カンヌ映画祭 「監督週間」の40年をふりかえって

photo_03.jpg東京日仏学院では「カンヌ映画祭「監督週間」の40年をふりかえって」と銘打って、カンヌ「監督週間」40周年を記念した特集上映を行なっている。日本では中々スクリーンで目にすることができないレアな傑作が目白押し。68 年5月革命直後に設立されたこの部門の特徴をよく表した作品ラインナップは、同部門の作品選考委員の一人であり、『カイエ・デュ・シネマ』などで映画批評を執筆している批評家ステファン・ドゥロームがセレクトしたもの。特集上映終盤の、ドゥローム氏と東京フィルメックス・プログラムディレクター、市川尚三氏との対談も見逃せない。
2009.4.13 update

2009年4月4日(土)~2009年4月27日(月)
開場:上映20分前
会員 : 500円
一般 : 1000円
場所 : 東京日仏学院エスパス・イマージュ
お問い合わせ:東京日仏学院(03-5206-2500)
公式サイト:http://www.institut.jp/ 






上映スケジュール
4月18日(土)
11:00(2時間6分)
インディアン・ランナー
ジョーン・ペン
14:00(1時間52分)
囚われの女
シャンタル・アケルマン
17:00(1時間45分)
愛のコリーダ
大島渚
19:30(2時間6分)
インディアン・ランナー
ジョーン・ペン
4月19日(日)
19:30
闇を見つめる羽根(17分) 
辻直之
一緒にいて(1時間33分)
エリック・クー
4月21日(火)
19:00(2時間23分)
茶の味 
石井克人
4月22日(水)
13:30(1時間52分)
囚われの女
シャンタル・アケルマン
16:30(1時間32分)
パリの中で
クリストフ・オノレ
※当日12時半よりチケット発売
4月24日(金)
14:00(1時間40分)
処女の寝台
フィリップ・ガレル
16:30(2時間)
サラマンドル
アラン・タネール
19:00(1時間32分)
パリの中で
クリストフ・オノレ
※当日13時よりチケット発売
4月25日(土)
11:00(2時間30分)
オルエットの方へ 
ジャック・ロジエ
マイルストーン
ロバート・クレイマー、
ジョン・ダグラス
14:30(1時間43分)
ワンダ
バーバラ・ローデン
17:00(2時間23分)
茶の味
石井克人
※当日10時よりチケット発売
4月26日(日)
11:00(2時間)
サラマンドル
アラン・タネール
14:00(2時間30分)
オルエットの方へ 
ジャック・ロジエ
マイルストーン
ロバート・クレイマー、
ジョン・ダグラス
17:30(1時間35分)
たぶん悪魔が
ロベール・ブレッソン
※上映後、ステファン・ドローム(映画批評家)と市山尚三(東京フィルメックス・プログラムディレクター)の対談あり
※当日10時よりチケット発売
4月27日(月)
13:30(1時間40分)
処女の寝台
フィリップ・ガレル
16:00(1時間35分)
たぶん悪魔が
ロベール・ブレッソン
18:30(1時間43分)
ワンダ
バーバラ・ローデン
※当日12時半よりチケット発売
作品ピックアップ
ここにピックアップした作品は、いずれも日本では劇場でもDVDでも観ることが難しい幻の傑作ばかり。日本語字幕ではなく、英語字幕のものもあるが、これを機会に貴重な映画体験に果敢に挑戦してほしい。

© DR
『囚われの女』
監督:シャンタル・アケルマン
出演:シルヴィ・テスチュ/スタニスラフ・メラール/オリヴィア・ボナミ
(フランス・ベルギー、2000年、112分、35ミリ、カラー、英語字幕付き)
マルセル・プルースト『失われたときを求めて』の一篇、『囚われの女』の映画化。ヒッチコックの『めまい』を想起させるこの作品は、アケルマンの代表作のひとつとされている。
© DR
『パリの中で』
監督:クリストフ・オノレ
出演:ロマン・デュリス、ルイ・ガレル、ギィ・マルシェ、ジョアンナ・プレイス
(2006年、92分、35ミリ、カラー、英語字幕付き)
スタイリッシュな現代ヌーヴェルヴァーグの映画作家、クリストフ・オノレ監督の『ママン』に続く、長編第3作目。以降『パリ、愛のうた』『美しい人』と続く、パリ3部作の最初の作品となった。
© DR
『処女の寝台』
監督:フィリップ・ガレル
出演:ピエール・クレマンティ/ティナ・オモン/ズーズー
(フランス、1969年、100分、35ミリ、モノクロ、字幕無し、作品解説配布)
"孤高"のシネアスト、フィリップ・ガレル1969年の作品。1968年の5月革命直後のパリの観客は、この映画に当時の政治的抑圧の現状を読み取り、共感したという。
© DR
『サラマンドル』
監督:アラン・タネール
出演:ビュル・オジエ、ジャック・ドゥニ、ジャン=リュック・ビドー
(スイス、1971年、120分、35ミリ、モノクロ、日本語字幕付き)
ヌーヴェルヴァーグと同世代のスイスの映画作家、アラン・タネールの『白い町で』と並ぶ代表作のひとつ。主演は、2006年『夜顔』(オリヴェイラ監督)での元気な姿が記憶に新しいビュル・オジエ。
© DR
『オルエットの方へ』
監督:ジャック・ロジエ
出演:ベルナール・メネズ、キャロリーヌ・カルティエ、フランソワーズ・ゲガン
(フランス、1971年、150分、35ミリ、カラー、英語字幕付き)
ジャック・ロジエ(『アデュー・フィリピーヌ』)の長篇2作目。商業的成功には恵まれないが、ヌーヴェルヴァーグの重要人物としてJLGからもリスペクトされる映画作家の秘密に触れる絶好の機会到来!
 
以下に変更になりました。
『マイルストーン』
(アメリカ/1975年/195分/35ミリ/カラー/仏語字幕付)
※ニュープリント修復版
監督:ロバート・クレイマー、ジョン・ダグラス
60年、70年代のアメリカ合衆国で社会問題を前に、過激な解決方法を模索してい た者たちをさまざまな角度から描いたドキュメンタリー。
© Gaumont
『たぶん悪魔が』
監督:ロベール・ブレッソン
出演:アンリ・ド・モブラン、アントワーヌ・モニエ、ティナ・イリサリ
(フランス、1977年、95分、35ミリ、カラー、日本語字幕付き)
1977年、ロンドンではセックス・ピストルズの「勝手にしやがれ!!」がリリースされ、ニューヨークでは、リチャード・ヘル、トーキング・ヘッズ、パティ・スミスらがNYパンクの産声を上げた。そんな時代のリアリティを捉えた、ブレッソン12作目の長編作品。


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