TIFF 第29回東京国際映画祭【ワールド・フォーカス】

上映スケジュール
上映プログラム
【ワールド・フォーカス】

© 2016 CINEMASCÓPIO - SBS FILMS - GLOBO FILMES - VIDEO FILMES
『アクエリアス』(Aquarius)
146分/カラー/ポルトガル語(日本語・英語字幕付き)/2016年/ブラジル=フランス
監督/脚本:クレベール・メンドンサ・フィリオ
プロデューサー:エミリー・レクロ、サイード・ベン・サイード、ミシェル・メルク
共同プロデューサー:ウォルター・サレス
アソシエイト・プロデューサー:カルロス・ディエゲス
エグゼクティブ・プロデューサー:ドラ・アモリン
撮影監督:ペドロ・ソテロ、ファブリシオ・タデウ
編集:エドゥアルド・セラーノ
プロダクション・デザイナー:ジュリアーノ・ドルネレス、タレス・ジュンケイラ
出演:ソニア・ブラガ、メイヴ・ジンキングス、イランジール・サントス


ブラジル北東部の港湾都市レシフェ。65歳のクララは夫に先立たれ、1940年代に建てられた海辺の高級マンションで平穏に暮らしていた。しかし、地域の再開発が進み、マンションは地上げの対象となった。住人は次々と退去していくが、クララは自分の人生が詰まっている部屋を売り渡す気はない。クララは業者に抵抗し、そして自分の過去と未来とも対峙する...。長編第2作でカンヌのコンペ入りを果たしたフィリオ監督は、ひとりの凛とした女性の生き様を見事に切り取ってみせた。フィリオ監督の特徴は独特なフレーミングにあり、空間を存分に取り込んだ画面の中でヒロインの姿は生き生きと映ると共に、建物自体にも主役級の存在感が与えられている。クララには、80年代にハリウッドで活躍して以来ブラジルのスター女優であるソニア・ブラガが抜擢され、人生を生き抜いた者だけが持つ美しい力強さをスクリーンに発揮し、カンヌで大絶賛された。

10/28(金) 10:55 10/30(日) 16:20 10/31(月) 16:30

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『名誉市民』(The Distinguished Citizen)
117分/カラー/スペイン語(日本語・英語字幕付き)/2016年/アルゼンチン=スペイン
監督/プロデューサー/撮影:ガストン・ドゥプラット、マリアノ・コーン
脚本:アンドレス・ドゥプラット
プロデューサー:フェルナンド・ソコロビッチ、フアン・パブロ・グリオッタ、アドルフォ・ブランコ
美術監督:マリア・エウヘニア・スエリオ
音楽:トニ・M・ミル
エグゼクティブ・プロデューサー:フェルナンド・リエラ、ヴィクトリア・アイゼンシュタット
出演:オスカル・マルティネス、ダディ・ブリエバ、アンドレア・フリヘリオ


ノーベル文学賞を受賞したダニエルは、出身地であるアルゼンチンの小さな町から、名誉市民賞授与の知らせを受ける。30年以上スペインに住んでおり、二度と戻らないはずだったが、帰郷を決意する。しかし、そこでは意外な展開が待ち受けていた...。シニカルな作家が巻き込まれる騒動が、ユーモアとウィットを交えて描かれる。小さな町の閉鎖的な風土は世界的に普遍であるが、有名な作家を多数輩出しながらノーベル文学賞がひとりもいないというアルゼンチン人の傷ついたプライドの裏をつつく内容でもある。ダニエルは郷土の誉れであると同時に、地元を批判していたことが知れて窮地に陥る存在でもあるが、これも有名人と地元の関係にありがちな事態である。著名芸術家と地元の関係という物語を鮮やかなエンタメで見せる監督コンビは、テレビと映画で活躍する才人。ダニエルを説得力たっぷりに演じたオスカル・マルティネスは見事ヴェネチア映画祭で最優秀主演男優賞を受賞した。

10/26(水) 15:20 10/28(金) 21:05 10/31(月) 10:20

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© No Place Like Films, LLC
『フロム・ノーウェア』(From Nowhere)
90分/カラー/英語、スペイン語(日本語・英語字幕付き)/2016年/アメリカ
監督:マシュー・ニュートン
プロデューサー/脚本/原作:ケイト・バレン
撮影監督:ジェイ・カイテル
編集:ベッツィ・ケーガン
プロダクション・デザイナー:マディソン・バージェス
コスチューム・デザイナー:ベゴーニャ・ベルジュ
音響:ウィル・ディグビー
出演:ジュリアン・ニコルソン、J・マロリー・マクリー、オクタビア・チャベス・リッチモンド、ラクエル・カストロ、チナサ・オグブアグ、シドニー・ボードワン


アメリカはNYのブロンクスにある高校。ドミニカとペルー出身の女生徒と、アフリカ系の少年の3人は、他の生徒と同様に普通のアメリカ人として育ったものの、親が不法移民であるために正規の滞在権がない。いつ強制帰国させられるか分からない。学校側が動き、彼らを無事卒業させるべく、市民権取得のために弁護士を紹介する。かくして、彼らは否応なく自分の家族とその過去に向き合うことになっていく...。移民問題が世界を揺るがすなか、元祖移民の国アメリカに日常的に起こりうる事態を描く。他の生徒と同様に、遊び、学び、将来の夢を見るはずだった少年たちの運命が、その背景や事情により大きく狂っていく様に心をかきむしられるドラマである。予想できない三者三様の展開がスリリングに描かれ、大きな感動に結びつく。巧みな演出手腕を発揮したマシュー・ニュートンはオーストラリア出身の人気俳優兼監督。サウス・バイ・サウスウェスト映画祭で見事観客賞を受賞した。

10/27(木) 10:40 10/31(月) 21:25

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© Kristina Grozeva and Petar Valchanov (ABRAXAS FILM)
『グローリー』(Glory)
101分/ブルガリア語(日本語・英語字幕付き)/2016年/ブルガリア=ギリシャ
監督/プロデューサー/脚本:クリスティナ・グロゼヴァ
監督/プロデューサー/脚本/編集:ぺタル・ヴァルチャノフ
プロデューサー:コンスタンティーナ・スタヴリアヌー、イリニ・ヴユーカル
脚本:デチョ・タラレジコフ
撮影監督:クルム・ロドリゲス
プロダクション・デザイナー:ヴァニナ・ゲレヴァ
サウンド・デザイナー:イヴァン・アンドレエフ
音楽:ハリスト・ナムリエフ
衣装:クリスティナ・トモヴァ
出演:マルギタ・ゴシェヴァ、ステファン・デノリュボフ、キトダル・トドロフ


質素で孤独な生活を送る鉄道員が、ある出来事をきっかけに官僚の偽善的企みに巻き込まれてしまう。彼は自分のささやかな尊厳を取り戻そうと抵抗するが...。監督コンビの前作『ザ・レッスン/授業の代償』は、女性教師が夫の金銭のトラブルのために窮地に陥っていく様を、転がるようなサスペンスで見せたが、本作では官僚に翻弄される善意の労働者と、彼らの人間性を省みない官僚との関係を、全く先の読めない巧みでスリリングな展開で描いていく。運命のいたずらを自在に扱う脚本力と、テンポの良い演出力を備え、社会システムの犠牲になる労働者の苦境をエンタテインメントとして成立させる監督たちの力量は本物である。本作は3部作の2作目であるらしく、3作目が早くも期待される。前作で教師を演じたマルギダ・ゴシェヴァが、本作では周囲を凍らせるほど身勝手な役人を演じ、達者振りを発揮している。

10/29(土) 21:05 10/31(月) 14:25

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© 2016 Aamu Film Company Ltd
『オリ・マキの人生で最も幸せな日』(The Happiest Day in the Life of Olli Mäki)
92分/モノクロ/フィンランド語(日本語・英語字幕付き)/2016年/フィンランド=ドイツ=スウェーデン
監督/脚本:ユホ・クオスマネン
脚本:ミッコ・ミュッルラヒウチ
撮影監督:J・P・パッシ 
音響:ピエツ・コルホネン
編集:ユッシ・ラウタニエミ
音楽:ミーカ・スノーレ、ラウラ・アイロラ
コスチューム・デザイナー:サリ・スオミネン
プロダクション・デザイナー:カリ・カンカーンパー
出演:ヤルコ・ラハティ、オーナ・アイロラ、エーロ・ミロノフ、ヨアンナ・ハールッチ、エスコ・バルクゥエロ、エルマ・ミロノフ


1962年、夏。プロボクサーのオリ・マキは、世界タイトル戦をアメリカ人チャンピオンと戦うチャンスを得る。ヘルシンキの明るい陽射しの中、お膳立ては整い、後は減量して集中するだけだった。しかしそんな時、彼はライヤに恋をしてしまった...。クオスマネン監督は、自分が創作のプレッシャーに苦しんでいた時、周囲が勝手に盛り上がり、知らない人に期待されている状況に陥ったオリ・マキの人生に出会い、共感したという。実際のオリ・マキから聞かされたあらゆるエピソードが美しく感じられ、自分なりの幸せにたどり着くために独自の道のりを辿った男の物語を書き上げた。60年代の空気を再現するべくモノクロの16ミリフィルムが採用され、抜群の効果をあげている。ボクシングの試合そのものよりは、その影に隠れた、あまりにも人間らしい人生のひとコマを瑞々しく描くことに注力し、本作は見事本年のカンヌ映画祭「ある視点」部門の作品賞を受賞した。

10/31(月) 11:10 11/01(火) 21:25

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©Willow Films UGC IMAGES France 2 Cinéma
『ヘヴン・ウィル・ウェイト』(Heaven Will Wait)
105分/カラー/フランス語(日本語・英語字幕付き)/2016年/フランス
監督/プロデューサー/脚本:マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール
脚本:ミシェル・フレシュ
撮影監督:ミリアム・ヴィノクール
編集:ブノワ・キノン
出演:ノエミ・メルラン、ナオミ・アマルジェ、サンドリーヌ・ボネール、クローティルド・クロー、ジヌディーヌ・スアレム


17歳のソニアは、家族に天国を約束すべく中東に旅立つ。音楽と友達を愛する16歳のメラニーは、ネットで出会った「王子」に恋をする。ごく普通の少女たちが、イスラム過激主義に心酔し、召集に応じていく。戻る道はあるのだろうか...。『奇跡の教室~受け継ぐ者たちへ~』のマンシオン=シャール監督が、現実の深刻さに急かされるように新作を作り上げた。フィクションであるが、登場人物の背景や行動は、全て取材を通じて出会った少女やその親たちの体験をもとにしている。過激主義に染まる若者に共通点はなく、誰にでも起こり得る現実に監督は戦慄する。そして脱洗脳セラピーを取材する過程で、献身的に活動するイスラム女性に出会い、希望を見出す。女性は本人役で出演し、洗脳の手口を冷静に説く姿が大きな印象を残していく。現代欧州が直面する大問題に真っ向から取り組み、見る者の心をえぐるサスペンスフルなドラマを作り上げる監督の手腕は、今やフランス映画界屈指である。

10/27(木) 10:20 11/02(水) 13:40

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© Alfama Films
『ネヴァー・エヴァー』(Never Ever)
86分/カラー/フランス語(日本語・英語字幕付き)/2016年/フランス=ポルトガル
監督:ブノワ・ジャコ
プロデューサー:パウロ・ブランコ
脚本:ジュリア・ロイ
撮影監督:ジュリアン・ハーシュ
編集:ジュリア・グレゴリー
プロダクション・デザイナー:パウラ・サーボ
作曲:ブリュノ・クレ
音響:ピエール・テュカ、フランシス・ワルニエ、オリヴィエ・ゴワナール
出演:マチュー・アマルリック、ジュリア・ロイ、ジャンヌ・バリバール、ヴィクトリア・ゲラ


映画監督のレイは、パフォーマンス・アーティストのローラに出会い、恋に落ちる。長年の恋人を捨て、レイはローラと田舎の広い家に向かい、愛を育む生活を始める。しかし、ローラが家で奇妙な音を耳にするようになると、事態は思いもよらない方向に進んでいく...。文芸ものから恋愛スリラーまで幅広いジャンルを手掛け、精力的に高水準作を届け続ける欧州映画界の巨匠ブノワ・ジャコの新作は、アメリカを代表する作家のひとり、ドン・デリーロの小説「ボディ・アーティスト」をベースにしたゴースト・ストーリーである。愛する者の不在と、その不在との一体化が、家の空間を生かした魅惑的なカメラワークを駆使して見事に表現される。愛が魂と肉体のあり方さえも解体していく力強い物語である。M・アマルリックとJ・バリバールが久しぶりの共演を果たし、初のヒロインに抜擢された若手女優のジュリア・ロイを支えている。ヴェネチア映画祭招待作品。

10/30(日) 11:20 10/31(月) 16:55 11/01(火) 14:50

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© 2016 • RECTANGLE PRODUCTIONS • WILD BUNCH • PANDORA FILM PRODUKTION • SCOPE PICTURES • ARTE FRANCE CINEMA • MY NEW PICTURE
『ノクトラマ/夜行少年たち』(Nocturama)
130分/カラー/フランス語(日本語・英語字幕付き)/2016年/フランス=ドイツ=ベルギー
監督/音楽:ベルトラン・ボネロ
プロデューサー:エドワール・ヴァイル、アリス・ジラール
撮影監督:レオ・アンスタン
音響:ニコラ・カンタン
プロダクション・デザイナー:カーチャ・ヴィシュコフ
コスチューム・デザイナー:ソニア・フィル―ズ
編集:ファブリス・ルオー
音響編集:ニコラ・モロー、アンドレアス・ヒルデブラント
出演:フィネガン・オールドフィールド、ヴァンサン・ロティエ、ハムザ・メジアニ、マナル・イッサ、マルタン・ギュイヨ


ある計画に沿うように、青年たちが分散してパリの町を移動する。次々にメトロを乗り換え、それぞれの目的へと向かう。陽が落ち、若者たちは閉店後のデパートに集結する。長い夜が待っている...。破壊行動に走る若者の姿を描く本作は5年前から構想され、図らずもパリのテロ事件を予見してしまった。社会事象の解説が映画監督の役目ではないとするボネロが描くのは、「なぜ」ではなく「いかに」である。ボネロにとって、独自に世界を再創造することの中にこそ映画のフィクションの力が存在する。肝要なのは分析ではなく観察である。故に本作は動機を描かず、徹底して行動を観察する。現実を拒絶した若者たちは、夜のデパートという外部から遮断された天国で欲望を満たす(夜行性を連想させる原題"Nocturama"はニック・ケイヴのアルバム名から取られている)。リアリズムと人工性を組み合わせ、ティーンの刹那を見事に切り取ったボネロ監督の傑作である。サンセバスチャン映画祭コンペ出品。

10/26(水) 11:05 10/27(木) 20:20 10/31(月) 12:15

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©Films Boutique
『鳥類学者』(The Ornithologist)
118分/カラー/ポルトガル、英語、北京語、イタリア語、ラテン語(日本語・英語字幕付き)/2016年/ポルトガル=フランス=ブラジル
監督/脚本:ジョアン・ペドロ・ロドリゲス
脚本/プロダクション・デザイナー:ジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタ
撮影監督:ルイ・ポッサス
音響監督:ヌノ・カルヴァーリョ
編集:ラファエル・ルフェーヴル
音楽:セヴェリーヌ・バロン
出演:ポール・アミー、シェロ・カジアオ、ジョアン・ペドロ・ロドリゲス


鳥類学者のフェルナンドは、希少な鳥を観察すべくひとり山に入り、カヌーで川を下る。しかし急流に飲まれ、転覆してしまう...。奇想天外な出来事に見舞われるフェルナンドの受難の旅の物語を、ロドリゲス監督はフランシスコ修道会の「聖パドヴァのアントニオ」の逸話になぞらえて作り上げた。ポルトガル人にとって極めて身近な存在である聖アントニオは、12世紀末にフェルナンドとして生まれ、宣教活動に入る際にアントニオと改めた。モロッコへの宣教の旅の帰路で海難事故に遭うなど、1231年に没するまで数々の逸話を遺した聖人である。逸話には奇跡も多く含まれ、全ての言語を解し、魚もアントニオの話に耳を傾けたという。ロドリゲス監督は縦横に想像力を巡らせながら、現代のフェルナンドに神秘の森を進ませる。そこには聖アントニオが自分の中でどのような存在であるかを知りたかったという監督自身の姿も投影されている。ロカルノ国際映画祭監督賞受賞。

10/30(日) 14:20 11/01(火) 14:45 11/02(水) 10:35

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©Wien 2016 Ulrich Seidl Film Produktion ARTE G.E.I.E. Danish Documentary WDR
『サファリ』(Safari)
90分/カラー/ドイツ語、英語(日本語・英語字幕付き)/2016年/オーストリア=デンマーク
監督/脚本:ウルリヒ・ザイドル
脚本:ヴェロニカ・フランツ
撮影監督:ヴォルフガング・ターラー、ジャジー・パラツ
編集:クリストフ・シェルテンライプ
サウンド・デザイナー:ポール・オベル
出演:ゲラルド・アイヒンガー、エヴァ・ホフマン、マニュエル・アイヒンガー、ティナ・ホフマン、マンフレート&インゲ・エリンガー、マリタ&フォルカー・ネーマン、マルコルフ・シュミット


アフリカの草原。インパラ、シマウマ、ヌー、様々な野生動物が群れている。一方では、白人のハンターたちがジープを走らせ、ブッシュを越え、待機し、ライフルを構える。そして嬉々として獲物を撃つ。人間の根源的な愚かさを鬼才ウルリヒ・ザイドル監督が冷徹に暴き出す、戦慄のドキュメンタリーである。監督によれば、興味を惹かれたのは上流階級の贅沢な趣味としての狩りではなく、一般人のハンターであった。「西側諸国では、一般市民にもアフリカでの狩りが手に届く。何故、彼らは狩りに惹かれ、熱中してしまうのか。やがて殺戮そのものについての映画になっていった。愉悦のために殺すこと。殺戮行為が、まるで感情の解放であるかのようだ」。『パラダイス3部作』で愛と神と希望を独自の視点と美学で切り取ったザイドルだが、本作においても強烈な悪意を根底に持ちながら表面上はスタイリッシュな映像作品に仕上げているところに、オーストリアが誇る巨匠の凄みがうかがえる。

10/26(水) 20:55 10/31(月) 18:00

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©2016 MANDRAGORA - PRODUKCIJA 2006 SARAJEVO, STUDIOUL DE CREATIE CINEMATOGRAFICA AL MINISTERULUI CULTURII, SISTERS AND BROTHER MITEVSKI - SPIRITUS MOVENS - ALCATRAZ FILMS - IADASARECASA - ARTE FRANCE CINEMA
『シエラネバダ』(Sieranevada)
173分/カラー/ルーマニア語(日本語・英語字幕付き)/2016年/ルーマニア=フランス
監督:クリスティ・プイユ
プロデューサー:アンカ・プイユ
撮影監督:バルブ・バラショユ
プロダクション・デザイナー:クリスティーナ・バルブ
編集:レエィツィア・シテファネスク
音響:ジャン=ポール・ベルナール
コスチューム・デザイナー:マリア・ピテァ
助監督:マーリュス・オルテァーヌ
ヘアーメイク:ドリナ・ラドゥクツ
出演:ミミ・ブラネスク、ジュディ・スタテ、ボグダン・ドゥミトラケ、ダナ・ドガル、ソリン・メデレニ


亡くなった一家の主の法要で、親族がアパートに集まってくる。細かいトラブルが重なり物事は予定通りに進まない。歴史を巡る口論、厄介な叔父との押し問答、一向に到着しない神父、そして料理は冷めていく...。ルーマニア映画界のフロントランナーのひとり、クリスティ・プイユ監督が、激しい出入りとエンドレスな議論とでカオスと化す狭いアパート内に、親族という巨大な小宇宙が浮き上がってくる様を驚異的なリアリズムで描き切る。父親の法事の場で共産主義を巡って口論した監督の経験がベースになっている。ルーマニア民主化の前と後を知る監督は、歴史認識が時代に応じて変わる様を体験しており、世代間の意見の衝突を執拗に描いていく。そのうえで、異なる歴史観の持ち主も飲み込む親族という集団の底知れなさを覗きつつ、亡父の昔の嘘に傷つく男の心も描き、マクロとミクロの双方の視点を内包した深淵なる作品である。2016年カンヌ映画祭コンペティション部門出品。

10/27(木) 13:00 10/28(金) 14:20 10/30(日) 20:05

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© 2016 Rozhlas a televízia Slovenska, PubRes s.r.o., OFFSIDEMEN s.r.o., Česká televize
『ザ・ティーチャー』(The Teacher)
103分/カラー/スロバキア語(日本語・英語字幕付き)/2016年/スロバキア=チェコ
監督/撮影:ヤン・フジェベイク
編集:ヴラジミール・バラーク
サウンド・デザイナー:イジー・クレンカ
脚本:ペトル・ヤルホフスキー
プロデューサー:ズザナ・ミストリーコヴァー、ルビツァ・オレホフスカー、オンドジェイ・ジマ
出演:ズザナ・マウレーリ、ペテル・バビヤーク、ズザナ・コネチナー、チョンゴル・カッシャイ


1980年代のチェコ。一見優しくて仕事熱心な女性教師が、新学期に生徒ひとりひとりの親の職業を聞いていく。彼女は生徒を盾に、親が職人であれば自宅の台所の修理をさせるなど、教師の立場を乱用していた。エスカレートする行為に、ついに一部の親が立ち上がったが、他の親は尻込みをする。女教師は共産党員であったから...。脚本家のペトル・ヤルホフスキーが実際に少年時代に体験した話を、現在のチェコを代表する監督のひとりであるヤン・フジェベイクが映画化した。共産主義時代の市民が実感していた恐怖が伝わると共に、マニピュレーションの恐ろしさは時代を越えて現在のどの国でも起こりうることが示される。一部の勇気ある人間が事態を打開していくカタルシスを伴う心理ドラマでもある本作で、自分のしていることの恐ろしさを自覚していない女教師を見事に演じたズザナ・マウレーリは、カルロヴィ・ヴァリ映画祭で主演女優賞を受賞した。

11/02(水) 18:50 11/03(木) 16:00

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『キアロスタミとの76分15秒(併映:Take Me Home)』(76 Minutes and 15 Seconds with Abbas Kiarostami (Screened together with Take Me Home))
76分/カラー/ペルシャ語(日本語・英語字幕付き)/2016年/イラン
監督/撮影/編集/プロデューサー:セイフラー・サマディアン
エグゼクティブ・プロデューサー:サハーンド・サマディアン
音響:モハマドレザ・デルパーク、ハッサン・マーダウィ
編集技術助手:アリ・カマリ、ナグメ・マグスドル
出演:アッバス・キアロスタミ、ジュリエット・ビノシュ、マスード・キミアイ、ジャファル・パナヒ、アリレザ・ライシアン、タヘレ・ラダニアン、ハミデー・ラザウィ


今年7月4日に76歳で亡くなったイランの巨匠、アッバス・キアロスタミ監督。本作は、多くの時間をキアロスタミと共に過ごしたセイフラー・サマディアンによる追悼ドキュメンタリーである。とはいえ、フィルモグラフィを順に見せていくといった類のものではなく、撮影や打ち合わせの最中を含めたキアロスタミの素顔や日常が詩的に捉えられている。キアロスタミはTIFFとの縁も深く、『そして人生はつづく』(TIFF1992コンペ出品)から『シーリーン』(TIFF2009出品)まで多くの作品が上映された。キアロスタミが最後に残した短編『Take Me Home』(16分)を併映。

10/27(木) 13:40 10/30(日) 11:40

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『Take Me Home(併映:キアロスタミとの76分15秒)』(Take Me Home (Screened together with 76 Minutes and 15 Seconds with Abbas Kiarostami ))
16分/モノクロ/セリフなし/2016年/イラン
監督/撮影:アッバス・キアロスタミ
視覚効果スーパーバイザー:アリ・カマリ
編集:アデル・ヤラギ
音楽:ビター・ソレイマニプール
音響:エンシエ・マレキ
協力:イレーネ・ブッフォ、ハミデー・ラザウィ、ジャンニ・ガラントゥッチ、トニーノ・カパッキョーネ
出演:ビアージョ・ディ・トンノ


アッバス・キアロスタミがカメラを持って南イタリアへ。路地や階段など街の佇まいを収めた、美しくて楽しい映像が見られる。
ドキュメンタリー『キアロスタミとの76分15秒』と併映。

10/27(木) 13:40 10/30(日) 11:40

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『見習い』(Apprentice)
96分/カラー/マレー語、英語(日本語・英語字幕付き)/2016年/シンガポール=ドイツ=フランス=香港=カタール
監督/脚本:ブー・ユンファン
エグゼクティブ・プロデューサー:エリック・クー、パン・ホーチョン、スービ・リャン、ジム・ロジャース、ペイジ・パーカー
脚本/プロデューサー:レイモンド・パッタナーウィラクーン
プロデューサー:フラン・ボルハ、タン・フォン・チェン
撮影監督:ブノワ・ソレール
出演:フィル・ラフマン、ワン・ハナフィ・スー、マストゥラ・アフマド


刑務所に勤務する28歳のアイマンは死刑執行人補佐の仕事を与えられ、65歳の執行人ラヒムのもとで働くことになるが、亡き父が実はラヒムによって死刑にされていたことを知り、心が乱れはじめる...。ブー・ユンファン監督は、短編集が東京国際レズビアン&ゲイ映画祭などで、また長編第1作『Sandcastle』(10)がSintok2012シンガポール映画祭(東京)で紹介されている。ニア・ディナタ(インドネシア)らとともに東南アジアを代表するクィア映画の作り手である。本作の製作総指揮をエリック・クー監督(『TATSUMI マンガに革命を起こした男』)が務めている。カンヌ映画祭2016「ある視点」部門出品作。

10/27(木) 13:40 10/29(土) 13:25

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©PyramideInternational
『クラッシュ』(Clash)
98分/カラー/アラビア語(日本語・英語字幕付き)/2016年/エジプト
監督/脚本:モハメド・ディアーブ
脚本:ハレド・ディアーブ
エグゼクティブ・プロデューサー:ジャマール・アル・ダッボス、ダニエル・ジスキンド
プロデューサー:モハメド・ヘフジー、エリック・ラゲッセ、M・W・ゼッキー
共同プロデューサー:オリヴィエ・ペール、レミ・ビュラ、ニコール・ジェラール
出演:ネリー・カリム、ハニ・アデル、タレク・アブデル・アジズ、アフマド・マレク、アフマド・ダッシュ

ムバラク政権を倒した2011年のエジプト革命から2年後の夏のカイロ。イスラム主義を掲げる後任のモルシ大統領の政策に反対する者たちがデモで捕まり、護送車の中は政治的にも宗教的にも様々に異なる立場の人々で立錐の余地もない。彼らは立場の違いを超えて共闘し、生き残れるのか...。2010年から翌年にかけて巻き起こった「アラブの春」を題材にした映画は中東諸国を中心に盛んに作られているが、今年のカンヌ映画祭「ある視点」部門の開幕を飾った本作はその代表的な1本。護送車の中で進行する一種の室内劇であり、狭い空間からエジプト、中東、そして世界の現状が浮かび上がるディスカッション・ドラマとしても秀逸。

10/26(水) 11:00 10/31(月) 13:50 11/01(火) 10:30

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©Aurora Films
『ダイアモンド・アイランド』(Diamond Island)
104分/カラー/クメール語(日本語・英語字幕付き)/2016年/カンボジア=フランス=ドイツ=タイ=カタール
監督/脚本/プロデューサー:デイヴィ・シュー
プロデューサー:シャルロット・ヴァンサン
脚本:クレール・モージャンドル
共同プロデューサー:ハンネケ・ファン・デア・タス、ミヒャエル・メルクト、コンスエロ・フラウエンフェルダー、ソロス・スクム
撮影監督:トマ・ファヴェル
音響:ヴァンサン・ヴィラ
編集:ローラン・ルヴヌール
音楽:ジェレミー・アルカシュ、クリストフ・ミュセ
出演:ヌオン・ソボン、ノウ・チェニック

カンボジアの首都プノンペンの東端に建設中の一大商業施設「ダイアモンド・アイランド」。村を出てこの施設の建築現場で働くボラは、仕事仲間と親しくなり、5年間行方知れずだった兄ソレイとも再会する。彼らは町の女の子たちとも知り合いになるが...。デイヴィ・シュー監督は前作のドキュメンタリー『ゴールデン・スランバーズ』(TIFF2012出品)で1960年代に花開いたカンボジア映画の黄金時代の痕跡をたどり、本作では舞台を現代の大都市に移し、経済成長の陰で労働力として搾取される若者たちを見据えている。ソト・クォーリーカー(『シアター・プノンペン』)と共に、リティ・パンに続くカンボジア新世代として注目されている。カンヌ映画祭2016批評家週間でSACD賞を受賞。

10/30(日) 21:20 11/02(水) 10:30

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『ファイナル・ラウンド』(Final Round)
111分/カラー/タミル語(日本語・英語字幕付き)/2016年/インド
監督:スダー・コーングラー
プロデューサー:シャシカーント・シヴァージー
エグゼクティブ・プロデューサー:アヴィナーシュ・ヴィシュワナータン
編集:サティーシュ・スーリヤー
作曲:サントーシュ・ナーラーヤナン
撮影監督:シヴクマール・ヴィジャヤン
出演:R・マーダヴァン、リティカー・シン、ムムターズ・サルカール、ナーサル

プラブは女子ボクシングのコーチとして成功をおさめていたが、持ち前の傲慢さが災いして協会と揉めて失墜してしまう。そんなとき17歳の魚売りの少女マディと出会い、その才能にひかれるが、彼女はボクシングに興味がない。ふたりはタッグを組んでいけるのか...。日本でもヒットした『きっと、うまくいく』に主演したマーダヴァンが、本作ではプラブ役で主演してプロデューサーも兼ねているほか、今回上映するタミル語版のほかにヒンディー語版も存在し、『きっと、うまくいく』『PK』のラージクマール・ヒラニ監督がプロデューサーを務めている。新鋭女性監督スダー・コーングラーは巨匠マニラトナム(『OKダーリン』)の愛弟子。マディ役のリティカー・シンは実際のキックボクサーである。

10/31(月) 20:05 11/01(火) 11:10 11/02(水) 17:10

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©3 NG Film
『ゴッドスピード』(Godspeed)
111分/カラー/北京語(日本語・英語字幕付き)/2016年/台湾
監督/脚本:チョン・モンホン
プロデューサー:イエ・ルーフェン、ツォン・シャオチエン
撮影監督:中島長雄
美術監督:チャオ・スーハオ
録音:クオ・リーチー
編集:ライ・シウシュン
音楽:ツォン・スーミン
出演:マイケル・ホイ、ナードウ、レオン・ダイ、トゥオ・ツォンホア、マット・ウー、チェン・イーウェン、ビンセント・リャン

中身を知らずに麻薬の運び屋をやっていたナードウは、ある日妙な運転手のタクシーに乗る。運転手のシュウは25年前に香港から台湾へ移り、そのまま暮らしているという。ふたりは道を急ぐが、賊に襲われてカネも麻薬も奪われ、トランクに詰め込まれてしまう...。『失魂』(TIFF2013出品)以来、3年ぶりとなるチョン・モンホン監督の第4作は、香港の喜劇王マイケル・ホイ(『Mr.BOO』シリーズ)を主演に迎えた、男ふたりの珍道中もの。チョン監督は『失魂』でもジミー・ウォングを起用したように、香港映画史を彩ったスターたちへの敬愛が感じられて興味深い。なお、撮影監督の中島長雄とはチョン監督自身のこと。トロント国際映画祭2016出品作。

10/27(木) 17:20 10/29(土) 10:20

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©Films Boutique
『痛ましき謎への子守唄』(A Lullaby to the Sorrowful Mystery)
489分/モノクロ/英語、フィリピン語、スペイン語、北京語(日本語・英語字幕付き)/2016年/フィリピン
監督/脚本/編集:ラヴ・ディアス
プロデューサー:ビアンカ・バルブエナ
プロデューサー/エグゼクティブ・プロデューサー:パウル・ソナリオ
共同プロデューサー:ジェレミー・チュア、フラン・ボルギア
撮影監督:ラリー・マンダ
プロダクション・デザイナー:ポポ・ディアス
音楽:エリー・ブエンディア、ダニー・フェベリャ
出演:ジョン・リョイド・クルス、ピオロ・パスカル、ヘイゼル・オレンシオ、アレサンドラ・デ・ロッシ、ジョエル・サラチョ、スサン・アフリカ

1896年から翌年にかけてのフィリピン革命期を舞台に、実在の革命の英雄、国民的な文学作品の登場人物、土着の神話の中のキャラクター、これら3層の物語が入り交じって進行していく。革命運動のリーダー、アンドレス・ボニファシオの遺体を探す妻グレゴリアの旅を主筋とし、ホセ・リサールの「ノリ・メ・タンヘレ」「エル・フィリブステリスモ」の主人公イサガニやシモンが登場し、さらに半人半馬の「ティクバラン」のエピソードも挿入される...。8時間に及ぶ驚異の映画体験である。今年2月のベルリン映画祭で銀熊賞を受賞。ラヴ・ディアス監督はさらに9月のヴェネチア映画祭で次作"The Woman Who Left"が金獅子賞に輝いた。

10/29(土) 13:50 10/31(月) 13:20

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『メコン大作戦』(Operation Mekong)
123分(予定)/カラー/北京語(日本語・英語字幕付き)/2016年/香港=中国
プロデューサー:ホアン・ジエンシン、キャンディ・リョン
監督/脚本:ダンテ・ラム
脚本:チュー・カンキ、ラウ・シウクワン、タム・ワイチン、エリック・リン
撮影監督:フォン・ユンマン
編集:デヴィッド・リチャードソン
アクション監督:トン・ワイ
プロダクション・デザイナー:リー・キンワイ
出演:チャン・ハンユー、エディ・ポン

ミャンマー、ラオス、タイにまたがり、麻薬の密造エリアとして知られる「黄金の三角地帯」。このエリアのメコン河で中国船が拿捕され、乗組員13人が殺された。知らせを受けた特殊部隊が無法地帯へ乗り込んでいくが...。異種格闘技の『激戦 ハート・オブ・ファイト』(TIFF2013出品)、自転車レースの『疾風スプリンター』(TIFF2015出品)に続いて監督ダンテ・ラム+主演エディ・ポンのコンビが撮り上げたのは、2011年に実際に起こった「メコン河中国船襲撃事件」をもとにした久々の犯罪アクション巨編。ちなみに東南アジアの麻薬禍を扱った作品はいくつもあるが、全く作風が異なる空族(富田克也、相澤虎之助ほか)の『花物語バビロン』(97)なども興味深い。

10/26(水) 14:15 10/27(木) 20:50 10/28(金) 11:40

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© 2015 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.
『あなた自身とあなたのこと』(Yourself and Yours)
86分/カラー/(日本語・英語字幕付き)/2016年
監督/脚本:ホン・サンス
撮影監督:パク・ホンヨル
編集:ハム・ソンウォン
音響:キム・ミル
作曲:ダルパラン
出演:キム・ジュヒョク、イ・ユヨン

舞台はソウル・延南洞(ヨンナムドン)。画家ヨンスは女友だちのミンジョンと痴話喧嘩。ミンジョンは去り、翌日ヨンスは彼女を探すが見つからない。彼女そっくりの女性を目撃するが、まるで赤の他人のようだ。ヨンスの頭は混乱していく...。芸術家(くずれ)の男の恋愛話という点では従来のホン・サンス作品と共通するが、本作は不条理なファンタジーの要素が加わっている。ヒロインを演じたイ・ユヨンは『アトリエの春、昼下がりの裸婦』(TIFF2014出品)でデビューした新星で、今後の活躍が期待されている。ヨンス役のキム・ジュヒョクも『青燕』がTIFF2005で上映されている。本作はサンセバスチャン国際映画祭2016で監督賞を受賞した。

10/26(水) 12:20 10/28(金) 14:30 10/30(日) 14:00

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©1991 Kailidoscope
『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件[デジタル・リマスター版]』(A BRIGHTER SUMMER DAY [Digitally Remastered Version])
236分/北京語(日本語・英語字幕付き)/1991年/台湾
配給:ビターズ・エンド
監督/脚本:エドワード・ヤン
脚本:ヤン・ホンヤー、ヤン・シュンチン、ライ・ミンタン
撮影監督:チャン・ホイゴン
編集:チェン・ポーウェン
出演:チャン・チェン、リサ・ヤン、チャン・クオチュー、エレイン・ジン、ワン・チーザン、クー・ユールン

『恐怖分子』『ヤンヤン 夏の想い出』などで知られ、2007年にこの世を去ったエドワード・ヤン監督が、1961年に実際に起きた少年による少女の殺傷事件をモチーフにした青春群像劇。1945年以降に中国大陸から移民してきた"外省人"の子ども世代を中心に、少年の恋物語を主軸としながら、60年代当時の彼らの対立や閉塞感、やがて訪れる解放への不安を見事にスクリーンに描いた傑作。91年の日本初公開から25年を経てデジタル・リマスター版で遂に再上陸。

1960年代の台湾・台北。夜間中学に通うスーは不良グループ・小公園に属するモーやズルらといつもつるんでいた。スーはある日ミンという少女と知り合う。彼女は小公園のボス、ハニーの女で、ハニーは対立するグループ・軍人村のボスと、ミンを奪い合い、相手を殺し姿を消していた。ミンへの淡い恋心を抱くスーだったが、ハニーが突然戻ってきたことからグループの対立は激しさを増し、スーたちを巻き込んでいく

11/03(木) 11:20

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