2012.11.26 update |
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上映プログラム |
©1942 松竹株式会社 | 『父ありき』 1942年/モノクロ/35ミリ/97分/英語字幕版 With English Subtitles 監督:小津安二郎 出演:笠智衆、佐野周二 妻を亡くし、男手ひとつで息子を育て上げた元教員の生涯を描く。笠智衆演じる父親の、子どもを思う心情が切々と胸に迫る。子ども時代と成長してからの、親子で流し釣りをする姿が強く印象に残る名編。小津生誕100年のシンポジウムの際にパネリストで参加したペドロ・コスタが「小津はパンクだ」と発言し、話題となった。 |
『吸血鬼』 1930-31年/モノクロ/35ミリ/82分 監督:カール・ドライヤー 映画史上最も偉大な作家の一人、カール・ドライヤーが前衛的カメラワークと音楽で作り上げた怪奇映画の古典。村へやってきた旅の青年は、不気味な宿で衰弱した娘を発見し、やがて姿の見えぬ吸血鬼との闘いにいたる。ドライヤーが自分自身のプロダクションを立ち上げて撮影した初のサウンド映画で、極度におさえられた台詞や、名手ルドルフ・マテの撮影による夢とも現実ともつかない淡いモノクロ映像が恐怖を感じさせる。 |
『トラス・オス・モンテス』 1976年/カラー/35ミリ/111分 監督・録音・編集:アントニオ・レイス、マルガリータ・コルデイロ 出演:トラス・オス・モンテスの住民たち ポルトガル現代詩を代表する詩人アントニオ・レイスが、精神科医マルガリータ・コルデイロと共に作り上げた70年代ポルトガル映画を代表する傑作。 幾重にも重なる村の時間と記憶。川遊びなどに興じる子供たちの姿が、春夏秋冬、過去と未来が交錯する夢幻的な時間の中に浮かび上がる。フランスの批評家たちを驚嘆させ、ペドロ・コスタにも大きな影響を与えたという作品。 |
『アニキ・ボボ』 1942年/モノクロ/35ミリ/71分 監督・脚本:マノエル・ド・オリヴェイラ 出演:ナシメント・フェルナンデス、フェルナンダ・マトス、オラシオ・シルヴァ 104歳にして未だ現役のポルトガル人映画作家、オリヴェイラの驚嘆すべき長篇デビュー作。傍らをドゥーロ川が流れ、陽光降り注ぐポルトの街を舞台に、自由に躍動する少年少女たちを活写してネオレアリズモの先駆的作品と見なされている。「アニキ・ボボ」とは警官・泥棒という遊びの名前。街角の路地に息づく人々の詩情を描きながら、子供たちに宿る残酷さと友愛を大胆に描き切った。 |
© Roy Export S.A.S. All Rights Reserved. | 『街の灯』 1931年/モノクロ/35ミリ/86分/サイレント 監督・出演:チャールズ・チャップリン 不景気で風彩もあがらず、服装もみすぼらしく、職もなく住むところもない男はひとり気ままなフーテン暮らし。そんな彼がひとりの娘に恋をした。街角で花を売っている、盲目の貧しい娘。彼は彼女の目を治す為に、金を稼ごうと一大決心をする。ひとりの男と盲目の娘との愛のやりとりを、パントマイムと僅かな字幕で表現し、儚く哀しい愛を可笑しみの中に描いた、映画史に残る傑作。 |
『エンペドクレスの死』 1986年/カラー/35ミリ/132分 監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ ドイツの詩人、フリードリヒ・ヘルダーリンの1798年執筆の未完の二幕悲劇をストローブ=ユイレが脚色し、映画化した。「決して変化しない元素が、愛や憎しみによって結合・分離することで存在は変化して見える」と説いた古代シチリアの詩人哲学者エンペドクレスが民衆と訣別し、自ら死を選ぶまでが、シチリアのラグーサとエトナ山中腹を舞台に、難解ながら流麗な詩句で物語られる。 |
『バルタザールどこへ行く』 1966年/モノクロ/35ミリ/95分 監督:ロベール・ブレッソン 出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー、ヴァルター・グリーン フランス、ピレネー山麓の小さな村を舞台に、バルタザールと名づけられた一頭のロバと少女マリーがたどる悲劇的運命をとおして人間の受難と罪悪を描く。後に『中国女』『ワン・プラス・ワン』などのゴダール作品を筆頭に多くの映画に出演し、作家としても知られる女優、アンヌ・ヴィアゼムスキーの初出演にして代表作。他のブレッソン作品と同様に演技経験のない素人を起用し、撮影された。 国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品 |
© 1967-ARGOS FILMS-ANOUCHKA FILMS-LES FILMS DU CAROSSE-PARC FILM | 『彼女について知っている二、三の事柄』 1967年/カラー/35ミリ/87分 監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:マリナ・ヴラディ、アニー・デュプレー 鬼才J=L・ゴダールが雑誌に掲載された実話をもとに主婦たちの売春を描いた異色作。パリ近郊の団地に住む主婦たちの売春というショッキングなテーマながら、戦後フランスの経済成長と、そこで暮らす人々、急速な資本主義を批判したゴダールのアイロニカルな視点が垣間見える。ヌーヴェル・ヴァーグの盟友、F・トリュフォーが製作を担当し、フランス映画界の一線で活躍したマリナ・ヴラディが日常に飽き足らない主婦を妖艶に演じている。 |
『アンドレイ・ルブリョフ』 1967年/モノクロ&カラー/35ミリ/182分 監督:アンドレイ・タルコフスキー 出演:アナトリー・ソロニーツィン、イワン・ラビコフ、ニコライ・グリニコ モスクワ・アンドロニコフ修道院で修業を積んだアンドレイたち僧侶は、旅芸人が権力を風刺して捕えられるのを目撃する。圧制に苦しむ民衆を目の当たりにしてアンドレイの苦悩は深まる。ロシアの伝説的イコン画家アンドレイ・ルブリョフの生涯を描き、10のエピソードにより、15世紀のロシアと人間、社会と民衆を重層的に積み上げて映画を構成し、知られざる歴史の真実に迫った意欲作。 |
『ヴァンダの部屋』 2000年/カラー/35ミリ/178分 監督:ペドロ・コスタ 商業映画の世界に失望したペドロ・コスタが、リスボンの捨てられた街、フォンタイーニャス地区に2年間、カメラを据え製作され、世界を震撼させた代表作。取り壊される街の騒音の中、3メートル四方の小さな部屋に住むヴァンダ・ドゥアルテ。ヴァンダを中心として、人と街を見つめ続けるカメラが、美しく濃密な映像と消え去ろうとしている時間を観客と共有し始める。 |
『コロッサル・ユース』 2006年/カラー/35ミリ/155分 監督:ペドロ・コスタ 『ヴァンダの部屋』に続き、再び、ペドロ・コスタがリスボンのフォンタイーニャス地区にカメラを向けた。アフリカのカーポ・ヴェルデから移り住み34年間、この地区に住んできたヴェントゥーラ。彼は妻に家を出て行かれ、貧民窟と建てられたばかりの近代的な集合住宅の間を行き来し、人々を訪ね歩く。ヴェントゥーラが口にする言葉と、自らのペンで紡ぎだす手紙。そこには人間と土地についての壮大な叙事詩が立ち現れてくるのだった。 |
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