未来の巨匠たち



日本の若き映画作家の俊英を一堂に会して、彼、彼女らの作品を一挙上映する新春に相応しいフレッシュな企画上映"未来の巨匠たち"が横浜のシネマ・ジャック&ベティで行なわれる。"未来の巨匠"たちが"この一本"として選んだホークスやフリッツ・ラング、クレール・デゥニの作品も上映され、トークショーも連日開催される。"未来の巨匠"を横浜の地から生み出すのだという熱い志が伝わって来る試み。
2010.1.12 update
2010年1月23日(土)~1月29日(金) 連日トークショー開催!
「未来の巨匠たち」公式サイト http://www.mirai-kyosho.kitanaka-school.net/
会場:シネマ・ジャック&ベティ Tel:045-243-9800 http://www.jackandbetty.net
料金:当日・1回券 800円
   1日券 1500円
   3日券 3000円
   フリーパス 6000円
   ※各回入替制。なお、トークショーには同日の入場券または半券でご参加いただけます。
前売り券:1日券、3日券、フリーパスの前売券をお求めの方は、いますぐ以下の購入先へ!
     劇場窓口(黄金町=左地図参照)/有隣堂本店(イセザキモール)/
     北仲スクール事務局(馬車道)
シネマ・ジャック&ベティ メンバーズクラブ 学生会員キャンペーン!:
毎回の料金割引やスケジュールチラシ郵送などお得なサービスが受けられるメンバーズクラブ。学生の方は、2010年1月~3月に入会すると入会金・年会費が無料になります。ぜひ、この機会にご入会ください。詳細は劇場窓口まで。

※特集上映「未来の巨匠たち」は、横浜文化創造都市スクール(通称:北仲スクール)のワークショップ授業の一環として開催されます。
北仲スクール 公式ウェブサイト http://www.kitanaka-school.net/



1月23日(土)
14:00
『彼方からの手紙』

15:50
『とどまるか なくなるか』
『港の話』
『むすめごころ』
『あとのまつり』


17:50
トークショー
瀬田なつき×井口奈己(映画監督)
司会:梅本洋一

19:10
この一本
『ネネットとボニ』
(クレール・ドゥニ)
1月24日(日)
14:00
『a perfect pain』
『FRAGMENTS Tokyo murder case』


15:50
『Nice View』
『りんごの皮がむけるまで』


17:40
『A Bao A Qu』

19:20
トークショー
加藤直輝×藤井仁子(映画研究者)
1月25日(月)
14:00
『罠を跳び越える女』
『夜光』


15:40
『座子寝』
『団地』
『赤い束縛』
『喧騒のあと』
『太陽と風に叛いて』


17:50
この一本
『放蕩息子の帰還/辱められた人々』(ストローブ=ユイレ)+『シークレット作品』

20:40
トークショー
桝井孝則×唐津正樹
司会:佐藤 央
1月26日(火)
14:00
『daughters』
『収穫』


15:10
『granité(グラニテ)』
『みかこのブルース』
『それを何と呼ぶ?』


16:30
『きつね大回転』
『月夜のバニー』


17:40
この一本
『赤線玉の井 ぬけられます』(神代辰巳)+『夜ごとの夢』(成瀬巳喜男)

20:40
トークショー
片桐絵梨子(『きつね大回転』)×矢部真弓(『月夜のバニー』)
司会:千浦 僚
1月27日(水)
14:00
『綱渡り』
『お城が見える』
『月曜日』


15:30
『こんなに暗い夜』

17:30
この一本
『条理ある疑いの彼方に』(フリッツ・ラング)

19:30
トークショー
小出 豊×万田邦敏(映画監督)
司会:松井 宏
1月28日(木)
14:00
『4』
『マイムレッスン』
『スパイの舌』


15:00
『女たち』
『不安』
『結婚学入門(恋愛篇)』


16:40
『シャーリーの好色人生』
初上映
『結婚学入門(新婚篇)』

18:10
トークショー
佐藤 央×大谷能生(音楽家、批評家)

19:30
この一本
『ヒズ・ガール・フライデー』
(ハワード・ホークス)
1月29日(金)
14:00
『PASSION』

16:20
『何食わぬ顔』
『はじまり』
『Friend of the Night』


18:20
『記憶の香り』
初上映
『永遠に君を愛す』

20:00
トークショー
濱口竜介×梅本洋一(映画批評家)
特集上映「未来の巨匠たち」にむけて
かつてヌーヴェルヴァーグがあった。同時代の抑圧的な映画の状況から抜けだし、瑞々しい世界に眼差しを向けた一群の映画作家たちの作品がヌーヴェルヴァーグだった。ゴダール、トリュフォー、リヴェット、シャブロル、ロメール......。ぼくらの時代も、1950年代のパリと同じくらい、いやそれ以上に抑圧され鬱屈している。けれども劇場で公開される"日本映画"の多くは、そんな時代とまったく無関係に、資本主義の経済原則しか生きていない。映画はどうしたらいいのだろう? 映画は壁に映された光と影なんかではない。ぼくらの時代へと開かれた窓だ。
やはり映画はぼくらの時代と強い絆で結ばれるべきだ。そう考えている若い映画作家たちがいる。目を閉じるのではなく、目を凝らして時代に新鮮な眼差しを向け、耳をふさぐのではなく、耳を澄まして、ぼくらの時代の音声を聞いてみよう。その時代の空間に生きている人たちを映像につなぎ止める人たちがいる。そんな若い人たちの真摯な作品を連続的に見てみよう。ぼくらの時代にもヌーヴェルヴァーグはある、誰でもそう確信するだろう。未来のゴダール、トリュフォー、そんな人たちがぼくらの周囲にいる。彼らと一緒に映画について、世界について考えてみよう。
梅本洋一

わたしの選ぶこの1本!
映画史から各監督が選ぶ"この1本"。作り手として、観客として影響を受けた作品、自分の映画と同じ問題系を共有する作品、自作への参考となるべき作品、あるいは、なぜかいまもっとも見直してみたい作品など、まさに多種多様な傑作が揃いました。"この1本"と、それらを巡るトークによって、彼らの映画をさらに深く理解できるはずです。ぜひこちらもお見逃しなく!!!
*シークレット作品の上映もございます。
 1月25日(月)17:50


『ネネットとボニ』
監督・脚本:クレール・ドゥニ
脚本:ジャン=ポール・ファルジョー
撮影:アニエス・ゴダール
出演:グレゴワール・コラン、アリス・ウーリ、ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、ヴィンセント・ギャロ、ジャック・ノロ
【1996年/35ミリ/103分】

両親の別居によって離れていた兄妹が、妹の妊娠をきっかけに再会し、反発し合いながらも求め合い、新しい命を迎えるまでを繊細に描く。肌やパンの質感、柔らかさを捉えるきめ細やかな映像のなかで、主演ふたりをはじめV・ブルーニ=テデスキやV・ギャロらの俳優が、他作品とはまったく異なる表情を見せる。詩的な映像で熱狂的なファンを持ち、フランス映画の枠をつねに跳び越えつづける女性監督クレール・ドゥニの代表作。
『放蕩息子の帰還/辱められた人々』
監督・脚色:ジャン=マリー・ストローブ&ダニエル・ユイレ
原作:エリオ・ヴィットリーニ
撮影:レナート・ベルタ
出演:エンリコ・アキーリ、アンドレア・バルドゥッチ、ドランド・ベルナルディーニ、ジャンパオロ・カッサリーノ、フェデリコ・チャマレッラ、ロサルバ・クラトーラ
【2003年/35ミリ/64分】

親ファシズムから反ファシズムへと転身したイタリアの作家エリオ・ヴィットリーニの原作を、『シチリア!』(98)、『労働者たち、農民たち』(00)に続いて映画化した作品。前作『労働者たち、農民たち』の挿話を再利用した『放蕩息子の帰還』と、その後日譚『辱められた人々』の二部構成。後者では、山中の共同体に地主代行や元パルチザンらが訪れ、土地所有権を侵害する違法性、自給自足経済の割りの悪さを説き、共同体を崩壊させる。
『赤線玉の井 ぬけられます』
監督・脚本:神代辰巳
撮影:姫田真佐久
出演:宮下順子、蟹江敬三、丘奈保美、芹明香、絵沢萠子、殿山泰司
【1974年/35ミリ/78分】

昭和33年の新春。4月には売春防止法が施行される年の、東京"玉の井"の特飲店「小福」で働く売春婦たち。1日に取る客の記録を塗り替えようと必死な直子、やくざにベタ惚れで、どんなに手を上げられても貢ぎ続けるシマ子、いちどは結婚しながらも再び「小福」に戻って来てしまう公子......。女たちの意地、快楽、哀切が、官能的な女優たちによって演じられ、見事なカメラワークで映し取られる。ロマンポルノだけでなく日本映画史上の偉大な鬼才・神代辰巳の代表作の1本。
『夜ごとの夢』
監督:成瀬巳喜男
脚本:池田忠雄
撮影:猪飼助太郎/出演:粟島すみ子、小島照子、斎藤達雄、新井淳、吉川満子
【1933年/35ミリ/サイレント/64分】

酒場で働くおみつが2週間ぶりに家に帰ってくる。彼女はひとり息子の文坊とふたり暮らしで、留守中は隣の夫婦が文坊の面倒を見ていてくれた。酒場の女将に借金を断られた彼女は、嫌々ながら馴染み客の船長から金を借りる。帰ってきた部屋には男が待っていた。それは3年前におみつと子供を捨てて出ていった水原の落ちぶれた姿だった......。日本映画初期の大女優・粟島すみ子の姿に涙せずにはいられない、成瀬巳喜男初期の傑作。
『条理ある疑いの彼方に』
監督:フリッツ・ラング
脚本:ダグラス・モロー
撮影:ウィリアム・スナイダー
出演:ダナ・アンドリュース、ジョーン・フォンテイン、シドニー・ブラックマー、エド・ビンズ、フィリップ・ポーヌフ
【1956年/35ミリ/80分】

刑務所で死刑が執行された。立会人のなかには新聞社社長のスペンサーと、記者のトム・ギャレットもいた。彼らは死刑廃止のキャンペーンを張るために、無実の人間を犯人に仕立て、死刑判決が下されたところで真実を明かすという工作を考えつく。やがて殺人事件が起き、ギャレット自身がその犯人役を演ずることになる......。フィルム・ノワールとも探偵映画とも、あるいは"社会派映画"ともいえるプロットを鋭い演出で描き出す本作は、フリッツ・ラング最後のアメリカ映画として、彼を語るうえで必要不可欠な1本である。
『ヒズ・ガール・フライデー』
監督:ハワード・ホークス
脚本:チャールズ・レデラー
撮影:ジョセフ・ウォーカー
出演:ケイリー・グラント、ロザリンド・ラッセル、ラルフ・ベラミー、ジーン・ロックハート、ヘレン・マック
【1940年/16ミリ/92分】

敏腕新聞記者のヒルディは編集長のウォルターと離婚したばかり。そしてウォルターとは真逆の性格の、しっかり者な男と結婚するために新聞社を辞めようとしている。何とかそれを阻止したいウォルターは、彼女の最後の仕事として死刑囚のルポルタージュを依頼し、彼女もそれを受け入れるのだが......。巨匠ハワード・ホークスによるスピード感溢れる会話と演出、それを見事に体現するC・グラント、R・ラッセルらのスターたち。笑いながら涙する、これぞスクリューボール・コメディの金字塔!
上映作品
1月23日(土)
瀬田なつき
『彼方からの手紙』
『彼方からの手紙』
監督・脚本・編集:瀬田なつき
撮影:佐々木靖之
出演:スズキジュンペイ、朝倉あき、三村恭代
【2007年/HD/85分】

吉永が働く不動産屋に訪れた少女。吉永は彼女の頼みで、彼女がかつて住んでいた家を一緒に訪れる。空き家には、まだ人の気配があり、そこにあったビデオテープに映っていたものを見た彼は奇想天外な出来事に飲まれていく。やがて吉永と彼女は再び日常に戻っていくのだが......。ポップでカラフル、若干切ない"彼方"へのロードムーヴィ。東京国際映画祭チェアマン特別奨励賞。
『とどまるか なくなるか』
監督・脚本・編集:瀬田なつき
撮影:松本岳大
出演:嶺野あいか、洞口依子、桐本琢也
【2002年/DV/36分】

1995年初夏。小川里佳は都内に住む中学生。兄が消え、父は転勤が決まり、母は入院。"家"からは家族の記憶が徐々に薄れていく......。
『港の話』
監督・脚本・編集:瀬田なつき
撮影:佐々木靖之
出演:岡部尚、木下美紗都
【2006年/DV/18分】

"今、そこにある差別"という黒沢清教授に与えられたテーマのもと、東京藝術大学で作った初期実習作品。
『むすめごころ』
監督:瀬田なつき
脚本:菅野あゆみ
撮影:山本大輔
出演:山田麻衣子、高橋真唯、柏原収史
【2007年/HD/25分】

複雑な"むすめごころ"を浮遊したカメラワークと演出でまとめた水玉模様の作品。川端康成の原作を映画化したオムニバス『夕映え少女』の一篇。
『あとのまつり』
監督・脚本・編集:瀬田なつき
撮影:佐々木靖之
出演:中山絵梨奈、福田佑亮、太賀
【2009年/HD/19分】

その街では忘れてしまうことが日常となっていた。だから13歳のノリコたちは、忘れられることも忘れることも恐れないように、挨拶は「はじめまして」にしている。ある日、彼女は友達のトモオとふたりで、自分たちのことを書いた手紙を風船に託す。遠くの誰かに、ふたりがこの世界にいたことを知ってもらうために。だがやがてノリコたちにも忘却が訪れる......。
1月24日(日)
加藤直輝
『A Bao A Qu』
『a perfect pain』
監督・脚本・撮影・編集・音響:加藤直輝
出演:田浦一繁、十浪里英、印藤躍
【2003年/DV/73分】

加藤監督が立教大学映画研究会の仲間たちと撮り上げた処女作。カメラを通して世界が発見され、撮影行為そのものが作品に反映される。「これは一種の"青春映画"です」(監督談)。
『FRAGMENTS Tokyo murder case』
監督・脚本・撮影・編集:加藤直輝
撮影:杉原憲明
出演:鈴木智恵、坂ノ下博樹、小津俊之
【2005年/DV/16分】

ある女子大生の、いつもと変わらぬ平凡な1日に少しずつ不穏な空気が忍び寄る......。映像と音響のみで際立った緊張度を生み出すサスペンス作品。
『Nice View』
監督・脚本・編集:加藤直輝
脚本:田中幸子、佐藤美恵
撮影・照明:北川喜雄
出演:砂田晋作、鈴木智恵、増田圭祐
【2005年/DV/47分】

東京藝大にて黒沢清教授から出された"戦時下の日常"というテーマのもと撮られた実習作品。"良い眺め"とは何かという問いが、監督自らと観客に投げ掛けられる。
『りんごの皮がむけるまで』
監督:加藤直輝
脚本:田中幸子
撮影:飯岡幸子
出演:大澤真理、上田直生、池澤一紀
【2005年/DV/42分】

偶然出会ってしまった3人とそれぞれの鬼退治。
『A Bao A Qu』
監督・脚本:加藤直輝
撮影:久保田智
楽曲提供:boris
出演:中泉英雄、広瀬斗史輝、河合青葉、石井順也、梓
【2007年/35ミリ(英語字幕付)/85分】

タイトルの「ア・バオ・ア・クー」とは『千夜一夜物語』に登場する怪物の名前。連続通り魔殺人事件をもとに小説を書き、一躍時代の寵児となった慎平。現在は、犯人の弟を主人公とした続編に取り組んでいる。慎平の生きる現実の世界と、彼の描く小説内の世界が平行に描かれていくが、それぞれの世界は次第に浸透しはじめる......。第12回釜山国際映画祭コンペ部門「New Currents」出品作品。
 
1月25日(月)
桝井孝則&唐津正樹
『夜行』
『赤い束縛』
『罠を跳び越える女』
監督:桝井孝則
撮影:高木風太
録音:松野泉
出演:田中真依 、港健二郎、澤井友里、苧坂淳
【2006年/DV/モノクロ/32分】

銀行に務める槇子は、ある日、組合運動への参加を理由に会社を追放される......。1930年に発表された矢田津世子の同名短編小説の映画化。
『夜光』
監督・撮影:桝井孝則
録音:松野泉
出演:本倉由佳、濱口香済、植田歩、佐々木一平、田野"JAM"昌子
【2009年/DV/51分】

現代に蔓延する疎外。仕事が生活を圧迫し、生活はただ食べて寝るという単調な繰り返しになっていく、という日常。印刷会社で働く由佳も、そのひとり。会社の傾きにより、時間外も働くことが当たり前になって自分の生活を見失ってしまう。映画はここから始まる......。第16回大阪ヨーロッパ映画祭上映作品。
『座子寝』
監督・脚本:唐津正樹
撮影:駒田隆之
出演:唐津正樹
【1999年/VHS→DV/3分】

実家のVideo8を大学のクラスメイトに託し、都市と自身とをカメラに収めた記念すべき処女作。
『団地』
監督・脚本・撮影:唐津正樹
出演:唐津正樹、若城大祐
【1999年/VHS→DV/8分】

「本作の"自己と他者"の構造関係は、以後の映画制作での本質的な部分を確立させたと思っている」(監督談)。
『赤い束縛』
監督・脚本:唐津正樹
撮影:近藤龍人
出演:後藤直樹、平原夕馨、金本健吾、山本華菜子、武藤美帆
【2005年/DV/74分】

平凡な結婚をした昌子は、突如、若年性痴呆症に侵された夫・健二とのやりきれない日々、ふいに近づいてきた男・浅井の一線を越えた干渉に引き裂かれ、あるイレギュラーな態度に踏み出す。それは、触れ合わずに、縛り合うこと。第6回ハンブルグ日本映画祭など国内外数々の映画祭に出品された作品。第1回CO2エキシビション企画制作支援作品。
『喧騒のあと』
監督・脚本:唐津正樹
撮影:小口修司
出演:西山真来、河村宏正、姜華栄
【2006年/DV/12分】

携帯電話を飲み込んでしまった女性の日常が、お腹のなかで鳴る着信音とともに描かれてゆく。アジアン・ミーティング大阪2006助成作品。
『太陽と風に叛いて』
監督:唐津正樹
出演:吉岡研治、佐々木嘉子、谷進一
【2009年/DV/サイレント/10分】

母親不在のある家族の休日、真昼間に暴風警報が発令された。
1月26日(火)
桃まつり〈黄金町の宴〉
『きつね大回転』
『月夜のバニー』
『daughters』
監督・脚本:木村有理子
撮影:榎本至
出演:川尻麻美夏、川尻麦、扇田拓也
【2007年/DV/24分】

母親の葬儀で、幼なじみのりゅうと再会したまりことえりかの姉妹。3人は、それぞれに思い出を語り合う......。
『収穫』
監督・脚本:粟津慶子
撮影:小出豊
出演:麻生絵里子、波多野桃子、広瀬斗史輝
【2009年/DV/26分】

片田舎にある高校に通う松井千代は、陸上部仲間の冴子と仲良し。ある日、千代は陸上部の隠された"伝説"にのめり込んでいく。
『それを何と呼ぶ?』
監督・脚本:長島良江
撮影・照明:四宮秀俊
出演:西山朱子、西田薫、吉田テツタ
【2009年/DV/29分】

朝子と藤子は幼少期からの友人。朝子は長年の恋人に別れを告げ、藤子の家に転がり込む。そこから始まるふたりの奇妙な共同生活。
『みかこのブルース』
監督:青山あゆみ
脚本:植岡喜晴、片桐絵梨子、黄永昌
撮影・照明:四宮秀俊、太田信裕
出演:安藤とわ子、宮田亜紀、植岡喜晴
【2008年/DV/17分】

中学生のみかこは小説家の父とふたり暮し。しかし父は執筆も進まず、代わりに質屋の看板娘・りつこと良い仲に......。
『granité(グラニテ)』
監督・脚本:大野敦子
撮影:佐々木靖之
出演:大下源一郎、水上竜士、土屋シオン
【2007年/DV/15分】

放火による一家心中の生き残りの男。彼は苦悩しながらも、おじと共に静かに暮らしていた。だがある日、おじの心の闇が浮き彫りになる。
『きつね大回転』
監督・脚本:片桐絵梨子
撮影:鈴木昭彦
出演:松元夢子、圓若創、石川美帆
【2008年/DV/22分】

「狐を退治してください」という指令を受けた、間抜けな文子としっかり者の遠藤。狐が出そうもない都心の町で狐捕りの罠にかかったものとは......。幻想と現実のあいだをさまよう、男と女と狐(?)の恋愛劇。
『月夜のバニー』
監督・脚本・編集:矢部真弓
脚本・撮影:隅達昭
出演:中村織央、武藤宏明、藤田恵里沙
【2009年/DV/30分】

田舎の一軒家で変わり者の母・美里と暮らす、姉・美幸とその弟・優斗。ある日そこへ、家出していた長男・博一が帰って来る......。"家"と土地の記憶を巡りながら、夜を舞台に描かれる家族の愛憎劇。
1月27日(水)
小出 豊
『こんなに暗い夜』
『綱渡り』
監督・脚本:小出豊
撮影:篠原悦子
出演:浅野翔太、松橋かずき、長谷川智也
【2000年/16ミリ/33分】

外界とのコミュニケーションがうまくとれない少年の成長を描いた短篇ドラマ。高崎映画祭正式出品作品。
『お城が見える』
監督・脚本:小出豊
撮影:山岡太郎、深田晃司、四宮秀俊、川口力
出演:吉岡陸雄、おぞねせいこ、大谷伸
【2006年/DV/11分】

ひとりの男が、妻に家庭内暴力をふるい、それがきっかけとなり妻は息子を殺害してしまう。犯行を隠蔽しようと、男は息子の死体を海に遺棄する......。第4回CO2オープンコンペ優秀賞。
『月曜日』
監督・脚本:小出豊
撮影:白浜哲
音響:黄永昌
出演:竹厚綾、加藤真弓、石坂友里
【2009年/DV/15分】

日曜日の葉子の結婚式まであと6日。万田邦敏の呼びかけによるオムニバス映画『葉子の結婚』の一篇。
『こんなに暗い夜』
監督・脚本:小出豊
撮影:月永雄太
音響:黄永昌
出演:宮本りえ、森田亜紀、吉岡睦雄、扇田拓也、新谷尚之、アイラ(犬)
【2009年/DV/95分】

倫子は石女。アクツも石女。倫子は、愛人と不妊の愛犬を巡り、アクツによる黒い罠にかけられる。オンナたちは、真っ暗な東京の夜を真っ逆さまに堕ちて行く......。東京の大川端を舞台に、フィルム・ノワールならぬ"マタニティ・ノワール"という新たなジャンルが開拓された記念すべき作品。第5回CO2エキシビション助成作品。
1月28日(木)
佐藤 央&三宅 唱
『スパイの舌』
『結婚学入門(恋愛篇)』
『4』
監督・脚本:三宅唱
撮影:久保田誠
出演:平井雅史、伊藤彰恵、Colina delia dobre
【2005年/DV/17分】

ホテルの一室で繰り広げられる男女4人のすれ違い。
『マイムレッスン』
監督・脚本:三宅唱
撮影:久保田誠
村岡大介、朽木正伸、伊藤彰恵
【2006年/DV/10分】

ふたりのパントマイム師。舞台終了後に寄せられた客の反応では、片方の演技が不評で......。黒澤明ショートフィルム・コンペティション出品作品。
『スパイの舌』
監督・脚本・撮影:三宅唱
出演:片方一予、川崎佳哉、秦俊子
【2008年/DV/15分】

追ってるはずが追われてた。助けたつもりが傷つけた。裏切ったのは逆だった。敵間違えた。私たちはスパイ! 第5回CO2エキシビションオープン・コンペ部門最優秀賞受賞。
『女たち』
監督・脚本・編集:佐藤央
出演:佐古真由美、篠田剛、野口満里子
【2005年/DV/50分】

万田邦敏に脚本が高く評価された、映画美学校高等科修了作品。映画の文体そのものが女性的であることを目指した"女性映画"。
『不安』
監督・脚本・編集:佐藤央
原作:夏目漱石『夢十夜』
撮影・照明:芦澤明子
出演:宮田亜紀、小田豊、遠山智子
【2007年/DV/12分】

夏目漱石の原作を女性が主人公のサスペンスに読み替えた。オムニバス映画『夢十夜 海賊版』の「第八夜」として公開。「アラン・ロブ=グリエの映画のようだ」(冨永昌敬)。
『シャーリーの好色人生』
監督・脚本:佐藤央
脚本:冨永昌敬
撮影・照明:芦澤明子
出演:福津谷兼蔵、夏生さち、中川安奈、小田豊、宮田亜紀、杉山彦々
【2008年/DV/44分】

中内の姉の家に転がりこんだシャーリーを待っていたのは、女性たちからの誘惑だった。彼が選ぶ女性はいったい誰......? 冨永昌敬の「シャーリー」シリーズの一篇で、同監督の『シャーリーの転落人生』とともに公開。「冨永昌敬の独特な世界観をどう演出し、物語を語るかというテーマに正面から取り組んだ作品。この作品から"演出"という概念・技術の在り方が自分のなかで大きく変わりました」(監督談)。2008年水戸短編映像祭特別招待作品。
『結婚学入門(恋愛篇)』
監督:佐藤央
脚本:チームナム(高木幹也、三宅唱、佐藤央)
撮影・照明:四宮秀俊
出演:汐見ゆかり、スズキジュンペイ、杉山彦々、小野ゆり子、小田豊
【2009年/DV/18分】

万田邦敏の呼びかけによるオムニバス映画『葉子の結婚』の一篇(「水曜日」)。ソフィスティケイテッドなお話にハーポ・マルクスが放り込まれたドタバタコメディ。第16回大阪ヨーロッパ映画祭上映作品。
『結婚学入門(新婚篇)』
監督:佐藤央
脚本:チームナム(高木幹也、佐藤央)
撮影・照明:四宮秀俊
音楽:長嶌寛幸
【2010年/DV/25分(仮)】

『結婚学入門』三部作の第二作目は、新婚旅行を前日に控えたカップルによるドタバタコメディ。本特集上映のための撮り下ろし作品。ワールド・プレミア上映。
1月29日(金)
濱口竜介
『PASSION』
『PASSION』
監督・脚本:濱口竜介
撮影:湯澤祐一
出演:河井青葉、岡本竜汰、占部房子、岡部尚、渋川清彦
【2008年/HD/115分】

仲間とのパーティで結婚を発表した男と女。だがその直後、男は昔の浮気相手に再会する。だがその女性は男の友人とかつて関係を持っており......。6人の男女の恋模様と、人間関係の深遠な揺らぎが、夜の横浜を舞台に見事な演出で描かれてゆく。東京フィルメックス2008コンペティション部門出品。サン・セバスチャン国際映画祭2008出品作品。
『何食わぬ顔』
監督・脚本:濱口竜介
撮影:濱口竜介、渡辺淳
出演:松井智、岡本英之
【2002-03年/8ミリ→DV/43分】

大学映研卒業時に制作した作品。20歳前後の男女5人が徹底的にすれ違い。「皆の顔がとても好きでした(自分除く)」(監督談)。
『はじまり』
監督・脚本:濱口竜介
撮影:松本浩志
出演:梅田つかさ、花澤拓巳
【2005年/DV/13分】

2004年度ENBUゼミ卒業制作。中学3年生の男女3人の恋と裏切り。監督いわく、テーマは"若気の至り"。仙台短篇映画祭2005出品作品。
『Friend of the Night』
監督・脚本・撮影:濱口竜介
出演:岡本英之、鈴木里美
【2005年/DV/44分】

バンドThe Chroniclesの映像×音楽イベントのために制作。"ラブホラー"という発注で、できあがったものはまったくラブでもホラーでもなく......。
『記憶の香り』
監督:濱口竜介
脚本:小林美香
撮影:佐々木靖之
出演:藤川俊生、河井青葉
【2006年/16ミリ→DV/27分】

小林美香の脚本に魅入られた東京藝大2期生たちの手で、あれよあれよとできあがった魔性の短編。"他の人の脚本"や"映画音楽"など、監督にとっては初めて尽くしだった。
『永遠に君を愛す』
監督:濱口竜介
脚本:渡辺裕子
撮影:青木穣
出演:河井青葉、杉山彦々、岡部尚、菅野莉央、天光眞弓、小田豊
【2009年/HD/58分】

結婚式当日。カップルにとっては普段と異なる特別な一日が始まる。それはまた花嫁の元恋人にとっても同じだ。それぞれの思いが交錯する、晴れ舞台直前の数時間。そのなかで明らかになってしまう"秘密"......。『PASSION』を経た濱口監督が、さらなる挑戦として撮り上げた最新作を初上映。


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