NO NAME FILMS



「無名」というわりには、諏訪敦彦、塩田明彦、柴田剛といった名だたる監督陣がトークショーに登壇し、柄本佑、麿赤兒、利重剛、鈴木卓爾といったスクリーンで慣れ親しんだ俳優陣も出演する短編映画プログラム「NO NAME FILMS」の監督陣は、海外や日本の映画祭で受賞経験を持つ俊英が揃う。「NO NAME FILMS」に続いてレイトショー公開される伊月肇監督の『-×-』(マイナス・カケル・マイナス)も、諏訪監督が絶賛する等、何やらとても前評判が良い。
2011.11.17 update



11月19日(土)〜12月2日(金)連日21:00~ 2週間限定レイトショー!
会場:渋谷・ユーロスペース
料金:当日 1,500円、前売り 1,200円、大学・専門学校生 1,300円、シニア・会員 1,200円
公式サイト http://nonamefilms2011.com/

*NO NAME割
監督と同じ名字の方(阿部、伊月、片岡、木村、小林、高橋、田崎、廣原、マクフェイ、山川、吉野)は、当日でも前売り料金でご鑑賞頂けます。窓口でお名前がわかるもの(免許証、保険証等)をご提示ください。 

*「-×-」割
「NO NAME FILMS」参加の伊月肇監督長編デビュー作「-×-」で「NO NAME FILMS」チケットの半券をご提示頂くと、当日でも前売り料金でご鑑賞頂けます。

上映スケジュール
11月19日(土)
21:00
Aプログラム
(75分)
Aプログラム監督6名
(吉野、廣原、伊月、阿部・高橋、マクフェイ)、舞台挨拶
 
11月20日(日)
21:00
Bプログラム
(75分)
Bプログラム監督5名
(片岡、山川、木村、小林、田崎)、舞台挨拶


11月21日(月)
21:00
Aプログラム
(75分)
阿部・高橋DAY:
アベタカハシのごっつええ感じ(漫才)



11月22日(火)
21:00
Bプログラム
(75分)
木村DAY:
木村監督トークイベント(ゲスト 塩田明彦監督)



11月23日(水)
21:00
Aプログラム
(75分)
伊月DAY:
伊月監督トークイベント(ゲスト 柴田剛監督、向井康介(脚本家))

11月24日(木)
21:00
Bプログラム
(75分)
山川DAY:
山川監督作品『あんたの家』上映




11月25日(金)
21:00
Aプログラム
(75分)
マクフェイDAY:
内容未定





11月26日(土)
21:00
Bプログラム
(75分)
Bプログラムイベント 







11月27日(日)
21:00
Aプログラム
(75分)
Aプログラム監督6名
(吉野、廣原、伊月、阿部・高橋、マクフェイ)、トークイベント(ゲスト 諏訪敦彦監督)
11月28日(月)
21:00
Bプログラム
(75分)
田崎DAY:
田崎監督トークイベント(ゲスト未定)





11月29日(火)
21:00
Aプログラム
(75分)
吉野DAY:
内容未定








11月30日(水)
21:00
Bプログラム
(75分)
片岡DAY:
片岡監督最新作『party』上映






12月1日(木)
21:00
Aプログラム
(75分)
廣原DAY:
内容未定








12月2日(金)
21:00
Bプログラム
(75分)
小林DAY:
小林監督最新作『センチメンタルムード』上映





※各日A or Bプログラム上映(75分)。その後イベント(45分)を続けて開催します。
上映プログラム
Aプログラム

『日曜大工のすすめ』
監督・脚本・編集:吉野耕平
プロデューサー:安永豊
出演:池口十兵衛、小林麻子
 

現実の延長線にあるリアルな「狂気」。幻想を交えて描く、予測不能な現代の寓話。
週末ごとに「日曜大工」に励む男。淡々とこなす大工仕事で、日々のストレスを洗い流していく。そんなある日、「日曜大工をはじめたい」と、女が現れる。男は嬉々としてその技術と精神を教えるが、女の本当の目的は別にあった・・・。木と、鉄と、人の手と、人の心から生まれる物語を、現実と幻想を織り交ぜて描く。 

監督:吉野耕平
2000年より映像制作を開始。CG・アニメーション・実写映画等をジャンルを問わず制作。広告代理店を経てディレクターへ。広告・アニメーションからVJまで、活動の場を広げている。主な受賞歴、ぴあフィルムフェスティバル(00年、02年、04年)。文化庁メディア芸術祭(10年)審査員推薦作品、他。
「日曜大工のすすめ」が本年度釜山国際映画祭コンペティション部門に選出。
『遠くはなれて』
監督・脚本:廣原暁
プロデューサー:根本佳美
出演:藤川史人、泉光典、真砂豪、池田将
 

静かな「葛藤」と「選択」。心の奥底に、波風が立つ。
無気力で行き当たりばったりの生活を続ける藤川。ある日、同僚と口論になり、車から叩き出された藤川は全く知らない街に置き去りにされる。そこで一匹のヤギと出会うのだが、そのヤギは研究機関のヤギで・・・。観る者の想像力を逆に利用した、確かな演出力にも注目。 

監督:廣原暁
1986年、東京都出身。2009年、武蔵野美術大学映像学科卒業。同年、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻監督領域入学。
主な監督作品に「世界グッドモーニング!!」(09)(第12回京都国際学生映画祭、準グランプリ・観客賞、第32回PFF審査員特別賞、第29回バンクーバー国際映画祭Dragons & Tigers Award for Young Cinema受賞)
『トビラを開くのは誰?』
監督・脚本・編集:伊月肇
プロデューサー:柴田啓佑
出演:鈴木知憲、優恵、玉置稔、杉本神伊、橋野純平 


少年のゆれる心情と、幻想的な世界が、鮮やかにシンクロしてゆく。
母と病院へ向かうバスに乗る10歳の少年「光」。退屈しのぎに風船で遊ぶ光は、車内で不思議な体験をする。そんな光が病院に到着して見たものは?「この世」と「あの世」の狭間に生じる関係性の歪みを、物語の魅力に変換していく巧みな演出が秀逸。 

監督:伊月肇
1980年生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。大学在学中に山下敦弘監督作品『ばかのハコ船』にスタッフとして参加。
映像制作会社退社後、自主映画制作を行う。
2010年、初長編作品『-×-』(マイナス・カケル・マイナス)がローマ国際映画祭に正式招待される。
『ニューキッズオンザゲリラ』
監督・脚本:阿部綾織
監督・撮影:高橋那月
プロデューサー:渡辺直樹
出演:柄本 佑、齋藤浩太、田村律子、持田加奈子 


それは愛なのか?・・・たぶん、きっと、愛でいい。
昼間はタクシードライバー、夜は娼夫の顔を持つ同性愛者のステラ。ある日、ステラは女の死体を抱えたヤクザ風の男、我妻に出会う。彼は自分と同じ様に寂しさにまみれた男であった。
過激で奇妙な情景描写の中で、繊細でせつない心理描写が光る。絶望の淵にある唯一の希望を目撃せよ。 

監督:阿部綾織、高橋那月
共に東京造形大学造形学部美術学科に入学。油絵専攻であるが映画制作に興味を持ち意気投合。二人の処女長編作品『サンディの水槽』(08)を作っていく中で映画制作への意欲が高まり、2007年には同居をしながら共同制作を本格化していく。10年には未発表作だった『白昼のイカロス』(09)が第32回ぴあフィルムフェスティバルに入選し審査員特別賞を受賞、バンクーバー国際映画祭ドラゴン&タイガー賞にノミネートされる。
『バーニングハーツ』
監督:ジェームス・マクフェイ
プロデューサー:花岡敏夫
出演:市山英貴、アンナ・シュバック、ジェス・マッコール、ローリー・スチュアート
 

もはや言葉はいらない!常識を超えた映像のカタルシス。
生きる甲斐をなくしたタクシードライバーのカズ。自信をなくし、孤独で弱りきっているモデルのエル。
ある日、尾行されていることに気付いたエルが、カズの運転するタクシーに逃げ込み・・・。
独創的な世界観と新世代のアクションで、あなたの「常識」を揺さぶる。右脳を、フル稼働して見よ。 

監督:ジェームス・マクフェイ
オーストラリア出身。日本でモデル業をする傍らミュージックビデオ等の映像制作を精力的に手がける。自ら立ち上げたBeaufortの原動力であり、Bag Raiders や Pomomofo 等のオーストラリア人アーティストのために草分け的予算ゼロのミュージックビデオを手がける。自身で脚本、監督、音楽制作、俳優をこなし2009年には日本でモデルとして働く自らの経験を活かし、日本で働くモデルの孤独と葛藤を描いた Beaufort初の長編映画「Tiger」を発表した。
Bプログラム

『ぬくぬくの木』
監督・脚本・編集・美術:片岡翔
プロデューサー:和田有啓
出演:小野ゆり子、麿 赤兒、草村礼子、南 まりか、鈴木卓爾 


「過ち」と「赦し」。2つの運命が交差する時、答えの出ない感情が心に迫る。
思い出のつまったぬいぐるみを木に結び、供養をする神社。巫女の「はりこ」はそんな小さな神社の一人娘。ある日、若い女が赤ちゃんの入ったボストンバッグを置いて去っていく。非情な運命が交錯する人間ドラマを、鮮やかな心理描写で紡いでゆく。 

監督:片岡翔
1982年札幌市出身。ショートショートフィルムフェスティバルにて2009年から三年連続で観客賞を受賞し、本年は『SiRoKuMa』がSTOP!温暖化部門で3冠を獲得。
近作『くらげくん』は、第32回ぴあフィルムフェスティバルで準グランプリを受賞したほか、7つの映画祭のグランプリを含む13冠を達成。
その後、経済産業省の支援を受け、本作『ぬくぬくの木』と『Lieland』の二作品を制作。また、佐藤佐吉監督作品『Miss Boys!』の脚本を担当したほか、多数の長編脚本を手掛けながら、現在自身の長編作品を準備中。
『路上』
監督・脚本・編集:山川公平
プロデューサー:田口稔
出演:平岡秀幸、カイ、ハナ、ヴィクトリア・ゾーリー、岩佐好益、谷口高史 


迷子の子どもとホームレスの交流を通して描く、現代社会へのさりげない問題提起。
日本に観光にやってきたトミーは、ママとはぐれ迷子になる。やっとの思いで、ママに繋がった電話。
しかし目の前で手売りされている雑誌『ビッグ・ビルド』を目印だと伝えてしまい・・・。モノクロ映像と異国の視点により、見慣れた日本に潜む貧困や希薄になった人と人の絆など、社会問題をあぶりだしてゆく。 

監督:山川公平
1982新潟県生まれ。高校卒業後陸上自衛隊に入隊。その後、大阪芸術大学短期大学部経営デザイン学科修了後、映像学科へ編入する。
2008年に初監督作品『あんたの家』を製作し、第32回ぴあフィルムフェスティバルにてグランプリを受賞。第23回東京国際映画祭・ある視点部門、ロッテルダム国際映画祭2010フォーラム部門へ正式出品。
2010年『田村どの佐久間どの』(自主制作・水戸短編映像祭セレクション企画)を池袋シネマ・ロサにて上映。他、ミュージックビデオ、企業ビデオを制作。
『わたしたちがうたうとき』
監督・脚本:木村有理子
プロデューサー:田中深雪
出演:増田璃子、宇野愛海、利重剛、鈴木卓爾、川崎桜 


笑い、傷つき、悩む。振り子のように揺れる少女の「心」。
外見も歌声も似たさやかと輝夏。放課後の音楽室で偶然に合唱することで気持ちを通じ合わせる。
ある日、さやかは、精神科医の父親の患者が持つ停滞感と社会性の無さに、強い印象を受ける。
しかしその患者は、実は輝夏の父親で・・・。思春期の少女が持つ痛々しくも瑞々しい関係を描いた作品。 

監督:木村有理子
慶応義塾大学環境情報学部メディアアート専攻卒業。イメージフォーラム、映画美学校をへて、角川映画にて制作を担当。現在は映像制作をしながら「映画芸術」や「ユリイカ」などに映画評を寄稿。
主な作品に『10年の後、冬』(1997年 イメージフォーラム映像研究所特待生選出)、『犬を撃つ』(2000年カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門門正式出品)、『daughters』(2008年渋谷ユーロスペース上映)、『なつめ』(2010年札幌国際短編映画祭招待作品)がある。少女たちを描いたドキュメンタリー作品がこの冬完成予定。
© 2011 東京プレイボーイクラブ
『閑古鳥が泣いてたら』
監督・脚本・編集:小林岳
プロデューサー:宮地慶
出演:栗橋勇、前田亜季、亀山スーザン久美子 


顔も悪けりゃ頭も悪い、惨めな男の心意気。
とある喫茶店のマスター小林晃。経営不振により閉店するかもしれないと、小林はアルバイトの中村有紀に伝える。すると中村は誰かと電話で話しこみ、途端に店を飛び出していく。
マヌケで滑稽な中年男の清々しさを、細かく、丁寧な人間描写でみせていく。 

監督:小林岳
1986年生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部放送学科に入学し、映画制作を始める。映像制作団体『三代川達』にてワタナベカズキ監督や、頃安祐良監督ら先輩たちのお世話になる。卒業後は奥田庸介監督率いる『映画蛮族』に参加し、『青春墓場~明日と一緒に歩くのだ~』などに撮影として携わる。卒業制作として自身で監督した『真っ赤な嘘』が第32回ぴあフィルムフェスティバルにて映画ファン賞を受賞。
『ふたつのウーテル』
監督・脚本:田崎恵美
プロデューサー:西野智也
出演:水口早香、澤田栄一 


ぶつかり、つながる、姉弟の絆。2011年カンヌが選んだショートストーリー
母親を亡くした姉は、トラックで自分を捨てた父に会いにいく。父親を見捨てた弟は、あてもなく家を飛び出す。偶然出会った異母姉弟の、二昼夜のドライブ。抑えた演出が、重なる二つの心を鮮やかに描き出す。2011年カンヌ国際映画祭・短編コンペティション部門正式出品作品。 

監督:田崎恵美
1987年大阪生まれ。お茶の水女子大学文教育学部の学生であるかたわら、2007年より早稲田大学映画研究会に所属し、自主制作映画の監督も務める。
監督第三作『アンナと二階の部屋』(09)で第3回TOHOシネマズ学生映画祭ショートフィルム部門グランプリ、及び第32回ぴあフィルムフェスティバルのエンタテインメント賞、同企画賞を受賞。
他の主な作品に『ハイランド』(09)(第22回東京学生映画祭グランプリ、第22回早稲田映画まつりグランプリ)などがある。
【関連作品情報】

『-×-』(マイナス・カケル・マイナス)
製作・監督・脚本・編集:伊月肇
制作・共同脚本・音響効果:松野泉
撮影:高木風太
照明:浅川周
助監督:桝井孝則
出演:澤田俊輔、寿美菜子、長宗我部陽子、大島正華

『トビラを開くのは誰?』で『NO NAME FILMS』に参加している伊月肇監督の最新作『-×-』が、ユーロスペースに続けて登場。
短編でも垣間見えた巧みな構成、演出力が冴えわたる長編劇場デビュー作を是非ご覧ください。

2003年、イラク戦争開戦までの3日間。大阪郊外を舞台に、タクシードライバーと女子中学生、それぞれの平穏な日常にさざ波が立ち始める。
動き始めた2つの物語が、偶然に繋がり、すれ違う様を静謐に描き出す、喪失と希望の物語。

「NO NAME FILMS」に続いて、12月3日(土)よりユーロスペースにてレイトショー
公式サイト http://www.mainasu-kakeru-mainasu.com/


NO NAME FILMSについて、皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。
なお、ご投稿頂いたものを掲載するか否かの判断については、
OUTSIDE IN TOKYO 編集部の判断に一任頂きますので、ご了承ください。





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