
2013.11.1 update |
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上映プログラム 【コンペティション】 |
![]() | 『若さ』(YOUTH / Youth) イスラエル、ドイツ / 2013 / 107分 監督:トム・ショヴァル テルアビブの衛星都市ペタ・ティクバに暮らす兄弟、ヤキとシャウル。父親が職を失い、重苦しい空気が家族を覆う中、18歳になって兵役についたヤキは初めて銃を手にして巡回の任務につく。一方、シャウルは美しい少女の後をつけ、撮影した少女の映像を携帯でヤキに送る。ある日、二人は少女を誘拐して小部屋に監禁し、少女の家族に身代金を要求する。だが、彼らはその日が"シャバト"であることを忘れていた。正統派ユダヤ教徒である少女の家族は電話をとることをしない。時間は刻々と過ぎてゆく......。経済格差、兵役、宗教など現代イスラエルが抱える様々な問題をあぶり出す監督デビュー作。ベルリン映画祭パノラマ部門で上映された。 11/23(土・祝) 21:20 11/25(月) 15:00 |
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![]() | 『花咲くころ』(In Bloom / Grzeli nateli dgeebi) グルジア、ドイツ、フランス / 2013 / 102分 監督:ナナ・エクチミシヴィリ、ジーモン・グロス 1990年代初頭。ソ連の解体後、独立を達成したものの、内戦による不安定な空気に包まれていたグルジアのトビリシ。主人公は14歳になったばかりのナティアとエカ。父親の不在のうちに育ったエカは、母親と姉の干渉に反発を感じている。一方、ナティアの家庭はアル中の父親のために険悪な状態に追い込まれている。ある日、ナティアは一人の少年から銃弾が入ったピストルを渡される。それは家庭からも学校からも疎外された二人の少女たちの運命を変える事件の発端であった......。不安な時代の中で成長する少女たちを瑞々しく描き、グルジア映画の新世代を予感させる監督デビュー作。ベルリン映画祭フォーラム部門で上映され、国際アートシアター連盟賞(CICAE賞)を受賞した。 11/26(火) 21:20 11/28(木) 15:30 |
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![]() | 『ハーモニー・レッスン』(Harmony Lessons / Uroki Garmonii) カザフスタン、ドイツ、フランス / 2013 / 115分 監督:エミール・バイガジン カザフスタンの村に暮らす13歳の少年アスランは、学校の身体測定の最中に多くの生徒たちの前で侮辱を受ける。それ以来、アスランは自分の周囲を完璧にコントロールすべきという潔癖性にとらわれるようになる。一方、学校では犯罪組織とつながりのある生徒による脅しやいじめが横行していた。アスランはそのような行為に反発するが、それは彼を更なる窮地に陥れることになる......。ブレッソンを思わせる禁欲的なスタイルが全編に貫かれ、少年期におけるモラル、暴力、等々のテーマを投げかける作品。カザフ・ニューウェーブの伝統を引き継ぎつつ、新たな領域に達した新人監督の誕生と言えるだろう。ベルリン映画祭でその撮影に対して芸術貢献賞を受賞した。 11/24(日) 21:20 11/26(火) 15:10 |
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![]() | 『カラオケ・ガール』(Karaoke Girl / SAO KARAOKE) タイ、アメリカ / 2012 / 77分 監督:ウィッサラー・ウィチットワータカーン ウィッサラー・ウィチットワータカーンの監督デビュー作『カラオケ・ガール』は、ナイトクラブでホステスとして実際に働いていた女性を主役に起用し、彼女の日常生活をフィクションとドキュメンタリーを交えて描いた作品である。田舎の村で育ち、15歳の年に都会に出稼ぎにやって来たサー。3年間工場で働いた後、彼女は田舎の家族を養う唯一の手段として、夜の世界に身を投じた。ウィチットワータカーンは数週間をサーとともに過ごし、姉妹のような関係を築いた後、脚本の執筆を開始したという。久しぶりに故郷の村に戻ったサーが都会で働いていた時とは全く異なる表情を見せる瞬間が感動的だ。ロッテルダム映画祭コンペティションで上映。 11/24(日) 12:40 11/27(水) 12:30 |
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![]() | 『ILO ILO(英題)』(ILO ILO /爸媽不在家) シンガポール / 2013 / 99分 監督:アンソニー・チェン 配給:アステア 1997年、アジア通貨危機の影響下にあるシンガポール。フィリピン人のテレサが住み込みのメイドとしてある家庭に雇われる。夫婦が共働きでほとんど家にいない中、テレサは学校で問題ばかり起こしている一人息子のジャールーと多くの時間を過ごす。最初はなつかなかったジャールーも次第にテレサに心を開き、二人の間に家族にも似た関係が築かれる。だが、ある日、夫が突然リストラされ、それはテレサの運命をも左右する......。カンヌ映画祭でカメラ・ドール(最優秀新人監督賞)を受賞した『ILO ILO』は脚本、演出、撮影、編集などあらゆる点で驚くべき完成度を見せる監督デビュー作だ。テレサ役を演じたアンジェリ・バヤニはラヴ・ディアス作品で知られる女優である。 11/26(火) 18:40 |
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![]() | 『トランジット』(Transit / Transit) フィリピン / 2013 / 92分 監督:ハンナ・エスピア イスラエルのヘルツリヤで働くフィリピン人労働者モイゼスが息子の4歳の誕生日を祝うためにテルアビブのアパートに戻ってくる。その日、モイゼスと隣人のフィリピン人女性ジャネットは、イスラエル政府の移民政策の変更により、外国人労働者の子供たちが強制送還されることになったことを知る。モイゼスとジャネットはそれぞれの子供たちの存在を隠そうと画策するが......。フィリピンのインディー映画の登竜門として知られるシネマラヤ映画祭で最優秀作品賞を初めとする数々の賞に輝いたハンナ・エスピアの監督デビュー作『トランジット』は、イスラエルの外国人労働者という興味深い題材にスポットを当てた作品だ。俳優たちの演技のアンサンブルも見事である。 11/25(月) 21:20 11/27(水) 15:30 |
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![]() | 『夏休みの宿題』(A Time in Quchi / 暑假作業) 台湾 / 2013 / 109分 監督:チャン・ツォーチ 主人公は台北に暮らす10歳の少年バオ。夏、バオは台北郊外の農村地帯に一人で暮らす祖父のもとに預けられる。初めて経験する農村での生活、また1年前に亡くなった祖母がまだそこにいるかのように振舞わさせる祖父の奇妙な行動に最初は戸惑うものの、地元の子供たちとも仲良くなり、バオは次第に順応してゆく......。映画の前半はほのぼのとした田園生活が描かれるが、後半になるに従い、バオの両親が離婚を考えていることなど、少年が成長するために乗り越えなければならない厳しい現実が明らかになる。子供たちの自然な演技、風景の切り取り方の見事さなど、チャン・ツォーチの力量が遺憾なく発揮された作品。ロカルノ映画祭で上映された。 11/27(水) 21:20 11/29(金) 15:30 |
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![]() | 『見知らぬあなた』(Forgetting to Know You / 陌生(Mo sheng)) 中国 / 2013 / 87分 監督:チュエン・リン チュエン・リンの監督デビュー作『見知らぬあなた』は、重慶郊外の村を舞台に、結婚して7年目になる夫婦が迎える危機を描いた作品だ。家具工場の労働者である夫と、娘を育てながら雑貨屋で働いている妻。妻がかつてボーイフレンドであった実業家といまだに会っていることを知った夫は、妻とその実業家との関係を疑い、更には娘が自分の子供なのかどうかまで疑い始める。チュエン・リンはある意味古典的とも言っていい夫婦の関係を物語の中心にすえつつ、今の生活に飽き足らず、より経済的な豊かさを追い求める傾向にある中国の中流階級の現状を描き出す。プロデューサーをジャ・ジャンクーが担当。ベルリン映画祭フォーラム部門で上映された。 11/24(日) 15:30 11/26(火) 12:30 |
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![]() | 『祭の馬』(The Horses of Fukushima / 祭の馬) 日本 / 2013 / 74分 監督:松林要樹 配給:東風 東日本大震災後の福島県南相馬市を舞台に、1頭の馬がたどった数奇な運命を追ったドキュメンタリー。「ミラーズクエスト」という名のかつて競走馬であったこの馬は、大した成績をあげることなく引退し、売られてきた相馬で震災に遭う。津波にさらわれ、更には原発事故の影響で2週間放置されるという苦難を生き延びたものの、怪我による化膿で男性器が異様に腫れ上がってしまった馬。いずれは食用馬となるはずであったこの馬が勇壮な神事「相馬野馬追」に参加するまでを追いつつ、その背景に震災をめぐる現代社会の問題を浮き彫りにする構成が見事だ。東日本大震災を扱った数多くのドキュメンタリーの中でも異彩を放つ作品である。 11/25(月) 19:00 |
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![]() | 『トーキョービッチ,アイラブユー』(TOKYO BITCH, I LOVE YOU / トーキョービッチ,アイラブユー) 日本 / 2013 / 70分 監督:吉田光希 製作:ARC vision、吉田光希 風俗嬢の初江は、客として知り合った義徳と不倫の関係を続けている。妻との生活に息苦しさを感じていた義徳は、初江との密会に安らぎを感じていた。一方、他者と深く関わろうとしない初江も、義徳と過ごす時間だけは女性らしくいられるのだった。ある日、義徳は会社の同僚に頼まれて、借金の連帯保証を引き受けるが、それが発端となり、初江との関係は妻の知るところとなる......。 近松門左衛門の「曽根崎心中」を現代の東京に翻案した同名舞台(「オーストラ・マコンドー」によって上演)の映画化。これまでの監督作とは異なる新たな領域に挑戦した吉田光希は、この大都市の片隅で展開される刹那的なメロドラマにおいて、その着実な演出力を証明したと言えるだろう。 11/24(日) 19:00 |
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