大人の音楽映画祭 〜レジェンドたちの競宴〜



「大人の音楽映画祭 ~レジェンドたちの競宴~」というだけあって、確かに、選ばれている作品の対象年齢は40歳以上なのだろう。しかし、『ラストキング・オブ・スコットランド』(06)や『第九軍団のワシ』(09)で知られ、『ブラック・セプテンバー/ミュンヘン・テロ事件の真実 』(99)や『運命を分けたザイル』(03)といった優れたドキュメンタリー作品も撮っている(祖父はエメリック・プレスバーガーで、ハワード・ホークスのテレビ・ドキュメンタリーも手掛けている)ケヴィン・マクドナルド監督の新作『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』やマーティン・スコセッシが監督・製作を務めた『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』、ゴダールとストーンズのコラボレーション『ワン・プラス・ワン』を、40歳以上の観客に限定してしまうのは誠にもったいない。そして、ブラジル、シネマノーヴォの巨匠ネルソン・ペレイラ・ドス・サントスの新作『アントニオ・カルロス・ジョビン』(2/23(土)~3/8(金)2週間限定!)だけは、何があっても見逃すわけにはいかない。
(上原輝樹)
2013.2.5 update
2月9日(土)~4月12日(金)
会場:角川シネマ有楽町 
当日料金:一般/1,800円 大学生・高校生/1,500円 中学生・小学生・シニア(60歳以上)/1,000円 
ムビチケ(www.movieticket.jp/)で鑑賞したい作品1作品が鑑賞できる共通券を12月22日より発売 

公式サイト:
http://www.sugarman.jp/festival/
上映プログラム

© Canfield Pictures / The Documentary Company 2012
『シュガーマン 奇跡に愛された男』
3月16日より角川シネマ有楽町ほか公開
2012年/85分
監督:マリク・ベンジェルール
プロデューサー:サイモン・チン
製作総指揮:ジョン・パトセック 

1960年代に米デトロイトでデビューした天才ミュージシャン、ロドリゲスの奇跡のような驚きの人生を、綴った、珠玉のドキュメンタリー映画。将来を渇望されながらも、二枚のアルバムは商業的に失敗し、音楽シーンから姿を消してしまったロドリゲス。その後、当人の知らないところで、彼の音楽はアパルトヘイト真っただ中の南アフリカで大人気となり、アルバムは爆発的なセールスを記録。90年代に入り、南アフリカの熱狂的なファンは、既に死亡したと言われているロドリゲスが廻った運命を探るべく調査を始め、驚くべき真実に直面する・・・・・。
© Disco Doc Inc. 2011
『ディスコ・レボリューション』
2012年/84分
監督・脚本・プロデューサー:ジェイミー・カストナー
音楽:ジェイミー・シールズ、デイヴィッド・ウォール 

アフリカン・アメリカンや女性、ゲイ男性の解放を象徴する場であったディスコ。1970年代、華々しいディスコ全盛期の立役者となった、ヴィレッジ・ピープルやクール&ザ・ギャング、グロリア・ゲイナー、ハリー・ウェイン・ケイシーらの貴重なインタビュー映像や記録映像、そしてセクシーかつダンサブルな彼らの音楽を通し、知られざる「ディスコ革命」を浮き彫りにしたカナダ初のドキュメンタリー映画。 2012年トロント映画祭正式出品作品。
© Regina Filmes, 2011
『アントニオ・カルロス・ジョビン』
2011年/84分
監督:ネルソン・ぺレイラ・ドス・サントス、ドラ・ジョビム
製作総指揮:マリシア・ぺレイラ・ドス・サントス 

ボサ・ノヴァの生みの親の一人と言われ、ブラジルを代表するミュージシャン兼作曲家、アントニオ・カルロス・ジョビン。彼の代表曲「イパネマの娘」は、サミー・デイヴィス・jr.やダイアナ・クラ―ルら数多くのミュージシャンにカバーされ、ボサ・ノヴァを世界中に浸透させるきっかけとなった。解説や説明を一切省いた「ジョビンの音楽が物語る」本作は、ジョビンファンだけではなくボサ・ノヴァファン必見の一本と言える。2012年カンヌ映画祭正式出品作品。
© Cupid Productions Ltd. 1970
『ワン・プラス・ワン』
1968年/100分
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
製作:マイケル・ビアソン、イアン・クワリア 

ローリング・ストーンズとジャン=リュック・ゴダールの奇跡のコラボレーションが実現した、ロック史に残る傑作ドキュメンタリー。ストーンズの代表曲の一つ「悪魔を憐れむ歌」誕生の瞬間などスタジオでのレコーディング風景に、革命運動の映像を交錯させるという、当時のゴダールの実験精神を垣間見ることができる。
© 2011 GROVE STREET PRODUCTIONS LIMITED.
『ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』
2011年/210分
監督・製作:マーティン・スコセッシ
製作:オリヴィア・ハリスン、ナイジェル・シンクレア 

アカデミー賞監督 マーティン・スコセッシが贈る、ジョージ・ハリスン58年の人生の軌跡。その生涯の足跡を貴重な未公開映像と、ポール・マッカートニーやリンゴ・スター、エリック・クラプトン、オノ・ヨーコらの証言で辿りながら、ジョージが切り拓いた壮大な音楽世界と、彼の実像を見つめていく至福のドキュメンタリー 。本年度エミー賞 ノンフィクション・スペシャル番組部門 作品賞受賞。
© SHANGRI-LA ENTERTAINMENT LLC AND TUFF GONG PICTURES LP 2012
『ボブ・マーリー/ルーツ・オブ・レジェンド』
2012年/144分
監督:ケヴィン・マクドナルド
エグゼクティブ・プロデューサー:ジギ―・マーリー、クリス・ブラックウェル 

レゲエという一音楽ジャンルを世界に知らしめ、ジャマイカの歴史をも変えた伝説のカリスマ、ボブ・マーリー。数多くの未発表音源や未公開映像、家族や友人たちの貴重なインタビューを基に、 レゲエの神様の波乱に満ちた36年間の人生と彼の本当の素顔に迫る。感動と驚きに満ちた初のオフィシャル・ドキュメンタリー。本年度グラミー賞 コンピレーション・サウンドトラック・アルバム賞ノミネート
© 2012 Queen Productions Limited
『クイーン ハンガリアン・ラプソディ:ライブ・イン・ブダペスト'86』
2012年/115分
出演:フレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ロジャー・テーラー、ジョン・ディーコン 

ヨーロッパで100万人を魅了した「マジック・ツアー」の一環として開催され、フレディ・マーキュリー。最後のクイーン・コンサート・ツアーとなった、初のハンガリー公演を記録したライヴ・ドキュメンタリー。ライブ映像とともに、プライベート風景やリハーサル映像、インタビューなどの貴重な未公開映像も収録。
『ポール・マッカートニー/ライヴ・キス 2012』
2012年/74分
出演:ポール・マッカートニー、エリック・クラプトン、ダイアナ・クラ―ル、ジョン・ピザレリ 

ビートルズ50周年の2012年-ポール・マッカートニーが、愛してやまないメロディを集めたアルバム『キス・オン・ザ・ボトム』リリースを受け、ハリウッド キャピトル・Aスタジオで行ったライブ映像。エリック・クラプトン、スティーヴィー・ワンダー、ダイアナ・クラ―ル、ジョン・ピザレリらのインタビュー、伝説的スタジオの歴史とそこで録音されたレス・ポールらの音楽もインサート!更に輝きを増すポールの魅力満載のスペシャル映像。
『ダイアナ・クラール/ライヴ・イン・リオ』
2009年/109分
出演:ダイアナ・クラ―ル、アンソニー・ウィルソン、ジェフ・ハミルトン、ジョン・クレイトン 

現在のジャズシーンで人気・実力共に№1歌姫と称される、ダイアナ・クラ―ルが、ボサ・ノヴァの聖地リオで行ったライブ映像。アルバム「クワイエット・ナイツ」「オール・フォー・ユー」「ホエン・アイ・ルック・イン・ユア・アイズ」「フロム・ディス・モーメント・オン」から数々のヒットナンバーをブラジル的ソフィスティケーション極まるアレンジでエレガントに演奏する。
© Richard McLaren
『ストーリー・オブ・ザ・ドゥービー・ブラザーズ』
2012年/100分
出演:ジェフ・バクスター、トム・ジョンストン、パトリック・シモンズ、マイケル・マクドナルド 

1971年のデビュー以来、アメリカン・ロックの至宝として君臨し続けるドゥービー・ブラザーズ40年の足跡を辿ったドキュメンタリー映像。トム・ジョンストン、パット・シモンズ、マイケル・マクドナルド、ジェフ・バクスターは勿論、プロデューサー:テッド・テンプルマン、マネージャーなどのスタッフインタビューを通じ、ドゥービーズの長い歴史を追った初のドキュメンタリー。
© Ross Halfin
『ジェフ・ベック/ライヴ・アット・イリディウム~レス・ポール・トリビュート』
2011年/86分
出演:ジェフ・ベック、ブライアン・セッツアー、ルー・マリーニ、イメルダ・メイ 

スーパーギタリスト、ジェフ・ベックがレス・ポールを弾いた!―2010年、故レス・ポールのトリビュートとしてNYイリディウム・クラブで行われた2日間のスペシャルライブ映像。イメルダ・メイ・バンドを引き連れ、ブライアン・セッツァー、ゲイリー・US・ボンド、そしてトロンボーン・ショーティがゲスト出演。また、デヴィッド・ボウイ、スティーヴ・ミラー、ザック・ワイルド、アラン・トゥーサンら著名人が熱い視線を送る中、数々の名曲を披露した超プレミアライブ映像。
『サンタナ グレイテスト・ライヴ・アット・モントルー2011』
2012年/167分

サンタナの2011年モントリオール・ジャズ・フェスティバル ステージ映像。ドラムはデニス・チェンバース、ゲストにレ二―・クラヴィッツと共演で話題をさらったシンディ・ブラックマン、スーザン・テデスキを迎え、「ブラック・マジック・ウーマン」「サンバ・パ・ティ」「哀愁のヨーロッパ」などの代表曲を演奏。ジャム・バンド的なグルーヴからラテン・ロックまでをエネルギッシュに披露。"グレイテスト・ヒッツ・ライブ"の名に相応しいサンタナのベストライブ映像。
『TOTOライヴ イン アムステルダム』
2006年/103分

スティーヴ・ルカサー擁するロックバンド!TOTO結成25周年記念アムステルダム公演ライブ映像。ハイ・レベルのパフォーマンスとあわせ、ツアー中の楽屋風景、リハーサル、オフ・ステージでのメンバーの姿などTOTOの全てを捉えた決定版!「アフリカ」「ホールド・ユー・バック」「ロザーナ」「ホワイト・シスター」「悲しいへだたり」など代表曲を披露する。


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