
2011.8.11 update |
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上映プログラム |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | 『アデュー・フィリピーヌ』 1960-62年/フランス=イタリア/110分/35mm/モノクロ/1:1.66 脚本:ジャック・ロジエ、ミシェル・オグロール 撮影:ルネ・マトラン 録音:モーリス・ラロシュ 編集:ジャック・ロジエ、モニク・ボノ、クロード・デュラン 音楽:ジャック・ダンジャン、マキシム・ソーリー、ポール・マテイ 製作:ジョルジュ・ド・ボールガール 出演:ジャン= クロード・エミニ(ミシェル)、イヴリーヌ・セリ(リリアーヌ)、ステファニア・サバティーニ(ジュリエット)、ヴィットリオ・カプリオーリ(パシャラ) 1960年、兵役を数ヶ月後に控えたミシェルは、勤め先のテレビ局でケーブルをさばきながら、毎日を過ごしている。ふたりの女の子(リリアーヌとジュリエット)と知り合った彼は、モデルである彼女たちの紹介で、コマーシャル映画監督パシャラの撮影を手伝うのだがギャラも払わず、パシャラは雲隠れしてしまう。一方、リリアーヌとジュリエットはミシェルに心惹かれていく。夏の休暇プランで頭が一杯のミシェルは、生中継時にヘマをしてしまい、上司と喧嘩して局を辞めて、コルシカ島で早めのヴァカンスを楽しんでいた。そこへリリアーヌとジュリエットがやってきて、パシャラが同じ島で撮影していることをミシェルに知らせる。3人は、未払いのギャラを回収すべく威勢良く出発するのだが、、、 製作時から50年を経た今でも、全く色褪せない瑞々しい地中海的陽気さとアメリカのコメディ映画のようなテンポの良さで見るものを魅了する本作は、ゴダール、トリュフォーも讃えた永遠の青春映画の傑作としてエバーグリーンの輝きを放つ。当時、ロメールが編集長だったカイエ誌は、ヌーヴェル・ヴァーグ特集号(138号)の表紙をこの作品のスチールで飾ったのだった。 |
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![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | 『オルエットの方へ』 1969-70年/フランス/161分/16mm(1996年に35mmへブローアップ/カラー/1:1.37 脚本・台詞:ジャック・ロジエ 助監督:ジャン= フランソワ・ステヴナン 撮影:コラン・ムニエ 録音:ルネ・カデュー 編集:ジャック・ロジエ、オディール・ファイヨ、フランソワーズ・テヴノ 音楽:ゴング/デイヴィッド・アレン、ジリ・スマイス 製作:VM 出演:ベルナール・メネズ(ジルベール)、ダニエル・クロワジ(ジョエル)、フランソワーズ・ゲガン(カリーン)、キャロリーヌ・カルティエ(キャロリーヌ) 9月初め、キャロリーヌとジョエルとカリーンは、サン=ジル=クロワ=ド=ヴィにある別荘へ、ヴァカンスに出かける。目の前に海岸の広がる古い一軒家を、彼女たちは大はしゃぎでかけ回る。朝寝坊し、泳いだり、読書をしたり、女だけの気ままな生活を楽しむ3 人。ある日、ジョエルは上司のジルベールと偶然、港で出会う。実は以前から彼女に思いを寄せていた彼は、一緒に休暇を過ごすつもりでやってきたのだった。強風の吹き荒れる晩、ジルベールが別荘を訪れる。テント暮らしの彼は、彼女たちの親切心を当てにして、一緒に泊めてもらう魂胆だが、申し出は一蹴される。結局、庭にテントを張らせてもらうが、以後、彼女たちから粗末な扱いを受けることになる。海からの帰りに3人の女は、パトリックという男と知り合う。一緒にヨットに乗ったり、乗馬をしたりするうちに、ジョエルはパトリックに惹かれていくが、彼はカリーンにご執心だ。一方、3人にないがしろにされたジルベールは傷心のままパリへ戻り、パトリックと喧嘩したカリーンも避暑地を後にする。残されたジョエルとキャロリーヌも帰ることにする。再び元の生活に戻った彼らは、早くも来年の夏に思いを馳せるのだった。 ロジェの長編2作目。今にしてみれば、この映画の三人娘の自由奔放さは、タランティーノの『デス・プルーフ』の娘たちの奔放さまでも想起させ、アレンの『それでも恋するバルセロナ』の三人組の空虚な恋の空騒ぎを遥かに凌ぐヴァカンス映画の決定版と言っても良いだろう。同時期につくられたロメールの『クレールの膝』と気分を同じくしているところに、意味もなく嬉しさを感じてしまう。 |
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![]() ![]() ![]() | 『メーヌ・オセアン』 1985年/フランス/135分/35mm/カラー/1:1.66 (1986年 ジャン・ヴィゴ賞) 脚本・台詞:ジャック・ロジエ、リディア・フェルド 撮影:アカシオ・ド・アルメイダ 録音:ニコラ・ルフェーヴル 編集:ジャック・ロジエ、マルティーヌ・ブラン 音楽:シコ・ブアルキ、フランシス・ハイミ 製作:パウロ・ブランコ 出演:ベルナール・メネズ(検札長)、ルイス・レゴ(リュシアン)、イヴ・アフォンゾ(プチガ)、リディア・フェルド(女弁護士)、ロザ=マリア・ゴメス(デジャニラ) ![]() 『メーヌ・オセアン』レビュー 2010.1.22 update ブラジル人ダンサーのデジャニラは、列車内で検札係のリュシアンに罰金を命じられる。リュシアンは検札長と一緒に説明を試みるが、彼女はフランス語を解さず、埒が明かない。通りすがりの女弁護士が、ポルトガル語の通訳を買って出、検札たちを非難し始める。列車はアンジェに到着し、彼女らは漁師のプチガと合流する。女弁護士は彼の弁護をしに来たのだ。だが裁判は敗訴となり、女二人は漁師の住む島に向かう。一方、検札たちもこの島に休暇にやってくる。検札とのトラブルを聞いていたプチガは、二人に掴み掛かる、、、 ロジェ作品中、最もコミカルな作品。冒頭、15分間の長回しの列車内シーンで登場する検札係のリュシアンを演じるのは、『オルエットの方へ』で、三人娘にないがしろにされたルイス・レゴ。ロジエ作品ではすっかり情けない役が板についた印象の彼は、ポルトガル出身のミュージシャンで、近年ではフィリップ・ガレルの作品などにも出演している。製作は、ポルトガルの辣腕プロデューサー、パウロ・ブランコ。幾つものプロジェクトを同時進行しまくる事で知られるブランコは、この同年、ベケットの戯曲をビュル・オジェ主演で映画化したオリヴェイラの作品『Mon Cas』の製作を同時に手掛けている。 |
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![]() | 『ブルー・ジーンズ』 1958年/フランス/22分/35mm/モノクロ/スタンダード 脚本:ジャック・ロジエ、ミシェル・オグロール ナレーション原稿:イヴァン・オドゥアール 朗読:ピエール・ミカエル 撮影:ロベール・ジャキネ 編集:ジャック・ロジエ 音楽:オルケスタ・センサシオン、ヘンリー・コーディング 製作:フィルム・デュ・コリセ Tシャツにジーンズ姿の二人組、ルネとダニィは、カンヌの海岸通りをヴェスパで流し、今日もナンパに励んでいる。でも彼らの誘いに女の子たちは、やすやすと応じてはくれない。ある日、ビキニの女の子たちをドライブに連れ出すが、ガス欠になり、借金のカタにヴェスパを1台スタンドに残す。近くの入江に降り、即席のカップルたちは思い思いに砂浜で戯れる。帰りはヴェスパに4人乗り。夜は砂浜で、カーラジオから流れるポップスに乗って踊る。だが望んだ成果をあげられぬまま、彼らの夏は過ぎ去って行くのだった。 ゴダールはこの作品を「過ぎ去る時間についての映画」と呼び、「何をしているうちに過ぎ去っていく時間なのか? 接吻しているうちにである」との賛辞を捧げたという。1958 年トゥール短編映画祭に出品されたこの映画は、一躍ロジエの名を高からしめた。 |
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![]() | 『パパラッツィ』 1963年/フランス/18分/35mm/モノクロ/スタンダード 脚本:ジャック・ロジエ ナレーション:ミシェル・ピコリ、ジャン・レコ、ダヴィッド・トネッリ 撮影:モリス・ペリモン 録音:ジャック・バロネ 編集:ジャック・ロジエ 音楽:アントワーヌ・デュアメル 製作:フィルム・デュ・コリセ ロケ地:カプリ島(1963年5月) 出演:ブリジット・バルドー、ジャン= リュック・ゴダール、ミシェル・ピコリ、ジャック・パランス、フリッツ・ラング(以上『軽蔑』の出演者たち)と、ローマから来た3人のパパラッツィ |
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![]() | 『バルドー/ゴダール』 1963年/フランス/8分/35mm/モノクロ/スタンダード ナレーション原稿・朗読:ジャック・ロジエ 撮影:モリス・ペリモン 録音:ジャン・バロネ 編集:ジャック・ロジエ、ジャン・コレ 音楽:ヴィヴァルディ 製作:フィルム・デュ・コリセ ロケ地:カプリ島(イタリア)1963年5月 出演:ブリジット・バルドー、ジャン=リュック・ゴダール、ミシェル・ピコリ,ジャック・パランス、フリッツ・ラング(以上『軽蔑』の出演者たち) 両作とも、ゴダールの『軽蔑』(1963) の後半1/3を占めるカプリ島でのシーンの撮影現場に取材したドキュメンタリー短編で、部分的に同じフッテージが使われている。いわば双子のような作品。『パパラッツィ』が『軽蔑』の撮影現場の外側で起きていたブリジッド・バルドーと彼女を狙う追っかけカメラマン(パパラッツィ)との攻防戦に焦点を当てた作品であるのに対し、『バルドー/ゴダール』はその内側でのバルドーとゴダールとの関わりを中心に構成されている。なおこれらの作品と同時進行で制作され、ロジエ自身がプロデュースした短編に、ニュー・ジャーマン・シネマの映画作家ペーター・フライシュマンが撮った「Begegnung mit Fritz Lang(フリッツ・ラングに会う)」(1963)がある(脚本はアラン・ロブ=グリエ)。こちらの方は、『軽蔑』に出演していたフリッツ・ラングへのインタビューを中心に構成された作品だが、それ以外の部分は『パパラッツィ』『バルドー/ゴダール』で使われたフッテージを共有している。なお『バルドー/ゴダール』の編集を担当したジャン・コレは映画批評家でもあり、最も早い時期に書かれたゴダール論の著者である(邦訳『現代のシネマ<1> /ゴダール』三一書房、1969 年)。 |
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