第14回東京フィルメックス【特集上映(1)『生誕100年 中村登』】

第14回東京フィルメックス
2013年11月23日(土・祝)~12月1日(日)@有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ 日劇、ヒューマントラストシネマ有楽町
公式サイト http://filmex.net/2013/
上映スケジュール
上映プログラム
【特集上映(1)『生誕100年 中村登』】

『我が家は楽し』(Home Sweet Home)
1951年/91分 
©1951 松竹 
脚本:柳井隆雄、田中澄江 原作:田中澄江
出演:笠智衆、山田五十鈴、高峰秀子、岸惠子、佐田啓二
 

裕福ではないが笑顔の絶えない家族。会社から勤続25年の表彰で金一封をもらえることになった父は、子どもたちに欲しいものを買ってやれると大喜びする。しかし、表彰式の帰り道に金をすられてしまい...。松竹大船調の小市民映画の伝統を受け継ぎ、豪華キャストとスタッフを確かな演出力でまとめあげた、清々しさが心に染み入る傑作。そそっかしくも心優しい父を笠智衆、やりくり上手な良妻賢母を山田五十鈴、父母の苦労に心を痛める絵描き志望の長女を高峰秀子、無邪気な女学生の次女を本作がデビュー作となる岸惠子が演じている。

11/28(木) 12:30 12/4(水) 21:00
『土砂降り』(When It Rains, It Pours)
1957年/105分 
©1957 松竹 
脚本:椎名利夫、中村登 原作:北条秀司
出演:佐田啓二、岡田茉莉子、桑野みゆき、沢村貞子、山村聰、日守新一
 

新派で上演された北条秀司の原作の映画化。東京・南千住の連れ込み旅館の女主人たねは、三人の子供たちと暮らしていた。役所勤めの長女・松子は同僚の一夫との縁談が進んでいたが、母が妾であったために一夫の母の猛烈な反対で破談となる。自暴自棄となった松子は家出し、キャバレーのダンサーに身を落とす。やがてある事件をきっかけに一夫と松子は再会するが......。結ばれぬ男女の情念だけでなく、優しさ故にねじれてしまう家族の繊細な感情を丁寧に掬い取る。土砂降りの夜に登場人物たちが、各々の感情を爆発させるクライマックスは見どころ。 

11/29(金) 12:30 12/5(木) 21:00
『夜の片鱗』(The Shape of Night)
第70回ヴェネチア国際映画祭クラシック部門出品
1964年/106分 
©1964 松竹 
脚本:権藤利英 原作:太田経子
出演:桑野みゆき、平幹二朗、園井啓介、岩本多代 、富永美沙子、菅原文太
 

19歳の芳江は、工場で働くかたわら、夜はバーに勤めていた。そこで知り合ったサラリーマンの英次に人生を託して身体を許したが、実は彼はヤクザ組織に身を置いていた。やがて金を無心するだけでなく、売春を強要するようになった英次に耐えきれなくなった芳江は逃げ出そうとするが...。どうしようもない男と知りつつ離れることのできない、複雑な心理に揺れ動く女性を桑野みゆきが好演。印象的な色彩設計やカメラワークが映像に深みのある美しさを生み、物悲しさをたたえた叙情的な世界を作り出すことに成功している。

11/27(水) 18:50 12/6(金) 21:00


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