ビバ! ナデリ



第12回東京フィルメックスの審査員長を務めるアミール・ナデリ監督の2作品、『サウンド・バリア』(05)『べガス』(08)をスクリーンで観ることのできる二日間限定の特集上映「ビバ!ナデリ」が、オーディトリウム渋谷で行われる。103の名作映画を引用し、"映画"への激し過ぎる愛を迸らせる、日本で撮影された最新作『CUT』のフィルメックス上映(11/23)とロードショー公開(12/17~)を前に、ナデリ監督の近作に触れるレアな機会が到来!
(上原輝樹)
2011.11.7 update

『CUT』の撮影は想像を超えたとてつもない体験で、自分にとってもこの作品が転機になりました。この映画があったから今後も俳優を続けていけると思えましたし、『CUT』以前と以後の自分に分かれるほどの体験でした。
西島秀俊
※2010年11月20日に丸の内カフェで行われた西島秀俊さんとアミール・ナデリ監督の対談より採録
徹底的にやる、とことんやる、何が何でもやる、それがナデリ流だ。こうして映画からあらゆる装飾と贅肉と錆とがそぎ落とされ、凶暴な本質がまばゆいばかりに光り始める。我々が目にするのは一種の鍛え上げられた刃物だと言っていいだろう。それが轟音と共にスクリーンから斬りかかってくる。よけられる者はいない。そして映画が終わった時、観客の心は一度失った命を再び与えられたかのような不思議な喪失感と希望とで満たされる。映画とは本来このような力を持つものだったのだ。
黒沢清(映画監督)
2011年11月11日(金)、11月12日(土)
料金(当日券のみ):1回券1,500円 2回券2,500円
映画美学校学生および東京フィルメックスサポーターズ会員割引:1,200円
各回入替・自由席
※二日間いずれかの回の半券をお持ちの方は12日のトークイベントをご覧いただけます。
上映スケジュール
11月11日(金)
19:00
サウンド・バリア
(107分)
※上映前: アミール・ナデリ監督舞台挨拶


21:15
ベガス
(102分)
※上映前: アミール・ナデリ監督舞台挨拶
11月12日(土)
18:15
ベガス
(102分)
※上映前: アミール・ナデリ監督舞台挨拶
※上映後:トークイベント
 ゲスト:黒沢清(映画監督) 聞き手:市山尚三
21:15
サウンド・バリア
(107分)
※上映前: アミール・ナデリ監督舞台挨拶
上映プログラム

『サウンド・バリア』
原題:Sound Barrier
2005年/107分

ニューヨーク。11歳の聾唖の少年ジェシーは、ラジオのDJだった亡き母親の声を録音したテープを探してクィーンズの倉庫にやって来る。ジェシーは苦労して大量のテープの中から母親のテープを探し出す。テープの中で母親が何を言っているのかを知るために、ジェシーはテープを持って街へ出るのだが......。
『べガス』
原題:Vegas: Based on a True Story
2008年/102分

砂漠の中の大都市ラスベガス。その近郊にパーカー一家は暮らしている。自動車修理工の父エディは稼ぎの大半を賭博に注ぎ込み、ウェイトレスとして働く母トレイシーが家族の生活を支えている。ある日見知らぬ男が訪ねてきたことにより、一家のささやかな生活は一変する。ヴェネチア映画祭コンペティションで上映。
Amir NADERI アミール・ナデリ
1945年、イランのアバダン生まれ。スチール・カメラマン、映写技師、助監督などを経験した後、『Khoda Hafez Rafig(Good Bye Friend)』(71)で映画デビュー。アッバス・キアロスタミとともに児童青少年知育協会をベースに活動。『駆ける少年』(86)、『水、風、砂』(89)で2作連続してナント三大陸映画祭グランプリを獲得。その後アメリカに移住し、現在はNYを拠点に活躍中。最新作は日本で撮影された『CUT』(11)。第12回東京フィルメックス審査委員長。
第12回東京フィルメックス
特別招待作品『CUT』日本最速上映
11/23(祝)18:00~ 有楽町朝日ホール ※監督による質疑応答を予定
www.filmex.net



『CUT』
12月17日(土)より、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次ロードショー!
公式サイト:http://www.bitters.co.jp/cut/





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