ジャンヌ・バリバール+ペドロ・コスタ監督特集2011



東京の夜を、"映画"への愛と"現状"に対する怒り、親密であると同時に不穏な空気で満たしたペドロ・コスタ監督と女優ジャンヌ・バリバールが来日して一年を経た今、『何も変えてはならない』のDVD発売 と(待望の!)『溶岩の家』スクラップブック刊行を記念した特集上映が行なわれる。ペドロ・コスタ監督作品とジャンヌ・バリバールのライブ映像、そして、ダニエル・ユイレ亡き後のジャン=マリー・ストローブ単独名義の3作品を上映、静寂が支配する空間に耳を澄まし、暗闇が支配する映像に目を凝らし、スクリーンに映されるコスタ作品に埋没したい。いろいろあり過ぎる世間の喧噪からしばし離脱して、沈思黙考に浸りたい、そんな気分にぴったりな特集上映である。
2011.8.25 update
2011年8月27日(土)~9月8日(木)連日20:00より ※8月31日(水)休映
会場・お問い合せ:オーディトリウム渋谷
料金:一般・大学・専門学生:1,300円、会員・シニア:1,000円、高校生:800円、中学生以下:500円
自由席・定員入替制/整理券制
※この期間中の半券持参の方は、1,000円に割引(リピーター割引)

主催:オーディトリウム渋谷/カプリコンフィルム
協力:シネマトリックス/アテネ・フランセ文化センター/ペドロ・コスタ/ジャンヌ・バリバール/全州国際映画祭
上映スケジュール
8月27日(土)
20:00
何も変えてはならない
(103分)








8月28日(日)
20:00
六つのバガテル
(18分)
タラファル
(16分)
うさぎ狩り
(23分)
ジャンヌ・バリバールLIVE映像
(40分)
8月29日(月)
20:00
コロッサル・
ユース

(155分)








8月30日(火)
20:00
ヴァンダの
部屋
(178分)








8月31日(水)
休 映











9月1日(木)
20:00
何も変えてはならない
(103分)








9月2日(金)
20:00
映画作家ストローブ=ユイレ/
あなたの微笑はどこに隠れたの?

(104分)




9月3日(土)
20:00
六つのバガテル
(18分)
タラファル
(16分)
うさぎ狩り
(23分)
ジャンヌ・バリバールLIVE映像
(40分)
*トーク(予定)
9月4日(日)
20:00
アルテミスの膝
(26分)
魔女―女だけで
(21分)
おお至高の光
(17分)




9月5日(月)
20:00
何も変えてはならない
(103分)









9月6日(火)
20:00
ヴァンダの
部屋
(178分)









9月7日(水)
20:00
コロッサル・
ユース

(155分)









9月8日(木)
20:00
何も変えてはならない
(103分)









 
※トークゲストは後日、公式サイトで発表。変更の可能性があります。ご了承ください。
※各回入替制/整理番号順入場
上映プログラム

『ヴァンダの部屋』
原題:No Quarto da Vanda
2000年/ポルトガル・ドイツ・フランス/35ミリ/カラー/178分
監督・撮影/ペドロ・コスタ
出演/ヴァンダ・ドゥアルテ、ジータ・ドゥアルテ、レナ・ドゥアルテ 

『骨』に続くフォンタイーニャス地区で、今回は少人数のスタッフにより、ヴァンダとその家族をじっと静かに見つめる。ヤクを吸うヴァンダが時に聖女と見紛う奇跡の映像。
『映画作家ストローブ=ユイレ/あなたの微笑みはどこに隠れたの?』
原題:Daniéle Huillet, Jean-Marie Straub cinéastes : Où gît votre sourire enfoui?
2001年/フランス・ポルトガル/35ミリ/カラー/104分
監督・撮影/ペドロ・コスタ
出演/ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ 

映画作家の創作のプロセス・瞬間だけでなく、ときに滑稽でさえあるストローブ=ユイレ夫婦の物語や映画への愛が、膨大な議論や感情のやりとりを通じて描かれる。

『コロッサル・ユース』
原題:Colossal Youth / Juventude em marcha
2006年/ポルトガル・フランス・スイス/35ミリ/カラー/155分
監督・撮影/ペドロ・コスタ
出演/ヴェントゥーラ、ヴァンダ・ドゥアルテ、ベアトリズ・ドゥアルテ、イザベル・カルドーゾ 

『骨』『ヴァンダの部屋』に続いて、リスボンのフォンタイーニャス地区を舞台に、カーボ・ヴェルデからの移民のひとりヴェントゥーラが新しい集合住宅と荒廃した貧民窟を行き来する、魂の彷徨の物語。ヴァンダのその後も描かれる。

『何も変えてはならない』
原題:Ne change rien
2009 年/ポルトガル・フランス/35ミリ/カラー/103分
監督・撮影/ペドロ・コスタ
音楽/ピエール・アルフェリ、ロドルフ・ビュルジェ、ジャック・オッフェンバック
出演/ジャンヌ・バリバール、ロドルフ・ビュルジェ、エルヴェ・ルース、アルノー・ディテルラン

フランス人女優ジャンヌ・バリバールの歌手活動を記録した音楽ドキュメンタリー。ライブリハーサルやアルバムレコーディング、ロックコンサートや歌のレッスンなどを通じて、ひとりの女優の持つ様々な表情を、ペドロ・コスタがモノクロの美しく力強い映像で見事に捉える。 




短編集

『六つのバガテル』

原題:6 Bagatelas
2002年/ビデオ/カラー/18分
監督/ペドロ・コスタ、ティエリー・ルナス
出演/ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ

ストローブ=ユイレを撮影した6つの場面によって構成された嬉遊曲(ディヴェルティメント)。
『タラファル』
原題:Tarrafal
2007年/ビデオ/カラー/16分
監督/ペドロ・コスタ
出演/ヴェントゥーラ、イザベル・カルドーゾ、ヴァンダ・ドゥアルテ

ポルトガルによって建設された政治犯用の強制収容所が存在した土地タラファル(カーボ・ヴェルデ)をめぐって語られる土地と家族の運命。
『うさぎ狩り』
原題:The Rabbit Hunters
2007年/ビデオ/カラー/23分
◎全州国際映画祭"Jeonju Digital Project 2007"コラボレーション作品
監督・脚本/ペドロ・コスタ
出演/アルフレッド・メンデス、ヴェントゥーラ、ジョゼ=アルベルト・シルヴァ 

『コロッサル・ユース』のヴェントゥーラが語り部を演じ、この土地を巡る人間関係の過去と現在が交錯する。
【特別上映作品】
ジャン=マリー・ストローブ集

『アルテミスの膝』
原題:Il Ginocchio di Artemide/Le Genou d'Artemide
2007年/35ミリ/カラー/26分

「レウコとの対話」の1篇、エンデュミオンと見知らぬ者の対話「野獣」の映画化。監督名義はストローブ単独である。パヴェーゼ生誕100周年の2008年に公開予定だったが、2009年に延期された。出演は『あの彼らの出会い』のダリオ・マルコンチーニとアンドレア・バッチ。
『魔女―女だけで』
原題:Le streghe, femmes entre elles
2009年/35ミリ/カラー/21分

「レウコとの対話」の1篇、魔女キルケーと女神レウコテアーの対話「魔女」の映画化。仏語題「女だけで」は同じパヴェーゼ原作のアントニオーニ『女ともだち』(1955)の仏語題。ジョヴァンナ・ダッディ、ジョヴァネッラ・ジュリアーニ出演。
『おお至高の光』
原題:O somma luce
2009年/ビデオ/カラー/17分

ダンテ「神曲」天国篇・最終第33歌、第67節「おお至高の光」から最後までを、ジョルジョ・パッセローネが朗読する。冒頭の黒味にシェルヒェン指揮、エドガー・ヴァレーズ「砂漠」初演ライブ演奏(1954)が流れる。
【参考上映作品】

ジャンヌ・バリバールLIVE/June 25 2010
2011年/ビデオ/カラー/40分
撮影:鈴木親、大石規湖、寺岡ユウジ
編集:寺岡ユウジ
企画:吉川正文
制作:カプリコンフィルム
協力:東京日仏学院、シネマトリックス、映画美学校、オーディトリウム渋谷

2010年6月に東京で行われたジャンヌ・バリバールのライブの模様を3人のカメラマンが撮影、それらを再構成した映像を上映。今回限りの上映。(※ペドロ・コスタ監督作品ではありません)
Casa de Pedro展 開催!
8月20日(土)~9月4日(日)
会場:Bibliotheque(ビブリオテック)B2Fギャラリー(入場無料)
日時:火~日曜 12:00~20:00(日祝18:00まで) Tel:03‐3408‐9482
会場にて「Casa de Lava-『溶岩の家』スクラップブック」を先行販売いたします。
http://www.superedition.co.jp/biblio/event/2011/0820.html
Casa de Lava『溶岩の家』スクラップブック
A5判本文 142p[カラー]+インタビュー・リーフレット32p
定価 3,800円[税別] 限定800部 発行:シネマトリックス

ポルトガルの鬼才ペドロ・コスタによる、1994年の作品『溶岩の家』(原題Casa de Lava)。長篇2作目にして傑出した才能を世界に見せつけることになるこの作品を撮影するために、35歳の映画作家は大西洋の島カーボ・ヴェルデを訪れる。制作の準備過程で見た、読んだ、思いついたさまざまなアイディアとイメージを、彼はシナリオではなく、一冊のスクラップ・ブックとして纏める。絵画、映画のスティル、手紙、新聞記事、落書き、小説の引用、絵葉書、台詞の抜粋、スナップショット。それらのコラージュによって埋め尽くされ、ぼろぼろとなった緑色の表紙のノートが、ペドロ・コスタを「映画」へと導いた―。映画『溶岩の家』と一対をなす、もうひとつの『溶岩の家』。コスタ所有のオリジナルをフルカラーで完全再現し、語り下ろしインタビューをバンドル。ファン必携アイテム。手製本による特殊造本、800部限定。

『何も変えてはならない』DVD 2011年8月27日発売!
愛を歌う、美しく生きる
ペドロ・コスタ+ジャンヌ・バリバール ふたつの魂が響きあう軌跡のコラボレーション
(特典)ジャンヌ・バリバールLIVE/June 25 2010(抜粋・カラー)
定価¥5,040(税抜価格¥4,800) KKDS-626
発売元:CINEmacguffin 販売元:株式会社紀伊國屋書店 提供:シネマトリックス
http://forest.kinokuniya.co.jp/ItemIntro/673181


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なお、ご投稿頂いたものを掲載するか否かの判断については、
OUTSIDE IN TOKYO 編集部の判断に一任頂きますので、ご了承ください。





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