ジョアン・ペドロ・ロドリゲス レトロスペクティヴ



ペドロ・コスタ同様、アントニオ・レイス(『トラス・オス・モンテス』76)の元で映画を学び、長編処女作『ファンタズマ』(00)がヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門でプレミア上映、2作目『オデット』(05)は、カンヌ国際映画祭インディペンデント映画部門で特別賞を受賞、3作目『男として死ぬ』(09)は、2009年の「カイエ・デュ・シネマ」誌の年間ベストテンに選出された、ポルトガルの俊英ジョアン・ペドロ・ロドリゲスの作品が、ついに日本初上陸を果たす。真に先鋭的な世界の映画を日本の観客に向けて紹介していくという映画批評家大寺眞輔氏が主宰する<DotDash!>第一弾「ジョアン・ペドロ・ロドリゲス レトロスペクティヴ」、万難を排して駆けつけたい。
(上原輝樹)
2013.3.1 update

3月23日(土)〜31日(日)
ジョアン・ペドロ・ロドリゲス監督、ジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタ監督来日予定!
全作品日本語字幕付き上映!
会場:アテネ・フランセ文化センター川崎市市民ミュージアム
料金:〈アテネ・フランセ文化センター〉1回券1,000円/3回券2,700円/アテネ・フランセ文化センター会員 800円
〈川崎市市民ミュージアム〉一律 1,000円 

公式サイト:http://dotdashfilm.com/?page_id=32
上映スケジュール
〈アテネ・フランセ文化センター〉
3月23日(土)
14:50
ファンタズマ
(90分)




17:30
男として死ぬ
(133分)
上映後:
ジョアン・ペドロ・ロドリゲス監督のトークの予定あり
3月24日(日)
休館






3月25日(月)
17:20
オデット
(98分)




19:30
短編集1
ハッピー・バースデー!
チャイナ・チャイナ
聖アントニオの朝

(計58分)
3月26日(火)
17:30
短編集1
ハッピー・バースデー!
チャイナ・チャイナ
聖アントニオの朝

(計58分)
19:00
追憶のマカオ
(82分)




3月27日(水)
17:40
追憶のマカオ
(82分)




19:30
短編集2
紅い夜明け
火は上がり、火は鎮まる
羊飼い

(計64分)
3月28日(木)
17:30
短編集2
紅い夜明け
火は上がり、火は鎮まる
羊飼い

(計64分)
19:00
オデット
(98分)




3月29日(金)
15:20
男として死ぬ
(133分)




18:00
短編集1
ハッピー・バースデー!
チャイナ・チャイナ
聖アントニオの朝

(計58分)
19:30
短編集2
紅い夜明け
火は上がり、火は鎮まる
羊飼い

(計64分)
3月30日(土)
13:10
オデット
(98分)




15:20
男として死ぬ
(133分)




18:00
追憶のマカオ
(82分)




3月31日(日)
休館






 

〈川崎市市民ミュージアム〉
3月23日(土)
12:30
オデット
(98分)




15:00
追憶のマカオ
(82分)




3月24日(日)
12:30
オデット
(98分)




14:15
トークショー:
ジョアン・ペドロ・ロドリゲス(映画監督)



15:30
ドキュメンタリー
これが私の家
万博への旅

(計104分)
3月30日(土)
12:30
ドキュメンタリー
これが私の家
万博への旅

(計104分)


15:00
短編集1
ハッピー・バースデー!
チャイナ・チャイナ
聖アントニオの朝

(計58分)
3月31日(日)
12:30
短編集2
紅い夜明け
火は上がり、火は鎮まる
羊飼い

(計64分)
15:00
追憶のマカオ
(82分)




 
上映プログラム

『ファンタズマ』
2000年/35mmフィルム上映/90分
出演:リカルド・メネセス、ベアトリス・トーケイト他 

リスボンのゴミ清掃員として働く青年セルジオの日常が、次第に暴力と堕落へと染まっていく。第57回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門でプレミア上映。ベルフォール国際映画祭で最優秀外国語映画賞、ニューヨーク・レズビアン&ゲイ映画祭で最優秀賞を受賞したほか、世界各地の数多くの映画祭で上映された。
『オデット』
2005年/デジタル上映/98分
出演:アナ・クリスティーナ・ド・オリヴェイラ他 

交通事故によってボーイフレンドのペドロを失ったルイとオデットの交錯を描いた異色のラブ・ストーリー。カンヌ国際映画祭インディペンデント映画部門で特別賞受賞。ボゴタ映画祭「Bronze Precolumbian Circle」賞、ミラノ国際映画祭審査員特別賞などを世界各国の映画祭で受賞した。
『男として死ぬ』
2009年/デジタル上映/133分
出演:フェルナンド・サントス、チャンドラ・マラティッチ他 

リスボンに住む中年ドラッグクイーンのトーニャを、周囲の人物たちとの交錯の中で描く。アルモドバル『オール・アバウト・マイ・マザー』やファスビンダー『13回新月のある年に』などを想起させる傑作。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門などで上映されたほか、カイエ・デュ・シネマ誌年間ベストテンにランクインした。
『追憶のマカオ』
2012年/デジタル上映/82分
共同監督・共同脚本:ジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタ 

ドキュメンタリー的なオープニングがやがて個人的な記憶やフィクションと結びつき、黙示録的な風景が展開していく。スタンバーグの『マカオ』を下敷きとし、クリス・マルケルなど様々な映画的記憶を刺激する。第65回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に正式出品された。
短編集1

『ハッピー・バースデー!』
1997年/デジタル上映/14分
出演:ジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタ、エドゥアルド・ソブラル

第54回ヴェネツィア国際映画祭に出品され審査員特別賞を受賞。
『チャイナ・チャイナ』
2007年/デジタル上映/19分
出演:ジアリャン・チェン、ルイス・ラファエル・チェン、チェン・ジエ

愛のない結婚生活を強いられながらリスボンの街を生きる若い中国人の母親の姿を描いた短篇。
『聖アントニオの朝』
2011年/デジタル上映/25分
撮影:ルイ・ポサス

祭りのあとの静寂や疲労して帰宅する若者たちの姿からインスピレーションを得た短編。
短編集2

『紅い夜明け』
2011年/デジタル上映/20分
共同監督・共同脚本:ジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタ

マカオの有名な食品市場「レッド・マーケット」をとらえた作品。
『火は上がり、火は鎮まる』
2012年/デジタル上映/27分
ジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタ監督。ジョアン・ペドロ・ロドリゲス主演。

1980年代後半のポルトガルを舞台に、社会情勢の危機と個人生活の危機が隠喩的に描かれる。
『羊飼い』
1988年/デジタル上映/17分
出演:カシミロ・オレイロ、ジョアキム・ラット
リスボン映画演劇学校の卒業制作として撮られた、ある羊飼いの一日をとらえた処女短篇作。
ドキュメンタリー

『これが私の家』
1997年/デジタル上映/50分

パリから故郷のトラス・オス・モンテス地方へと向かう、移民家族の旅行を追ったドキュメンタリー。
『万博への旅』
1998年/デジタル上映/54分

『これが私の家』と同じ家族がリスボン万博を訪れる姿を描いたドキュメンタリー。
ジョアン・ペドロ・ロドリゲス João Pedro Rodrigues
映画監督
1966年ポルトガル、リスボン生まれ
リスボン映画演劇学校で、「ノヴォ・シネマ」の映画監督アントニオ・レイス(『トラス・オス・モンテス』)などのもとで学んだ後、アルベルト・セイシャス・サントスやテレーザ・ヴィラヴェルデらのアシスタントとして映画界に入る。
2000年に撮られた処女長編『ファンタズマ』は、ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門でプレミア上映され、大きな話題を呼んだ。2005年の2作目『オデット』は、カンヌ国際映画祭に出品され特別賞を受賞したほか、世界の数多くの映画祭に出品。続く2009年の長編3作目『男として死ぬ』は、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でプレミア上映されたほか、トロント国際映画祭、ニューヨーク映画祭、サンフランシスコ国際映画祭など数多くの映画祭に出品され、この年のフランス「カイエ・デュ・シネマ」誌の年間ベストテンに選出された。2010年にはハーバードでアメリカでの初めてのレトロスペクティヴが開催された。2012年のリオ・デ・ジャネイロ国際映画祭では、マノエル・ド・オリヴェイラと並んでジョアン・ペドロ・ロドリゲス特集上映が行われた。最新作『追憶のマカオ』は、第65回ロカルノ国際映画祭のインターナショナル・コンペティション部門に正式出品され、トリノ映画祭ではドキュメンタリー部門でグランプリを獲得した。


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