イメージフォーラム・フェスティバル2012



水江未来『MODERN No.2』、和田淳『グレート・ラビット』、平林勇『663114』といった、海外の名だたる映画祭で高評価を得た日本の映像作家たちによる作品、映画の本質とは何かという根源的な問いを投げかけるペーター・クーベルカのフィルム作品、独自の美学を獲得しているジェームス・ベニングのデジタル・シネマ、人気のアーティスト、ミランダ・ジュライの新作、筋金入りの活動家でもあるアイ・ウェイウェイがまたも「やってくれた」ドキュメンタリー作品、果ては、オーストリアのアヴァンギャルド映画、スイスはローザンヌのアンダーグラウンド・フィルム(『女体拷問人グレタ』!)まで、圧倒的な質と量で、映像表現の"今"と知られざる過去の"秘蹟"を提示する「イメージフォーラム・フェスティバル2012」がGW開催(@東京)!
(上原輝樹)
2012.4.24 update
2012年4月28日(土)〜5月14日(月)

2012年4月29日(日)〜5月6日(日)

2012年6月16日(土)〜6月22日(金)
会場:京都シネマ 

入場料:当日券[1回券]1,200円(シアター・イメージフォーラム会員/京都シネマ会員は会員証提示で当日1回券を200円割引)
[4回券]3,200円 [フリーパス券]8,000円 

チケットぴあ、ローソンチケットなどで特別鑑賞券を発売中!
[特別鑑賞]1回券1,000円 [4回券]3,200円 [フリーパス券]8,000円
チケットぴあ......TEL:0570-02-9999 Pコード:463-763
ローソンチケット......TEL:0570-000-777
L コード:東京32943、京都59840 

公式サイトはこちら:http://www.imageforumfestival.com/
上映スケジュール
上映プログラム

【ニューフィルムジャパン 日本招待部門】

昨年のベネチア国際映画祭オリゾンティ部門に水江未来の『MODERN No.2』が選出され、今年のベルリン国際映画祭短編部門では和田淳の『グレート・ラビット』が銀熊賞を獲得、アニメーション特有の「手触り感覚」を大切にして独特の世界観を生み出している彼らの作品は、アートとエンタテインメントの垣根を超えて世界中の多くの観客を虜にしている。一方、田名網敬一や昨年急逝した相原信洋ら60年代から活躍を続ける作家は熟達を超えた前人未到の境地。長年描き続けた線のひとつひとつに日本実験映像史の深層が現れる。 

『AND AND』
『一秒の一コマ』
『授業 --境界日常のために--』

<A>ジャパン・アニメーション・パノラマ
12作品81分

ベルリン国際映画祭短編部門銀熊賞「グレートラビット」を日本初上映。巨匠と若手の競演は世界中が注目する日本のアート・アニメーション最前線だ。急逝した相原信洋の『SKY』はアニメーションの動きのセオリーを超えた前人未到の傑作。
  • 金星の夢(外山光男/ビデオ/20分/2011)
  • みちゆき温泉編(谷口亮/ビデオ/4分/2011)
  • GIGI-GAGA(相原信洋/ビデオ/3分/2011)
  • SKY(相原信洋/ビデオ/1分/2011)
  • Red colored bridge(田名網敬一/ビデオ/7分/2012)
  • 蛾鑑(清家美佳/ビデオ/6分/2012)
  • gala gala(中西義久/ビデオ/6分/2012)
  • 開かれた遊び、忘れる眼(ALIMO/ビデオ/9分/2012)
  • 人の島(ALIMO/ビデオ/7分/2011)
  • グレートラビット(和田淳/ビデオ/7分/2012)
  • MODERN No.2(水江未来/ビデオ/4分/2011)
  • AND AND(水江未来/ビデオ/7分/2011)
<B>エクスペリメンタル・ガール
5作品73分

ブラザーズ・クエイを思わせる幻想的な耽美世界に愛と憎悪、美しさと醜くさ、若さと老いなど背反するイメージが拮抗する『つつがなき遊戯の秘蹟(final version)』。"女の子"が孕む不条理で蠱惑的な破壊衝動が、観手を虜にする5作品。
  • そげる・たわむ・外に流れる(三木はるか/ビデオ/25分/2011)
  • 恋情蔵書印(村上直子/ビデオ/6分/2011)
  • JINGIWIKI(斉藤円香/ビデオ/6分/2012)
  • きりはじめて、はなをむすぶ。(川添彩/ビデオ/10分/2011)
  • つつがなき遊戯の秘蹟(final version)(寺嶋真里/ビデオ/26分/2012)
『つつがなき遊戯の秘蹟』
<C>コアのシンパシー
7作品74分

ロッテルダム国際映画祭で話題を呼んだ『EMBLEM』は、作者にとって所縁ある絶滅保護種の観察映像を再撮影/特殊現像により象徴化することで、記憶のコアの共有を試みる。物語という枠に収まらないからこそ、心の奥で共感できる7つの映像詩。
  • 根府川(太田曜/16ミリ/6分/2012)
  • そう(木村達人/ビデオ/10分/2011)
  • 生態系 -18- POLLUX(小池照男/ビデオ/18分/2012)
  • 草の一生(高田苑実/ビデオ/3分/2011)
  • 静かなる来訪者(仲本拡史/ビデオ/12分/2011)
  • haze(福岡晃久/ビデオ/9分/2011)
  • EMBLEM(葉山嶺/ビデオ/16分/2011)
<D>フィルム・フェティッシュ
4作品84分

国内では既にフィルムが生産中止された8ミリだが、温もりのある質感、ヴィヴィッドな色味など、その魅力は今も褪せない。フィルム・マテリアルの可能性を追い求める3作と、8ミリにかかわる異色ドキュメンタリー『FU 嶽三十六景』。
  • 目を開ける(ほしのあきら、マエダシゲル、横溝千夏/8ミリ/31分/2012)
  • undercurrent(石川亮/ビデオ/5分/2011)
  • 20(鈴木宏忠/ビデオ/16分/2012)
  • FU 嶽三十六景(金谷祐希/ビデオ/32分/2011)
<E>共同体の現在
5作品70分

映画と現代美術の最前線で活躍を続ける大木裕之の新作、戦後家族ドラマ『よもすがら』、実験的ホームムービー『5月/May』、夫婦の日常をシャッフルする『わたしたち...』、スカイツリー見物人と蓑虫の対話で今日的な希望を描く『歓声』。
  • ニホンノカテイ2011(大木裕之/ビデオ/20分/2012)
  • よもすがら(嶺豪一/16ミリ/25分/2011)
  • 5月/May(佐藤健人/ビデオ/10分/2011)
  • わたしたちは 洗車を|旅行がしたい(関友太郎/ビデオ/8分/2012)
  • 歓声(中島崇/ビデオ/7分/2012)
<F>境界線上の映画
2作品108分

「夢は叶う!だから僕は願います!僕は、妖怪になる!!!」と叫ぶ奇天烈な36歳、加藤くんに魅せられた萌え声OL が密着取材を敢行『加藤くんからのメッセージ』。日常とパフォーマンスの境界で舞う万城目純の新作。
  • 授業 --境界日常のために--(万城目純/ビデオ/18分/2012)
  • 加藤くんからのメッセージ(綿毛/ビデオ/90分/2012)
<G>3.11 を経て 映像作家のまなざし
6作品85分

『記憶のマチエール4』では、91歳の現役画家・野見山暁治の語りが被災地の映像に重なる。ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門特別表彰『663114』は「戦後66年の3月11日に起こった4基の原発事故」を意味する、蝉が主人公のアニメ。
  • 記憶のマチエール4〈デ・サイン23〉(ビジュアル・ブレインズ/ビデオ/15分/2012)
  • Bye Bye Alfred(田中廣太郎/ビデオ/3分/2011)
  • へいたいがっこう(伊藤早耶/ビデオ/14分/2012)
  • チェンマイ チェンライ ルアンパバーン(栗原みえ/8ミリ/42分/2012)
  • 劫の視界~ rising Matsushima ~(足利広/ビデオ/3分/2011)
  • 663114(平林勇/ビデオ/8分/2011)
<H>新しい到来の足音
5作品69分

進化を続ける映像表現の現在形たち。ロッテルダム国際映画祭短編部門で日本人初のタイガーアワードを受賞した牧野貴。有機的な抽象ドローイングで現代日本を代表する映像作家石田尚志。今もっとも刺激的で先鋭的なコラボレーションだ。
  • 一秒の一コマ(奥山順市/ビデオ/6分/2012)
  • Backwash(田端志津子/ビデオ/4分/2012)
  • MOONS (Part 1)(手塚眞/8ミリ/20分/2012)
  • RENCONTRES FORTUITES(偶然的出会い)(伊藤隆介/16ミリ/23分/2012)
  • 光の絵巻(石田尚志、牧野貴/ビデオ/16分/2011)
<I>身体のありか
5作品85分

映画のカットが人格を持ったら?『Who?』では映画の構成が被写体の指示で決定される。映画を作っているのは誰なのか? 萩原朔美とかわなかのぶひろの新作は自身の肉体的変化が出発点。儚き身体を眺め、「私とは何か?」を問う。
  • 相対位置(五島一浩/ビデオ/11分/2012)
  • Who?(櫻井篤史/ビデオ/27分/2011)
  • 目の中の水(萩原朔美/ビデオ/15分/2012)
  • たましひのからだ(黒川芳朱/ビデオ/12分/2012)
  • 岐路crisis(かわなかのぶひろ/ビデオ/20分/2012)
<イ>インスタレーション
4作品

模型をCCDカメラで撮影、その拡大映像と併置する伊藤隆介の作品は、アーウィン・アレンや円谷英二に倣って、日本人が今一番見たい(あるいは見たくない)ものを再現。メディアの運ぶ情報のリアリティを「こんなことはなかった」と風刺する。
  • こんなことは無かった(伊藤隆介/ビデオインスタレーション/2012)
  • t2z(五島一浩/ビデオインスタレーション/2012)
  • オンブロ・ジャック(倉重哲二+三浦啓子/インスタレーション/2012)
  • 眠る水 --The Sleeping Water(松原健/インスタレーション/2012)
【ニューフィルム・インターナショナル 海外招待部門】

フィルムという"物質"へのこだわりから、自らの作品のデジタル上映やDVD化を一切認めていないペーター・クーベルカの代表作『アーヌルフ・ライナー』ニュー・プリント上映の一方で、16ミリフィルムで"風景映画"を撮り続けてきたジェームス・ベニングがデジタル・シネマに移行した新作『スモール・ロード』や、人気のマルチアーティスト、ミランダ・ジュライの長編第2作『ザ・フューチャー』といった映像表現の新たな地平を目指す作品群の上映を通じて、現在生まれつつある新しい"今"の表現の最前線を提示する。 

『カーポ・ヴェルデへの旅』
『チャイニーズ・チャッカーズ』
『秩序を乱す』

<J>アニメーション・セレクション1
深呼吸の旅

7作品68分

深い眠りに身を任せる心地よさと、底なしの海にたゆたう浮遊感覚を重ねあわせた『スリープ』、日常の些事から思い切って飛び出して、孤島で過ごした日々の日記『カーポ・ヴェルデへの旅』、超絶的ペーパークラフト・アニメーションの技巧と捩じれた話法で英国アカデミー賞を受賞した『イーグルマン・スタッグ』など優れたアート・アニメーション選集。
  • 波打ち際にて(トンマーゾ・デ・サンクティス/イギリス/ビデオ/10分/2010)
  • スリープ(クラウディス・ジェンティネッタ+フランク・ブラウン/スイス/35ミリ/5分/2010)
  • スポークン・ムービー1(ヴォイチェフ・ボンコフスキ/ポーランド/35ミリ(ビデオ版)/6分/2007)
  • カーポ・ヴェルデへの旅(ホセ・ミゲル・リベイロ/ポルトガル/ビデオ/18分/2011)
  • 544/544(アップ/ダウン)(トーマス・モール/音楽:ハンネ・ダルボーフェン/オランダ/ビデオ/10分/2011)
  • 私は自転車に乗って30分で大気圏の縁に至る(ミヒェル・クレフコルン/ドイツ/ビデオ/10分/2011)
  • イーグルマン・スタッグ(マイキー・プリーズ/イギリス/ビデオ/9分/2010)
<K>アニメーション・セレクション2
あのフレッシュな感覚 中国インディペンデント・アニメーション

12作品88分

次々と新しい才能が登場している中国のアート・アニメーション。世界に名を馳せる現代美術作家ツァオ・フェイやスン・シュンに続く若手アーティストたちの多くは日本初登場。本邦初の中国のアート・アニメーション特集でもある。 
※提供:中国インディペンデント・フィルムアーカイブ キュレーター:チャン・ヤーシュアン
  • 影夢人生(ツァオ・フェイ/中国/ビデオ/10分/2011)
  • 穀物配給切符(チェン・シー+ アン・シュン/中国/ビデオ/19分/2011)
  • 兎通り(フォン・ウェイ/中国/ビデオ/8分/2007)
  • 蕨採り(ジァオ・イェ+ホアン・ヤン/中国/ビデオ/9分/2003)
  • 水滴(ホアン・ヤン/中国/ビデオ/3分/2005)
  • 私の、私の(レイ・レイ/中国/ビデオ/5分/2011)
  • ダブル・フィクレット(ワン・ハイヤン/中国/ビデオ/4分/2012)
  • あなたに会えたら(リュウ・ジャーミン/中国/ビデオ/6分/2010)
  • 唖(ルオ・ハイミン/中国/ビデオ/5分/2008)
  • 臼(スン・ハン/中国/ビデオ/3分/2007)
  • 鼓動(シー・レイ/中国/ビデオ/8分/2011)
  • 若者と地球の神秘(ワン・ウェイスー/中国/ビデオ/8分/2011)
<L>ザ・サウンド・オブ・エンド・オブ・ミュージック
5作品68分

サーフ・ロックを伴奏とした黙想『間隙から逃げる光』、美しいアルプスの山々にナパーム弾が炸裂するのを背景に、ジュリー・クルーズとジム・モリソンの歌が絡み合う『ザ・サウンド・オブ・エンド・オブ・ミュージック』、巨大な機械を構築し、それが発生させる微細な粒子の運動とノイズによって濃密な音圧フリッカー空間を生み出す『VEXED』。音楽が一瞬一瞬の"今"を告げる。
  • 間隙から逃げる光(田坂瑞子/アメリカ/ビデオ/15分/2011)
  • ザ・サウンド・オブ・エンド・オブ・ミュージック(ピープル・ライク・アス/イギリス/ビデオ/4分/2010)
  • 内なる郊外(ペッカ・サッシ/フィンランド/ビデオ/12分/2009)
  • アラストレ(ニコラス・ブルックス/イギリス/ビデオ/8分/2010)
  • VEXED(テルコシステムズ/オランダ/ビデオ/29分/2012)
<M>ビヨンド・タッチ 不可触の領域 ザブルーダーの3D催眠術
3作品73分

ケネディ大統領の暗殺現場を8ミリで撮影したアブラハム・ザプルーダーから名前をとった3D映像集団ザプルーダー。2011年のヴェネチア映画祭で3D映画賞を受賞した彼らの作品を日本初紹介。ジョルジュ・バタイユの架空の伝記映画として作られた『デーモン』を中心に、3D映像をフェティッシュなものとして捉えたプログラム。(*3Dメガネを着用しご覧頂きます。)
  • デーモン(ザプルーダー/イタリア/ビデオ/49分/2007)
  • 催眠犬(ザプルーダー/イタリア/ビデオ/20分/2011)
  • スイート(ザプルーダー/イタリア/ビデオ/4分/2011)
<N>トリック・シー スティーブン・ドウスキン作品集
3作品73分

1961年にニューヨークで映画を撮り始め、のちロンドンに渡り当地の実験映画界の中心的人物となったドウスキンの初期傑作集。〈作者の視線=カメラ〉が見つめると、全てが演じられたものとなる。ロン・ギーシン、ギャビン・ブライアーズの音楽が、さらにその関係性を挑発する。
  • チャイニーズ・チェッカーズ(スティーブン・ドウスキン/音楽:ロン・ギーシン/アメリカ/16ミリ(ビデオ版)/13分/1964)
  • トリクシー(スティーブン・ドウスキン/音楽:ギャビン・ブライアーズ/イギリス/16ミリ(ビデオ版)/30分/1969)
  • イエスの血(スティーブン・ドウスキン/音楽:ギャビン・ブライアーズ/イギリス/16ミリ(ビデオ版)/30分/1972)
<O>ミスプレイスド・ストーリーズ 場違いなお話
4作品80分

美しい浜辺での、病弱な少女とサーファーガールのささやかな交流を描く『波』、血なまぐさい事件の現場をカメラが探索するピクチュアレスクなミステリー『イスラ・アルタ』、現在最も注目される若手作家マティ・ディオップの今年のロッテルダム映画祭短編タイガーアワード受賞作『ビッグ・イン・ベトナム』などを上映。
  • 波(ミゲル・フォンセカ/ポルトガル/ビデオ/22分/2012)
  • 厳格な体制(エルッカ・ニッシネン/香港・中国/ビデオ/14分/2012)
  • イスラ・アルタ(フェデリコ・アドルノ/パラグアイ/ビデオ/15分/2011)
  • ビッグ・イン・ベトナム(マティ・ディオップ/フランス/ビデオ/29分/2012)

<P>アイ・ウェイウェイ 秩序騒乱
2作品139分

アーティスト・建築家・活動家であるアイ・ウェイウェイの「社会的ドキュメンタリー」2本。四川大地震の政府による犠牲者隠蔽。その追及に加担したことによって警察に殴打・拘束された始終を自ら描く『秩序を乱す』。世界から100人の建築家を招き、ゴビ砂漠の原野にそれぞれ1000平方メートルの家を設計するという壮大な計画=ヘルツォーク&ド・ムーロンとの共同プロジェクトの顛末を追った『オルドス100』を上映する。
  • 秩序を乱す(アイ・ウェイウェイ/中国/ビデオ/78分/2009)
  • オルドス100(アイ・ウェイウェイ/中国/ビデオ/61分/2012)
  
<Q>スモール・ロード
1作品103分

アメリカ中西部の道路と車を、47ショットで綴る究極のロード・ムービー。デジタル映像のハイパーリアリズムが、ベニングの〈黙視し、耳を傾けること〉についての問いを新たな次元へ旅立たせる。IFF2009で上映されたベニング16ミリ最後の作品『RR』と対をなす作品。
  • スモール・ロード(ジェームス・ベニング/アメリカ/ビデオ/103分/2011)
<R>ザ・フューチャー
1作品91分

IFF2003で作家特集を行なったミランダ・ジュライの長編第2作。2011年のベルリン国際映画祭のコンペティション部門で上映された。前作『キミとボクの虹色の世界』に比べダークで、孤独と喪失の感覚が切実に観る者を捉える。「未来」の希望と恐怖についての物語。
  • ザ・フューチャー(ミランダ・ジュライ/アメリカ・ドイツ/35ミリ/91分/2011)
<ブレイキング・グラウンド オーストリア・アヴァンギャルド映画の60年> 

映画史上もっともラディカルな映画を生み出し、世界映画で特異な位置を確立しているオーストリア・アヴァンギャルド。第二次世界大戦の国家社会主義による抑圧から解放されたのち、それに対する反発として、それまでの美学や、映画が持っていた思想を徹底的に破壊し、新たな表現の伝統を築き上げた、その60年の歴史を概観する。 

『モザイク・メカニック』
『アローン』
『ボルゲート』

<X1>ブレイキング・グラウンド1
アクション!

11作品76分

  • 映画である。1--運動と時間(グスタフ・ドイチュ/オーストリア/16ミリ/15分/2002)
  • シェーンベルク(ゲルハルト・エルトル/オーストリア/16ミリ/3分/1990)
  • イエス?ウィ?ヤー?(トーマス・ドラーシャン/オーストリア/16ミリ/4分/2002)
  • ミラー・メカニクス(トーマス・ドラーシャン/オーストリア/16ミリ/4分/2002)
  • サブローザ(カロエ・ゴルト/オーストリア/ビデオ/3分/2004)
  • アーヌルフ・ライナー(ペーター・クーベルカ/オーストリア/35ミリ/6分/1960)
  • ヴィーナスの誕生(モウクル・ブラックアウト/オーストリア/35ミリ/5分/1970-72)
  • サンセット大通り(トーマス・コーシル/オーストリア/16ミリ/8分/1996)
  • ヴィスラ(ヨーゼフ・ダベアニヒ/オーストリア/16ミリ/8分/1996)
  • ボディー・ポリティクス(ヴァリー・エクスポート/オーストリア/ビデオ/3分/1974)
  • 光と音の機械へのインストラクション(ペーター・チェルカススキー/オーストリア/35ミリ/17分/2005)
<X2>ブレイキング・グラウンド2
コンクリート・フォルム

13作品91分

  • クアドロ(ロッテ・シュライバー/オーストリア/ビデオ/10分/2002)
  • Besenbahn(ディトマー・オッフェンウーバー/オーストリア/ビデオ/10分/2001)
  • 人間的スポット―立方体1(アクゼル・コルティ/オーストリア/ビデオ/1分/1971)
  • ジョン・ロートナー(デザート・ホット・スプリングス・モーテル ザーシャ・ピルケル/オーストリア/ビデオ/10分/2007)
  • Void.Seqz 5 n:ja(アンナ・ロートガッサー/オーストリア/ビデオ/5分/2009)
  • 人間的スポット―立方体2(アクゼル・コルティ/オーストリア/ビデオ/1分/1971)
  • ハイパーブリー(ヴァリー・エクスポート/オーストリア/ビデオ/7分/1973)
  • ランダム(マルク・アドリアン/オーストリア/35ミリ/5分/1963)
  • クロノモプス(ティナ・フランク/オーストリア/ビデオ/2分/2004)
  • 人間的スポット―立方体再び(アクゼル・コルティ/オーストリア/ビデオ/1分/1971)
  • 人間_抑圧_の_未来(ミヒャエラ・シュヴェントナー/オーストリア/35ミリ/5分/2002)
  • シー・コンクリート・ヒューマン(機能不全#1)(ミヒャエル・パルム/オーストリア/35ミリ/29分/2001)
  • マキネーション84(lia/オーストリア/ビデオ/5分/2010)
<X3>ブレイキング・グラウンド3
映画再訪

7作品81分

  • アローン(アンディー・ハーデイーの無駄な人生 マーティン・アーノルド/オーストリア/16ミリ/15分/1998)
  • ボルゲート(ロッテ・シュライバー/オーストリア/ビデオ/15分/2008)
  • アウタースペース(ペータ・チェルカススキー/オーストリア/35ミリ/10分/1999)
  • 映画である。7--コミック(グスタフ・ドイチュ/オーストリア/35ミリ/19分/2002)
  • モザイク・メカニック(ノルベルト・プファッフェンビヒラー/オーストリア/35ミリ/9分/2008)
  • ピクチャー・アゲイン(リンダ・クリスタネル/オーストリア/16ミリ/10分/2003)
  • すばしこい茶色の狐が怠け犬を飛び越す(ヨハン・ルーフ/オーストリア/35ミリ/3分/2009)


Q&A予定:ノルベルト・プファッフェヘンビヒラー
<X4>ブレイキング・グラウンド4
日々のあれこれ

8作品67分

  • ヘルナルス(ハンス・シューグル/オーストリア/16ミリ/11分/1967)
  • バイクトラブル(カロラ・デアトニヒ/オーストリア/ビデオ/5分/1998)
  • 細工された断片(マーティン・アーノルド/オーストリア/16ミリ/16分/1989)
  • 『細工された断片』の後(アルベルト・ザックル/オーストリア/16ミリ/9分/1998)
  • ホテル・ロッカルバ(ヨーゼフ・ダベアニヒ/オーストリア/35ミリ/10分/2008)
  • ボディー・ビルディング(エルンスト・シュミット・Jr./オーストリア/16ミリ/9分/1965-66)
  • 居間(ザビーネ・ヒーブラー+ ゲルハルト・エルトル/オーストリア/16ミリ/5分/1991)
  • ありがとう、とてもうれしいです(マラ・マテシュカ/オーストリア/16ミリ/2分/1987)
<X5>ブレイキング・グラウンド5
AからZそしてまたAへ

9作品71分

  • 到着(ペータ・チェルカススキー/オーストリア/35ミリ/2分/1997-98)
  • Luukkaankangas--アップデート、再訪(ダリウズ・コワルスキー/オーストリア/ビデオ/7分/2005)
  • Mir mig men(カロエ・ゴルト/オーストリア/ビデオ/5分/2002)
  • パーフェクト2(ディトマー・ブレーム/オーストリア/16ミリ/12分/1982)
  • フィルム―幻影演習(リーズル・ポンガー/オーストリア/35ミリ/4分/1983)
  • 付加的転移(ヴァリー・エクスポート/オーストリア/ビデオ/10分/1973)
  • 15/67 TV(クルト・クレン/オーストリア/16ミリ/4分/1967)
  • アルプス流マッサージ(ミヒャエラ・シュヴェントナー/オーストリア/ビデオ/8分/2006)
  • ヴェルティゴ・ラッシュ(ヨハン・ルーフ/オーストリア/35ミリ/19分/2007)
<X6>ブレイキング・グラウンド6
君の瞳に

8作品73分

  • ネオン(ニック・トーネン+ ティモ・ノヴォトニー/オーストリア/ビデオ/5分/2003)
  • リーガル・エロリスト(マラ・マテシュカ+ クリス・ヘリンク/オーストリア/15分/2005)
  • つばを吐く(フリードル・フォン・グレラー/オーストリア/35ミリ/2分/2000)
  • マリア・ラッスニヒのバラード(マリア・ラッスニヒ+フーベルト/ジーレッキ/オーストリア/35ミリ/8分/1992)
  • プルオーバー(ギュンター・ブルス/オーストリア/16ミリ/3分/1967)
  • 8/6(アナ―アクション・ブルス クルト・クレン/オーストリア/16ミリ/3分/1964)
  • 11月(ヒト・シュテイエル/オーストリア/ビデオ/25分/2004)
  • コピーショップ(ヴィルギル・ヴィドリッヒ/オーストリア/35ミリ/12分/2001)
<X7>ブレイキング・グラウンド7
畏敬を込めて

9作品78分

  • 露出(ジークフリート・A・フルハウフ/オーストリア/16ミリ/9分/2001)
  • シュヴェヒャター(ペーター・クーベルカ/オーストリア/35ミリ/1 分×2/1957-58)
  • アイリス(マリア・ラッスニヒ/オーストリア/16ミリ/10分/1971)
  • バロメーター(フリードル・フォン・グレラー/オーストリア/35ミリ/3分/2001)
  • 裸のウィーン女性:ピンナップの歴史(エルンスト・シュミット・Jr./オーストリア/16ミリ/9分/1983)
  • TV+VTワークス(ペーター・ヴァイベル/オーストリア/ビデオ/18分/1969-72)
  • 目を閉じて(ビリー・ロイス/オーストリア/ビデオ/13分/2009)
  • 男・女・動物(ヴァリー・エクスポート/オーストリア/16ミリ/10分/1970-73)
  • 22/69 ハッピー・エンド(クルト・クレン/オーストリア/16ミリ/4分/1969)
<X8>ブレイキング・グラウンド8
時の流れ

8作品79分

  • NS トリロジー・パート2:フィーリング・カゼット(ジリンダ・クリスタネル/オーストリア/16ミリ(ビデオ版)/14分/1997)
  • ナイトスティル(エルケ・グローエン/オーストリア/35ミリ/9分/2007)
  • 芸術と革命(エルンスト・シュミット・Jr./オーストリア/16ミリ/2分/1968)
  • 55/95(グスタフ・ドイチュ/オーストリア/16ミリ/1分/1994)
  • 第三帝国(アルフレ―ト・カイザー/オーストリア/16ミリ/29分/1975)
  • チトー--マテリアル(エルケ・グローエン/オーストリア/5分/1998)
  • シティースケープス(ミヒャエラ・グリル+ マルティン・シュティーヴェルト/オーストリア/35ミリ/16分/2007)
  • 20/68愛しい人(クルト・クレン/オーストリア/16ミリ/3分/1968)
<X9>ブレイキング・グラウンド9
誰のリアリティー?

4作品69分

  • 6/64 ママとパパ(クルト・クレン/オーストリア/16ミリ/4分/1964)
  • 身体の跡(ミヒャエル・パルム/オーストリア/16ミリ/4分/2008)
  • フォルスト(アスカン・ブロイヤー+ウルズラ・ハンスバウアー+ ヴォルガング・コンラッド/オーストリア/ビデオ/50分/2005)
  • 午後、どこかで(エラ・ライデル/+リン・ホンジョン/オーストリア/ビデオ/11分/2007)
<X10>ブレイキング・グラウンド10
隣人を訪ねて

4作品101分

  • その頃の夜は(ヘルベルト・ヴェセリー/オーストリア/35ミリ/23分/1952)
  • 東アフリカ(ディトマー・ブレーム/オーストリア/16ミリ/6分/1993)
  • 太陽よ止まれ!(フェリー・ラダックス/オーストリア/35ミリ/25分/1959-60)
  • キー・ウェスト(トーマス・エイゲルスライター/オーストリア/5分/2002)
  • 映画である。9 -- 征服(グスタフ・ドイチュ/オーストリア/35ミリ/18分/2002)
  • パッサージュ(リーズル・ポンガー/オーストリア/35ミリ/11分/1996)
  • アフリカへの旅(ペーター・クーベルカ/オーストリア/16ミリ/13分/1961-66)
<ローザンヌ・アンダーグラウンド・フィルム・フェスティバル提携企画 LUFF does Tokyo> 

実験映画とB級ホラー、クィア・フィルムとノイズ・ミュージックが混交するスイスの異形の映画祭、ローザンヌ・アンダーグラウンド・フィルム・フェスティバルとの提携で7個のプログラムを上映。"論争とカウンター・カルチャー"をテーマに集められたアンダーグラウンドの神髄。 

『ジョルジエット・ムニエール』
『ジョルジエット・ムニエール』
『女体拷問人グレタ』

<Y1>LUFF does Tokyo 1
ジョルジエット・ムニエール

1作品83分

  • ジョルジエット・ムニエール(ターニャ・シュテックリン+レイ・コクエ/ スイス+ドイツ/35ミリ/83分/1989)
<Y2>LUFF does Tokyo 2
女体拷問人グレタ

1作品95分

  • 女体拷問人グレタ(ジェス・フランコ/スイス/35ミリ(ビデオ版)/95分/1977)
<Y3>LUFF does Tokyo 3
キャロル・ロッソプロス カメラを持った女

1作品80分

  • キャロル・ロッソプロス カメラを持った女(エマニュエル・ド・リードマッテン/スイス/ビデオ/80分/2012)


Q&A予定:エマニュエル・ド・リードマッテン
<Y4>LUFF does Tokyo 4
スイス短編集1

11作品59分

  • もうひとつの都市(カルロ・イッポリート/スイス/35ミリ/2003)
  • ラウバーホルン大会の夏(ダニエル・ツィマーマン/スイス/35ミリ/5分/2007)
  • シャイアン(アレクサンダー・マイヤー/スイス/35ミリ/5分/2004)
  • 回復した週末(ゲルト・ゴッケル+キルステン・ヴィンター/スイス/35ミリ/5分/2004)
  • 幸福(アンドレイ・ゾロツキン/スイス/ビデオ/3分/2005)
  • チェバプチチ(ヨーナス・マイヤー/スイス/ビデオ/5分/2005)
  • 27年間(レイモンド・ヘプフリンガー/スイス/ビデオ/1分/2008)
  • 親友たち(ルイジ・アルケッティ+ボー・ウィジェット/スイス/ビデオ/7分/2009)
  • 音楽機械(ヨナス・マイヤー/スイス/ビデオ/3分/2008)
  • 芝を刈るもの(ベルンハルト・ツィッツ/スイス/ビデオ/12分/2009)
  • 駅(クリスティーナ・ベンツ/スイス/ビデオ/3分/2008)
<Y5>LUFF does Tokyo 5
スイス短編集2

11作品56分

  • スイス30秒(クリス・ニーマイアー/スイス/1分/ビデオ/2005)
  • 回転(クリスティーナ・ベンツ/スイス/ビデオ/3分/2006)
  • TIQQUN(リカルド・ダ・シウバ/スイス/ビデオ/4分/2008)
  • 炎の中の血(ジェイソン・ブランデンブルク/スイス/ビデオ/6分/2007)
  • ダークルーム(バート・ヴァセム/スイス/ビデオ/3分/2005)
  • シティー・ワスプ(シュテファン・ヴィッキ+スティーブン・トッド/スイス/ビデオ/6分/2007)
  • ステーキハウス(エリーザ・フラウエンフェルダー/スイス/ビデオ/7分/2012)
  • 遺体(フィリップ・ラミー/ビデオ/9分/2007)
  • PROON(サラ・トケッティ/スイス/ビデオ/3分/2010)
  • マイクロベンド(ミシェル・ペネク/スイス/ビデオ/12分/2011)
  • LUFF2005(セバスチャン・リオンド/スイス/ビデオ/2分/2005)


Q&A予定:リカルド・ダ・シウバ
<Y6>LUFF does Tokyo 6
習慣を断て+ ペーター・リヒティ短編集

3作品67分

  • 習慣を断て(ペーター・リヒティ/スイス/16ミリ/40分/1989)
  • 垂直/平行(ペーター・リヒティ/スイス/ビデオ/8分/1985)
  • 希望の劇場(ペーター・リヒティ/スイス/スーパー8(ビデオ版)/19分/1987)
<Y7>LUFF does Tokyo 7
虫の音

1作品88分

  • 虫の音(ペーター・リヒティ/ 原作:島田雅彦「ミイラになるまで」/スイス/35ミリ/88分/2009)



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