ボテリョ、モンテイロ、ヴェンダースらの作品にスタッフとして参加しつつ、1987年、短編作品『ジュリアへの手紙』を監督。最初の長編作品『血』を手がけたのち、パウロ・ブランコ製作の『溶岩の家』、『骨』を発表。制作に対するシステム、姿勢を転換した『ヴァンダの部屋』は、山形やロカルノを初めとする国際映画祭で多くの受賞をはたした。『骨』『ヴァンダの部屋』に続きフォンタイーニャス地区で撮影された『コロッサル・ユース』(2006)は、各国で高い評価を得た。最新作はフランス人女優ジャンヌ・バリバールの音楽活動を記録した『何も変えてはならない』(2009)。2010年7月日本での公開が決定

2010年7月24日(土)~7月30日(金)
会場・お問い合せ:ユーロスペース
料金:一般・大学・専門学生:1,300円、会員・シニア:1,000円、高校生:800円、中学生以下:500円
自由席・定員入替制/整理券制
※『何も変えてはならない』前売りご券持参の方は、1,000円に割引

リピーター特典あり! スタンプラリー開催
全5プログラムをご覧のお客様先着10名様に、ペドロ・コスタ監督サイン入り特製ポストカード3枚セット プレゼント!(先着10名限定) 

主催:シネマトリックス/ユーロスペース
協力:ペドロ・コスタ/アテネ・フランセ文化センター/ルゾムンド・アウディオヴィズアイス/コミュニティシネマ支援センター/
   全州国際映画祭

上映スケジュール
7月24日(土)
12:30

(94分)


14:40
ヴァンダの
部屋

(178分)

18:10
コロッサル・
ユース

(155分)

7月25日(日)
12:30
ヴァンダの
部屋

(178分)

16:20
短編集*1
(全57分)


18:00
あなたの微笑みはどこに隠れたの?
(102分)
7月26日(月)
12:30
コロッサル・
ユース

(155分)

15:20
ヴァンダの
部屋

(178分)

7月27日(火)
12:30
あなたの微笑みはどこに隠れたの?
(102分)
15:00
コロッサル・
ユース

(155分)

18:00
短編集*1
(全57分)


19:30
未公開短編上映+ペドロ・コスタトーク*2
7月28日(水)
12:30
短編集*1
(全57分)


13:40
ヴァンダの
部屋

(178分)

17:00
あなたの微笑みはどこに隠れたの?
(102分)
19:00

(94分)


7月29日(木)
12:30
ヴァンダの
部屋

(178分)

16:20
短編集*1
(全57分)


18:00
コロッサル・
ユース

(155分)

7月30日(金)
12:30
コロッサル・
ユース

(155分)

15:35
あなたの微笑みはどこに隠れたの?
(102分)
17:45
ヴァンダの
部屋

(178分)

*1 六つのバガテル(18分)、タラファル(16分)、うさぎ狩り(23分)
*2 7月27日(火)19:30の上映終了後、ペドロ・コスタ監督来館、トークイベントあり!(聞き手:佐々木敦【批評家・HEADZ代表】)


※各回入替制
※整理番号順入場
上映プログラム

『骨』
原題:Ossos
1997年/35ミリ/カラー/94分
監督・脚本/ペドロ・コスタ
出演/ヴァンダ・ドゥアルテ ヌーノ・ヴァス アリア・リプキナ 

リスボンのスラム街フォンタイーニャス地区で、苦しみもがく若者たちの生き様。地区の住人ヴァンダが役者として初めて登場する。
『ヴァンダの部屋』
原題:No Quarto da Vanda
2000年/35ミリ/カラー/178分
監督・撮影/ペドロ・コスタ
出演/ヴァンダ・ドゥアルテ ジータ・ドゥアルテ レナ・ドゥアルテ 

『骨』に続くフォンタイーニャス地区で、今回は少人数のスタッフにより、ヴァンダとその家族をじっと静かに見つめる。ヤクを吸うヴァンダが時に聖女と見紛う奇跡の映像。
『映画作家ストローブ=ユイレ/あなたの微笑みはどこに隠れたの?』
原題:Daniéle Huillet, Jean-Marie Straub cinéastes : Où gît votre sourire enfoui?
2001年/35ミリ/カラー/104分
監督・撮影/ペドロ・コスタ
出演/ジャン=マリー・ストローブ ダニエル・ユイレ 

映画作家の創作のプロセス・瞬間だけでなく、ときに滑稽でさえあるストローブ=ユイレ夫婦の物語や映画への愛が、膨大な議論や感情のやりとりを通じて描かれる。

『コロッサル・ユース』
原題:Colossal Youth / Juventude em marcha
2006年/ポルトガル・フランス・スイス/155分/35mm/カラー/1:1.33/ドルビーSRD
監督・撮影/ペドロ・コスタ
出演:ヴェントゥーラ、ヴァンダ・ドゥアルテ、ベアトリズ・ドゥアルテ、イザベル・カルドーゾ 

『骨』『ヴァンダの部屋』に続いて、リスボンのフォンタイーニャス地区を舞台に、カーポ・ヴェルデからの移民のひとりヴェントゥーラが新しい集合住宅と荒廃した貧民窟を行き来する。
魂の彷徨の物語。ヴァンダのその後も描かれる。

短編集

『六つのバガテル』

原題:6 Bagatelas
2002年/ビデオ/カラー/18分
監督/ペドロ・コスタ ティエリー・ルナス
出演/ジャン=マリー・ストローブ ダニエル・ユイレ

ストローブ=ユイレを撮影した6つの場面によって構成された嬉遊曲(ディヴェルティメント)。
『タラファル』
原題:Tarrafal
2007年/ビデオ/カラー/16分
監督/ペドロ・コスタ
出演/ヴェントゥーラ イザベル・カルドーゾ ヴァンダ・ドゥアルテ

ポルトガルによって建設された政治犯用の強制収容所が存在した土地タラファル(カーボ・ヴェルデ)をめぐって語られる土地と家族の運命。
『うさぎ狩り』
原題:The Rabbit Hunters
2007年/ビデオ/カラー/23分
◎全州国際映画祭"Jeonju Digital Project 2007"コラボレーション作品
監督・脚本/ペドロ・コスタ
出演/アルフレッド・メンデス ヴェントゥーラ ジョゼ=アルベルト・シルヴァ 

『コロッサル・ユース』のヴェントゥーラが語り部を演じ、この土地を巡る人間関係の過去と現在が交錯する。
<ペドロ・コスタ監督特集2010>関連情報

ペドロ・コスタ監督最新作
ジャンヌ・バリバール主演
『何も変えてはならない』 原題:ne change rien
2010年7月31日(土)より、ユーロスペースにてロードショー!
特別鑑賞券1,400円発売中!
www.cinematrix.jp/nechangerien
配給:シネマトリックス



ペドロ・コスタ DVD作品 絶賛発売中!
『コロッサル・ユース』
ペドロ・コスタ DVD-BOX
『血』/『溶岩の家』/『骨』
*単体売り順次開始
発売・販売:紀伊國屋書店
提供:シネマトリックス
『溶岩の家』スクラップ・ブック
予価:¥3,800(+税)
限定800部
発売・販売:シネマトリックス
ポルトガル現代美術展開催!
「the age of micro voyages -極小航海時代」
2010年6月19日(土)~8月1日(日)
女子美アートミュージアムにて
4名のポルトガル人作家ペドロ・コスタ、ジョアン・タバラ、ミゲール・パルマ、マリア・ルジターノ)の映像を展示。
ペドロ・コスタ・レクチャー 7月31日(土) 15:00‐16:30
会場:女子美術大学 相模原キャンパス2号館2階 224教室
お問い合わせ:女子美術大学 大学院GP Tel:042-778-6148
www.joshibi.net/outreach/gsgp/
「ポルトガル映画祭2010」開催決定!!
2010年9月17日(金)~10月3日(日)
東京国立近代美術館フィルムセンターにて
巨匠マヌエル・デ・オリヴェイラ監督の未公開作品『春の儀式』幻のジョアン=セザール・モンテイロ監督『黄色い家の記憶』、マルガリータ・コルデイロ+アントニオ・レイスによる『トラス・オス・モンテス』など見逃せない作品群を一挙上映!
お問合せ:コミュニティシネマセンター 050-3535-1573


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