イタリア映画祭2013



今年で13回目を迎える「イタリア映画祭」が、恒例のゴールデンウィークに東京と大阪で開催される。それに先立って3/9から開催されるイタリアの巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督の「初期傑作選」では60年代の傑作『ベルトルッチの分身』『殺し』『革命前夜』が上映され、待望の新作『孤独な天使たち』も4月下旬の公開が予定されている。GUCCI CINEMA VISIONARIESでは、フランチェスコ・ロージ監督の『黒い砂漠』(72)も上映されおり、この春はさながら、イタリア映画の季節!の様相を呈している。
2013.3.8 update
開催概要
名称:イタリア映画祭2013
期間:
<東京>4月27日(土)~29日(月・祝)、 5月3日(金・祝)〜6日(月・休)
<大阪>5月11日(土)、12日(日)
開催場所:有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町2-5-1マリオン11階)、ABCホール(大阪市福島区福島1-1-30)
お問い合わせ:
<東京>ハローダイヤル050-5542-8600(~4月26日、4月30日~5月2日)/03-3213-0339(会場、会期中のみ)
<大阪>ハローダイヤル050-5542-8600(〜5月12日)
公式サイト:http://www.asahi.com/italia/2013/

当日券 [全席指定]:<1回券>一般 1,600円 学生・60歳以上 1,500円
前売入場料 [全席指定]: <1回券>一般 1,400円 学生・60歳以上 1,300円
発売日:3月20日(水・祝)10:00から
・お近くのチケットぴあ窓口で直接購入
・セブン-イレブン、サークルK・サンクスで直接購入
・電話予約後、店頭で受け取り チケットぴあ/音声認識予約:0570(02)9999
・インターネットで購入 http://t.pia.jp/cinema/
Pコード 1回券=550-790

主催:イタリア映画祭実行委員会、イタリア文化会館、朝日新聞社、イスティトゥート・ルーチェ・チネチッタ
特別後援:イタリア共和国大統領

<東京>
後援:イタリア大使館、イタリア総領事館(大阪のみ)
協賛:シティカードジャパン株式会社、フィアット クライスラー ジャパン、フェラガモ・ジャパン株式会社、株式会社紀尾井コーポレーション
協力:バリラ ジャパン株式会社、アリタリア-イタリア航空

<大阪>
運営・宣伝協力:有限会社オフィス・リブラ
字幕協力:アテネ・フランセ文化センター
 
上映スケジュール

<東京>
4月27日(土)



 
12:00
赤鉛筆、
青鉛筆

(98分) 
15:00
綱渡り
(100分) 




18:00
素晴らしき
存在

(105分)


4月28日(日)
10:20
天国は満席
(119分)

13:30
それは息子だった
(90分)
16:05
司令官と
コウノトリ

(108分) 


18:55
家の主たち
(90分)




4月29日(月・祝)
10:20
日常のはざま
(90分) 

13:00
来る日も来る日も
(102分)
15:15
座談会
 
 



18:10
フォンターナ広場 
イタリアの陰謀

(129分)
5月3日(金・祝)



 
12:00
家への
帰り道で

(83分)
15:00
ふたりの
特別な一日

(89分)



18:00
綱渡り
(100分)




5月4日(土・祝)
10:20
素晴らしき
存在

(105分)
13:20
日常のはざま
(90分)

15:40
フォンターナ広場 
イタリアの陰謀

(129分)
18:40
それは息子だった
(90分) 


5月5日(日・祝)
10:20
司令官と
コウノトリ

(108分)
13:20
天国は満席
(119分)


16:05
赤鉛筆、
青鉛筆

(98分) 


18:30
家への
帰り道で

(83分) 


5月6日(月・休)
10:20
ふたりの
特別な一日

(89分)
13:00
家の主たち
(90分) 

15:20
来る日も来る日も
(102分) 


17:50
リアリティー
(115分) 




※すべて日本語字幕付きの上映です。
※上映は各回入れ替え制、定員750名、開場は上映30分前です。
※座談会は入場無料です。
※4月27日(土)18:00〜の上映前に開会式(約30分間)があります。
※4月27日(土)〜29日(月・祝)は、来日ゲストの舞台挨拶を予定しています。

<大阪>
5月11日(土)


12:30
素晴らしき存在 (105分)
15:20
ふたりの特別な一日 (89分)
17:50
フォンターナ広場 イタリアの陰謀 (129分)
5月12日(日)
11:00
赤鉛筆、青鉛筆 (98分)
13:40
それは息子だった (90分)
15:55
来る日も来る日も (102分)
18:20
天国は満席 (119分)

※すべて日本語字幕付きの上映です。
※上映は各回入れ替え制、定員300名、開場は上映20分前です。
作品ラインナップ
『家への帰り道で』
原題:Sulla strada di casa
2011年/83分
監督:エミリアーノ・コラピ

短編などで実績を積んできたコラピ監督の長編デビュー作で、次から次へと予想外の方向に物語が巧みに展開していくサスペンスタッチのヒューマンドラマ。ジェノヴァで小さな会社を経営するアルベルトだが、経営は行き詰まっていた。会社を救うために、違法物を運ぶ仕事を引き受けることを決意し、それを受け取りに南部へ旅立とうとする。だがその直前に、謎の男たちが自宅に侵入して家族を人質に取り、違法物を所定の場所に届ける代わりに自宅に持ち帰るよう脅迫する。
『天国は満席』
原題:Posti in piedi in paradiso
2012年/119分
監督:カルロ・ヴェルドーネ

『イタリア的、恋愛マニュアル』などで俳優としてもおなじみのヴェルドーネが監督・主演した、中年男3人をめぐるコメディー。レコード店経営のウリッセ、芸能リポーターのフルヴィオ、不動産会社の営業職のドメニコはみな離婚によって経済的に厳しい状況に陥り、住まいにも事欠く始末。たまたま知り合った3人は、一人では家賃を払えないので、アパートで共同生活を始めることに。中年男たちが離ればなれのわが子や新しい恋のために奔走し、時には空回りする姿は笑いを誘い、愛くるしくもある。
『素晴らしき存在』
原題:Magnifica presenza
2012年/105分
監督:フェルザン・オズペテク

『あしたのパスタはアルデンテ』のスマッシュヒットが記憶に新しいオズぺテク監督が、エリオ・ジェルマーノを主演に迎えた心温まる喜劇。ピエトロは、パン屋に勤務する28歳。役者になりたくてローマに上京してきた。見つけた住まいは、少々古くて修繕は必要だが広いアパート。家賃も手頃で気分を良くしていたピエトロだったが、住んでいるうちに誰か他の人がいるような気がしてくるのだった。イタリア・ゴールデングローブ賞で最優秀監督賞や最優秀男優賞などを受賞。
『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』
原題:Romanzo di una strage
2012年/129分
監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ

名作『輝ける青春』のジョルダーナ監督が、イタリアを震撼させた大事件に挑む意欲作。1969年12月12日、ミラノのフォンターナ広場にあった農業銀行が爆破され、死者17人、負傷者88人に達する大惨事となった。無政府主義者のグループによる犯行と考えた警察は、容疑者たちを逮捕していく。だが、取り調べの最中に一人の容疑者を悲劇が襲い、事態は一変する。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の最優秀助演男優賞と最優秀助演女優賞をはじめ、多くの賞に輝く。
『家の主たち』
原題:Padroni di casa
2012年/90分
監督:エドアルド・ガッブリエッリーニ

タイル張り職人のコジモとエリアの兄弟は、ローマからアペニン山脈の小さな村にやって来る。有名だった歌手の家のバルコニーのタイルを張り替えるためだ。重病の妻のために歌手は引退したと言うが、二人の仲はそうは見えない。村にも不穏な空気が漂っていて、次第に住民と外部からの兄弟の間で緊張が高まっていく。兄弟役はヴァレリオ・マスタンドレアとエリオ・ジェルマーノで、ベテラン歌手のジャンニ・モランディが歌を披露する。ロカルノ国際映画祭コンペ部門出品。
『それは息子だった』
原題:È stato il figlio
2012年/90分
監督:ダニエーレ・チプリ

ベロッキオやトッレの作品で撮影監督としても活躍するチプリのブラックテーストな悲喜劇。パレルモ郊外に暮らす6人家族のチラウロ家は、主人が廃船の鉄屑を売ることでなんとか生計を立てていた。ある日、マフィアの抗争中に流れ弾が娘を襲う。悲嘆にくれる家族は娘の死が金銭的に賠償されることを知り、その申請をする。しかし、それが更なる悲劇の始まりだった。父親役のトニ・セルヴィッロの怪演ぶりは圧巻。ヴェネチア国際映画祭で新人俳優賞と撮影賞を受賞。
『ふたりの特別な一日』
原題:Un giorno speciale
2012年/89分
監督:フランチェスカ・コメンチーニ

大物になりたい若者たちの楽しくもほろ苦い一日を描く青春映画。芸能界入りを夢見るジーナは、後押しを得るために有力な政治家に会おうとするが、ローマ郊外の自宅から出かけた矢先に会う時間が延期に。時間をつぶそうと、ジーナを迎えに来ていた運転手のマルコと一緒にローマの中心部に繰り出すことにし、特別な一日が始まる。スペイン広場やパンテオンなどローマおなじみの観光スポットを二人がうろつくシーンは臨場感たっぷり。ヴェネチア国際映画祭コンペ部門出品。
『日常のはざま』
原題:L'intervallo
2012年/90分
監督:レオナルド・ディ・コスタンツォ

ドキュメンタリーの分野で活動し続けてきたディ・コスタンツォ監督が、ナポリの郊外に生きる10代の少年少女の心の移ろいと置かれている現実をじっくりと描き出す初の劇映画。荒れ果てた無人の建物に拘束されるヴェロニカと、理由も知らずに彼女の監視を強いられるサルヴァトーレ。反目する二人だが、同じ時間を共有するうちに二人の関係に変化が生じ始め、拘束の理由も明らかになっていく。ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門で国際批評家連盟賞などを受賞。
『綱渡り』
原題:Gli equilibristi
2012年/100分
監督:イヴァーノ・デ・マッテオ

一つの過ちをきっかけに、順調な人生があっという間に崩壊していく一人の男とその家族を通して、現代社会に生きる人々の不安定さが鮮明に浮かび上がるドラマ。40歳のジュリオは、妻と二人の子どもと幸せな家庭を築いているかのように見えた。だが、職場の同僚と不倫をし、それが妻にばれてしまう。家を出るジュリオだが、仮住まい先はなかなか見つからず、状況は深刻になっていく。家族の前では救いの合図が出せない男の姿が実に切ない。ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門出品。
『赤鉛筆、青鉛筆』
原題:Il rosso e il blu
2012年/98分
監督:ジュゼッペ・ピッチョーニ

マルゲリータ・ブイ、リッカルド・スカマルチョ、ロベルト・ヘルリツカの繊細な演技のアンサンブルが見事な、『もうひとつの世界』のピッチョーニ監督による爽やかな学園もの。生徒に意欲を湧かせようと熱心な国語の臨時教員、教育への情熱を失った美術史の老教師、しっかりものの校長。ローマの高校の3人の先生を軸に、物語は進行していく。先生と生徒の対立があれば、一方で恋愛もあり、重大な事件も起こるし、学校を去らざるをえない者も出るが、それでも学校生活は続いていく。
『来る日も来る日も』
原題:Tutti i santi giorni
2012年/102分
監督:パオロ・ヴィルズィ

『見わたすかぎり人生』や『はじめての大切なもの』などヒット作を連発し続けるヴィルズィのハートフルでロマンチックなコメディー。控えめで高学歴なグイドはホテルで夜勤をし、落ち着きがなく気難しいアントニアはレンタカー店で昼間に勤務する、対照的な二人のカップルだが、相性は抜群だ。グイドの夜勤明けに毎日愛を交わす二人は子どもを切望するが、そのことで二人の仲がぎくしゃくしだす。グイド役のルカ・マリネッリは、シューティング・スターに選ばれた注目の若手俳優。
『司令官とコウノトリ』
原題:Il comandante e la cicogna
2012年/108分
監督:シルヴィオ・ソルディーニ

男手一つで子育てする水道屋のレオだが、娘はネット上でトラブルに遭い、コウノトリに夢中の息子は学校をさぼりがち。貧苦にあえぐ芸術家のディアーナは家賃を滞納。仕事を辞めたアマンツィオは賃貸収入があるものの新しい生き方を模索中。『アガタと嵐』以来の久々のコメディーになるソルディーニは、懸命に生きる人々が織りなす人間模様を温かく描き、軽やかな群像劇に仕上げた。常連のアルバ・ロルヴァケルやジュゼッペ・バッティストンに加えて、ヴァレリオ・マスタンドレアが出演。
特別上映作品
『リアリティー』
原題:Reality
2012年/115分
監督:マッテオ・ガッローネ

夢を追い続けるうちに夢に取りつかれ、現実との見分けがつかなくなってしまう男の悲喜劇。ナポリで魚屋を営む人気者のルチャーノは、家族の薦めで素人参加型の人気テレビ番組「ビッグ・ブラザー」の一次オーディションに参加し、合格する。有名になり金持ちになる期待に胸を膨らませ、二次オーディションに臨むのだが・・・。フェリーニの幻想性を想起させる本作は、世界中に衝撃を与えた前作『ゴモラ』に続いてのカンヌ国際映画祭のグランプリ受賞をガッローネにもたらした。


イタリア映画祭2013について、皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。
なお、ご投稿頂いたものを掲載するか否かの判断については、
OUTSIDE IN TOKYO 編集部の判断に一任頂きますので、ご了承ください。





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