映画の國 名作選V フランス映画未公開傑作選



シャブロル、ミレール、ロメールというフランス映画の名匠、晩年の傑作が「映画の國 名作選V フランス映画未公開傑作選」としてロードショー公開される。クロード・シャブロル監督の遺作となった傑作『刑事ベラミー』は、一昨年のTIFFでの上映、昨年のシャブロル特集上映に続いて、日本では初のロードショー公開、短編とテレビ作品を除いてほぼ全作が日本でも公開されてきたローメル作品の中で未公開となっていた重厚な怪作『三重スパイ』がついに日の目を浴びることになり、惜しくもつい先日逝去してしまったクロード・ミレール監督晩年の傑作『ある秘密』が本邦初公開となる。こうした重要な未公開作品の公開を喜びながら、ヌーヴェルヴァーグの作品ばかり上映している映画館があっても良いのになあ!との思いも強まる。
(上原輝樹)
2012.4.17 update
2012年4月21日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて5週間限定ロードショー! 後、全国順次公開
上映スケジュール
4月21日(土)〜27日(金)
11:15
刑事ベラミー
(110分)
13:45
ある秘密
(110分)
16:45
三重スパイ
(115分)
18:45
刑事ベラミー
(110分)
4月28日(土)〜5月4日(金)
11:15
ある秘密
(110分)
13:45
三重スパイ
(115分)
16:45
刑事ベラミー
(110分)
18:45
ある秘密
(110分)
5月5日(土)〜11日(金)
11:15
三重スパイ
(115分)
13:45
刑事ベラミー
(110分)
16:45
ある秘密
(110分)
18:45
三重スパイ
(115分)
5月12日(土)〜18日(金)
11:15
刑事ベラミー
(110分)
13:45
ある秘密
(110分)
16:45
三重スパイ
(115分)
18:45
刑事ベラミー
(110分)
5月19日(土)〜25日(金)
11:15
ある秘密
(110分)
13:45
三重スパイ
(115分)
16:45
刑事ベラミー
(110分)
18:45
ある秘密
(110分)
上映プログラム

© Moune Jamet
『刑事ベラミー』
2009年/110分/カラ−
監督・脚本:クロード・シャブロル
出演:ジェラール・ドパルデュー、ジャック・ガンブラン 

2010年惜しくもこの世を去った"フランスのヒッチコック"クロード・シャブロル監督の遺作。実際に起こった保険金詐欺事件を基にしたユニークな脚本。シャブロル作品初登場のドパルデューがメグレ刑事を彷彿とさせるベテラン刑事に扮し、複雑怪奇な人間模様に翻弄される。作家のジョルジュ・シムノンと歌手のジョルジュ・ブラッサンスに捧げられた巨匠最後の傑作。
クロード・シャブロル

ここ数年我が国でも急速に再評価されつつあるミステリーやサスペンスの巨匠。上流階級の欺瞞やデカダンスを描かせたら右に出る者なし。大の美食家でもある。

© Thierry Valletoux
『ある秘密』
2007年/110分/カラー
監督:クロード・ミレール
出演:セシル・ドゥ・フランス、リュディヴィーヌ・サニエ、マチュー・アマルリック 

トリュフォー、ゴダールの助監督としてキャリアをスタートさせたクロード・ミレール監督が描くある家族の謎めいた過去。両親の青春時代に起きた悲劇的な事件の秘密とは?ベストセラー小説「ある秘密」を基にナチス占領下のパリと現在を幻想的にミックスさせた心理サスペンスの傑作。クリント・イーストウッド作品「ヒア アフター」('11)でヒロインを演じたセシル・ドゥ・フランス、「引き裂かれた女」('07)のリュディヴィーヌ・サニエ、「さすらいの女神(ディーバ)たち」('10)のマチュー・アマルリックらフランスの若手演技派の出演にも注目。
クロード・ミレール

トリュフォーやゴダールのもとで修行した経歴をもち、ヌーヴェル・ヴァーグの正統な後継者と呼ばれる。若手女優を美しく撮り、その演技に磨きをかけ手腕はトリュフォー仕込み。

【フィルモグラフィ】

『Juliet dans Paris(短編)』(1967)
『La Question ordinaire(短編)』(1969)
『Camille ou la Comedie catastrophique(短編)』(1971)
『いちばんうまい歩き方』(1975)
『愛していると伝えて』(1977)
『検察官』(1981)
『死への逃避行』(1983)
『なまいきシャルロット』(1985)
『小さな泥棒』(1988)
『伴奏者』(1991)
『オディールの夏』(1994)
『リュミエールの子供たち』(1995)
『リュミエールと仲間たち』(1995)
『ニコラ』(1998)
『魔女たちの部屋』(2000)
『ベティ・フィッシャー』(2001)
『リリィ』(2003)
『ある秘密』(2007)
『Je suis hereux que ma mere soit vivante』(2009)
『Marching Band』(2009)
『Voyez comme ils dansent』(2011)

『三重スパイ』
2003年/115分/カラー
監督・脚本:エリック・ロメール
出演:カテリーナ・ディダスカル、セルジュ・レンコ 

「緑の光線」「海辺のポーリーヌ」等で日本の若い女性を虜にしたヌーヴェル・ヴァーグの巨匠、エリック・ロメールの異色作。1930年代のパリを舞台に暗躍するスパイの姿を描いた本作は、裏切り、騙しあい、隠ぺいに満ちた痛快な傑作サスペンス。実際に起こった事件を基にロメール独自の解釈をほどこした緻密なシナリオ。当時のニュース・フィルムと男女の会話のみで構成した大胆な作劇術は脱帽の一語。
エリック・ロメール

映画雑誌「カイエ・デュ・シネマ」の編集長から監督へ転身。若い女性たちの恋愛映画に伝統的なフランス文学の要素を巧みに取り入れた作風。ウディ・アレンを始め彼の影響下にある作家数知れず。

【フィルモグラフィ】

『シャルロットとステーキ(短編)』(1951)
『ヴェロニクと怠慢な生徒(短編)』(1958)
『獅子座』(1959)
シリーズ『六つの教訓話』(1962-1972)
『モンソーのパン屋の娘(短編)』(1962)
『シュザンヌの生き方(中編)』(1963)
『コレクションする女』(1967)
『モード家の一夜』(1968)
『クレールの膝』(1970)
『愛の昼下がり』(1972)
『風景の変貌(TV)』『パリのナジャ(短編)』(1964)
『パリところどころ(挿話『エトワール広場』)』(1965)
『われらの時代の映画作家/カール・ドライヤー(TV)』(1965)
『パスカルについての対談(TV)』(1965)
『現代の女学生(短編)』(1966)
『モンフォーコンの農婦(短編)』(1967)
『O侯爵夫人』(1976)
『聖杯伝説』(1978)
シリーズ『喜劇とことわざ』(1981-1987)
『飛行士の妻』(1981)
『美しき結婚』(1982)
『海辺のポーリーヌ』(1983)
『満月の夜』(1984)
『緑の光線』(1986)
『友だちの恋人』(1987)
『レネットとミラベル/四つの冒険』(1987)
『室内遊戯(TV)』(1989)
『木と市長と文化会館』(1993)
『パリのランデブー』(1995)
『四季の物語』(1990-1998)
『春のソナタ』(1990)
『冬物語』(1992)
『夏物語』(1996)
『秋の恋』(1998)
『Le Modèle(短編)』『背中の反り(短編)』(1998)
『グレースと公爵』(2001)
『三重スパイ』(2003)
『Le canapè rouge(短編)』(2005)
『我が至上の愛 アストレとセラドン』(2007)


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