TIFF 第23回東京国際映画祭【コンペティション】

OUTSIDE IN TOKYOが気になる作品をピックアップ、各作品のリリース情報を掲載します。映画祭の"華"である「コンペティション」部門に関しては、全作品を掲載。観た作品に関しては、簡単なレビューを掲載、監督インタビューも予定しています。
2010.10.15 update














TIFF 第23回東京国際映画祭
10月23日(土)~31日(日)@六本木ヒルズ、シネマート六本木ほか
公式サイト http://www.tiff-jp.net
上映スケジュール
上映プログラム
【コンペティション】

『そして、地に平和を』
89分/イタリア語/カラー/35mm/2010年/イタリア
監督・脚本:マッテオ・ボトルーニョ、ダニエレ・コルッチーニ
脚本:アンドレア・エスポージト 撮影監督:ダヴィデ・マンカ 編集:マリオ・マッローネ プロデューサー:ジャンルーカ・アルコピント、シモーネ・イゾラ
出演:マウリツィオ・テセイ、ウゲッタ・ドノラシェンツォ、ミケーレ・ボトルーニョ、ファビオ・ゴミエーロ、ジェルマノ・ジェンティーレ、シモーネ・クリザーリ、リッカルド・フラミニ、パオロ・ペリネッリ
 

退屈と暴力が支配する町。売人のマルコは河沿いのベンチに座り、じっと人々を観察し続ける。まるで天使のように...。断ち切れない負の連鎖に呑まれる人々の悲惨な運命を、崇高な次元に昇華させる監督の演出力に唸らされる1本。

10/26 15:00 10/27 20:35
© 2010 Goldrush Entertainment
『ビューティフル・ボーイ』
100分 /英語/カラー/HDCAM/2010年/アメリカ
監督・脚本:ショーン・クー
脚本:マイケル・アームブルスター プロデューサー:リー・クレイ、エリック・ゴズラン 製作総指揮:リチャード・ガーベイ、リチャード・イオット、マーク・モーラン 撮影監督:マイケル・フィモナリ 作曲:トレヴァー・モリス 編集:チャド・ガルスター
出演:マイケル・シーン、マリア・ベロ、ムーン・ブラッドグッド、カイル・ガルナー、アラン・テュディック、ミートローフ
 

大学構内で銃乱射事件が発生。我が子の無事を案じる両親に届いた報せは、想像を絶するものだった...。苦しみに対峙する両親の姿を通じ、家族のあり方を問い直す感動作。『クィーン』『フロスト×ニクソン』のマイケル・シーン主演。

10/24 11:20 10/28 21:20
© 2010 StudioCanal S.A/UK Film Council/BBC
『ブライトン・ロック』
111分/英語/カラー/35mm/2010年/イギリス
監督:ローワン・ジョフィ
プロデューサー:ポール・ウェブスター
出演:サム・ライリー、ヘレン・ミレン、アンドレア・ライズボロー、ノンソー・アノジー、フィル・デイヴィス、クレイグ・パーキンソン、ジョン・ハート、ジェフ・ベル、ショーン・ハリス、アンディ・サーキス、スティーヴン・ロバートソン 


文豪グレアム・グリーンの名作の映画化。英国南部の行楽地ブライトンを舞台に、不良少年と純情少女の偽りの関係を軸に語られる、愛と裏切りの物語。『コントロール』で鮮烈な印象を残した主演のサム・ライリーに注目!

10/26 21:00 10/29 11:30
© Laurel Films Company Ltd.
『ブッダ・マウンテン』
中国語/カラー/35mm/2010年/中国
監督・脚本:リー・ユー
プロデューサー・脚本:ファン・リー 撮影監督:ツォン・ジエン 美術:リュウ・ウェイシン 録音:ドゥ・ドゥージ 編集:カール・リドリ 音楽:ペイマン・タズダニアン
出演:シルヴィア・チャン、ファン・ビンビン、チェン・ボーリン、フェイ・ロン、ジン・ジン、ファン・リー、パオ・ジェンジャン 


ベテランの女性歌手と、彼女と共同生活を始めることになる若者たちとの交流を通じて、愛とは何かを描いていく作品。自由奔放に暮らしながらも、それぞれが問題を抱える若者たちの成長を描く青春映画の要素と、悲劇に見舞われた女性歌手の魂の救済を巡る人間ドラマの要素とを美しく融合させた演出が光る。青春スターのチェン・ボーリンとファン・ビンビンの輝きに加え、しっとりとした奥行きのある演技を見せるシルヴィア・チャンの存在感が必見である。

10/24 17:45 10/26 17:30
『フラミンゴNo.13』
80分/ペルシャ語/HDCAM/2010年/イラン
監督・編集:ハミド・レザ・アリゴリアン
脚本:ラスール・ユーナン 撮影監督:エスマイル・アガジャニ 衣装:メーディ・デイラミ メイクアップ:アスガー・モスタファ プロデューサー:フーマン・アーマディ・トフィギ
出演:バラン・ザマニ、ラスール・ユーナン、モハマド・タギ・シャムス・ランガルディ、アブドッラ・アミル・アタシャニ、ペイマン・モギャダミ、アリレザ・ガデリ、カスアガ・ケシュパルワル、サイード・アリプール、ラヒメ・ナザリ
 

イラン山間部の小さな村。雄大な自然の中で、人々がひっそりと暮らしている。禁じられたフラミンゴ猟にとりつかれた男。彼が愛する女。そして、ふたりの仲をねたむ男。寓話のような三角関係を、幻想的な映像美で描いた新人監督の第1作。歌舞音曲の描写にも優れ、ときおり現実とドラマの垣根を越えていくような演出は、アリゴリアン監督が師匠筋のアッバス・キアロスタミの正統な後継者であることを予感させる。

10/23 13:50 10/25 14:30
© MRAKONIA FILM, WEGA FILM
『一粒の麦』
113分/ルーマニア語、セルビア語、ドイツ語、英語/カラー/35mm/2010年/ルーマニア=セルビア=オーストリア
監督・プロデューサー・編集:シニツァ・ドラギン
プロデューサー:ファイト・ハイデゥシュカ 撮影監督:ドゥシャン・ヨクシモヴィッチ 作曲:ドラゴシュ・アレクサンドル 編集:ペートル・マルコヴィッチ 美術:ダン・トアデル 衣装:コスティン・ヴォイク
出演:ムスタファ・ナダレヴィッチ、ダン・コンドゥラケ、フランツ・ブーフライザー、ミロス・タナスコヴィッチ、シモーナ・ストイチェスク、イオアナ・バルブ、レル・ポアレルンジ、ブライアン・ジャルディン 


ルーマニア、セルビア、コソボ。混沌たる東欧地域で交差する、ふたりの父親の物語。息子と娘を探す旅に出るふたりの道程を繋ぐように現れる、200年前の教会の伝説...。旅路の果て、映像のみが表現できる至高のラストシーンに息が止まる。

10/25 21:00 10/27 11:30

『一粒の麦』レビュー 2010.10.25 update
© Libretto Films - Norma Productions
『僕の心の奥の文法』
110分/ヘブライ語/カラー/35mm/2010年/イスラエル
監督・脚本:ニル・ベルグマン
プロデューサー:アサフ・アミール ライン・プロデューサー/アソシエイト・プロデューサー:マリア・フェルドマン 撮影監督:ビニヤミン・ニムロッド・チラム 編集:エイナット・グレイザー・ザルヒン 作曲:オンドレイ・スウクープ 美術:イドー・ドレヴ 音響:アヴィヴ・アルデマ キャスティング・ディレクター:ミハル・コレン
出演:ロイ・エルスベルグ、オルリ・ジルベルシャッツ、イェフダ・アルマゴール、エヴリン・カプルン、ヤエル・スゲレスキー、リフカ・グル 


1963年イスラエル。束の間の平和な時期を背景に、数年前から成長することをやめた少年アーロンの物語。バラバラな家族に反抗するため? それとも時代に抵抗するため? コミカルな要素も加えながら、思春期の心の揺れを寓話的に描く。

10/25 18:30 10/29 17:40

『隠れた瞳』
95分/スペイン語/カラー/35mm/2010年/アルゼンチン=フランス=スペイン
監督・脚本・プロデューサー:ディエゴ・レルマン
脚本:マリア・メイラ 撮影:アルバロ・グティエレス 録音:レアンドロ・デ・ロレド 編集:アルベルト・ポンセ 音楽:ホセ・ビジャロボス プロデューサー:ニコラス・アルージ 共同プロデューサー:ドミニック・バルノー、マルク・ボルドゥレ、ルイス・アンヘル・ラミレス・ペレス
出演:フリエタ・シルベルベルク、オスマル・ヌニェス、マルタ・ルボス、ガビ・フェレロ 


1982年、軍事独裁政権末期のアルゼンチン。厳格なエリート養成学校の女教師が、規律と欲望の間に挟まれていく様を描く。ヒロインの心境に社会情勢が巧みに重なり、広がりのある映像と細やかな心理描写を並立させる演出力は必見。

10/27 18:00 10/30 17:00
© 2010 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
『わたしを離さないで』
105分/英語/カラー/35mm/2010年/イギリス=アメリカ
監督:マーク・ロマネク
脚本:アレックス・ガーランド 原作:カズオ・イシグロ 製作:アンドリュー・マクドナルド、アロン・ライヒ 製作総指揮:アレックス・ガーランド、カズオ・イシグロ、テッサ・ロス 撮影:アダム・キンメル 美術:マーク・ディグビー 編集:バーニー・ピリング 共同製作:リチャード・ヒューイット 音楽:レイチェル・ポートマン 音楽総指揮:ランドール・ポスター、ジョージ・ドレイコリアス
出演:キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイ、シャーロット・ランプリング 


映画史上かつて描かれたことのない〈秘密〉。謎めいた寄宿施設で育てられた3人の若者たち。複雑に絡み合う絆で結ばれた彼らがたどる、あらゆる衝撃をも超越した痛切な運命とは? 儚くもエモーショナルなラブ・ストーリー。

10/28 12:00 10/30 14:30

『鋼のピアノ』
105分/中国語/カラー/35mm/2010年/中国
監督・脚本:チャン・メン
製作総指揮:クァク・ジェヨン プロデューサー:ジェシカ・カム、チェ・グァンソク 撮影監督:チョウ・シューハオ 音楽:オ・ヨンムク 録音:イ・サンウク
出演:ワン・チエンユエン、チン・ハイルー、チャン・シニョン、リウ・シンユィ、リウ・チエン、ルオ・アルヤン、ティエン・ユィ、クオ・ユンチェン 


妻とは離婚寸前、今の恋人も気になるけれど、一番大切なのは愛する娘のためにピアノを確保すること! 過渡期の中国社会に暮らす市井の人々へ温かい視線を注ぎながら、モダンで自由なセンスが楽しい新感覚の中国映画。

10/28 17:45 10/30 11:20
『一枚のハガキ』
114分/日本語/カラー/35mm/2011年/日本
監督・脚本・原作:新藤兼人
プロデューサー:新藤次郎 音楽:林 光 撮影:林 雅彦 照明:山下 博 照明:永田英則 美術:金勝浩一 録音:尾崎 聡 編集:渡辺行夫 ライン・プロデュサー:岩谷 浩
出演:豊川悦司、大竹しのぶ、六平直政、大杉 漣、柄本 明、倍賞美津子 


98歳の新藤兼人監督自身、映画人生の最後の作品と語る最新作。戦後の惨禍は一兵士の戦死に止まらない。大黒柱を失った家族は破壊される。庶民一人ひとりから見た戦争被害を最後の作品のテーマにした。ストーリーの発端は新藤の体験が基になっており戦争に選択権なしに狩り出された庶民に対する思いを映画にした。

10/27 14:30 10/29 14:35
『小学校!』
107分/スペイン語/カラー/HDCAM-SR/2010年/スペイン
監督・音楽・脚本・編集:イバン・ノエル
製作総指揮:ジェラルド・ハーマン 撮影:イルデフォンソ・コロチャノ、フアンルー・ガラン、アルビ・リオス・バルバ 助監督:リカルド・バルビー ライン・プロデューサー:ロヘリオ・ゴルド・アルバレス、マリア・アンヘレス・カムニェス 助監督:ダン・ウネケン 録音:ホセ・ルイス・マルモル 脚本:フランシスコ・アルフォンシン
出演:フランシスコ・アルフォンシン、ホセ・ホアキン・メナ=ベルナル・ルエダ
 

絵画に気持ちを開放していく小学生の姿を、新任の美術教師の目を通して描いたハッピーな作品。ドキュメンタリー的な描写も瑞々しく、授業風景や職員会議もとてもリアル。そして子供たちの表情の素晴らしさといったら! 2008年の長編デビュー以来、本作が3作目となるノエル監督は、脚本家であり音楽家であり、さらに現役の教師でもある。すべての監督作品が教師として経験したことや見聞きしたことに裏打ちされている。主演のフランシスコ・アルフォンシンは監督のすべての作品に主演と共同脚本で参加している盟友。

10/24 21:00 10/25 11:40
© Hugo Films
『サラの鍵』
111分/フランス語、英語/カラー/35mm/2010年/フランス
監督・脚本:ジル・パケ=ブレネール
脚本:セルジュ・ジョンクール 原作:タチアナ・ド・ロネ
出演:クリスティン・スコット・トーマス、メリュシーヌ・マイヤンス ニエル・アレストラップ、エイダン・クイン
 

ユダヤ人迫害の動きが過激化する1942年のパリ。幼い弟を納戸に隠したサラは、その鍵を手にしたまま収容所へ送られてしまう...。過去と現代が交差し、歴史が封印していた悲痛な記憶が掘り起こされる感動のベストセラーの映画化。

10/26 11:10 10/29 21:00
『海炭市叙景』
152分/日本語/カラー/35mm/2010年/日本
監督:熊切和嘉
原作:佐藤泰志 製作:菅原和博 製作:前田絋孝 製作:張江 肇 プロデューサー:越川道夫 プロデューサー:星野秀樹 脚本:宇治田隆史 音楽:ジム・オルーク 撮影:近藤龍人
出演:谷村美月、加瀬 亮、小林 薫、南 果歩、竹原ピストル、三浦誠己、山中 崇
 

村上春樹らと並び評されながら不遇だった小説家・佐藤泰志の幻の小説の映画化。海炭市とそこで人生に苦い想いを抱えて生きる人々の姿を、函館市民の協力を得て、優しく包み込むように描き出した熊切和嘉監督作品。

10/28 14:20 10/30 19:50
© FiLMiK / FC ISTANBUL, 2010 TURKEY
『ゼフィール』
96分/トルコ語/カラー/35mm/2010年/トルコ
監督・脚本:ベルマ・バシュ
プロデューサー:セイハン・カヤ、ビロル・アクババ 撮影監督:メフメット・Y・ゼンギン 編集:ベルケ・バシュ 美術:ジャナン・チャユル 録音:イスマイル・カラダシュ アソシエイト・プロデューサー:ジハン・アスル・フィリズ
出演:シェイマ・ウズンラル、ヴァヒーデ・ギョルドゥム、セヴィンチ・バシュ、O・リュシュテュ・バシュ、ファトマ・ウズンラル、ハールン・ウズンラル
 

母さんは自分を愛していないかもしれない...。自然の寛大さや残酷さに接しながら、山の中で寂しさをまぎらわす少女の繊細な心境を描く。近年好調のトルコ映画界から現れた、斬新な映像センスを持つ期待の女性新人監督の長編デビュー作。

10/23 11:30 10/24 14:40


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