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2009.11.13 update |
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上映作品 |
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24 heures de la vie d'un clown (France/1946/18min/35 mm/N&B/VONST) 『ある道化師の24時間』 (フランス/1946年/18分/35ミリ/モノクロ/無字幕) 第二次世界大戦からの解放直後に撮られた、メルヴィルのデビュー作、かつ唯一の短編作品。俳優には、パリのメドラノ・サーカスのスターであるピエロのアントネットとベビーを起用。40年代には著名だったが、現在では忘れられてしまったこのふたりのアーティストの24時間へとわれわれを導く。ベビーの舞台でのいたずらを追うと同時に、メーキャップなしの、彼の妻と飼い犬との日常生活を垣間見せる。都市と夜の雰囲気を基調としたスタイルの実験であるこの映画は、その後のメルヴィル映画のすべての萌芽を含んでいると言えるだろう。 |
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Le silence de la mer (France/1947/1h26min/35mm/N&B/VOSTJ) 『海の沈黙』 (フランス/1947年/96分/35ミリ/モノクロ/フランス語・日本語字幕) 出演:ハワード・ヴェルノン、ニコル・ステファーヌ、ジャン=マリ・ロバン メルヴィルの長編処女作。1941年、ナチス・ドイツ占領下のフランス。 第2次世界大戦中、ドイツの将校が一人の老人とその姪の家に寄宿する。フランス文化に熱狂し、独仏二国間の融和の信奉者である将校は、毎晩彼らを訪れる。しかし、その数ヶ月の間、家の主人は、将校に対して強固な沈黙で答える......。 当時のフランス映画業界では常識破りの低予算で自主製作されたこの作品のスタイルはやがてヌーヴェル・ヴァーグへと引き継がれることになる。その後も長い間メルヴィルとコンビを組み続けることになる撮影のアンリ・ドカは、大胆な自然光を使用し、禁欲的な演出からにじみ出る室内の緊張感を見事に捉え、ヌーヴェル ・ヴァーグ世代の名キャメラマンにもなる。原作はレジスタンス文学の名作として知られるヴェルコールの同名小説。 |
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Les Enfants terribles (France/1949/1h47min/ 35mm/N&B/VOSTA) 『恐るべき子供たち』 (フランス/1949年/107分/35ミリ/モノクロ/英語字幕付) 出演:ニコル・ステファーヌ、エドゥアール・デルミット、ルネ・コジマ、ジャック・ベルナール 母の死後、パリの大きなアパートの閉め切った寝室で暮らす姉と弟は、お互いを傷つけあいながらも離れようとしない、奇妙な結びつきを保っている。姉エリザベートが望む"奇跡"に翻弄されるように、弟ポールとその友人ジェラール、彼らの美しき旧友に瓜二つの少女アガ−トのそれぞれの運命が儚く崩れてゆく。 『沈黙の海』を気に入ったジャン・コクトーが、自身の1929年の小説の映画化をメルヴィルに持ちかけ、実現した作品。コクトー自身が脚本と美術、そしてナレーションも担当している。「ジャン・コクトーの最高の小説がメルヴィルの最高の映画になった」(フランソワ・トリュフォー)。 |
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Quand tu liras cette lettre (France/1953/1h44min/35mm/N&B/VOSTJ) 『この手紙を読むときは』 (フランス/1953年/104分/35ミリ/モノクロ/日本語字幕付) 出演:ジュリエット・グレコ、フィリップ・ルメール、ダニエル・コーシー 南仏カンヌ。元修道女のテレーズは、母親の死後、妹のドニーズの世話をするために、親が経営していた文具店で働いている。ある日、ドニーズは偶然知り合った修理工でボクサー、そしてジゴロでもあるマックスに無理やり犯され、ショックで投身自殺を図るが、命をとりとめる。テレーズは、マックスに会い、ドニーズと一緒になるように説得する。金持ちの愛人を交通事故で失くしたばかりのマックスはテレーズの店を手伝うようになる。やがてテレーズは、マックスの魅力に心を動かされていく。 メルヴィルが自分で脚本を書いていない唯一の作品である本作は、プロデューサーの依頼で、雇われ監督して演出に徹している。ジュリエット・グレコ演じるテレーズの微妙な心の揺れ動きが張り詰めた緊張感の中で描写されていて、メルヴィル自身も、「グレコはこの映画の奔放な側面を担っている」と評している |
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Bob le flambeur (France/1955/1h40min/35mm/N&B/VOSTJ) 『賭博師ボブ』 (フランス/1955年/100分/35ミリ/モノクロ/日本語字幕) 出演:ロジェ・デュシェ−ニュ、イザベル・コーレイ、ダニエル・コーシー アメリカ映画と(メルヴィルの)「悪い」交友関係に強く影響を受けて『賭博師ボブ』は、ジャン=ピエール・メルヴィルの初のオリジナル脚本である。かつてマフィアであった初老のボブは、だいぶ前に"稼業"からは足を洗い、今はパリのモンマルトルで唯一の情熱である賭博にすべてを注いでいる。路頭に迷っていた少女アンヌを居候させてやり、彼女は息子のようにかわいがっているポロと恋仲になる。あるとき博打で多額の損失を負ったボブは、カジノ強盗を計画するが...。少ない予算で、ほとんどがパリの街頭で撮られた本作は、パリの暗黒街に生きる人々を見事に描写していて、その作風はゴダールの『勝手にしやがれ』に受け継がれていく。 「この作品が映画の神秘を知るためには時間をかけて研究されるべき並外れた映画だと、私は何度も念を押して述べたい」。(クロード・シャブロル) |
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Deux hommes dans Manhattan (France/1958/1h24min/35mm/N&B/VOSTJ) 『マンハッタンの二人の男』 (フランス/1958年/84分/35ミリ/モノクロ/日本語字幕) 出演:ジャン=ピエール・メルヴィル、ピエール・グラッセ、クリスティーヌ・ユード 失踪したフランス国連代表ベルティエの行方を追って派遣されたフランス人記者モローとカメラマンのデルマスが。ふたりはベルティエと関係のありそうな3人の女を追ううちに、ベルティエが死んでいたことが判明する。ときおり、車のヘッドライトやブロードウェイのネオンの光がその闇を貫くだけで、漆黒のように黒いニューヨークの夜の生活がドキュメンタリー映画を思わせる手法でとらえられ、数年後に撮られるジョン・カサヴェテスの『アメリカの影』も想起させる。メルヴィル本人がモローを演じていて、アメリカとの「出会い」をカメラの前で体現している。 |
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Léon Morin, prêtre (Italie=France /1961/1h55min/35mm/N&B/VOSTJ) 『モラン神父』 (イタリア=フランス/1961年/115分/35ミリ/モノクロ/日本語字幕) 出演:ジャン=ポール・ベルモンド、エマニュエル・リヴァ、イレーヌ・タン 第二次大戦下、かつてはコミュニストの闘志であった無心論者の女性は若き神父との出会いと対話により自らの行い、生き方を見つめなおし、また神父に好意を寄せるようになる。1960年の『勝手にしやがれ』以来名を知られるようになっていたジャン=ポール・ベルモンドと初めて組んだ作品で、この後、ベルモンドは引き続き2本のメルヴィル映画に主演する。ベルモンド演じる若く知的で、ドン・ファン的とさえ言える神父モランに徐々に惹かれていく相手役の女性には、アラン・レネの『ヒロシマ・モナムール』へのオマージュとしてエマニュエル・リヴァがメルヴィルによって抜擢された。原作はベルギーの女流作家であるベアトリクス・ベックの自伝的な同名小説。 |
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Le Doulos (Italie=France/1962/1h48min/35mm/N&B/VO) 『いぬ』 (イタリア=フランス/1962年/108分/35ミリ/モノクロ/英語字幕付) 出演:ジャン=ポール・ベルモンド、セルジュ・レジアニ、ミシェル・ピコリ 出所したばかりのモーリスは、服役中に殺された妻の犯人をふいに射殺するが、その後の強盗現場では警察に包囲され、何者かの密告により逮捕されてしまう。友人のシリアンは警察の "いぬ"だと囁かれているが・・・。仲間は、裏切り者は誰なのか?強盗と殺人をめぐり男たちの疑惑が緊張感の高まりとともに交錯してゆく。 ジャン=ピエール・メルヴィルの7本目の長編である『いぬ』は1962年に製作され、数ヌーヴェル・ヴァーグの映画のプロデューサーであるジョルジュ・ドゥ・ボールガードによって出資されており、メルヴィルのキャリアの中でも分岐点となる作品である。『いぬ』とはここでは、ベルモンドが被っている帽子を意味するのみならず、友人を敵に引き渡す裏切り者を意味している。アメリカのフィルム・ノワールへのオマージュでもある本作で、メルヴィルは、ジャンルの規則を越え、抽象的なフォルムへと進み、最終的に、シェークスピア的悲劇となっている。 |
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L'Aîné des Ferchaux (Italie=France/1962/1h42min/35mm/couleurs/VOSTJ) 『フェルショー家の長男』 (イタリア=フランス/1962年/102分/35ミリ/カラー/日本語字幕付) 出演:ジャン=ポール・ベルモンド、シャルル・ヴァネル、ミシェル・メルシエ フランスの銀行家が過去のスキャンダルにより警察に召還されるのを恐れて、アメリカへの逃亡を企て、そのボディーガード権ドライバーとして元ボクサーのミシェルを雇う。ボクサーとしてのキャリアに挫折したミシェルは、秘書募集の新聞広告に目を留め、恋人には何も告げず、フェルショーに随行し、渡米する。旅を続けるうちに、生き方も、立場も異なる老人と若者、ふたりの間に、雇用関係を超えた感情が芽生えたかのように見えるのだが...。ジョルジュ・シムノンの同名原作の舞台を南米からアメリカに置き換えて映画化したロードムービーで、メルヴィル初のカラー作品。 |
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Le Deuxième souffle (France/1966/2h30min/35mm/couleurs/VOSTJ) 『ギャング』 (フランス/1966年/150分/35ミリ/カラー/日本語字幕付) 出演:リノ・ヴァンチュラ、ポール・ムーリッス、レイモン・ペルグラン、クリスティーヌ・ファブルガ 脱獄した "ギュ"と呼ばれる大物ギャングは、情婦のマヌーシュの手引きで南米に逃亡しようとマルセイユに来ていた。マルセイユの顔役ポール・リッチからプラチナ輸送車襲撃をもちかけられ、見事に成功をおさめたが、パリからかけつけた警察に卑劣なやり方で逮捕されてしまう。ギュとポールは逮捕され、ボールは過酷な拷問を受ける。巷ではギュが警察に密告したとの噂が広まり、裏切り者の汚名をそそぐため、ギュは脱走を企てる...。原作者ジョゼ・ジョバンニとの共同脚本で、裏社会の信頼と裏切りを多彩な登場人物を交錯させて描いた犯罪映画史に残る傑作。 |
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L'Armée des Ombres (France=Italie/1969/2h20min/35mm/couleurs/VOSTA) 『影の軍隊』 (フランス=イタリア/1969年/140分/35ミリ/カラー/英語字幕付) 出演:リノ・ヴァンチュラ、ポール・ムーリッス、ジャン=ピエール・カッセル、シモーニュ・シニョレ ドイツ占領下におけるフランスのレジスタンス運動に身を投じる者たちを描く。レジスタンスの闘士ジェルビエは収容所から脱走し、自分を売った密告者を処刑する。その後、ロンドンの自由フランス軍に合流したジェルビエは、盟友フェリックスが逮捕されたことを知って、フランスに戻るが、自らも逮捕されてしまう。原作を読んだメルヴィルが長く映画化を希望し、ようやく実現した作品で、レジスタンスの非情な世界を描いた傑作である。シモーヌ・シニョレが貫禄の名演を見せている。 |
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Le Cercle Rouge (France-Italie/1970/2h20min/35mm/couleurs/VOSTA) 『仁義』 (フランス=イタリア/1970年/140分/35ミリ/カラー/英語字幕付) 出演:アラン・ドロン、アンドレ・ブールヴィル、ジャン・マリア・ヴォロンテ、イヴ・モンタン 脱走者と仮出所中の受刑者が偶然居合わせ意気投合し、元警官の狙撃者を交えて宝石店の強盗をたくらむ。綿密に計画を実行する3人に対し、刑事たちも周到に立ち回る。今回は、権利の問題で上映できない『サムライ』に次いで、アラン・ドロンを主役に起用した犯罪映画。原題「赤い輪」とは、冒頭で仏陀の言葉が引用されているが、異なる背景をもつ人間同士が"赤い輪の中で"必然的にめぐり合ってしまう運命のことを示している。 |
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Un flic (Italie-France/1972/1h45min/16mm/couleurs/VOSTA) 『リスボン特急』 (イタリア=フランス/1972年/105分/16ミリ/カラー/英語字幕付) 出演:アラン・ドロン、カトリーヌ・ドヌーヴ、リチャード・クレンナ かたい友情の絆で結ばれながらも、対決の運命に向っていくパリ警察の鬼刑事と、夜のパリに君臨する顔役の二人の男と、その蔭で生きる哀しい女の運命を描く、フィルム・ノワール。表向きはナイトクラブ経営者の顔を持つシモンは、実はギャングであり、仲間たちと銀行強盗を決行する。さらに、リスボン行き特急車内での麻薬取引現場を襲撃し、麻薬の強奪に成功する。警察署長のエドアール・コールマンはこのふたつの強盗事件の主犯がシモンであるとにらむ。だが、シモンはコールマンの友人でもあった...。 73年に心臓発作で急逝したメルヴィルの遺作となった作品。アラン・ドロンと初共演となったカトリーヌ・ドヌーヴが暗黒街の男たちの間を揺れ動く女性を演じている。音楽はミシェル・コロンビエが担当している。 |
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Code Name Melville de Olivier BOHLER (France/2006/76min/Degital B cam/couleurs/VOSTA) コードネームはメルヴィル (フランス/2006年/76分/デジタル・ベータ・カム/カラー/日本語字幕) 監督:オリヴィエ・ボレール ジョニー・トー、小林政広、ヴォルカー・シュロンドルフ、ベルトラン・タヴェルニエ、アンドレ・ラバルトをはじめとする最新のインタビューとジャン=ピエール・メルヴィルの貴重な資料、そして彼の映画の一部をまじえたこのドキュメンタリーは、どのようにメルヴィルの作品が第二次世界大戦の経験の痕跡を持っているかということを示している。実際メルヴィルは8年間(1937年〜1945年)をフランス軍ですごし、その後フランスの独立軍に加わるため、軍を脱走し、スペインを通り抜けた。実際の名前は、ジャン=ピエール・グルンバックであったにもかかわらず、レジスタントに加わる際に「メルヴィル」の名前(ハーマン・メルヴィルへのオマージュとして)を名乗ることとし、生涯にわたってその名を名乗ることになる。こうしたことすべてが彼の映画への道のりを構成している。彼の作品の主題のみならず、その美学にも。 |
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