OUTSIDE IN TOKYO
SETA NATSUKI INTERVIEW

瀬田なつき『PARKS パークス』インタヴュー

3. 同じフレームには納まらない2人の目が合ってるっていうのは、
 映像でしか表現出来ない特殊なルール

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OIT:撮影自体は全体でどれくらいの期間ですか?
瀬田なつき:撮影は、3週間ちょっとですね。

OIT:一気に3週間まとめて?
瀬田なつき:そうですね、1日だけ3月末に冒頭と最後のシーンだけ桜に合わせて撮って、その後は22〜23日間で撮影をしました。

OIT:編集と撮影は分けてやってたんですか?
瀬田なつき:そうです、撮影が終わった後に編集期間が1ヶ月くらいです。

OIT:基本的には全部ロケですよね?音楽スタジオとかライブハウスは別として。
瀬田なつき:あとCMって言うんですかね、純の子ども時代と、部屋の壁が開くみたいなところ、壁に貼った昔の資料などが大きくなってるところは、セットで1日で撮りました。基本的にはほぼ井の頭公園とその周辺のロケです。

OIT:井の頭公園を知ってる人なら、公園の周りに住宅が隣接してる感じとか、そのまま上手く撮ってるなとわかる感じですよね。
瀬田なつき:そうですね、本当に公園の脇にある家をお借りしたりして、公園のリアルな地図上の位置関係の中で撮影しました。

OIT:純の部屋もリアルにある建物ですか?
瀬田なつき:そうです、リアルにある建物です。誰も住んでないアパートをロケハンで偶然見つけて、そこを美術の方に飾りつけてもらって、純の部屋にしたんです。

OIT:それは随分都合良くあったものですね(笑)。
瀬田なつき:そうですね、ラッキーでした。でも、最初は本当にボロボロ過ぎて。これ大丈夫なのか?このままじゃ結構貧乏な設定になるよねって。床も抜けそうなくらいで、カビだらけのところだったので。でもそれを美術の方が壁を全部白くして、素敵な部屋にしてくれました。

OIT:さすが映画の美術、って言うのも変ですけど(笑)。じゃあベランダとあの道もリアルな関係性なのでしょうか?
瀬田なつき:そうです、リアルな距離感です。

OIT:そこで、切り返しの目が合う瞬間が生まれる。
瀬田なつき:そのままの位置で。その後、使われてないので1年くらい経っていて、今またボロボロになりかけてますけど。パークサイドマンションっていう大きいマンションが公園の脇にあって、そのすぐ隣に本当にあります。

OIT:その切り返しのショットというのが、実に瀬田さんらしいというか、普通の肩越しの切り返しみたいなのあんまり撮らないですよね?紋切り型的に使われ勝ちな切り返しのショットですが、瀬田さんはとても印象的な使い方をされています。
瀬田なつき:同じフレームには納まらない2人の目が合ってるっていうのは、本当に映像でしか表現出来ない、ちょっと特殊なルールじゃないですか、それが距離が離れたり時間が離れたりしてても目と目が正面を向いてると、目が合っている様に見えるっていうのが、なんかドキッとするといいますか。

OIT:映画ならではですね。
瀬田なつき:そうですね、しかもちょっと観客を見ているように見える、本当はカメラを見ている訳なので、その辺の不思議な感覚みたいなものを、大切なところに入れたいなっていうのがあります。


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