OUTSIDE IN TOKYO
Francis Ford Coppola Interview

フランシス・フォード・コッポラ インタヴュー
『コッポラの胡蝶の夢』『テトロ 過去を殺した男』『Virginia/ヴァージニア』を撮り終えて

3. パーソナルな映画を撮るために苦労していない人はいない

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OIT:それでその資金をまた今度は現在の映画作りの資金に転化しているという状態なんですね?
FFC:うん、その通りだね。

OIT:それと同時に、あなたは他の作家たちを助けるような動きもしていますね。ただ、大きな枠で支えていきながら、自分自身もまたプレイヤーになるのはそれはそれで大変なことでもあると思うのですが。
FFC:もちろん人の後押しをしたり、キャリアのスタートを助けるようなことはするけど、わざわざそのために動いたりというのはしていないよ。ただ自分のキャリアに重点を置いているだけさ。でもその途中で、才能ある人を見つけたら、自分にできる限りのことはしてあげたいと思うけどね。

OIT:あなたの映画では人生を踏み外す人、つまずく人への興味が一貫してあるように思うのですが、それについてはいかがですか?
FFC:それはそこにドラマがあるから。もちろん、全てがうまくいっている人の物語には興味を持たないと思うんだ。そこにおもしろい物語がないからね。だからつまずいたり、失敗への落下を辿る人の物語はすでに素材が揃っているということだ思う。

OIT:あなたの世代の他の監督たちはどう見ていますか?ヘルツォークとかもまだ旺盛に映画を撮り続けていますが。
FFC:それでもみんな、自分の映画を撮るのに苦労していると思うよ。

OIT:でも彼らはそれが少なくともいい映画を撮っていて、あなたもその方向を考えて活動していると思うのですが。それとも、あまり彼らのことはあまり興味はないですか?
FFC:まあ、ヘルツォークは素晴らしい監督だと思うよ。それでも、彼もまた、映画化を実現させるのに苦労している。朝目覚めて、誰かがふいに映画の資金を提供してくれるような環境にあるわけではないからね。逆に、よりパーソナルな映画を撮るために苦労していない人はいないんじゃないかな。

出かける奥さんと話さなければいけないとインタビューはしばし中断。

OIT:もう大丈夫ですか?
FFC:うん、ちょっと話さなければいけないことがあったから。

OIT:今、あなたは会社にいるのですか、自宅にいるのですか?
FFC:仕事場にいるよ。


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