(上原輝樹) |
2012.9.24 update |
|
アジア映画の森 新世紀の映画地図 石坂健治、市山尚三、野崎歓、松岡環、門間貴志 [監修] 夏目深雪、佐野亨 [編集] | |
グローバル化とクロスメディアの波のなかで、進化しつづけるアジア映画。東は韓国から西はトルコまで――。鬱蒼たる「映画の森」に分け入るための決定版ガイドブック。アートからエンタテインメントまで国別の概論・作家論とコラムで重要トピックを網羅! 作品社 定価:本体2,800円 [税別] ※当日、会場でも販売あり |
↑ |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
↑ |
上映プログラム |
© mij film | 『亀も空を飛ぶ』 2004年/97分 監督:バフマン・ゴバティ 米軍によるイラク侵攻前夜のイラク・クルディスタン地方に生きる子供たちをパワフルに描いた傑作。映画における魔術的リアリズムとも言うべき鮮烈な映像が見る者の心を撃つ。サン・セバスチャン映画祭グランプリを始め、数々の国際映画祭で高い評価を受けた。 |
『ブラックボード--背負う人--』 2000年/85分 監督:サミラ・マフマルバフ マフマルバフ・ファミリーの長女サミラが弱冠20歳で監督し、カンヌ映画祭審査員賞を受賞した作品。イランのクルディスタン地方を舞台に、戦争で学校を失い、黒板を背負って旅する教師たちが遭遇する出来事を描く。ゴバディが子供たちを引率する教師として出演。 |
↑ |
『花物語バビロン』 1997年/45分 ※デジタル上映 監督:相澤虎之助 バビロンの花は阿片の花。1人のバックパッカーの若者が、ある夜見た夢に導かれて歴史の闇に葬り去られようとしている東南アジアの少数民族、モン族の村へと向かう。東南アジア近現代史を総括する相澤虎之助のライフワークである、3部作「バビロンシリーズ」の第一弾。 |
『恐怖分子』 1986年/109分 監督:エドワード・ヤン ロカルノ国際映画祭銀豹賞などを受賞し"台湾ニューウェーヴ"の頂点に立った、ヤンの出世作。台北を舞台に、偶然に交錯し合う3組の男女の姿を描く。早朝の銃声。カメラマン志望の男が逃走する少女を撮影。大都市の見知らぬ男女が希薄な関係をたどってつながっていく。 |
↑ |
『下女』 1960年/108分 ※デジタル上映 監督:キム・ギヨン 韓国映画史を代表し、キム・ギヨンの最高傑作と称される作品。音楽家の平和な家庭が1人のメイドによって崩壊していく......。子役時代のアン・ソンギも出演。2008年のカンヌ映画祭で復刻上映され観客を熱狂の渦に巻き込んだ。2010年にはイム・サンス監督のリメイク作(邦題『ハウスメイド』)も登場した。 |
『玄海灘は知っている』 1961年/117分 ※デジタル上映 監督:キム・ギヨン 『下女』と並ぶキム・ギヨンの傑作。太平洋戦争末期、日本軍に徴用された朝鮮人兵士ア・ロウンが名古屋の駐屯地で体験する凄まじい差別と戦争の不条理。ラストの大空襲のシーンは語り草になっている。(画像・音声の欠落部分が数か所ありますが、当該箇所には字幕画面で説明が添えられています。) |
↑ |
『悪夢の香り』 1977年/95分 監督:キドラット・タヒミック 「宇宙飛行士を夢見るフィリピン人青年がパリへ移住するが、待っていたのはチューインガム工場の労働だった...。半自伝的な物語で、作家自身が主演し一人称で語るコメンタリーは植民地主義への批判がユーモラスな形で込められていた。」(「アジア映画の森」p231) |
『クリスマス・イブ』 2011年/87分 監督:ジェフリー・ジェトゥリアン 聖夜、アギナルド一家の留守宅が空き巣に荒らされる。盗まれた物から各人の抱える秘密があらわになっていく......。『もう一度』(04)『クブラドール』(06)の名匠ジェトゥリアンが描く緻密な室内劇。シネマラヤ映画祭グランプリ、東京国際映画祭2011最優秀アジア映画賞を受賞。 |
↑ |
『アピチャッポン・ウィーラセタクン短編集』 「弾丸」1993年/5分 「ダイヤル0116643225059をまわせ!」1994年/5分 「窓」1999年/12分 「この光、より多くの光」2003年/1分 「ハタナカ・マサトと撮るノキア」2003年/2分 「ヴァンパイア」2008年/19分 「木を丸ごと飲み込んだ男」2010年/10分 「ASHES」2012年/20分 監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン 「彼の短編やビデオアート作品は、実験映像の特色である既存の映画文法への挑戦と、新しい映画言語を模索する態度に貫かれている」(「アジア映画の森」p178)。シカゴ留学中に制作した処女作からビデオアートまで。作家自身が当企画のためにコーディネイトした短編集。 |
『ワールドリー・デザイアーズ』 2005年/40分 監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン 「物語や登場人物への興味の代わりに、カメラのゆっくりした動きや、昼夜のジャングルに人間が立ち入るときの音響的なざわめきが、鑑賞者のまわりを取り巻く環境として提示されている」 (「アジア映画の森」p178)。チョンジュ国際映画祭のコミッションで制作された中編映画。(日本語字幕なし、英語字幕付き) |
↑ |
『私のマーロンとブランド』 2008年/93分 監督:フセイン・カラベイ イスタンブールの女性が北部イラクの恋人とビデオレターで愛を育むが、戦火で連絡が途絶え、思い余った彼女は国境をめざす。トルコ、イラク、イラン、クルディスタンをめぐる道程でのさまざまな出会いと困難......。ユーモアと緊迫が交差する実話ストーリー。東京国際映画祭2008最優秀アジア映画賞受賞作。 |
『我が子、ジャン』 2011年/106分 監督:ラシト・チェリケゼル 男たるもの父でなければ―。因習に呑まれ、闇のルートで養子を取った夫が姿を消し妻の悲劇は始まる。過酷な現実社会で二人が行きついた先は。そして「我が子」とは。長編デビュー作が世界各国の映画祭で8つの賞を受賞したラシト・チェリケゼル監督による長編二作目。 |
↑ |
© 2006 Media Asia Films (BVI) Ltd. All Rights Reserved. | 『エグザイル/絆』 2006年/109分 ※デジタル上映 監督:ジョニー・トー 『ザ・ミッション/非情の掟』の俳優陣が再集結したハードボイルド・アクション。返還直前のマカオを舞台に、再会を果たしたマフィアの仲間たちの姿をスタイリッシュに描く。トー映画の真骨頂である壮絶な銃撃戦と男同士の絆のドラマに胸が熱くなる。 |
© 2008 Emperor Classic Films Company Limited All Rights Reserved. | 『ビースト・ストーカー/証人』 2008年/109分 監督:ダンテ・ラム 日本では『密告・者』でブレイクしたダンテ・ラム監督による犯罪ドラマ。ある事件で少女を死なせてしまった過去をもつ刑事と少女の母親、そして彼女のもう一人の娘を誘拐した犯人の関係をめぐる因縁の物語。ニコラス・ツェーのハードな演技が光る。 |
↑ |
『イスラエル映画史 第1部+第2部』 2009年/第1部103分+第2部104分 監督:ラファエル・ナジャリ ユダヤ教正統派の家族における父親の失踪を描いた傑作『テヒリーム』で2007年東京フィルメックス最優秀作品賞を受賞したラファエル・ナジャリによるドキュメンタリー。シオニズム運動、パレスチナ問題、周辺諸国との絶え間ない紛争、等々、常に政治的・社会的問題の影響にさらされてきたイスラエル映画の変遷を膨大な資料映像と数々の映画関係者へのインタビューを駆使し、独自の視点から描く。第1部では1933年から1978年まで、第2部では1978年から2005年に至る時代が扱われている。 |
↑ |
『占い師』 2009年/129分 監督:徐童(シュー・トン) 主に場末の娼婦たちを相手に占い師として生計をたてている障害者の夫婦とその周辺の人々に密着したドキュメンタリー。急成長を続ける中国経済とは裏腹に、社会の底辺に生きる人々の逞しさがユーモアを交えて生き生きと描写される。シュー・トンの監督第2作。 |
『ピアシングI』 2009年/74分 監督:劉健(リュウ・ジェン) 交通事故に遇った老婆を病院に連れていった男が事故の犯人に疑われて警察に拘束されるという中国で実際に起こった事件を映画化。中国インディペンデント映画界から生みだされた初の長編アニメーション映画として数々の国際映画祭で高い評価を受けた話題の作品。 |
↑ |
『オーム・シャンティ・オーム』 2007年/162分 ※デジタル上映 監督:ファラー・カーン 大部屋俳優オームは、密かに恋する人気女優シャンティを助けようとして彼女と共に命を落とす。同じ時に赤ん坊オームが誕生、30年後 スターとなった彼は前世の記憶を取り戻すが......。絢爛豪華な歌と踊りに乗せて贈る、恋と因縁と復讐の物語。インドでは2007年の興行収入第一位を記録。 |
Comment(0)