旅する映像詩人 ヴィンセント・ムーンの世界

南米、ブラジル、ヨーロッパ、アジア、地中海・アフリカからウクライナ・クリミア・コーカサス、そして、ロックフェスティバルAll Tomorrow's Partiesのドキュメント"ATP"、ミュージシャンをステージとは異なる場所に連れ出して演奏を記録するミュージックビデオ"Take Away Shows"まで、"旅する映像詩人"ヴィンセント・ムーンの代表作を網羅した「ヴィンセント・ムーンの世界」が下高井戸シネマで再上映される。ミア・ハンセン=ラブの『グッバイ・ファーストラブ』で使われた名曲「ウォーター」が記憶に新しいジョニー・フリンをフィーチャーしたパリのMUMFORD & SONSら無数の有名無名ミュージシャンが奏でるストリートミュージックから、壮麗で美しいチェチェンの女性聖歌隊NUR-ZHOVKHARら人類の記憶の古層から甦る伝統的チャントの数々、ヴェルナー・ヘルツォークの『カスパー・ハウザーの謎』に主演したブルーノ・Sの亡くなる数日前の歌声を捉えた映像まで、通りすがりの通行人にも躊躇なく心を奪われてカメラで追って行くヴィンセント・ムーンの視線は、あたかも柳田國男の民俗学と共鳴するかのように"小さきもの"へと注がれ、現代の片隅に追いやられ忘れ去られてしまうにはあまりにも惜しい、美しく官能的で、生命力に満ちたもうひとつの"世界"を私たちの眼前に解き放ってくれる。
(上原輝樹)
2014.9.9 update
9月8日(月)~9月21日(日)
会場:下高井戸シネマ
料金:1,000円均一/会員800円

公式サイト:http://www.shimotakaidocinema.com/schedule/tokusyu/vincent.html
上映スケジュール
9月8日(月)
21:10
南米
(99分)



9月9日(火)
21:10
ブラジル
(104分)



9月10日(水)
21:10
ヨーロッパ
(81分)



9月11日(木)
21:10
FROM ATP + Take Away Shows 傑作選
(105分)
9月12日(金)
21:10
アジア
(101分)



9月13日(土)
21:10
地中海・
アフリカ

(107分)


9月14日(日)
21:10
ウクライナ・クリミア・コーカサス
(104分)

9月15日(月・祝)
21:10
ヨーロッパ
(81分)



9月16日(火)
21:10
地中海・
アフリカ

(107分)


9月17日(水)
21:10
ウクライナ・クリミア・コーカサス
(104分)

9月18日(木)
21:10
アジア
(101分)



9月19日(金)
21:10
ブラジル
(104分)



9月20日(土)
21:10
南米
(99分)



9月21日(日)
21:10
FROM ATP + Take Away Shows 傑作選
(105分)
上映プログラム

『南米』(Argentina・Chile・Peru・Colombia)
9作品/計99分/2010〜2013年
出演:ONDA VAGA, Soema Montenegro, Pablo Malaurie, Fernando Milagros, Gepe, Manuel Garcia, Pascuala Ilabaca, Camila Moreno, Goli, Angelo Escobar, Choquewillka一家, LA CATEDRAL DEL CRIOLLISMO, BOMBA ESTEREO, Tomi Lebrero 

ブエノスアイレス、道の真ん中でカホン(箱型ドラム)を囲み5人で元気に声を合わせるワールド系ポップスバンド、オンダ・バガ/女性歌手ソエマの透き通る伸びやかな歌声が街を包み込む/夜の公園に妖精のようにたたずみバンジョーを弾き語るマロウリー/チリの港町バルパライソ、青い空の下、海岸で遊ぶ子どもたちの傍らで歌うミラグロス/老舗バーにフォークミュージシャン達が集う/ペルー、標高3600mの都市クスコに伝統的フォルクローレを響かせる一家/ペルー版ブエナビスタ (?!) リマのクリオーリョ音楽の老人楽団、ラ・カテドラル・デル・クリオリスモ/コロンビアの広場で演奏するバンド、ボンバ・エステレオの存在感ある歌声が光る/夜のブエノスアイレス、トミ・レブレロがバンドネオンのメランコリックな音色にのせ、唄い奏でる
『ブラジル』(Brasil)
7作品/計104分/2010〜2013年
出演:TIÃODUÁ, Gaby Amarantos, CRIOLO, Teresa Cristina, Ney Matogrosso, Thalma & Laércio De Freitas, Thiago Pethit 

3人組のバンドTIÃODUÁがギターとタンバリンを手にベロオリゾンテの街を陽気に歌い歩く/ベレンのファベーラ出身大ブレイク中のテクノ・ブレーガ系(ブラジル北部に伝わるリズムやメロディを交えたポップス)女性シンガー、ガビ・アマラントスの超パワフルな自宅裏路地でのライブ/サンパウロのアンダーグラウンドHIPHOPシーン実力派クリオロが出身地でサンバを歌う/サンバの中心地ラパ地区の歌姫テレーザが心地よい歌声を聴かせる/奇抜なビジュアルと女性のような高い声で歌うMPB界のカリスマ、ネイが素顔のままチェロの伴奏一本で歌い上げる/雨のリオで若手女性歌手タルマと天才鍵盤奏者の父ラエルシオのヴィンセント流コラボ/男性シンガーソングライター、チアゴは路上にピアノを置き通行人とハーモニーを奏でる
『ヨーロッパ』(France・Czech・Germany)
3作品/計81分/2008〜2010年
出演:ARLT, "LITTLE BLUE NOTHING" Vojtech & Irena Havlovi, Bruno.S 

パリに暮らすカップルデュオ・アールト. 家や街角で二人は見つめ合い音楽を奏でる. 心に染み入るシンプルな音楽で綴る二人の愛の物語/チェコの音楽家ハベルス夫妻のポートレイト. 純粋に音楽を愛し15年以上生活を共にするカップルの美しいドキュメンタリー. プラハの街並と透き通ったピュアなハベルスの音楽が圧巻. ヴィンセント独特のカメラアングルが絶賛され話題となった一作/ヘルツォーク監督の『シュトロツェクの不思議な旅』『カスパー・ハウザーの謎』に主演したブルーノ・S. 彼はドイツで生まれナチ時代を含む3才からの23年間を精神科療養所で暮らした後アコーディオンを弾く路上音楽家になった.哀しげな声は魂の叫び. 彼の透き通るような瞳にその人生が見えてくるかのよう. 2010年、亡くなる数日前に撮影された作品
『FROM ATP + Take Away Shows 傑作選』
5作品/計105分/2007〜2010年
出演:ATP[MIDDEN]Fuck Buttons, Caribou Hot Chip, Deerhunter, Dirty Projectors, Bon Iver, Man Man, Marissa Nadler, Of Montreal, Ween[GHOSTS]Lightning Bolt, Built to Spill, The Drones, B.P.Fallon, Les Savy Fav, Mercury Rev, Mogwai, My Bloody Valentine, Sufjan Stevens, Thee Silver Mt Zion, Alexander Tucker, [Take Away Shows]Beirut, Mumford & Sons(with Johnny Flynn),Yeasayer 

"ATP(All Tomorrow's Parties)" アーティストがキュレーターとなり出演者を決め、主催者、出演者、観客が一つの宿泊施設で寝食を共にするという個性的な音楽フェスティバルのドキュメント2本/ステージとは異なる場所にミュージシャンを連れ出して演奏を記録するミュージックビデオ"Take Away Shows"よりパリの街角で撮った3本. ゴミ箱をドラムにして伸びやかで美しい歌声のザック率いるアメリカのバンド、ベイルート/ロンドンの4人組フォーク・ロック・バンド、マムフォード・アンド・サンズのとある庭先での演奏/NYのエキセントリック・ポップ・バンド、イェーセイヤーが地下鉄、アパルトマンでアコースティックに音をたたき出す!
『アジア』(Indonesia・Philippines・Hong Kong・Osaka)
6作品/計101分/2009〜2012年
出演:WHITE SHOES & THE COUPLES COMPANY, SENYAWA, I Made Subandi, フィリピン カリンガ族の人々, Kung Chi Shing, 友川カズキ & Gaspar Claus 

ジャカルタの街に繰り出すカラフルでグルーヴィーなポップバンド、ホワイト・シューズ&ザ・カップルズ・カンパニー/ジャワ出身の二人組センヤワがケチャを思わせるヴォーカルと竹の自作弦楽器の演奏で田園、巨大なゴミ山、夜の浜辺に轟かせるパワフルな音の波/古典から新作までを自由自在に操り、ガムラン演奏家、講師として世界で活躍するバリ島のイ・マデ・スバンディ/フィリピン、ルソン島の山岳先住民カリンガ族の生活から聞こえてくる音、老婆が歌いながら入れ墨を彫る音、村の子どもたちの歌声が心に響くー/世界中で演奏活動をする香港の作曲家カン・チー・シン、夜の街の雑踏のなかバイオリンの音が鳴りわたる/大阪の冬の夜、友川カズキがギターをかき鳴らしギャスパー・クラウスのチェロと共に歌い上げる魂の歌
『地中海・アフリカ』(France・Spain・Sardinia・Turkey・Egypt・Tanzania・Ethiopia)
11作品/計107分/2008〜2012年
出演:Pedro Soler & Gaspar Claus, Enrique Morente, Andrea Pisu, Salvatore Trebini, Antonio Trebini, Seu Giancarlo, Selda Bagçan, Aysenur Kolivar, Ahmet Aslan & Kemal Dinç, Karema Anhar, エチオピア ドルゼ族の人々, Jacob Kirkegaard, Bi Kidude 

チェロ奏者ギャスパーとフラメンコギタリストの父ペドロの息の合った魂のセッション/国民的フラメンコ歌手エンリケ・モレンテの洞窟に反響する深い歌声/イタリア・サルデーニャ島、何世紀にも渡る伝統的な笛ラウネッダスの音色と倍音で歌われる合唱/トルコ・ボドルム半島、70年代の歌姫セルダが弦楽器サズで弾き語るトルコ・フォーク/イスタンブール、柔らかい光と波に包まれる夕方にアイシェヌールが歌う黒海周縁のフォークロア/夜の街に溶ける哀愁あるサズの音色とアフメットの歌/カイロの悪霊祓いの音楽"ザール"のトランスへと誘う太鼓の響き/エチオピア、ドルゼ族の暮らしの中から生まれた歌が朝靄に包まれた山に響き渡る/東アフリカ最大のマーケットに耳を澄ます音のコラージュ/ザンジバルの人間国宝とも称えられるビ・キドゥデの歌はすべてを幸せで包み込む
『ウクライナ・クリミア・コーカサス』(Ukraine・Crimea・Armenia・Azerbaijan・Abkhazia・Georgia)
10作品/計104分/2012〜2014年
出演:DAKHA BRAKHA, Lilya-Fruz Abibullayeva, Elvira Sarykhalil, Irina Zekova , Dzhemil Karikov,Reyana Kadyrova, NUR-ZHOVKHAR, Tigran Hamasyan,THE BAMBIR, Vordan Karmir, Gogochurebi, Beqa Chabukaidze, Tamta Tsogiaidze, Tamari Bakhturidze, Gochag Askarov, Savalan, STUMARI,他 

ウクライナ、キエフのバンドDAKHA BRAKHAが聴かせるパワフルかつ軽快な音楽/"TRACES OF CRIMEA"クリミア・タタ―ル人の歌声と演奏から民族が入り交じる強大な土地クリミアの音を探ってゆく/チェチェンの伝統的女性聖歌隊NUR-ZHOVKHARの壮麗で幻想的な合唱/イスラム教スーフィズム、旋回し舞う恍惚感のなか神を称える宗教的儀式/アルメニア出身の新鋭ジャズピアニスト、ティグラン・ハマシアンが紡ぐ繊細な音/グルジア民族歌手の姉妹が歌い上げる力強いハーモニー/秘境タッシュティ地方の広大な峡谷に響き渡る歌声とアコーディオンの音色/アゼルバイジャンの伝統音楽/アブハジアの海辺や教会での合唱/グルジアの広場で子どもたちが見つめるなか奏でられる優しい旋律. 食卓を囲んだ男たちの哀愁のコーラス

ヴィンセント・ムーン Vincent Moon
1979年パリ生まれ。写真家を経て映像作家へ。路上、カフェ、エレベーター、屋根の上にミュージシャンを連れ出して演奏を記録する"Take Away Shows"シリーズで脚光を浴び、日本では2010年に公開された『友川カズキ 花々の過失』の監督として知られる。2008年から始めた"Nomadic Film Making"シリーズでは世界各地で出会った音楽やパフォーマンス、伝統音楽や宗教的儀式までを幅広く探求。撮影したミュージシャンは600組以上にも及ぶ。



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