第7回 ラテンビート映画祭



今回で7回目を迎えるラテンビート映画祭。「インディペンデンス(独立)」と「レボリューション(革命)」というキーワードをテーマに選定された今年の上映作品には、2010年カンヌで物議を醸した問題作『猟奇的な家族』、2009年ベルリンで新人賞を獲得したコメディ『大男の秘め事』、コロンビアの麻薬王である父を実の息子が追った衝撃のドキュメンタリー『わが父の大罪 -麻薬王パブロ・エスコバル-』といった注目作・話題作から、「メキシコ革命」をテーマに10人の監督がそれぞれの視点から"革命"を見つめ直したオムニバス映画『レボリューション』、オリバー・ストーンがベネズエラのチャベス大統領らを追った政治ドキュメンタリー『国境の南』、ヴィンセント・ギャロが主演を果たしたフランシス・フォード・コッポラの新作『テトロ』まで、本邦初公開の新作18作品がずらりと並ぶ。観たい映画が多過ぎて、映画ファンを贅沢な悩みで困らせる9月がやってきた!
2010.9.3 update
2010年9月16日(木)~9月23日(木・祝)
会場:【東京】新宿バルト9(新宿三丁目イーストビル9階)

2010年9月20日(月・祝)~10月3日(日)
会場:【京都】駅ビルシネマ(京都駅ビル7階東会場)

2010年10月8日(金)~10月11日(月・祝)
会場:【横浜】横浜ブルク13(TOCみなとみない6階)

公式サイト:http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/
主催:LBFF実行委員会
プロデューサー・プログラミングディレクター:Alberto Calero Lugo ( アルベルト・カレロ・ルゴ )
東京・横浜会場運営:(株)ティ・ジョイ
京都会場運営:京都駅ビル
運営協力:新宿バルト9、横浜ブルク13

当日券:1回券(日時指定)一般1,700円/大学・高校生・専門学校生1,500円(学生証が必要です)
小人(3歳~中学生)・シニア(60歳以上)・障害者手帳をお持ちの方1,000円
[新宿バルト9] 9月14日(火)劇場オープン時から劇場窓口にて販売。
[横浜ブルク13] 10月6日(水)劇場オープン時から劇場窓口にて販売。
※両劇場ともオンラインチケット「KINEZO」では各作品の上映日2日前の0時より販売。
※全て日時指定・各回入替制・全席指定です。
※両会場とも上映開始前まで販売いたしますが、満席の場合はご入場いただけません。
前売券:1回券(日時作品指定)一律1,500円/回数券(5枚綴り)6,000円 ※枚数限定販売
[新宿バルト9] 8月20日(金)10:00AMから9月12日(日)まで販売。
[横浜ブルク13] 8月20日(金)10:00AMから10月4日(月)まで販売。
[前売券購入方法](※劇場窓口での販売はございません)
●店頭直接購入:全国のチケットぴあ店舗、サークルK・サンクス
●ぴあ電話予約:0570-02-9999/●インターネット:http://t.pia.jp/cinema/
[インターネット決済済み・電話予約済みチケットの発券] チケットぴあ店舗、サークルK・サンクス、セブン-イレブン
●Pコード[新宿バルト9] 1回券 556-813/回数券 462-157 [横浜ブルク13] 1回券 556-814/回数券 462-158
上映スケジュール
新宿バルト9
9月16日(木)











18:30
Paper Birds
(115分)

21:00
レボリューション
(105分)
9月17日(金)
10:45
フラメンコ×フラメンコ
(90分)

13:15
愛する人
(125分)

16:00
ファベーラ物語
(100分)
18:30
大男の秘め事
(90分)

21:00
アベルの小さな世界
(85分)
9月18日(土)
10:45
わが父の大罪
-麻薬王パブロ・エスコバル-

(94分)
13:15
僕らのうちはどこ?
-国境を目指す子供たち-

(82分)
16:00
アベルの小さな世界
(85分)
18:30
レボリューション
(105分)

21:00
猟奇的な家族
(90分)
9月19日(日)
10:45
キューバ音楽の歴史
(各52分)

13:15
わが父の大罪
-麻薬王パブロ・エスコバル-

(94分)
16:00
大男の秘め事
(90分)
18:30
僕らのうちはどこ?
-国境を目指す子供たち-

(82分)
21:00
ルラ、ブラジルの息子
(128分)
9月20日(月・祝)
10:45
家政婦ラケルの反乱
(96分)
13:15
テトロ
(127分)
16:00
命の相続人
(107分)
18:30
フラメンコ×フラメンコ
(90分)
21:00
ファベーラ物語
(100分)
9月21日(火)
10:45
国境の南
(102分)
13:15
レボリューション
(105分)
16:00
猟奇的な家族
(90分)
18:30
テトロ
(127分)
21:00
カランチョ
(107分)
9月22日(水)
10:45
ファベーラ物語
(100分)
13:15
ルラ、ブラジルの息子
(128分)
16:00
家政婦ラケルの反乱
(96分)
18:30
キューバ音楽の歴史
(各52分)
21:00
命の相続人
(107分)
9月23日(木・祝)
10:45
ルラ、ブラジルの息子
(128分)
13:15
フラメンコ×フラメンコ
(90分)
16:00
カランチョ
(107分)
18:30
テトロ
(127分)
21:00
国境の南
(102分)

印は来日ゲスト舞台挨拶を予定しています。やむを得ずキャンセルとなる場合もございますので、ホームページで最新情報をご確認ください。
・各回とも上映開始10分前に会場予定です。 ・全プログラム日本語字幕付き。

横浜ブルク13
10月8日(金)










18:30
レボリューション
(105分)
21:00
フラメンコ×フラメンコ
(90分)
10月9日(土)
10:45
僕らのうちはどこ?
-国境を目指す子供たち-

(82分)
13:15
ルラ、ブラジルの息子
(128分)
16:00
ファベーラ物語
(100分)
18:30
テトロ
(127分)
21:00
キューバ音楽の歴史
(各52分)
10月10日(日)
10:45
わが父の大罪
-麻薬王パブロ・エスコバル-

(94分)
13:15
国境の南
(102分)
16:00
家政婦ラケルの反乱
(96分)
18:30
アベルの小さな世界
(85分)
21:00
命の相続人
(107分)
10月11日(月・祝)
10:45
ルラ、ブラジルの息子
(128分)

13:15
カランチョ
(107分)
16:00
レボリューション
(105分)
18:30
大男の秘め事
(90分)
21:00
猟奇的な家族
(90分)

・各回とも上映開始10分前に会場予定です。 ・全プログラム日本語字幕付き。

上映プログラム

© Vers til cinema, Globomedia & Antena 3 Films
オープニング上映作品
『Paper Birds』
(英題)
原題:PÁJAROS DE PAPEL
1942年/71分/モノクロ
監督:エミリオ・アラゴン
出演:リュイ・オマル、カルメン・マチ、イマノル・アリアス
2010年/ドラマ/スペイン/115分
★エミリオ・アラゴン監督、女優カルメン・マチ来日予定 

スペイン内戦下のマドリッド。喜劇役者のホルヘは爆撃で妻子を失い、悲しみに暮れる。終戦後、親友のエンリケと再会したホルヘは、孤児のミゲルを引き取り、家族のように暮らし始める。ホルヘはミゲルのコメディアンとしての才能を見抜き、芸をたたき込む。軍の取締りが日に日に厳しくなる中、3人は芸人一座と巡業に出かける。ミゲルは、旅先で偶然目にしたニュース映像に、母親が映っていたと騒ぎ出す。
戦争で家族を失い、軍の監視に怯えながらも気丈に振る舞う喜劇役者と、彼を慕う少年の心温まる交流を描いた人間ドラマ。 

配給:アルシネテラン 2011年 銀座テアトルシネマにて公開予定
© 2009, Mother and Child Productions, LLC
プレミア上映作品
『愛する人』

原題:Mother and Child
監督:ロドリゴ・ガルシア(「彼女を見ればわかること」) 
出演:ナオミ・ワッツ(「21グラム」)、アネット・ベニング、ケリー・ワシントン
2009年/ドラマ/アメリカ・スペイン/125分 

母の介護や仕事に追われるカレンは、14歳の時に身ごもった過去があり、出産後に手放した娘のことを忘れられずにいた。その娘エリザベスは、母の顔を知らずに育ち、愛とは無縁の暮らしをしていた。だが、突然の妊娠をきっかけに、まだ見ぬ母への思いを募らせていく。母として、娘として、女として、何かを失いながら生きてきた会ったこともない母と娘。その運命を繊細に力強く描く希望の物語。監督はノーベル賞作家ガルシア・マルケスの息子でもあるロドリゴ・ガルシア。製作総指揮は「バベル」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが務めている。 

配給:ファントム・フィルム
2011年お正月第二弾 Bunkamuraル・シネマ、TOHOシネマズ シャンテシネ他全国ロードショー




『レボリューション』
原題:REVOLUCIÓN
監督:マリアナ・チェニリョ、フェルナンド・エインビッケ、アマ・エスカランテ、ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・ガルシア、ディエゴ・ルナ、ヘラルド・ナランホ、ロドリゴ・プラ、カルロス・レイガダス、パトリシア・リヘン
出演:アドリアナ・バラーサ(「バベル」)、カルメン・コラル、ジャンニ・デルベス
2010年/オムニバス・ドラマ/メキシコ/105分
★マリアナ・チェニリョ監督、フェルナンド・エインビッケ監督、アマ・エスカランテ監督、ディエゴ・ルナ監督、パブロ・クルス(プロデューサー)来日予定

メキシコ革命(1910~17年)をテーマに、10人の気鋭の監督が独自の視点で革命を見つめなおしたオムニバス作品。ベルリン国際映画祭で特別上映され、世界の注目を集めている。本国メキシコでは、革命の始まった11月20日に封切り予定である。 

『ようこそ』
原題:LA BIENVENIDA
監督:フェルナンド・エインビッケ
小さな村の楽団に所属する音楽家は、ある特別な客の到着を待っていた。だが、客はなかなか現れない。 

『愛しの美しき故郷』
原題:LINDO Y QUERIDO
監督:パトリシア・リヘン
エリサの父は「遺体を故郷に埋葬して欲しい」という願いを託して亡くなる。米国に帰化した彼女は、父の気持ちが理解できないまま、メキシコの村に遺体を運ぶ。そこには、祖父が戦った革命の跡はなかったが、彼女は父の遺志を理解する。 

『ルシオ』
原題:LUCÍO
監督:ガエル・ガルシア・ベルナル
少年ルシオは、祖母や従兄弟たちと週末を過ごしながら、校旗を讃えるスピーチを書いている。そんな彼に、従兄弟のオマールは、祖国のシンボルの本当の意味を考えさせる。 

『吊るされた神父、ニコラス』
原題:EL CURA NICOLÁS COLGADO
監督:アマ・エスカランテ
ロバに乗った少年少女が、木に吊るされている神父を助けた。神父は二人を新しい土地へと連れて行く。 

『俺の王国』
原題:ÉSTE ES MI REINO
監督:カルロス・レイガダス
田舎で宴会を開くために集まったメキシコ人と外国人一団の狂乱ぶりを描く。 

『ラヤの店』
原題:LA TIENDA DE RAYA
監督:マリアナ・チェニリョ
スーパーで働く女性は、金に困って店のクーポン券を現金と交換してほしい、と同僚に頼む。そんな女性を同僚の男性はやさしく見つめていた。 

『R-100』
監督:ヘラルド・ナランホ
重傷を負った友をかついで男が山にやってきた。男は高速道路に石を落として事故を引き起こし、転倒したバイクを奪う。 

『30/30』
監督:ロドリゴ・プラ
メキシコ革命に対する敬意が失われた現代。祝賀イベントは、政治家にとってはただのショウに過ぎなかった...。 

『太平洋』
原題:PACÍFICO
監督:ディエゴ・ルナ
孤独感に打ちひしがれたダニエルは、車で家族との思い出のビーチへ向かう。携帯電話に録音した我が子の声を聞き、一人涙するダニエル。海の家で働く女と話すうち、彼の気持ちは家族へと向かう。 

『アルバラードと7番街』
原題:LA 7TH Y ALVARADO
監督:ロドリゴ・ガルシア メキシコ革命の兵士たちの亡霊が、ロサンジェルスの街中に突然現れた。だが、人々は誰も興味を示さない。 

『アベルの小さな世界』
原題:ABEL
監督:ディエゴ・ルナ
出演:クリストファー・ルイス・エスパルサ、カリナ・ギディ、ホセ・マリア・ヤスピック
2010年/ドラマ/メキシコ/85分
★ディエゴ・ルナ監督来日予定 

9歳の少年アベルは、父親の失踪後、心を閉ざして人と話すことをやめてしまう。母はそんな息子を心配するが、ある朝、アベルは突然話し始め、自分は子供たちの父親だと言い出す。アベルの大人びた振る舞いに戸惑いながらも、家族は次第にアベルを頼りにし始める。そんな時、2年ぶりに父親が帰ってきた...。大人の都合に翻弄されることを拒否したアベルの心の揺れを丁寧に描いている。メキシコ映画界を代表する人気俳優ディエゴ・ルナのフィクション監督作品第一弾で、2010年のサンダンス映画祭やカンヌ国際映画祭で上映され、好評を博した。 

『フラメンコ×フラメンコ』
原題:FLAMENCO FLAMENCO
監督:カルロス・サウラ(「フラメンコ」「タンゴ」「ドン・ジョヴァンニ」)
出演:ホセ・メルセ、サラ・バラス、エバ・ラ・ジェルバブエナ、パコ・デ・ルシア
2010年/音楽ドキュメンタリー/スペイン/90分 

長年に渡ってラテン音楽やダンスを探究し、華麗な映像美で人々を魅了してきたスペイン映画界の巨匠カルロス・サウラ監督が、史上最高のフラメンコ歌手、ダンサー、そしてギタリストたちを集めて一つの映画にした。アンダルシア出身の名歌手ホセ・メルセ、フラメンコ界のカリスマとして世界に知られるダンサー、サラ・バラス、スペインを代表するギタリスト、パコ・デ・ルシアらが、華麗なパフォーマンスを披露する。狂おしいほどに情熱的なフラメンコの世界をドラマチックに描いたダンス&音楽ドキュメンタリーである。
『ルラ、ブラジルの息子』
原題:LULA, O FILHO DO BRASIL
監督:ファビオ・バヘト、マルセロ・サンチアゴ
出演:フイ・ヒカルド・ヂアス、グローリア・ピレス、ジュリアーナ・バローニ
2009年/ドラマ/ブラジル/128分
★エレナ・バヘト(プロデューサー)来日予定 

1945年、後に"ルラ"と呼ばれるようになるルイスは、ブラジル東北部の貧しい農村で生まれた。ルイスの母は女手一つで子供たちを育てていたが、都会へ行った夫からの手紙を読み、上京を決心。トラックで13日かけてサンパウロ州の港町サントスへ向かう。だが彼らを待ち受けていたのは、過酷な暮らしと父親の暴力だった。父の元を離れたルイスは働きながら学問を続け、金属工の職を得る。だが、事故で指を切断。さらに愛する家族に悲劇が襲う...。現ブラジル大統領ルラの激動の半生を描いた感動のヒューマン・ストーリー。 

『国境の南』
原題:SOUTH OF THE BORDER
監督:オリバー・ストーン(「プラトーン」)
出演:ウーゴ・チャベス、ルラ・ダ・シルバ、エボ・モラレス
2009年/ドキュメンタリー/アメリカ/102分

オリバー・ストーン監督は、米国主導の自由市場政策が中南米で失敗した理由を模索しつつ、カリブ海から南下していく。米国で危険人物視されているベネズエラのチャベス大統領を初め、ボリビア初の先住民族出身大統領となったエボ・モラレス、労働運動の旗手から大統領の座に登りつめたブラジルのルラ、反新自由主義政策をとるアルゼンチンの女性大統領クリスティーナ・キルチネルなどを訪ね、左派と呼ばれる大統領たちとの会見を通じて、その実像に執拗に迫っていく。6月末に全米公開され、様々な論議を巻き起こした話題の政治ドキュメンタリー。 

『テトロ』
原題:TETRO
監督:フランシス・フォード・コッポラ(「地獄の黙示録」)
出演:ヴィンセント・ギャロ(「バッファロー'66」)、オールデン・エーレンライク、マリベル・ベルドゥ(「天国の口、終わりの楽園。」)
2009年/ドラマ/アメリカ・イタリア・スペイン・アルゼンチン/127分

17歳のベニーは、長い間、音信不通だった兄アンジーがブエノスアイレスで暮らしているのを知り、彼の家を訪れる。だが、しばらくぶりに会った兄は、アンジーではなくテトロと呼べと命じ、周りにはベニーを友人と紹介。また、妻には父親が著名な音楽家であることすら隠していた。自分の過去や家族を否定して生きる兄の態度に不満を募らせたベニーは、兄の持ち物から、家族の物語を見つけ出す。巨匠コッポラ監督が、退廃的な雰囲気の漂うブエノスアイレスを舞台に、あるイタリア系移民家族の葛藤をモノクロ映像で詩的に描く。

『僕らのうちはどこ?-国境を目指す子供たち-』
原題:WHICH WAY HOME
監督:レベッカ・カンミサ 2009年/ドキュメンタリー/メキシコ・アメリカ/82分
2010年アカデミー賞ドキュメンタリー部門ノミネート
★レベッカ・カンミサ監督来日予定

アメリカ合衆国に行けば夢がすべてかなうと、漠然とした憧れを抱くホンジュラスの少年、ニューヨークにいる母に会いたいと泣き出すエルサルバドルの少年...。貧困に苦しむ中央アメリカ各国からアメリカ合衆国に不法入国しようとする人々は後を絶たない。子供たちは、家族との再会や新しい人生を夢見て、列車の屋根に乗り危険な旅を続ける。その先にあるのは希望か絶望か...。リスクを冒しても国境を越えようとする彼らの苦難の旅をありのままに伝える衝撃のドキュメンタリー。製作総指揮には名優ジョン・マルコビッチも名を連ねている。

『わが父の大罪 -麻薬王パブロ・エスコバル-』
原題:PECADOS DE MI PADRE
監督:ニコラス・エンテル
2009年/ドキュメンタリー/コロンビア・アルゼンチン/94分
2010年サンダンス国際映画祭ワールドシネマドキュメンタリー部門審査員賞ノミネート、2010年マイアミ映画祭審査員賞・観客賞
★ニコラス・エンテル監督来日予定

少年セバスチャンが敬愛する父はコロンビア史上最大の犯罪者パブロ・エスコバルだった!極悪非道の麻薬王として君臨し、1993年に殺害されたパブロ・エスコバルの実像に、残された息子が迫っていく。父の死の直後に祖国を去り、アルゼンチンで身元を隠しながら暮らしていたセバスチャンは、30歳を過ぎて密かにコロンビアに帰国。父に殺された政治家の遺族と対面する。果たして血塗られた暴力の歴史に和解はもたらされるのか?写真や手紙、ビデオなど、豊富な資料を元にパブロ・エスコバルの真実に迫った衝撃のドキュメンタリー。

『猟奇的な家族』
原題:SOMOS LO QUE HAY
監督:ホルヘ・ミッチェル・グラウ
出演:アドリアン・アギーレ、ミリアム・バルデラス、フランシスコ・バレイロ
2010年/ホラー/メキシコ/90分

メキシコの街中である男が謎の死を遂げた。警察は男の死を不審に思い捜査を開始する。一方、死んだ男の妻と3人の子供たちは"食料"を得る手段を失い途方に暮れていた。彼らは人肉を食料にする怪物一家だったのだ。計算高い妹サビーナは、兄アルフレッドに人間狩りのリーダーシップを取るようけしかけるが、兄は気が弱く行動に移せない。しびれを切らした弟フリアンは、街中で声をかけてきた娼婦を無理やり拉致し、家に連れ帰る。
カニバリズムを扱った衝撃のホラー作品。2010年カンヌ国際映画祭でも上映され物議を醸した。

『キューバ音楽の歴史』
原題:HISTORIAS DE LA MÚSICA CUBANA
総合監督:マヌエル・グティエレス・アラゴン、監督:パベル・ジロー、レベカ・チャベス
出演:チューチョ・バルデス、オマーラ・ポルトゥオンド(「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」)、ミリアム・ラモス
2009年/ドキュメンタリー/キューバ・スペイン/各52分

5人の監督がキューバ音楽にまつわるテーマでドキュメンタリーを製作。世界を魅了してきたキューバ音楽の魅力、多様性を浮き彫りにする。LBFFでは5本のうちの2本を上映。

『キューバ・ジャズへの眼差し』
原題:MANTECA, MONDONGO Y BACALAO CON PAN (UNA MIRADA AL JAZZ CUBANO)
監督:パベル・ジロー
1940年代のアメリカ・ジャズシーンに初めてキューバ音楽が参入。以来、両国のジャズは互いに刺激を受け合ってきた。チューチョ・バルデスらラテン・ジャズ界の巨匠が、リズムの進化や新旧のジャズ・プレーヤーについて熱く語る。 

『フィーリン(気持ち)を込めて:昔と今のメイン・シンガー』
原題:DECIR CON FEELING (HISTORIA DEL FEELING CUBANO. SUS PRINCIPALES FIGURAS DE AYER Y HOY)
監督:レベカ・チャベス
ギターを爪弾きながら、心の奥の親密な思いを語りかけるように歌うフィーリン。1940年代末、アメリカの影響を受けて誕生した新しいジャンルは、瞬く間に当時の若者の心を捕えた。一時は"反革命的"とのそしりも受けたが、歳月を超えて歌い継がれる、その魅力に迫る。 

『大男の秘め事』
原題:GIGANTE
監督:アドリアン・ビニエス
出演:オラシオ・カマンドゥレ、レオノール・スバルカス
2009年/コメディ/ウルグアイ・アルゼンチン・ドイツ・オランダ/90分
2009年ベルリン映画祭銀熊賞・新人監督賞・アルフレッド・バウアー賞

巨漢のハラはスーパーで夜間ガードマンの仕事をしている。大柄な外見に似合わず、気が小さいハラは、ある日、同じ店で清掃係をしているフリアに密かな恋心を抱く。監視カメラ越しにフリアの姿を追いかけ、日に日にフリアへの思いを募らせるハラは、彼女に近づくために、ある行動に出る。孤独で気の弱い大男の片思いが、次第にエスカレートしていく様をリアルに描いている。2009年のベルリン映画祭で、銀熊賞・新人監督賞・アルフレッド・バウアー賞をトリプル受賞した注目作である。

『ファベーラ物語』
原題:5 x FAVELA, AGORA POR NÓS MESMOS
監督:ヴァグネル・ノバイス、マナイラ・カルネイロ、ホドリゴ・フェーリャ、カカウ・アマラウ、ルシアーノ・ヴィヂガウ、カドゥ・バルセロス、ルシアナ・ベゼーラ
出演:シウヴィオ・ギンダネ、チアーゴ・マルティンス、サミュエル・デ・アシス
2010年/オムニバス・ドラマ/ブラジル/100分

ブラジルのファベーラ(スラム街)には、衝撃的な殺人や激しい銃撃戦だけではない、夢や希望を感じさせる庶民の暮らしも存在する。ブラジルの若手監督たちが、ファベーラで暮らす人々のリアルな生活をやさしい視点で描いたオムニバス・ストーリー。

『金の出所』
原題:FONTE DE RENDA
監督:ヴァグネル・ノバイス、マナイラ・カルネイロ
憧れの法学校に入学したマイコンは、教科書代すら工面できない厳しい現実に直面。マイコンは、同級生からドラッグを調達して欲しいと頼まれ、思い悩む。 

『豆とご飯』
原題:ARROZ COM FEIJÃO
監督:ホドリゴ・フェーリャ、カカウ・アマラウ
12歳の少年ウェズレイは、父親がご飯と煮込んだ豆しか出てこない家の食事に飽き飽きしていると知る。ウェズレイは親友オレーリャと共に、父の誕生日にチキンを買うお金を工面しようと画策する。 

『バイオリン・コンサート』
原題:CONCERTO PARA VIOLINO
監督:ルシアーノ・ヴィヂガウ、フォンテ・ヂ・レンダ
マルシアとジョタ、アデミールの3人は子どもの頃、永遠の友情を誓い合った幼なじみ。20代になったマルシアは、音楽学校に留学する夢を持っていたが、そこへドラッグの売人になったジョタが逃げてきた。一方、アデミールは警官となりジョタを追っていた...。 

『飛ばしたままで』
原題:DEIXA VOAR
監督:カドゥ・バルセロス
リオのファベーラに住む17歳の少年フラヴィオは、友人の凧を、誤って敵対するファベーラに飛ばしてしまう。フラヴィオは危険を侵して凧を取りに出かけるが...。 

『灯りをともして』
原題:ACENDE A LUZ
監督:ルシアナ・ベゼーラ
クリスマス・イヴだというのに、ファベーラでは3日間も停電が続いている。住民たちは電力会社の技師を誘拐し、電気が回復するまで解放しないと言い出す。 

© ONLY HEARTS CO.,LTD.
『命の相続人』
原題:EL MAL AJENO
監督:オスカール・サントス
出演:エドゥアルド・ノリエガ(「オープン・ユア・アイズ」)、アンジー・セペダ、ベレン・ルエダ 
2010年/ミステリー/スペイン/107分

ディエゴは、今まで数々の難しい手術を成功させてきた優秀な医師だ。だが、有能であるがゆえに周りの人間の心の痛みや悩みを理解できずにいた。ある日、患者の家族から恨みを買ったディエゴは、銃を突き付けられ瀕死の重傷を負う。数時間後、病院のベッドの上で目覚めると、ある不思議な能力が備わっていることに気づく。人間性を取り戻したディエゴは、自分と愛する人々のために人生最大の決断を迫られる...。スペインの人気俳優エドゥアルド・ノリエガ主演、アレハンドロ・アメナバール製作の最新ミステリー。

『10月の奇跡』 上映中止
原題:OCTUBRE
監督:ダニエル・ベガ、ディエゴ・ベガ
出演:ブルーノ・オダール、ガブリエラ・ベラスケス、カルロス・ガッソルス
2010年/ドラマ/ペルー/93分
2010年カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞

無愛想で非情な質屋の主人クレメンテは、生まれたばかりの赤ん坊を拾ってしまう。赤ん坊の世話に困ったクレメンテは、客としてやってきた近所に住む中年女ソフィアを、家政婦として雇い入れる。信心深いソフィアは孤独を癒すかのように家事や育児を楽しみ、クレメンテも、今まで感じたことのない愛情を赤ん坊に抱くようになる。赤ん坊とソフィアの出現により、クレメンテを中心とした疑似家族が出来上がるが、妻のように振る舞いだしたソフィアに、クレメンテは戸惑いを覚える。

『家政婦ラケルの反乱』
原題:LA NANA
監督:セバスティアン・シルバ
出演:カタリナ・サアベドラ、クラウディア・セレドン、マリアナ・ロヨラ
2009年/ドラマ/チリ・メキシコ/96分
2009年マイアミ国際映画祭最優秀脚本賞、2010年ゴールデングローブ賞外国語映画部門ノミネートほか

ラケルは、バルデス家で20年以上も働いているベテランの家政婦。無愛想だが黙々とよく働くラケルに一家は厚い信頼を寄せている。そんなラケルの身体を思いやった主は、若い家政婦を助手として雇うことにする。だが、自分の居場所を奪われることを恐れたラケルは、若い家政婦たちを苛め、次々に追い出してしまう。困った主は、ラケルよりも年上の家政婦を雇うことにするが、それが思わぬトラブルを生んでしまう。リストラの危機に身体を張って抵抗する中年家政婦の奮闘ぶりが話題になり、各国の映画祭で数々の賞を受賞した。

『カランチョ』
原題:CARANCHO
監督:パブロ・トラペロ
出演:リカルド・ダリン(「瞳の奥の秘密」)、マルティナ・グスマン、ダリオ・ヴァレンスエラ
2010年/ドラマ/アルゼンチン・チリ・フランス・韓国/107分

ソーサは交通事故専門のベテラン弁護士。終始、病院のERや警察に出入りし、ハゲタカのようにクライアントを探し回っている。一方、赴任してきたばかりの若い女医ルハンは、ERにひっきりなしに運び込まれる交通事故の被害者の対応に追われ、満足に眠ることさえできずにいた。二人は、ルハンが道で被害者を救援中に出くわし、恋に落ちていく...。
アルゼンチンの映画界をけん引する実力派監督パブロ・トラペロが、名優リカルド・ダリンとタッグを組んだ話題作。2010年カンヌ国際映画祭ある視点部門にも出品され、話題を呼んだ。

上映スケジュール
京都駅ビルシネマ
9月20日(月・祝)
10:30
レボリューション
(105分)



13:00
レボリューション
(105分)



16:00
アザーズ
(104分)



18:30
Paper Birds
(115分)

21:00
アベルの小さな世界
(85分)



9月21日(火)
10:30
ルラ、ブラジルの息子
(128分)



13:00
わが父の大罪
-麻薬王パブロ・エスコバル-

(94分)
16:00
僕らのうちはどこ?
-国境を目指す子供たち-

(82分)
18:30
天国の口、終りの楽園。
(106分)

21:00
ファイティング・シェフ
~美食オリンピックへの道~

(87分)
9月22日(水)
10:30
マラドーナ
(95分)




13:00
アル・シエロ 空へ
(98分)



16:00
沼地という名の町
(103分)


18:30
モーターサイクル・ダイアリーズ
(127分)
21:00
哀しみのトリスターナ
(95分)



9月23日(木・祝)
10:30
ファイティング・シェフ
~美食オリンピックへの道~

(87分)
13:00
ファド
(85分)




16:00
Paper Birds
(115分)



18:30
アベルの小さな世界
(85分)

21:00
マラドーナ
(95分)




9月24日(金)
10:30
天国の口、終りの楽園。
(106分)



13:00
ボルベール <帰郷>
(120分)



16:00
テイク・マイ・アイズ
(105分)


18:30
アザーズ
(104分)


21:00
アル・シエロ 空へ
(98分)



9月25日(土)
10:30
わが父の大罪
-麻薬王パブロ・エスコバル-

(94分)

13:00
モーターサイクル・ダイアリーズ
(127分)


16:00
ルラ、ブラジルの息子
(128分)


18:30
キューバ音楽の歴史
(各52分)

21:00
ファド
(85分)




9月26日(日)
10:30
僕らのうちはどこ?
-国境を目指す子供たち-

(82分)

13:00
ファベーラ物語
(100分)



16:00
哀しみのトリスターナ
(95分)


18:30
テトロ
(127分)


21:00
猟奇的な家族
(90分)




9月27日(月)
10:30
テイク・マイ・アイズ
(105分)
13:00
大男の秘め事
(90分)

16:00
わが父の大罪
-麻薬王パブロ・エスコバル-

(94分)
18:30
国境の南
(102分)

21:00
僕らのうちはどこ?
-国境を目指す子供たち-

(82分)
9月28日(火)
10:30
ボルベール <帰郷>
(120分)
13:00
フラメンコ×フラメンコ
(90分)
16:00
猟奇的な家族
(90分)



18:30
カランチョ
(107分)

21:00
家政婦ラケルの反乱
(96分)


9月29日(水)
10:30
命の相続人
(107分)

13:00
国境の南
(102分)

16:00
テトロ
(127分)



18:30
大男の秘め事
(90分)

21:00
ファベーラ物語
(100分)


9月30日(木)
10:30
キューバ音楽の歴史
(各52分)
13:00
アベルの小さな世界
(85分)
16:00
家政婦ラケルの反乱
(96分)


18:30
フラメンコ×フラメンコ
(90分)
21:00
命の相続人
(107分)



10月1日(金)
10:30
沼地という名の町
(103分)
13:00
テトロ
(127分)

16:00
レボリューション
(105分)


18:30
猟奇的な家族
(90分)

21:00
キューバ音楽の歴史
(各52分)


10月2日(土)
10:30
フラメンコ×フラメンコ
(90分)
13:00
ルラ、ブラジルの息子
(128分)
16:00
ファベーラ物語
(100分)


18:30
テトロ
(127分)

21:00
国境の南
(102分)



10月3日(日)
10:30
大男の秘め事
(90分)

13:00
家政婦ラケルの反乱
(96分)
16:00
カランチョ
(107分)



18:30
愛する人
(125分)

21:00
レボリューション
(105分)



印は来日ゲスト舞台挨拶を予定しています。やむを得ずキャンセルとなる場合もございますので、ホームページで最新情報をご確認ください。
印は旧作となります。

旧作上映プログラム

『アザーズ』
監督:アレハンドロ・アメナバール(「海を飛ぶ夢」)
出演:ニコール・キッドマン、フィオヌラ・フラナガン、クリストファー・エクルストン
2001年/サスペンス、ホラー/アメリカ・スペイン・フランス/104分

第2次大戦末期。イギリス沖の小島にある豪邸に暮らすグレースは、光に弱い二人の子供を分厚いカーテンに覆われた部屋に閉じ込めている。ある日、使用人志望の3人の訪問者が現れ、グレースは彼らを雇い入れる。以来、屋敷では謎の怪奇現象が次々と起こり始める。姿の見えないものに怯える人間の恐怖心を巧みな映像で表現したホラー映画の傑作。製作総指揮はトム・クルーズが務めている。
『天国の口、終りの楽園。』
監督:アルフォンソ・キュアロン
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ、マリベル・ベルドゥ
2002年/ドラマ/メキシコ/106分
2001年ヴェネチア国際映画祭最優秀新人賞

17歳のフリオとテノッチは、偶然知り合った年上の女性ルイサを誘い、"天国の口"という名のビーチへドライブ旅行に出かける。頭の中はドラッグとセックスのことばかりの若者二人と謎めいた大人の女性。3人は不思議な絆で結ばれるが...。大人社会の手前で青春を謳歌する若者の姿と、彼らが遭遇するホロ苦い現実を生き生きと描き、世界的なヒット作となった。ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナの出世作である。
『ファイティング・シェフ ~美食オリンピックへの道~』
監督:ホセ・ルイス・ロペス・リナレス
出演:ヘスス・アルマグロ、ペドロ・ラルンベ、セルジ・ビエイラ
2008年/ドキュメンタリー/スペイン/87分
2007年ベルリン国際映画祭・2007年トライベッカ映画祭正式出品

世界で最も有名なシェフ、ボール・ボキューズが1987年に設立した料理コンクール"ボキューズ・ドール"は、いわば高級料理のオリンピック。24カ国の代表シェフが、フランスで腕を競い合う。20年間、結果を出せずにきたスペインは、アルマグロ代表シェフに命運を託す!数カ月の準備を経て大会に挑む一流シェフ達の熱いドラマと、芸術の域に達した料理の数々をエキサイティングに描く。各国の国際映画祭で大喝采を浴びた傑作ドキュメンタリー!
『マラドーナ』
監督:エミール・クストリッツァ(「アンダーグラウンド」「パパは、出張中」)
出演:ディエゴ・マラドーナ
2009年/ドキュメンタリー/スペイン・フランス/95分

今夏のワールドカップでは、その奇抜なパフォーマンスで世界中から注目を浴びたサッカー界のスーパー・スター、ディエゴ・マラドーナ。彼の栄光と挫折の人生、彼をとりまく人々、そしてマラドーナ自身に密着し、唯一無二の存在であるマラドーナの真実に迫ったドキュメンタリー。監督はカンヌ国際映画祭大賞(パルムドール)を2度受賞しているサラエボ出身の鬼才エミール・クストリッツァ。
『アル・シエロ 空へ』
監督:ダニエル・ブルマン
出演:アルフレド・カセロ、イングリッド・ルビオ、エミリオ・ディッシ
2001年/ドラマ/アルゼンチン・スペイン/98分

テレサはスチュワーデス。煩わしい地上の生活から遥か遠く離れた空の上での仕事が気に入っている。だが、ある日、望まぬ妊娠に気づき、死ぬことさえ考え始める。一方、ジュリアンは、妻を失くして間もない眼科医。絶望した彼は、妻の遺灰を撒くために向かったウシュアイアで死のうと考える。そんな二人が最果ての地で出会ったとき、彼らの人生に変化が生まれる...。アルゼンチン最南端の都市ウシュアイアの雪景色や雄大な自然も見どころ。
『沼地という名の町』
監督:ルクレシア・マルテル
出演:メルセデス・モラン、マルティン・アドヘミアン、ディエゴ・バエナス
2001年/アルゼンチン/103分
2001年ベルリン国際映画祭アルフレッド・バウアー賞、2001年ハバナ映画祭グランプリ、最優秀監督賞、最優秀女優賞、最優秀音響賞

アルゼンチンの田舎で夫や子供とプール付きの邸宅に暮らすメチャは、鬱屈した気持ちをワインで紛らわせていたが、あるとき酔っ払って倒れ、けがをしてしまう。知らせを受けた従姉妹のタリは、家族を連れてメチャの家を訪ねる。かねてから心配していたとおり、浮気な夫との退廃的な暮らしのなかで、メチャの心はすっかり荒んでいた。そんな大人たちの都合に巻き込まれながらも、子供たちは好き勝手に秘密めいた楽しみに興じていた...。
『モーターサイクル・ダイアリーズ』
監督:ウォルター・サレス(「セントラル・ステーション」)
原作:エルネスト・チェ・ゲバラ「モーターサイクル南米旅行日記」
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ、ミア・マエストロ
2003年/ドラマ/イギリス・アメリカ/127分

医学生エルネスト(チェ)は、友人アルベルトと南米大陸縦断の旅に出かける。ブエノスアイレスからパタゴニアを経てアンデス山脈へ。道中、持病の喘息やバイクの故障に悩まされながら、旅を続けるエルネスト。彼は南米の奥地で暮らす労働者の過酷な状況に遭遇し、心を痛める。チェ・ゲバラ若かりし頃の南米大陸縦断の旅を、彼が残した日記を基に映画化した青春ロード・ムービー。
『哀しみのトリスターナ』
監督:ルイス・ブニュエル
出演:カトリーヌ・ドヌーブ、フェルナンド・レイ、フランコ・ネロ
1970年/ドラマ/イタリア・フランス・スペイン/95分

16歳で身寄りを失くしたトリスターナは、知人ドン・ロペに引き取られ、まもなく彼に犯されてしまう。それでも彼との暮らしを続けざるを得ないトリスターナ。だが、街である画家と出会い愛し合うようになる。愛する人との新生活のため、トリスターナはドン・ロペの元を去るが、幸せな日々は長くは続かなかった。足のデキモノが原因で片足切断の手術が必要になり、結局トリスターナは、ドン・ロペの元に戻ることになる。製作40周年記念上映。
『ファド』
監督:カルロス・サウラ
出演:カエターノ・ベローゾ、カマネ、リラ・ダウンズ
2007年/ドキュメンタリー/スペイン・ポルトガル/85分
2007年トロント国際映画祭正式出品、2008年ゴヤ賞最優秀音楽賞

名匠カルロス・サウラ監督がポルトガル発祥のファド・ミュージックに迫った音楽ドキュメンタリー。ファドのルーツや、アフリカ、ブラジルの黒人たちが与えた影響を探求する。ファドの女王、アマリア・ロドリゲスを偲び、マリサなど名だたるファド・ミュージシャンが素晴らしい歌声を披露するだけでなく、カエターノ・ベローゾなど現代音楽のビッグ・アーティストも多数参加。曲に合わせた多彩な踊りとのコラボレーションも見逃せない魅力の一つ。
『ボルベール <帰郷>』
監督:ペドロ・アルモドバル(「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」)
出演:ペネロペ・クルス、カルメン・マウラ、ロラ・ドゥエニャス
2006年/ドラマ/スペイン/120分
2006年カンヌ国際映画祭女優賞

ライムンダと姉のソーレは、一人暮らしの叔母の家を訪れた際、不思議な気配を感じる。家に戻ったライムンダは失業中の夫を叱責。翌日、娘パウラは父親から暴行されそうになり、抵抗して刺し殺してしまう。ライムンダは夫の死体をレストランの冷凍庫に隠し平静を装おう。一方、姉ソーレは思わぬ珍客に驚かされる。ラ・マンチャを舞台に母・娘・孫娘、三代の女性たちが背負わされた現実を彩り豊かに歌い上げる女性讃歌だ。
『テイク・マイ・アイズ』
監督:イシアル・ボジャイン
出演:ライラ・マルル、ルイス・トサル、カンデラ・ペニャ
2003年/ドラマ/スペイン/105分
2004年ゴヤ賞最優秀賞7部門受賞

ある冬の夜、夫の暴力から逃れるために、若い女が幼い息子を抱えて家を出る。「妻は俺の目なんだ」と言いながら、夫はすぐに後を追いかける。夫を愛し、まだ希望も残されていると信じる妻は、セラピーを受けるからと懇願する夫にほだされ、家に戻るが...。家庭内暴力を女の視点から描くイシアル・ボジャイン監督の長編2作目。スペインのアカデミー賞であるゴヤ賞7冠達成。
 


第7回 ラテンビート映画祭について、皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。
なお、ご投稿頂いたものを掲載するか否かの判断については、
OUTSIDE IN TOKYO 編集部の判断に一任頂きますので、ご了承ください。





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