マルコ・ベロッキオ特集



ブルジョア一家の次男坊"怒れる若者"ルー・カステルが、一家を崩壊に導くさまを圧倒的熱量で描き切る、処女作らしい瑞々しさと、処女作らしからぬスケール感が同居する名作『ポケットの中の握り拳』、イタリアファシズム時代の暗黒の歴史に埋もれていたムッソリーニのかつての愛人、イーダ・ダルセルの人生に光を充てた圧倒的な傑作『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』、奇跡を妄信するイタリア社会の狂気に抵抗する個人の静謐な闘いを、一瞬のアクションが登場人物たちの人生に亀裂を生じさせる決定的瞬間の現前と共に描く、静かな怒りに満ちた傑作『眠れる美女』、いずれも映画史に残る傑作ばかりが並ぶ「マルコ・ベロッキオ特集」、必見!
(上原輝樹)
2014.7.2 update
7月5日(土)~8月1日(金)
会場:シアター・イメージフォーラム
料金:【当日券】一般1,500円/大学・専門学生・シニア1,200円/高校生・会員1,000円 

公式サイト:http://www.viva-bellocchio.net
上映スケジュール
7月5日(土)〜11日(金)
11:15
ポケットの中の握り拳
(108分)
13:45
エンリコ四世
(95分)
16:15
ポケットの中の握り拳
(108分)

18:45
肉体の悪魔
(115分)
7月12日(土)〜18日(金)
11:15
エンリコ四世
(95分)
13:45
ポケットの中の握り拳
(108分)
16:15
愛の勝利を
ムッソリーニを愛した女

(128分)
18:45
ポケットの中の握り拳
(108分)
7月19日(土)〜25日(金)
11:15
ポケットの中の握り拳
(108分)
13:45
肉体の悪魔
(115分)
16:15
ポケットの中の握り拳
(108分)

18:45
眠れる美女
(115分)
7月26日(土)〜8月1日(金)
11:15
肉体の悪魔
(115分)
13:45
ポケットの中の握り拳
(108分)
16:15
エンリコ四世
(95分)

18:45
ポケットの中の握り拳
(108分)
作品ラインナップ

『ポケットの中の握り拳』(I PUGNI IN TASCA)
原案・脚本・監督:マルコ・ベロッキオ 
製作:エンツォ・ドリア 音楽:エンニオ・モリコーネ 撮影:アルベルト・マラーマ 編集:アウレリオ・マンジャロッティ
出演:ルー・カステル、パオラ・ピタゴラ、マリノ・マゼ、リリアナ・ジェラーチェ
1965年/モノクロ/ビスタ/108分 

北イタリアの山奥に住む、病んだブルジョア家庭。盲目の母親と障害を持つ弟、一家の大黒柱である兄とその兄を偏愛する妹と共に生活している主人公アレッサンドロ。家族や宗教といった既成の価値をすべて否定しようとする"怒れる若者"の破滅に向かう盲目的な暴力を描いた鮮烈なる監督デビュー作。
『エンリコ四世』(ENRICO IV)
脚本・監督:マルコ・ベロッキオ
原作:ルイージ・ピランデッロ 製作:エンツォ・ポルチェッリ 撮影:ジュゼッペ・ランチ 編集:ミルコ・ガッローネ
音楽:アストル・ピアソラ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ、クラウディア・カルディナーレ、レオポルド・トリエステ、パオロ・ボナチェッリ
1984年/カラー/ビスタ/95分 

ピランデッロによる戯曲を映画化。仮装パーティでヘンリー四世に扮したまま、馬から落ちて頭を打ち、その時から自分を本物の王だと思い込んでいる男が巻き起こす悲喜劇。彼は古城で臣下の衣装を着た使用人たちと暮らしている。ある日、かつて彼が思いを寄せていた女性が城を訪れ、物語はとんでもない方向へ展開していく。
『肉体の悪魔』(DIAVOLO IN CORPO)
監督・脚本:マルコ・ベロッキオ
共同脚本:エンニオ・デ・コンチーニ 原作:レイモン・ラディゲ 製作:レオ・ペスカローロ 撮影:ジュゼッペ・ランチ
美術:アンドレア・クリザンティ 音楽:カルロ・クリヴェッリ
出演:マルーシュカ・デートメルス、フェデリコ・ピッツァリス、アニータ・ラウレンツィ
1986年/カラー/ビスタ/115分 

高校生アンドレアと、金持ちの娘ジュリアは激しい恋に落ち、幾度も逢瀬を重ねる。これに気づいたジュリアの婚約者の母親プルチーニ夫人は激昂して、アンドレアの父親に抗議する。精神科医の父親は、自身の患者であるジュリアと付き合わないよう、息子を強く諌めるが...。『カルメンという女』『ラ・ピラート』のマルーシュカ・デートメルス主演。
©2009Rai Cinema-Offside-Celluloid Dreamas
『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』(VINCERE)
監督・脚本:マルコ・ベロッキオ
共同脚本:ダニエーレ・チェゼッリ 撮影:ダニエーレ・チプリ 編集:フランチェスカ・カルヴェッリ 音楽:カルロ・クリヴェッリ
出演:ジョヴァンナ・メッゾジョルノ、フィリッポ・ティーミ、ファウスト・ルッソ・アレン、ミケーラ・チェスコン
2009年/カラー/ビスタ/128分 

ファシズムの創始者ベニート・ムッソリーニを愛し続けた女性、イーダの半生を描く。若き社会主義青年のムッソリーニに恋をし、彼への偏執的な愛に殉じたイーダの生涯を凝視し、彼女の目を通してムッソリーニを描くことで、20世紀という時代の命運を透かし彫りにした傑作。
©2012 Cattleya Srl - Babe Films SAS
『眠れる美女』(BELLA ADDORMENTATA)
原案・脚本・監督 マルコ・ベロッキオ
共同脚本:ヴェロニカ・ライモ 、ステファーノ・ルッリ 製作:マルコ・キメンツ 、ジョヴァンニ・スタビリーニ 、リカルド・トッツィー 撮影 ダニエーレ・チプリ 編集 フランチェスカ・カルヴェッリ 音楽 カルロ・クリヴェッリ
出演:イザベル・ユペール、トニ・セルヴィッロ、アルバ・ロルヴァケル、マヤ・サンサ
2012年/カラー/シネスコ/115分 

2009年、17年間植物状態でいる娘の尊厳死を求める両親に対し、延命措置続行の暫定法案を強行しようとするベルルスコーニ首相。議員のウリアーノは自身の愛妻の延命装置を停止させた過去を持ち、そのことで愛娘との間に溝が生まれていた。ウリアーノは法案に賛成するか、反対表明するか決断を迫られていたが...。


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