OUTSIDE IN TOKYO
TAKESHI KOIKE & KATSUHITO ISHII INTERVIEW

小池健&石井克人『REDLINE』インタヴュー

3. 学生時代の友人がJPのキャラクターに反映された

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OIT:最初に『キル・ビル』からスタートしたという話があったのですが、その後にタランティーノは『デス・プルーフ in グラインドハウス』っていうアクションの傑作を作りますけど、丁度『REDLINE』の制作と同じ時ですよね?
石井・小池:最中ですね。
小池:だから悔しかったです。おもしれー!とか思って。
石井:めちゃめちゃ面白いですからね。

OIT:負けたくないという気持ちがあった?
小池:そうですね、タランティーノにも観てほしいっていう気持ちですけどね。

OIT:まだ観せていない?
石井:観てないと思いますね。

OIT:海外での展開はあるのですか?
石井:まだ詳しくは聞かされていないんですけど、でも12月からアメリカで単館でやるんじゃないのかな。
小池:そうですね。
石井:あっちの場合はシネコンが強いから1館で盛り上がれば広がる可能性もあるので楽しみです。

OIT:メインのキャラクター設定、純情なJPとソノシーがプラトニックな関係になりますけど、この辺のアイデアは石井さんですか?
石井:そうですね、まあみんなで作ったっていう感じかな。
小池:ビジュアルは最初は石井さんですよね。
石井:そうですね。キャラクターの性格とかは他のみんなと。

OIT:何かプロトタイプがあって、こういう物語になった訳ではなくて、このキャラクターだったらこういう事をするだろうっていう肉付けは脚本家の仕事でしたか?
石井:そうですね、最初はだって26人の子供が銀河系中にいて、養育費を稼ぐ為にレースに出るという話だった。それでいろいろ考えていく内に、もっとシンプルにならないかなみたいな感じで、キャラクターを変えていった方がいいということになった。外見は結構怖そうな格好してるんだけど、実は中身はすごく爽やかな青年というか、すごくいい奴で仲間の為だったら何でもするみたいな、そういうキャラクターがだんだん出来上がってきて、最終的には小池さんの友達みたいな感じになった。
小池:そうですね、学生時代の友人で、僕、工業高校だったんですけど、くず鉄屋さんからバイクのパーツとかもらって作ってる奴とかいたんですよ。それが面白くて優しくて、リーゼントみたいな髪型してて、一緒にいるのが楽しかったんで、そういう雰囲気の性格が踏襲されています。こういう奴と一緒にいたいっていうようなキャラクターにしたかったんです。

OIT:すごくいい奴ですよね。
小池:そうなんですよ、いい奴なんですよ。
石井:一緒にいると安心できる奴っていう。

OIT:JPの声を木村拓哉さんがやられて、ソノシーを蒼井優さんがやられています。この辺はどういうプロセスで実現したのでしょう?木村さんがいいとかいう製作側の声があったとか?
石井:いや、製作側は多分話したら大反対だったと思う。最初に描く時に声のイメージとか雰囲気のイメージとかも多少作っておかないといけないんで、木村さんでもイメージするだけだったらタダだろうってことで、勝手に考えてたっていう感じですね。蒼井さんにしてもそうだし。まあ多分無理だと思うよってことでやってて、出来上がってオファーしに行って絵を見せたら、いいですよみたいな感じになった。びっくりでしたけど。

OIT:SMAPの仕事を結構やっていますよね。
石井:FMVの仕事で8年くらいずっと一緒にやってるんですけど、木村さんてすごく車が好きなんですよね、マニュアル車しか絶対乗らないんですよ。そういうこだわりを知っていたので。割と照明部の人達も車が好きな人が多かったりとかして、よくしゃべってるの聞いてて、本当に好きなんだなみたいな感じで。

OIT:映像で木村拓哉さんが出るのと違って、すごくニュートラルなはまりかたをしていますね。映像だと木村拓哉さんてイメージがすごい強いんですけど、声だとこのキャラクターにぴったりはまってるなって。
石井:そうなんですよ。

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