フレンチ・フィーメイル・ニューウェーブ



「フレンチ・フィーメイル・ニューウェーブ」と称して公開される、フランス女性監督の3作品を、仮にフランス国旗のトリコロールに喩えるなら、ミア・ハンセン=ラブの『グッバイ・ファーストラブ』は、監督が十代の頃に経験した初恋をモチーフにしていることと、主演のローラ・クレトンが着ているシャツの印象から、情熱と受難の"赤"、ジュリー・デルピーの『スカイラブ』は、ブルターニュの見事の自然光の輝きと、かつてキェシロフスキの『トリコロール/白の愛』(94)に主演したデルピー監督作品であるから、眩しく光輝く"白"、エリーズ・ジラールの『ベルヴィル・トーキョー』は、グレーなパリの街を舞台に展開する、哀しくもあり、可笑しくもある、勇気あるシネフィル女子の泣かせる物語だから、ブルースの"青"だろうか。3つの作品が、それぞれの輝き方をしている珠玉の3作品、是非とも劇場でお見逃しなきよう!
(上原輝樹)
2013.3.22 update



フランス女性監督特集  2012.3.1 update

「グッバイ・ファーストラブ」「スカイラブ」「ベルヴィル・トーキョー」
3月30日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムにて3作品同時、限定ロードショー! 後、全国順次公開
会場:渋谷 シアター・イメージフォーラム 
料金:一般 1,800円 / 学生 1,500円 / シニア・会員 1,000円
特別鑑賞券:1回券 1,500円 / 3回券 3,000円 

公式サイト:http://mermaidfilms.co.jp/ffnw/
上映スケジュール
3月30日(土)〜
4月5日(金)
11:30
グッバイ・
ファーストラブ

(110分)
14:00
スカイラブ
(113分)

16:30
ベルヴィル・
トーキョー

(75分)
19:00
グッバイ・
ファーストラブ

(110分)
4月6日(土)〜
12日(金)
11:30
スカイラブ
(113分)

14:00
ベルヴィル・
トーキョー

(75分)
16:30
グッバイ・
ファーストラブ

(110分)
19:00
スカイラブ
(113分)

4月13日(土)〜
19日(金)
11:30
ベルヴィル・
トーキョー

(75分)
14:00
グッバイ・
ファーストラブ

(110分)
16:30
スカイラブ
(113分)

19:00
ベルヴィル・
トーキョー

(75分)
4月20日(土)〜
26日(金)
11:30
スカイラブ
(113分)

14:00
ベルヴィル・
トーキョー

(75分)
16:30
グッバイ・
ファーストラブ

(110分)
19:00
スカイラブ
(113分)

4月27日(土)〜
5月3日(金)
11:30
グッバイ・
ファーストラブ

(110分)
14:00
スカイラブ
(113分)

16:30
グッバイ・
ファーストラブ

(110分)
19:00
ベルヴィル・
トーキョー

(75分)
5月4日(土)〜
10日(金)
11:30
ベルヴィル・
トーキョー

(75分)
14:00
グッバイ・
ファーストラブ

(110分)
16:30
スカイラブ
(113分)

19:00
グッバイ・
ファーストラブ

(110分)
上映プログラム

©Paolo Woods
『グッバイ・ファーストラブ』
2011年/110分/カラー/35mm
監督・脚本:ミア・ハンセン=ラブ
出演:ローラ・クレトン、セバスティアン・ウルゼンドルフスキー 

監督自身が10代のころに経験した初恋をモチーフに描かれたみずみずしい青春映画。真夏の南仏で燃え上がった2人の恋もヴァカンスの終わりと共に色褪せて...。別々の人生を歩み始めたはずなのに、なぜか彼女の心は彼の面影を求めてしまう。精神と肉体の微妙なバランスの中で揺れ動く多感な少女が大人への階段を登り始める瞬間を美しくとらえた傑作。
ミア・ハンセン=ラブ
1981年生まれ。オリヴェエ・アサイヤス監督の『8月の終わり、9月の初め』で女優デビューを果たす。国立高等演劇学校で演技について学び、やがて映画雑誌「カイエ・デュ・シネマ」で批評活動を始める。2007年、初長編作品『すべてが許される』を発表し、続く2作目『あの夏の子供たち』はカンヌ国際映画祭<ある視点>部門で審査員特別賞を受賞している。
『スカイラブ』
2011年/113分/カラー/デジタル
監督・脚本:ジュリー・デルピー
出演:ジュリー・デルピー、ベルナデット・ラフォン、エマニュエル・リヴァ 

1979年のブルターニュ地方を舞台にしたちょっとおかしな大家族の物語。祖母の誕生日に集った親戚たちの繰り広げる人生模様が少女の視点を通して描かれた陽気な群像劇は、監督ジュリーの子供時代のファッションや音楽、印象的なエピソードの積み重ね、緻密なキャラクター造形による本作は、群像劇のい巨匠ロバート・アルトマンの作品を想起させる意欲作。
ジュリー・デルピー
1969年生まれ。舞台俳優の両親のもと幼少時より映画に出演。1980年代半ばにジャン・リュック=ゴダール監督の『ゴダールの探偵』、レオス・カラックス監督の『汚れた血』といった話題作への出演で注目を浴びる。その後ニューヨークに渡り、演技と監督術を学び、1996年リチャード・リンクレイター監督の傑作ラブストーリー『恋人までの距離(ディスタンス)』で世界的なスターに。2007年『パリ、恋人たちの2日間』の監督・脚本・出演をこなし、ベルリン国際映画祭で絶賛される。
『ベルヴィル・トーキョー』
2011年/75分/カラー/デジタル
監督・脚本:エリーズ・ジラール
出演:ヴァレリー・ドンゼッリ、ジェレミー・エルカイム 

『わたしたちの宣戦布告』('11)で監督・主演二役を兼ね、フランス映画界の新星として話題騒然のヴァレリー・ドンゼッリ主演作。妊娠時期をシングルで過ごし情緒不安定な妻と、父親になることをなかなか受け入れられない夫のすれ違いを巧みな演出で描いた切ないラブストーリーは、監督の実体験をベースにしたもの。ヨーロッパを代表する名キャメラマン、レナート・ベルタの硬質な映像でとらえられたパリの淋しい風景が心にしみる1本。
エリーズ・ジラール
1974年生まれ。アニエス・ヴァルダ監督の傑作『5時から7時までのクレオ』を修士論文のテーマにしてソルボンヌ大学を卒業後、演劇学校で学ぶ。エリック・ロシャン、モーリス・ピアラ等の作品に端役で出演。1997年からパリのカルチェラタンにあるシネフィルの殿堂<シネマ・アクション>系列の映画館で広報を担当。やがて映画業界をテーマにしたドキュメンタリーを2本製作する。本作は初の長篇劇映画。


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