イタリア映画祭2012



今年もGW恒例の「イタリア映画祭」が開催される。東京では、4月28日(土)~ 5月4日(金・祝)の7日間、大阪では5月12日(土)、13日(日)の2日間に渡り、イタリアの最新注目映画が上映される。東京会場の特別上映では、ナンニ・モレッティ監督の『ローマ法王の休日』や『輝ける青春』のスタッフが再結集した6時間超えの大作『そこにとどまるもの(仮題)』らの上映も予定されている。
2012.3.15 update

開催概要
名称:イタリア映画祭2012
期間:4月28日(土)~ 5月4日(金・祝)
開催場所:有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町2-5-1マリオン11階)
お問い合わせ:
<東京>ハローダイヤル050-5542-8600(〜4月27日)/03-3284-5215(会場、会期中のみ)
<大阪>ハローダイヤル050-5542-8600(〜5月13日)
公式サイト:http://www.asahi.com/italia/2012/

当日券 [全席指定]:<1回券>一般 1,600円 学生・60歳以上 1,500円  <『そこにとどまるもの(仮題)』>一般 3,000円 学生・60歳以上 2,800円
前売入場料 [全席指定]: <1回券>一般 1,400円 学生・60歳以上 1,300円  <『そこにとどまるもの(仮題)』>一般 2,800円 学生・60歳以上 2,600円
発売日:3月24日(土)10:00から
・お近くのチケットぴあ窓口で直接購入
・セブン-イレブン、サークルK・サンクスで直接購入
・電話予約後、店頭で受け取り チケットぴあ/音声認識予約:0570(02)9999
・インターネットで購入 http://t.pia.jp/cinema/
Pコード 1回券=559-413 『そこにとどまるもの(仮題)』券=559-414

主催:イタリア映画祭実行委員会、イタリア文化会館、朝日新聞社、イスティトゥート・ルーチェ・チネチッタ
後援:イタリア大使館、イタリア文化財・文化活動省

<東京>
協賛:フィアット グループ オートモービルズ ジャパン株式会社、フェラガモ・ジャパン株式会社、株式会社紀尾井コーポレーション
協力:バリラ ジャパン株式会社、株式会社IMAGICA TV
運営協力:有限会社エミュー
宣伝協力:樂舎
字幕協力:アテネ・フランセ文化センター

<大阪>
運営・宣伝協力:有限会社オフィス・リブラ
字幕協力:アテネ・フランセ文化センター
 
上映スケジュール

<東京>
4月28日(土)





12:00
天空のからだ
(100分) 


15:00
ローマ法王の休日
(104分)
18:00
大陸
(88分)


4月29日(日)
10:20
楽園の中へ
(104分)


13:15
七つの慈しみ
(103分)


16:00
シャッラ/
いいから!
(95分)
18:35
錆び
(109分)



4月30日(月・祝)
10:20
バッグには
クリプトナイト

(98分)
13:00
シュン・リーと詩人(仮題)
(96分)

15:15
座談会


18:15
気楽な人生
(102分)


5月1日(火)
10:20
至宝
(110分)


13:20
ジャンニと
彼をめぐる
女たち

(90分)
15:55
楽園の中へ
(104分)


18:45
七つの慈しみ
(103分)



5月2日(水)
10:20
シャッラ/
いいから!

(95分)


13:10
気楽な人生
(102分)


16:00
錆び
(109分)

18:50
バッグには
クリプトナイト

(98分)
5月3日(木・祝)
10:20
何もかも
音楽のせい

(97分)

13:00
至宝
(110分)



15:50
大陸
(88分) 

18:15
天空のからだ
(100分) 


5月4日(金・祝)
10:20
ジャンニと
彼をめぐる
女たち

(90分)
13:00
そこにとどまるもの(仮題)
(399分)
(16:20〜16:40休憩予定)














※すべて日本語字幕付きの上映です。
※上映は各回入れ替え制、定員750名、開場は上映30分前です。
※座談会は入場無料です。
※4月28日(土)18:00〜の上映前に開会式(約30分間)があります。
※4月28日(土)〜30日(月・休)は、来日ゲストの舞台挨拶を予定しています。

<大阪>
5月12日(土)


12:30
大陸 (88分)
15:00
楽園の中へ (104分)
17:45
至宝 (110分)
5月13日(日)
11:00
シャッラ/いいから! (95分)
13:35
天空のからだ (100分)
16:00
気楽な人生 (102分)
18:25
ジャンニと彼をめぐる女たち (90分)

※すべて日本語字幕付きの上映です。
※上映は各回入れ替え制、定員300名、開場は上映20分前です。
作品ラインナップ
『楽園の中へ』
原題:Into paradiso
2010年ヴェネチア国際映画祭コントロカンポ・イタリアーノ部門出品
2010年 104分
監督:パオラ・ランディ

ナポリのスリランカ移民街を舞台に、イタリア人とスリランカ人の奇妙な友情と協同がコミカルに描かれる女性監督ランディの長編デビュー作。ガヤンは希望を胸に、スリランカからイタリアに渡って来た。けれども、クリケットの名選手として祖国で味わった栄光とはかけ離れた現実を前に、早々に帰国を望む。一方で、科学者の職を失ったアルフォンソは、再就職のために怪しい依頼を引き受ける。だが、トラブルに巻き込まれ、偶然に逃げ込んだ先はガヤンの仮住まいだった。
『気楽な人生』
原題:La vita facile
2010年モントリオール世界映画祭招待作品
2010年 102分
監督:ルーチョ・ペッレグリーニ

昨年の映画祭で上映された痛快な喜劇『星の子どもたち』のペッレグリーニ監督が、友情や恋愛、陰謀や裏切りがないまぜになった物語に、ユーモアをまぶして味わい深いドラマに仕上げた。ケニアの僻地で医療に従事するルカに、名うての医者で親友のマリオがローマから加勢しに来る。現地になかなかなじめないマリオだったが、二人は親交を温める。だが、マリオがローマに残してきた妻が突然ケニアにやって来たことから、三者それぞれの思惑が明らかになっていく。
『ジャンニと彼をめぐる女たち』
原題:Gianni e le donne
2011年ベルリン国際映画祭特別招待作品
2011年 90分
監督:ジャンニ・ディ・グレゴリオ

好評を博したデビュー作『8月のランチ』(2008年の東京国際映画祭で上映)に続くディ・グレゴリオ監督の軽妙な喜劇。退職して主夫になった中高年のジャンニが日々することといったら、妻や母たちから命じられる雑用と、ローマの街を犬と一緒にする散歩ぐらいで、ぞんざいに扱われていた。親友の情事を知り、近所の年寄りと若い女性の抱擁現場を目撃したジャンニは、人生に潤いを取り戻すために恋人を見つけようとするのだが...。11年ベルリン国際映画祭特別招待作品。
『至宝』
原題:Il gioiellino
2011年カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭コンペ部門出品
2011年 110分
監督:アンドレア・モライヨーリ

『湖のほとりで』が日本でもヒットしたモライヨーリ監督が、前作に続いて名優トニ・セルヴィッロを主演に迎えた2作目。イタリアのとある大手食品メーカーにもグローバル化の波が押し寄せるが、身内を中心に固められた家族的な経営では太刀打ちできない。負債は膨らむばかりで、ありとあらゆる手段を取ることになるが...。実際に起こった事件から創作されたということもあってドラマは生々しく、老獪な会計係役を演じるセルヴィッロのいぶし銀の演技も光る。
『天空のからだ』
原題:Corpo celeste
2011年カンヌ国際映画祭監督週間出品
2011年 100分
監督:アリーチェ・ロルヴァケル

思春期の少女がとまどいや葛藤を抱きつつも自分なりの生き方を見つけていく歩みを、繊細な演出と瑞々しい映像でたどる女性監督ロルヴァケルのデビュー作。13歳のマルタとその家族はスイスから10年ぶりに帰国し、南イタリアのレッジョ・カラブリアに再び住み始める。カトリックの儀式を受けるために、マルタは教会の日曜学校に通うが、その世界になかなかなじめないでいた。本作は、昨年のカンヌ国際映画祭監督週間に選ばれたのをはじめ、数多の映画祭で上映されている。
『七つの慈しみ』
原題:Sette opere di misericordia
2011年ロカルノ国際映画祭コンペ部門出品
2011年 103分
監督:ジャンルカ&マッシミリアーノ・デ・セリオ

昨年のマラケシュ国際映画祭で審査員長だったクストリッツァ監督から絶賛され、最優秀演出賞を受賞したデ・セリオ兄弟の長編第1作。トリノ郊外に生きる不法移民のルミニツァは、喉から手が出るほど欲しい身分証明書との引き換えに、赤ちゃんを盗むことにする。その過程で末期の病人であるアントニオの家に押し入るが、計画は当初とは異なる方向に進んでいってしまう。研ぎ澄まされた映像と音響のもと、現代社会における寄る辺なさとともに希望も浮き彫りにされる。
『錆び』
原題:Ruggine
2011年ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門出品
2011年 109分
監督:ダニエーレ・ガッリャノーネ

1970年代後半、北イタリアの町はずれに、優秀な医者が赴任する。尊敬の念で見る大人たちだったが、子供たちの目に映るのは全く違う姿だった。やがて、凶悪な事件が連続して発生、少年少女の三人に大きなトラウマを残すことになる。30年後、大人になった彼らははたして...。フィリッポ・ティーミ、ステファノ・アッコルシ、ヴァレリオ・マスタンドレアが出演。鬼才ガッリャノーネ監督がスターとタッグを組んだ意欲作は、昨年のヴェネチア映画祭で高く評価された。
『大陸』
原題:Terraferma
2011年ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞、第84回米アカデミー賞外国語映画賞イタリア代表
2011年 88分
監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ

漁業が衰退の一途を辿るシチリアの離島で、20歳のフィリッポは、漁師だった亡き父の後を継いだ。一方で、島から出て行くことを夢見る母は、観光業で当座の生活をしのごうとする。だが、フィリッポと祖父が海上で遭難していたアフリカ難民を救ったことから、事態は一変する。雄大なシチリアの海を背景に、未来に向かって生き抜こうとする人々を力強く映し出した本作は、昨年のヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞、本年の米アカデミー賞イタリア代表にも選ばれた。
『シャッラ/いいから!』
原題:Scialla!
2011年ヴェネチア国際映画祭コントロカンポ・イタリアーノ部門コントロカンポ賞
2011年 95分
監督:フランチェスコ・ブルーニ

ヴィルズィ監督の作品やモンタルバーノ警部シリーズの脚本を手掛けてきたブルーニの初監督作にして、ハートウォーミングな喜劇。かつては教師だったがやる気をなくした中年のブルーノは、著名人の自伝のゴーストライターや家庭教師の仕事で、適当に暮らしていた。ある日、教え子のルカの母親が急に現れ、ルカは彼の息子だという驚愕の事実を明かし、その上しばらく預かってくれと言うのだった。11年ヴェネチア国際映画祭コントロカンポ・イタリアーノ部門の受賞作。
『バッグにはクリプトナイト』
原題:La kryptonite nella borsa
2011年ローマ国際映画祭コンペ部門出品
2011年 98分
監督:イヴァン・コトロネオ

脚本家(『明日のパスタはアルデンテ』『ミラノ、愛に生きる』)、作家、翻訳家と多才なコトロネオの初監督作。1970年代のナポリで、大家族の浮き沈みが笑いに包まれながらしっとりと物語られる。9歳のペッピーノには、自分がスーパーマンだと信じている風変わりな従兄がいた。ちょっと騒々しくも微笑ましい家族だったが、従兄が突然亡くなってしまう。調和は崩れ始め、ペッピーノは先行き不安な生活に向き合うことになる。11年ローマ国際映画祭コンペ部門出品。
『何もかも音楽のせい』
原題:Tutta colpa della musica
2011年ヴェネチア国際映画祭コントロカンポ・イタリアーノ部門出品
2011年 97分
監督:リッキー・トニャッツィ

俳優としても活躍するベテランのリッキー・トニャッツィ監督が贈る、心温まる中年の恋愛劇。55歳のジュゼッペには妻と一人娘がいたが、宗教にはまった妻とは冷え切った仲になり、幸せとはいえない結婚生活だった。ジュゼッペを心機一転させようと、親友のナポレオーネは、自身もメンバーである町の合唱団に誘う。そこでジュゼッペは美しくて歌が上手い中年女性のエリザに一目惚れし、合唱団に加わることになる。エリザ役は、ステファニア・サンドレッリ。
特別上映作品
『そこにとどまるもの(仮題)』
原題:Le cose che restano
2010年ローマ国際映画祭特別上映
2010年 399分
監督:ジャンルカ・マリア・タヴァレッリ

名作『輝ける青春』のスタッフが再結集し、6時間超にわたってイタリアのある家族の「今」を紡ぎ出す感動作。高校生の息子の突然の死をきっかけに、入院、大学卒業、転勤と、大きな家から両親と3姉弟は一人ずつ去っていき、それぞれが新たな出会いに導かれていく。現代を生きる一組の家族の離別と再生の壮大な物語を通して、今日的な家族とは何なのか、決して変わることのないものとは何なのかが描かれる。今夏、岩波ホール他全国順次公開。
『ローマ法王の休日』
原題:Habemus Papam
2011年カンヌ国際映画祭コンペ部門出品
2011年 104分
監督:ナンニ・モレッティ

ローマ法王死去。この一大事を受け、新法王選出のためヴァチカンに集まる各国の枢機卿たち。彼らは全員、心の中で必死に祈りを捧げていた。「神様、一生のお願いです。どうか私が選ばれませんように」。そして新法王に選ばれてしまったのが、ダークホースのメルヴィル。彼は大観衆を前に演説をしなければならないが、あまりの緊張からローマの街に逃げ出してしまい...。巨匠モレッティが描く、法王版・ローマの休日。7月、TOHOシネマズ シャンテ他全国順次公開。
『シュン・リーと詩人(仮題)』
原題:Io sono Li
2011年ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門出品
2011年カンヌ国際映画祭コンペ部門出品
2011年 96分
監督:アンドレア・セグレ

中国に残した一人息子をいつか呼び寄せることを胸に秘めつつ、ヴェネチア近くの町、キオッジャの居酒屋で店員として働く移民のシュン・リー。男ばかりの職場と拙い語学力で孤独だったが、スラブ系移民で年配の「詩人」ことベピに出会い、打ち解けていく。詩情が漂うラグーン(潟)の風景とともに、育った環境も年も異なる男女の心の交流を慎ましやかに描いた本作は、昨年のヴェネチア映画祭で称賛された。チャオ・タオがシュン・リー役を好演。今冬公開予定。


イタリア映画祭2012について、皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。
なお、ご投稿頂いたものを掲載するか否かの判断については、
OUTSIDE IN TOKYO 編集部の判断に一任頂きますので、ご了承ください。





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