OUTSIDE IN TOKYO
TETSUYA MARIKO INTERVIEW

真利子哲也『NINIFUNI』インタヴュー

2. ももいろクローバーは、ライブで見て圧倒されました。
 出て来た瞬間の存在感が凄い

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OIT:撮り始める前に脚本は固まってたんですか?
真利子:実際に起きた事件を参考にしたので、物語自体は変えずにあとはどういう風にアプローチしていくかっていうことを考えました。

OIT:その時点では、アイドルグループが出て来るっていうのもアイデアとしてあったんですか?
真利子:ありました。

OIT:それが後々、ももいろクローバーになる。
真利子:そうです。アイドルグループが出て来るのははじめから確定してたんですけど、実際どういう人達に頼もうかっていうところで、その時点ではまだ時間もあったので、曲作ってもらってアイドルグループも作ってしまおうという話もしてたんですよ。で、なんだかんだと幅広く探していくうちに、ももいろクローバーのライブを見に行った。

西ヶ谷:スターダストさん(芸能プロダクション)のアイドルグループが出るイベントに呼んで頂いて、その中から選抜して映画向けのアイドルグループを作ろうと思ってたんですけど、、、。ももクロを気に入っちゃって。
真利子:すごかったですね、出てきた瞬間に。

西ヶ谷:(真利子さんが)最初は日本全国のアイドルグループすべてを見て選んでみたいとか言ってたんですけど、一発目でオーケー、でしたね。
日活西宮(以降:西宮):参考にイベントを観に行かせて頂いたんですが、想像していたよりもはるかにももいろクローバーの皆さんの存在感がすごくて。
真利子:びっくりしたんです。

OIT:僕の場合は、ももいろクローバーって全然知らなくて、この映画で知ったんですけど、真利子さんがツイートしていたURLを見たら、なんかものすごい野性味あふれる人達っていうか。
真利子:自分もPVでは見てたんです、その時はメジャーシングルとして「行くぜっ!怪盗少女」と「ピンキージョーンズ」っていうのしか出てなかったんですけど、正直言うと、よくわからなかったんですよ。でも実際、ライブで見た時に圧倒されたんです。

OIT:身体能力が高いとか?
真利子:もう本当に基準が、感覚的なものなんですけど、これがアイドルパワーだっていう感じがしたんです。出てきた瞬間にその場の空気が変わったんです。そういうものを持ってる人達がいいなと思ってたので、出てきた瞬間に、この子達でいきたいなと思いました。

OIT:この映画はアイドル映画ではないわけで、ある意味とてもひねった使い方をされてると思うんですが、ももいろクローバーの人達はこの映画を観てどういうリアクションを?
真利子:昨日です。昨日、試写に3人来てくれました。どうだったんだろうな。

西ヶ谷:まずリハーサル兼ねて彼女達のレッスン場に行ったんですが、脚本の意味が分んないというところから始まりました。
真利子:そうですね。練習が一仕切り落ち着いたところで、分らないっていうことを聞かれました。一生懸命考えてくれてましたが、ぼくもどこから説明したらいいのか分らないんですよ。ちょっと説明が必要なんですけど、この企画以前にももいろクローバー主演で、白石晃士監督の『シロメ』って映画があるんです。それがフェイク・ドキュメントみたいなホラー映画で、具体的にどう作ったのかは分らないんですけど、ほとんどドッキリみたいな感じで作られていて、何も知らない彼女たちを心霊スポットに連れて行く内容なんです。だから僕らが現場行って後ろで話していると、またああいうことやられるんじゃないかっていう表情して怖がってるんですよ。マネージャーさんから監督だとは紹介されているから、こっちをチラチラ気にして、また怖い目に遭うんじゃないかって。

OIT:でも今回も一筋縄ではいかない映画だったという。
真利子:そうなんですけどね。

OIT:彼女達が映画を観た反応はどうだったんですか?
真利子:なんか、どうなんですかね?特に感想は聞かなかったんですけど、挨拶はしてくれました(笑)。今日3人観てくれたんです。

OIT:真利子さんの映画のファンの方が観にくるのと、ももクロのファンの方と、あと長澤まさみさんのファンとか、色々な層にリーチする企画なのかもと思ったりするんですけど。その辺は戦略的なものがありつつ。
西ヶ谷:西ヶ谷:基本的には、劇場公開が目的であったわけではないんです。言われたのは、3本共全然別々で映画を作ってくれっていうことで。でもそうは言ってもいいものが出来たらどこかで公開できればと思いつつ、おそらく他の2チームも魅力的なキャストを呼んでくるだろうなっていうのがあって、そこは考えてたんですけど何しろ彼(真利子監督)がキャスティングにはこだわりがあるみたいで……(笑)。でもアイドルが出て来るっていうから、そこだけは出来ればフックがある方がいいよねって。まあ、僕も立川で、、、ももクロを見てファンになりました。
真利子:いや、本当にそうですよ。
西ヶ谷:僕が守るぐらいの勢いで(笑)。
西宮:出演依頼をさせて頂いた時から、一部ではかなり話題のグループでしたが、映画が完成した頃には、新曲をリリースされたり、「クイック・ジャパン」で70ページの巻頭特集が組まれたりと、更にぐっとメジャーになっていて。

OIT:ちょういいタイミングだったと。今回は『イエローキッド』とはちょっと違うお客さんも観てくれそうですね。
真利子:ですね。実際、作品も全然また違ったものになっているので。


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