三大映画祭週間2014



2011年、2012年と好評を博した「三大映画祭週間」が1年のブランクを経て復活した。感情的な力強さとブラックユーモア、知的サスペンスの要素を備えた研究者父子の家族ドラマ『フットノート』、アボリジニ少年少女の過酷な生の営みを描いた血の匂いのする青春映画『サムソンとデリラ』、注目映画作家ドゥニ・コテがロマーヌ・ボーランジェを迎え、元囚人女性同士の悲劇的な関係を独自のノワール感覚で描く『ヴィクとフロ 熊に会う』といったここ数年の映画祭サーキットで注目された5作品に加えて、侯孝賢『恋恋風塵』、ヒッチコック『海外特派員』、クルーゾー『犯人は21番に住む』、そしてなんと、ブニュエルの『この庭に死す』が上映されるレトロスペクティブ・シリーズの登場が嬉しい。(上映はすべてHDリマスター版)
(上原輝樹)
2014.8.12 update
8月16日(土)〜9月5日(金)限定3週間ロードショー
会場:ヒューマントラストシネマ渋谷 
料金:【当日券】一般 1,800円/大学・専門生 1,500円/高校生・中学生 1,000円/シニア(60歳以上) 1,100円

前売り鑑賞券販売中
5回券 5,000円/3回券 3,900円/1回券 1,500円 

リピーター割実施
半券ご提示で、一般300円引き / 学生200円引き 

公式サイト:http://sandaifestival.jp/
上映スケジュール
8月16日(土)
14:50
ロンドン
リバー

(88分)
17:00
この庭に死す
(104分)

19:10
フットノート
(106分)

8月17日(日)
14:50
恋恋風塵
(110分)

17:00
ヴィクとフロ 熊に会う
(95分)
19:10
サムソンと
デリラ

(101分)
8月18日(月)
14:50
海外特派員
(120分)

17:00
フィル・ザ・ヴォイド
(91分)
19:10
恋恋風塵
(110分)

8月19日(火)
14:50
この庭に死す
(104分)

17:00
犯人は21番に住む
(83分)
19:10
ヴィクとフロ 熊に会う
(95分)
8月20日(水)
14:50
フットノート
(106分)

17:00
ロンドン
リバー

(88分)
19:10
仕立て屋の恋
(79分)

8月21日(木)
14:50
サムソンと
デリラ

(101分)
17:00
海外特派員
(120分)

19:10
この庭に死す
(104分)

8月22日(金)
14:50
恋恋風塵
(110分)

17:00
フィル・ザ・ヴォイド
(91分)
19:10
犯人は21番に住む
(83分)
8月23日(土)
14:50
フィル・ザ・ヴォイド
(91分)
17:00
恋恋風塵
(110分)

19:10
仕立て屋の恋
(79分)

8月24日(日)
14:50
フットノート
(106分)

17:00
海外特派員
(120分)

19:10
この庭に死す
(104分)

8月25日(月)
14:50
犯人は21番に住む
(83分)
17:00
ロンドン
リバー

(88分)
19:10
ヴィクとフロ 熊に会う
(95分)
8月26日(火)
14:50
この庭に死す
(104分)

17:00
フットノート
(106分)

19:10
ロンドン
リバー

(88分)
8月27日(水)
14:50
ヴィクとフロ 熊に会う
(95分)
17:00
恋恋風塵
(110分)

19:10
サムソンと
デリラ

(101分)
8月28日(木)
14:50
仕立て屋の恋
(79分)

17:00
フィル・ザ・ヴォイド
(91分)
19:10
この庭に死す
(104分)

8月29日(金)
14:50
サムソンと
デリラ

(101分)
17:00
フットノート
(106分)

19:10
海外特派員
(120分)

8月30日(土)
14:50
恋恋風塵
(110分)

17:00
犯人は21番に住む
(83分)
19:10
ロンドン
リバー

(88分)
8月31日(日)
14:50
フィル・ザ・ヴォイド
(91分)
17:00
この庭に死す
(104分)

19:10
ヴィクとフロ 熊に会う
(95分)
9月1日(月)
14:50
フットノート
(106分)

17:00
サムソンと
デリラ

(101分)
19:10
仕立て屋の恋
(79分)

9月2日(火)
14:50
ヴィクとフロ 熊に会う
(95分)
17:00
仕立て屋の恋
(79分)

19:10
サムソンと
デリラ

(101分)
9月3日(水)
14:50
海外特派員
(120分)

17:00
フィル・ザ・ヴォイド
(91分)
19:10
この庭に死す
(104分)

9月4日(木)
14:50
恋恋風塵
(110分)

17:00
フットノート
(106分)

19:10
ロンドン
リバー

(88分)
9月5日(金)
14:50
犯人は21番に住む
(83分)
17:00
ヴィクとフロ 熊に会う
(95分)
19:10
恋恋風塵
(110分)

上映プログラム
カンヌ国際映画祭

©2011 All Rights Reserved Footnote Partnership
『フットノート』(Footnote)
2011年/イスラエル/106分
監督・脚本:ヨセフ・シダー
出演:シュロモ・バル=アバ、リオル・ルイ・アシュケナージ、アリサ・ローゼン 

共にタルムード学の大学教授であり、ライバルでもある父親と息子の物語。頑固な潔癖主義者の父親エリエゼルはその業績も無名で、息子のウリエルは名声を得ようと、ずっと学会に認めてもらおうと奮闘している。
ところが、或る日二人の関係は一転する。エリエゼルが学会で最も権威のある賞を受賞するという電話が掛かってきて、二人はその立場を変える。初めて学会に認められる吉報にエリエゼルの虚栄心はむき出しになる。しかし、ウリエルは学会から呼び出されて、エリエゼルの受賞が間違いだったと知らされる、受賞するのはウリエルだと。彼はエリエゼルに真実を告げることができるだろうか?
©2009 Screen Australia, New South Wales Film and Television Office, Scarlett Pictures Pty Ltd, Warwick Thornton & CAAMA Productions Pty Ltd.
『サムソンとデリラ』(Samson and Delilah)
2009年/オーストラリア/101分
監督・脚本:ワーウィック・ソーントン
出演:ローワン・マクナマラ、マリッサ・ギブソン 

砂漠の中のアボリジニの小さな村。そこでは毎日が変わることなく過ぎてゆく。15歳の少年サムソンはそのひなびた日常に飽き飽きしていた。16歳の少女デリラは、芸術家の祖母の世話をして暮らしていた。祖母が亡くなった時、彼女はその責任を負わされ暴力を振るわれそうになったが、サムソンが彼女を助け出した。
2人は盗んだ車で当てもなく砂漠の先を目指すが、すぐにそこが無慈悲な世界だと気づかされる。街に辿り着いた二人は、デリラの描く絵を売って生計を立てようとするが...
ベルリン国際映画祭

©9265-2775 QC INC. 2013
『ヴィクとフロ 熊に会う』(VIC+FLO saw a bear)
2013年/カナダ/95分
監督・脚本:ドゥニ・コテ
出演:ピエレット・ロビテーユ、ロマーヌ・ボーランジェ、マルク=アンドレ・グロンダン、アンドレア・アーノルド 

元囚人のヴィクトリアは60代の女。人生をもう一度まともに戻そうと、保護司ギョームの保護の元、田舎の砂糖小屋に居を構えた。刑務所時代の仲間にして、親密な関係にあったフロレンスと共に。しかし、二人の到来は集落の人々に違和感をもたらし、彼女らに隠遁生活を送らせる。そして、二人が背負う過去が幽霊のように付きまとい、それが結局 二人の命を悲劇的な危機にさらすことになる。
©ARTE France - 3B PRODUCTIONS ? The Bureau- Tassili films - 2009
『ロンドンリバー』(London River)
2009年/アルジェリア、フランス、イギリス/88分
監督:ラシッド・ブシャール
出演:ブレンダ・ブレッシン、ソティギ・クヤテ 

オスマンとソマーズ夫人は、平凡な毎日を送っている市井の人たちだ。オスマンはフランスに住み息子を持ち、ソマーズ夫人はドーバー海峡の島に住み娘がいる。共通点は子供たちがロンドンの学校で学んでいること。2005年7月7日、消息知れずとなった子供たちを探すために二人は一緒に旅をする決意をする。異なる宗教的背景を持ちながら-オスマンはイスラム教徒であり、ソマーズ夫人はカソリック教徒だ-二人は子供たちを無事に発見するという希望を共有する。文化的な違いをよそに、彼らは互いに励まし合い、必ず見つかるという信念を持ち続けて探し続ける。
ヴェネツィア国際映画祭

The Copyright notice for FILL THE VOID is:©NORMA PRODUCTIONS LTD 2012
『フィル・ザ・ヴォイド』(Fill the Void)
2012年/イスラエル/91分
監督:ラマ・バースタイン
出演:ハダス・ヤロン/イフタフ・クライン/イリト・シェレグ 

18歳のシーラは一家の末娘で、同い年の将来有望な男との結婚を控え、天にも昇るような気持だった。しかし、プリムの祭りの時期、21歳になる姉のエステルが赤ん坊の出産時に運悪く死亡する。痛みと悲しみに耐える一家は、シーラの結婚を延期せざるを得ない。しかし、亡きエステルの夫ヨハイの元にベルギーに住む未亡人より結婚の申し込みが届き、すべてが変わり始める。ヨハイはまだ早すぎると感じるが、一方、遅かれ早かれそのことを真剣に考えなければならないこともわかっていた。
ヨハイが赤ん坊を連れてベルギーに去ろうとしていることを知ったシーラの母親は、孫を手元に置いておこうと、ヨハイとシーラの結婚を提案する。シーラは自分の願いと家族としての義務の間に板挟みになる。
特別上映作品 レトロスペクティヴ・シリーズ

Foreign Correspondent : © 1940 STUDIOCANAL
『海外特派員』(Foreign Correspondent)
1940年/アメリカ/120分
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジョエル・マクリー/ラレイン・デイ/ハーバート・マーシャル 

第二次世界大戦の直前、風雲急を告げるヨーロッパ。アメリカ人記者ジョニーは、オランダの政治家ヴァン・メアの取材を試みるが、彼はアムステルダムの平和会議場前で突如暗殺される。犯人を追うジョニーは追跡先の風車小屋で囚われたヴァン・メアを発見する。殺されたのは替え玉で、すべてがナチスの仕組んだ陰謀だった。ロンドンに戻ったジョニーは平和運動家フィッシャーの娘キャロルとともに、ヴァン・メア誘拐事件を解決しようと試みるが、実はフィッシャーが事件の首謀者だった。
『犯人は21番に住む』(The Murderer lives at Number 21)
1942年/フランス/83分
監督:アンリ=ジュルジュ・クルーゾー
出演:ピエール・フレネ/シュジー・ドレール/ジャン・ティシエ 

腕利きの刑事ウェンは、被害者ドゥラン氏の死体の上に電話番号を書いた紙を残した殺人犯の事件を担当することになった。売れない役者のウェン夫人ミラは、自らにマスコミの注目を集めようと、夫の事件の手伝いをしようと決意する。ドゥラン氏がジュノ通り21番の下宿に住む奇妙な住人たちの一人だったと知ったウェンは、教会の牧師を装って、その下宿に部屋を借りる。しかし、あとを付いてきたミラはどう見ても牧師の妻には見えない!それでも、容疑者たちを逮捕し刑務所に送り込むが、その時、次の殺人事件が起こる...
Mort en ce jardin : © 1956 Les Grands Films Classiques - STUDIOCANAL
『この庭に死す』(Death in the Garden)
1956年/フランス、メキシコ/104分
監督:ルイス・ブニュエル
出演:シモーヌ・シニョレ/シャルル・ヴァネル/ミシェル・ピコリ 

山師のクラークは金の採鉱者たちが集まるキャンプ近くの村にやってくるが、地元の警察に拘束されてしまう。彼が近隣で起きた銀行強盗に絡んでいるというのだ。しかも、今度は警察が金鉱を州のために没収してしまったので、採鉱者たちが暴動を起こすが、それも平定されてしまう。クラーク、リザルディ神父、キャスティンとその娘、そしてキャスティンの情婦であるジンの5人はこの機に乗じてジャングルに逃げ込むが、それは彼らの命がけのサバイバルの始まりだった。
©1989 - CINE A - France 3 FILMS PRODUCTIONS - HACHETTE PREMIERE & Cie
『仕立て屋の恋』(Monsieur Hire)
1989年/フランス/79分
監督:パトリス・ルコント
出演:ミシェル・ブラン/サンドリーヌ・ボネール/リュック・テュイリエ 

仕立て屋のイール氏は、人との接触を避け、周囲のアパートの住人達から嫌われている変人だった。彼の唯一の楽しみは向かい側の建物の部屋に引っ越してきた美しい女アリスの私生活を窓を通して覗き見ることだけだった。 ある日、アパート近くで少女ピエレットが殺害され、刑事は嫌われ者のイール氏を容疑者として嗅ぎまわる。しかし、イール氏は本当の犯人がアリスの婚約者エミールであることを知っていた。イール氏が窓から自分を観察していたことを知ったアリスは、彼が殺人の真相をどこまで知っているのかを調べようと、自ら接触してくる。それは、イール氏にとって甘く危険な誘惑の始まりだった。
『恋恋風塵』(Dust in the Wind)
1986年/台湾/110分
監督:ホウ・シャオシェン
出演:ワン・ジンウェン/シン・シューフェン/メイ・ファン 

1960年代末。山村で幼い頃から常に一緒に育てられた幼馴染の少年アワンと少女アフン。アワンは成績優秀だったが家が貧しく、家計を助けるために、台北に出て働きながら夜間学校に通っている。アフンも一年遅れて台北に来て働き始めた。大都会台北で二人の絆はさらに強くなり、何時しかお互いに愛情を抱くようになる。しかし、アワンは兵役につかねばならなくなり、二人は手紙を送りあうことで互いの近況を報告し合うが、いつしか、アフンからの手紙は届かなくなり...


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OUTSIDE IN TOKYO 編集部の判断に一任頂きますので、ご了承ください。





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