2011.7.26 update |
料金: | 一般:一回券1,200円/5回券5,000円 アテネ・フランセ文化センター会員:1回券1,000円/5回券4,000円 ※アテネ・フランセ文化センター会員入会をご希望の方は登録が必要になります(当日入会可) 登録料:一般1,500円/アテネ・フランセ学生1,000円(2012年3月まで有効) |
主催: | アテネ・フランセ文化センター、一般社団法人コミュニティシネマセンター、ポルトガル大使館 |
特別協力: | カモンイス院、東京国立近代美術館フィルムセンター、川崎市市民ミュージアム、シネマテッカ・ポルトゲーザ |
後援: | 社団法人日本ポルトガル協会、ポルトガル映画・映像院 |
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上映プログラム |
『アニキ・ボボ』 原題:Aniki Bóbó 1942年/71分/モノクロ 監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ 撮影:アントニオ・メンデス 出演:ナシメント・フェルナンデス、フェルナンダ・マトス、オラシオ・シルヴァ オリヴェイラの長篇デビュー作。陽光降り注ぐポルトの街を舞台に、躍動するアナーキーな少年少女たちを縦横無尽に活写してネオレアリズモの先駆的作品と見なされる。「アニキ・ボボ」とは警官・泥棒という遊びの名前。 幼い恋の冒険を「罪悪」と「友愛」の寓意へ変貌させる演出のスケール感はすでにして巨大。 |
『春の劇』 原題:Acto de Primavera 1963年/91分/カラー 監督・脚本・撮影:マノエル・ド・オリヴェイラ 出演:ニコラウ・ヌネス・ダ・シルヴァ、エルメリンダ・ピレシュ、マリア・マダレーナ 16世紀に書かれたテキストに基づいて山村クラリャで上演されるキリスト受難劇の記録。自ら「作品歴のターニングポイント」と述べる本作でオリヴェイラが発見したのは「上演=表象の映画」という極めて豊かな鉱脈だった。一見して不自然な「虚構」のドキュメントだけが喚起する謎と緊張。前人未踏の「映画を超えた映画」の始まり。 |
『過去と現在 昔の恋、今の恋』 原題:O Passado e o Presente 1972年/115分/カラー 監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ 撮影:アカシオ・ド・アルメイダ 出演:マリア・ド・サイセット、マヌエラ・ド・フレイタス、ペドロ・ピニェイロ 長篇劇映画第三作。ヴィンセンテ・サンチェスの同名戯曲を監督が自ら映画用に翻案。『フランシスカ』に至る「挫折した愛の四部作」の第一部にあたる。現在の夫に心を開かず、事故死した最初の夫への想いを募らせる妻ヴァンダを中心に、過去と現在、死者と生者の間を交差する奇妙な愛が描かれる。 |
『カニバイシュ』 原題:Os Canibais 1988年/101分/カラー 監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ 撮影:マリオ・バローゾ 出演:ルイス・ミゲル・シントラ、レオノール・シルヴェイラ、ディオゴ・ドリア 『過去と現在』から音楽を担当してきたジョアン・パエスとともに作られたオペラ・ブッファ映画。厳かに進行する貴族たちの晩餐会は、やがて、タイトルが予告する驚愕の食人場面へ。人間と動物、人間と機械、見せかけと本質・・・・・・ ヴァイオリンの調べに乗ってあらゆる境界が軽々と犯される。 |
『神曲』 原題:A Divina Comédia 1991年/142分/カラー 監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ 撮影:イワン・コゼルカ 出演:マリア・ド・メデイロス、ミゲル・ギリェルメ、ルイス・ミゲル・シントラ 「精神を病める人々の家」の表札が掲げられた邸宅で、アダムとイブ、キリスト、ラスコリーニコフ、 ニーチェのアンチ・キリストら歴史的文学作品の登場人物たちが、信仰と理性と愛についての議論を戦わせる。西洋古典の深奥に分け入りながらも「まったく未知なものとして、絶対的な驚き」とともに再び映像として蘇らせるオリヴェイラ芸術の真骨頂。 |
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『黄色い家の記憶』 原題:Recordações da Casa Amarela 1989年/122分/カラー 監督・脚本:ジョアン・セーザル・モンテイロ 撮影:ジョアン・ペドロ・ベナール・ダ・コスタ 出演:ジョアン・セーザル・モンテイロ、マヌエラ・ド・フレイタシュ、ルイ・フルタド 強烈な存在感で見る者を魅了してやまない痩身の中年男デウス(神)をモンテイロが愉快に自作自演した「ジョアン・ド・デウス」シリーズの第一作。姦淫、盗みなどの悪行に身を任せる天衣無縫のデウスの足跡が、そのままモラリスト的人間考察へと転じる。サッシャ・ギトリやバスター・キートンと比肩する偉大な個性を世界に印象づけた傑作。 |
『ラスト・ダイビング』 原題:O Último Mergulho 1992年/91分/カラー 監督・脚本:ジョアン・セーザル・モンテイロ 撮影:ドミニク・シャピュイ 出演:ファビアンヌ・バーブ、ディニス・ネト・ジョルジ、エンリケ・カント・イ・カストロ 死を想い波止場で淋しげにたたずむ青年に、老人が声をかける。実は自分も人生に飽きている。最後に街に繰り出し存分に遊び、それから死ぬことにしようじゃないか......。ネオン煌めく夜のリスボンで繰り広げられる歌と踊り、酒と官能の宴。絶望と引き替えに許された、底抜けに大らかな人生賛歌。 |
『神の結婚』 原題:As Bodas de Deus 1999年/154分/カラー 監督・脚本:ジョアン・セーザル・モンテイロ 撮影:マリオ・バローゾ 出演:ジョアン・セーザル・モンテイロ、リタ・デュラン、ジョアナ・アゼヴェド 「ジョアン・ド・デウス」シリーズの最終作。「神の使い」から突如巨万の富を与えられたデウスは、それ幸いとばかりに自分の欲望を解禁する。実現した夢のような生活はしかし突如終息し、デウスは自分が破滅しているのを知る......。社会秩序の無効性を一方的に宣告するサド的な放縦さ。欲望と自由をめぐる孤高の省察。 |
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『トラス・オス・モンテス』 原題:Trás-os-Montes 1976年/111分/カラー、モノクロ 監督・脚本:アントニオ・レイス、マルガリーダ・コルデイロ 撮影:アカシオ・ド・アルメイダ 出演:トラス・オス・モンテスの住民たち ポルトガル現代詩を代表するアントニオ・レイスが、マルガリーダ・コルデイロと共に作った初長篇。川遊びなどにうち興じる子供たちの姿を中心に、遠い山奥のきらきらと輝く宝石のような日々を夢幻的な時間構成により浮かび上がらせる。公開当時、フランスの批評家たちを驚嘆させ、後にペドロ・コスタ監督にも影響を与えたという伝説的フィルム。 |
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『骨』 原題:Ossos 1997年/98分/カラー 監督・脚本:ペドロ・コスタ 撮影:エマヌエル・マシュエル 出演:ヴァンダ・ドゥアルテ、ヌーノ・ヴァス、マリア・リプキナ 現代映画の最前線をひた走るペドロ・コスタの長篇第三作。リスボン近郊のスラム街フォンタイーニャス地区を舞台に、貧困と無気力にうちひしがれる若者たちの生を透徹した眼差しで描く。劇映画の枠組みを多分に残して作られたコスタ最後のフィルムであり、物語を食い破るように突出するショットの残酷な輝きが際立つ。 |
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『トランス』 原題:Transe 2006年/126分/カラー 監督・脚本:テレーザ・ヴィラヴェルデ 撮影:ジョアン・リベイロ 出演:アナ・モレイラ、ヴィクトル・ラコフ、ロビンソン・ステヴニン サントペテルブルグで暮らしていたソーニャは、より良い暮らしを求めて西ヨーロッパへ向かうが、旅の途中で過酷な現実に直面する。人間の尊厳を奪われる絶望的な状況の中で、奇妙にも、耽美的な夢世界への通路が開かれる。いまポルトガルでもっとも期待される才能のひとりヴィラヴェルデの代表作。 |
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『私たちの好きな八月』 原題:Aquele Querido Mês de Agosto 2008年/149分/カラー 監督:ミゲル・ゴメス 脚本:ミゲル・ゴメス、マリアナ・リカルド、テルモ・チューロ 撮影:ルイ・ポカ 出演:ソニア・バンデイラ、 ファビオ・オリヴェイラ、ホアキン・カルヴァロ 新鋭ミゲル・ゴメスの長篇第二作。ヴァカンス期のポルトガル山間部を舞台に、地元の村人、映画製作チーム、音楽フェスティバルの様子をドキュメンタリー的に描く前半部が、やがていつの間にか、途切れることなく、美しい少年と少女のメロドラマを綴る後半部へと移行する。真夏の夜の夢のような脱ジャンル的秀作。 |
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