スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド



映画は究極の倒錯的表現である。映画は我々が欲情するものを与えはしない。何に欲情すべきかを教えるのだ。
スラヴォイ・ジジェク
<以下、チラシより転用>
独創的な思想家であり現代随一のラカン派精神分析家であるスラヴォイ・ジジェクが、アルフレッド・ヒッチコックの『めまい』、デイヴィッド・リンチの『ブルー・ベルベット』、ジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ エピソード3/ シスの復讐』など、40本以上の歴史的名作の映像を引用して、映画の全く新しい見方を提示する。映画を通して我々の秘められた欲望が暴かれる!ジジェク氏によれば「人間」や「世界」を理解するには映画しかないとのこと。驚くべき逆転の発想が次々と鋭く畳み掛けられる、痛快で濃密な150分!
2010.4.21 update
4月24日(土)よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー
特別鑑賞券:1,500円/一般1,800円/学生1,500円/シニア・会員1,000円
上映時間:11:30/15:30/18:30
会場:シアター・イメージフォーラム

製作・監督:ソフィー・ファインズ
脚本・出演:スラヴォイ・ジジェク
音楽:ブライアン・イーノ
撮影:レムコ・シュノール
美術:ベン・ズイディヴィック

2006/ビデオ/150分/イギリス・オーストリア・オランダ
配給:ダゲレオ出版 イメージフォーラム・フィルム・シリーズ
脚本・出演:スラヴォイ・ジジェク
1949年スロベニア生まれ。オペラ、宗教、映画、イラク戦争といった多岐にわたる題材をラカン派精神分析の視点から語り、世界的に評価されている思想家。精神分析家。その逆説的で過激な語り口は、しばしば物議を醸している。日本でも20近くの著作が翻訳されている。独特のユーモアのある語り口だが、一方で難解とされることもあり、映画作品を通して明快に語られる本作品は、ジジェクの思想の格好の入門編となっている。
<主な著書>
『ヒッチコックによるラカンー映画的欲望による経済』(リブロポート、1994年)
『斜めから見るー大衆文化を通してラカン理論へ』(青土社、1995年)
『イラクーユートピアへの葬送』(河出書房新社、2004年)
『ラカンはこう読め!』(紀伊國屋書店、2008年)
『パララックス・ヴュー』(作品社、2010年)
『大義を忘れるな 革命・テロ・反資本主義』(青土社、2010年)
など
製作・監督:ソフィー・ファインズ
1967年イギリス生まれ。『数に溺れて』、『コックと泥棒、その妻と愛人』と言った作品でピーター・グリーナウェイに助監督として師事し、以後マイケル・クラーク、アラン・プラテルを題材としたドキュメンタリーを発表、世界的に高い評価を得ている。俳優のレイフ・ファインズ、ジョセフ・ファインズとはきょうだい関係にあたる。本作に続きジジェクと『倒錯者のためのイデオロギー・ガイド』を製作中。
<フィルモグラフィー>
Tanz und Ekstase: Alain Platels VSPRS (2007) (TV)  ※アラン・プラテルのドキュメンタリー
Hoover Street Revival (2002) 
Lars from 1-10 (1998) ※ラース・フォン・トリアーのドキュメンタリー
音楽:ブライアン・イーノ
1948年イギリス生まれ。美術を学ぶ傍ら電子楽器や音楽理論に興味を抱き、音楽活動を始める。ロックバンド、ロキシー・ミュージックでシンセサイザーを担当。脱退後は、アンビエント・ミュージックに傾倒し、メロディやリズムを楽しむ音楽ではなく、"環境の一部となって機能する音楽"という新たな価値観を呈示する。さらに、プロデューサーとして、ジョン・ケイジやマイケル・ナイマンといった現代音楽家からデヴィッド・ボウイ、トーキング・へッズ、U2などのロック・ミュージシャンまでを手がけ、ロック・シーンに大きな影響を与えた。
『スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド』において引用・解説される作品

『蜃気楼の女』(1934) クラレンス・ブラウン
(Possessed (1934) Clarence Brown)

『マトリックス』(1999) ウォシャウスキー兄弟
(The Matrix (1999) Andy and Larry Wachowski)

『鳥』(1963) アルフレッド・ヒッチコック
(The Birds (1963) Alfred Hitchcock)

『サイコ』(1960) アルフレッド・ヒッチコック
(Psycho (1960) Alfred Hitchcock)

『我輩はカモである』(1933) レオ・マッケリー
(Duck Soup (1933) Leo Mc Carey)

『モンキー・ビジネス』(1931) ノーマン・Z・マクロード
(Monkey Business (1931) Norman Z McCleod)

『エクソシスト』(1973) ウィリアム・フリードキン
(The Exorcist (1973) William Friedkin)

『怪人マブゼ博士』(1933) フリッツ・ラング
(Testament of Dr Mabuse (1933) Fritz Lang)

『エイリアン』(1979) リドリー・スコット
(Alien (1979) Ridley Scott)

『独裁者』(1940) チャールズ・チャップリン
(The Great Dictator (1940) Charles Chaplin)

『マルホランド・ドライヴ』(2002) デイヴィッド・リンチ
(Mulholland Drive (2002) David Lynch)

『不思議の国のアリス』(1951)
クライド・ジェロニミ、 ウィルフレッド・ジャクソン、ハミルトン・ラスケ
(Alice in Wonderland (1951)
Clyde Geronimi,Wilfred Jackson and Hamilton Luske)


『赤い靴』(1948) マイケル・パウエル
(The Red Shoes (1948) Michael Powell)

『博士の異常な愛情』(1963) スタンリー・キューブリック
(Dr. Strangelove (1963) Stanley Kubrick)

『ファイト・クラブ』(1999) デイヴィッド・フィンチャー
(Fight Club (1999) David Fincher)

『夢の中の恐怖』(1945) アルべルト・カヴァルカンティ
(Dead of Night (1945) Alberto Cavalcanti)

『カンバセーション...盗聴』(1974) フランシス・コッポラ
(The Conversation (1974) Francis Ford Coppola)

『ブルー・べルべット』(1986) デイヴィッド・リンチ
(Blue Velvet (1986) David Lynch)

『めまい』(1958) アルフレッド・ヒッチコック
(Vertigo (1958) Alfred Hitchcock)

『サイコ予告編』(1960)
(Psycho Theatrical Trailer (1960))

『惑星ソラリス』(1972) アンドレイ・タルコフスキー
(Solaris (1972) Andrei Tarkovsky)

『ピアニスト』(2001) ミヒャエル・ハネケ
(The Piano Teacher (2001) Michael Haneke)
『ワイルド・アット・ハート』(1990) デイヴィッド・リンチ
(Wild at Heart (1990) David Lynch)

『ロスト・ハイウェイ』(1996) デイヴィッド・リンチ
(Lost Highway (1996) David Lynch)

『デューン/砂の惑星』(1984) デイヴィッド・リンチ
(Dune (1984) David Lynch)

『ペルソナ』(1966) イングマール・べルイマン
(Persona (1966) Ingmar Bergman)

『アイズ・ワイド・シャット』(1999) スタンリー・キューブリック
(Eyes Wide Shut (1999) Stanley Kubrick)

『トリコロール:青の愛』(1993) クシシュトフ・キェシロフスキ
(Blue (1993) Krysztof Kieslowski)

『イン・ザ・カット』(2003) ジェーン・カンピオン
(In the Cut (2003) Jane Campion)

『オズの魔法使い』(1939) ビクター・フレミング
(The Wizard of Oz (1939) Victor Fleming)

『フランケンシュタイン』(1931) ジェームズ・ホエール
(Frankenstein (1931) James Whale)

『十戒』(1956) セシル・B・デミル
(10 Commandments (1956) Cecil B. DeMille)

『ドッグヴィル』(2003) ラース・フォン・トリアー
(Dogville (2003) Lars Von Trier)

『エイリアン4』(1997) ジャン・ピエール・ジュネ
(Alien Resurrection (1997) Jean-Pierre Jeunet)

『泥棒成金』(1954) アルフレッド・ヒッチコック
(To Catch a Thief (1954) Alfred Hitchcock)

『逃走迷路』(1942) アルフレッド・ヒッチコック
(Saboteur (1942) Alfred Hitchcock)

『裏窓』(1954) アルフレッド・ヒッチコック
(Rear Window (1954) Alfred Hitchcock)

『北北西に進路を取れ』(1959) アルフレッド・ヒッチコック
(North by Northwest (1959) Alfred Hitchcock)

『ストーカー』(1979) アンドレイ・タルコフスキー
(Stalker (1979) Andrei Tarkovsky)

『クバンのコサック』(1949) イワン・プィリエフ
(Kubanskie Kazaki (1949) Ivan Pyryev)

『イワン雷帝(第二部)』(1945) セルゲイ・エイゼンシュテイン
(Ivan the Terrible(Part Two) (1945) Sergei Eisenstein)

『プルートの化け猫裁判』(1935) デイヴィッド・ハント
(Pluto's Judgment Day (1935) David Hand)

『街の灯』(1931) チャールズ・チャップリン
(City Lights (1931) Charles Chaplin)


スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイドについて、皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。
なお、ご投稿頂いたものを掲載するか否かの判断については、
OUTSIDE IN TOKYO 編集部の判断に一任頂きますので、ご了承ください。





Comment(0)

印刷