アンヌ・ヴィアゼムスキー特集上映



ロベール・ブレッソンの『バルタザールどこへ行く』の主演女優に大抜擢され、"日記を続けるのは素晴らしいことだ。ブレッソンが何かおかしな事をしたら、後で復讐できるからな!"という祖父フランソワ・モーリアックの不穏な冗談を汚らわしいと感じたという、繊細な少女時代を平明な文体で回想したアンヌ・ヴィアゼムスキーの小説『少女』の出版を記念して、東京日仏学院で彼女の出演作品の特集上映が行なわれる。ご本人のトークショーも予定されている必見の特集上映!

<以下、リリースより転用>
60~70年代の映画史を生きた少女、アンヌ・ヴィアゼムスキーが当時の記憶を記した著書『少女』の邦訳出版(白水社より)を記念して、著者を東京日仏学院に迎え、彼女の主演作を上演いたします。
70年代、80年代の映画を変革した作家たち、ブレッソン、ゴダール、パゾリーニ、ガレルらにインスピレーションを与え、彼らの映画にとってかかせない存在であった女優、アンヌ・ヴィアゼムスキー。彼女は、その後、文学の道に進み、自分自身の言葉で語り始めました。最新の著作『少女』は、彼女が18歳の夏に主演したロベール・ブレッソンの『バルタザールどこへ行く』の撮影について、そこで味わった初めての体験について語っています。本作の邦訳出版を記念し、ヴィアゼムスキー出演の映画の中から、珠玉の作品をご紹介いたします。
2010.11.8 update
2010年11月14日(日)~18日(木)
会場:東京日仏学院エスパス・イマージュ
入場料金(当日券のみ):会員 500円、一般 1,000円(1回目の上映の1時間前よりすべての回のチケットを発売します。)
※『中国女』は、無字幕に変更のため、会員無料、一般500円とさせて頂きます。
上映スケジュール
11月14日(日)
11:00
中国女
(95分)

13:30
ウラジミールとローザ
(96分)
16:00
テオレマ
(99分)

11月15日(月)
13:00
テオレマ
(99分)

16:00
東風
(100分)
18:30
ウラジミールとローザ
(96分)

11月16日(火)
13:30
秘密の子供
(92分)

16:00
中国女
(95分)
19:00
東風
(100分)

10月17日(水)
16:00
秘密の子供
(92分)

18:30
バルタザールどこへ行く
(96分)
上映後、アンヌ・ヴィアゼムスキーのトークショーあり
(司会:四方田犬彦)
11月18日(木)
16:30
バルタザールどこへ行く
(96分)
19:00
秘密の子供
(92分)





※プログラムは予告無く変更されることがあります。あらかじめご了承下さい。
※開場:20分前
上映プログラム

『中国女』
フランス/1967年/96分/35ミリ/カラー/英語字幕 無字幕
監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー、ジャン=ピエール・レオ、ジュリエット・ベルト 

1967年の夏、大人たちがバカンスに出た留守の家に5人の若者が集い、合宿を始める。哲学科の女子学生ヴェロニク、画家キリロフ、経済学者アンリ、元売春婦イヴォンヌ、俳優ギョームは、連日マルクス・レーニン主義の学習を繰り広げ、北京放送を聴くに従いそれぞれ熱烈なマオイストとなる。そして、思想を行動に移そうと、反動的な文化相の暗殺を企てるが...。アンヌ・ヴィアゼムスキーは、郊外電車で偶然出逢った哲学者フランシス・ジャンソン(本人)と議論を戦わせるヴェロニクを演じている。
『ウラジミールとローザ』
フランス/1970年/96分/デジタル上映/カラー/無字幕
監督:ジガ・ヴェルトフ集団
出演:ジャン=リュック・ゴダール、ジャン=ピエール・ゴラン、イヴ・アフォンソ、ジュリエット・ベルト、アンヌ・ヴィアゼムスキー 

1968年8月のシカゴ民主党大会で騒乱を画策したとしてトム・ヘイデンをはじめとするヴェトナム反戦の戦闘的活動家が起訴された、いわゆる「シカゴ・セブン事件(シカゴ・エイト事件)」の裁判記録を基にした、風刺劇。ゴダールとゴランはそれぞれ、ウラジミール・レーニンとカール・ローザと名乗り、道化を演じる。シカゴ・セブン事件の模擬裁判や、被告たちの日常生活を芝居で見せ、コメントやインタビューをつけている。アンヌ・ヴィアゼムスキーは、戦闘的女性運動家アンヌを演じる。
『テオレマ』
イタリア/1968年 /98分/DVD/カラー/日本語字幕
監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ
出演:テレンス・スタンプ、シルヴァーナ・マンガーノ、アンヌ・ヴィアゼムスキー、マッシモ・ジロッティ 

ミラノ郊外に住む、工場経営者のブルジョア家庭に一通の電報と共に現れたひとりの男。一家と男との奇妙な共同生活とその終焉。男が立ち去ったあと、残された家族は不可思議な行動を取り始める。アンヌ・ヴィアゼムスキーは、この作品でパゾリーニに気に入られ、『豚小屋』(69年)にも引き続き出演する。 

『テオレマ』 DVD発売中 税込¥5,040 発売元:IMAGICA TV
『東風』
フランス=イタリア=ドイツ/1969年/100分/16ミリ/カラー/日本語字幕
監督:ジガ・ヴェルトフ集団
出演:ジャン・マリア・ヴォロンテ、アンヌ・ヴィアゼムスキー、クリスチャーナ・トゥリオ・アルタン 

アメリカ映画の典型としての西部劇がパロディ化され、当時のヨーロッパで吹き荒れた無政府主義とマオ主義の闘争が、過激なまでに解体された映像と音のコラージュによって描かれる。68年5月革命でリーダー的存在だったダニエル・コンバンディットがゴダールと共に脚本を担当し、出演もしている。
「政治映画として撮るのではなく、純粋に政治的に映画化する」(J-L・ゴダール)。
『秘密の子供』
フランス/1979年/92分/35分/モノクロ/日本語字幕
監督:フィリップ・ガレル
出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー、アンリ・ド・モブラン、フィリップ・ガレル 

映画監督のジャン=バチストは幼い息子スワンのいる女優のエリーと知り合い、愛し合う。互いの心のすき間を埋めることができないまま、エリーは徐々に薬物に依存し、二人の関係は壊れていく。ガレルの自伝的作品で、かつての恋人で、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの歌姫ニコをアンヌ・ヴィアゼムスキーが演じている。82年ジャン・ヴィゴ賞受賞。「人生のうちにこんなに幸福な撮影はなかったでしょう」(アンヌ・ヴィアゼムスキー)。
『バルタザールどこへ行く』
スウェーデン=フランス/1966年/96分/35ミリ/モノクロ/英語字幕
監督:ロベール・ブレッソン
出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー、フィリップ・アスラン、ナタリー・ショワイヤー、 ヴァルテル・グレーン 

農場にもらわれてきたロバのバルタザールと仲良しになったマリーはパパの都合で農場に行けなくなり、仲良しだったジャックとも離れ離れになってしまう。数年後、人手に渡り、重労働を課せられていたバルタザールは、美しく成長したマリーと再会するし、幸せな日々を取り戻す。しかし、チンピラのジェラールに付き従うようになった彼女は家に寄り付かなくなり、バルタザールにも構わなくなる。人手から人手へと渡っていくバルタザール。それぞれ理不尽な暴力に晒され、不幸な運命を辿るバルタザールとマリー。ジェラールに捨てられて農場に戻って来たマリーは、ジャックとバルタザールと再会するが...。


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