フランス映画祭2015



今年のフランス映画祭の目玉は、何と言っても、オリヴィエ・アサイヤスの新作『アクトレス ~女たちの舞台~』(原題:シルス・マリア)とミア・ハンセン=ラブの新作『EDEN エデン』の上映だろう。現代フランス映画の先頭を走り続ける監督カップルのフレッシュな新作が、フランス映画祭の観客にどのように受け止められるのか、その反響が楽しみだ。加えて、年々洗練の度合いを高め、ヒューマンドラマの器を拡張し続けているフランソワ・オゾン監督の新作『彼は秘密の女ともだち』、今回、"団長"を務めるエマニュエル・ドゥヴォスが圧巻の存在感を見せる『ヴィオレット(原題)』(マルタン・プロヴォスト監督)、現実と虚構の区別がつかない文学マニアの覗き見視線を通じて、周囲の人々の悲喜劇を軽妙な語り口で描く、アンヌ・フォンテーヌの新作『ボヴァリー夫人とパン屋』と珠玉の作品がラインナップされている。フランス映画祭特別関連企画として、エヴァーグリーンな魅力を放射しながら既に走り始めている企画上映「彼らの時代のすべての少年、少女たち フランス映画、日本映画の思春期の若者たち」とともに、フランス映画の、"シネマ"の最前線ど真ん中を体験できる4日間が到来する。
(上原輝樹)
2015.6.11 update
6月26日(金)~29日(月)
会場:有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ 日劇
料金:【当日券】一般1,700円/学生1,200円
【前売券】チケットぴあにて5月23日(土)より販売 詳細はこちら

公式サイト:http://unifrance.jp/festival/2015/
上映スケジュール

<有楽町朝日ホール>
6月26日(金)
17:20
<オープニング作品>
エール!
(約40分+105分)
トークショー:
エリック・ラルティゴ、
ルアンヌ・エメラ














6月27日(土)
10:30
ボヴァリー夫人とパン屋
(99分)
トークショー:
アンヌ・フォンティーヌ
14:00
彼は秘密の女ともだち
(107分)

トークショー:
フランソワ・オゾン、
アナイス・ドゥムースティエ


17:30
EDEN エデン
(131分)
トークショー:
フェリックス・ド・ジヴリ、
スヴェン・ハンセン=ラヴ
6月28日(日)
10:00
シルス・マリア(原題)
(124分)
トークショー:
オリヴィエ・アサイヤス

13:50
ヴィオレット(原題)
(139分)
トークショー:
マルタン・プロヴォスト、
エマニュエル・ドゥヴォス


17:50
ティンブクトゥ(仮題)
(97分)
トークショー:
アブテラマン・シサコ


6月29日(月)
10:45
たそがれの女心
(95分)


13:30
セバスチャン・サルガド / 地球へのラブレター
(110分)
トークショー:
ジュリアーノ・リベイロ・サルガド
17:00
チャップリンからの贈りもの
(115分)
トークショー:
グザヴィエ・ボーヴォワ



<TOHOシネマズ 日劇>レイトショー
6月26日(金)
21:15
ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲
(97分)
6月27日(土)
21:15
夜、アルベルティーヌ
(97分)
   

※有楽町朝日ホールの開場は各回20分前を予定しております。TOHOシネマズ 日劇については開場の準備ができ次第のご案内となります。
※スケジュールやトークショー、サイドイベントは事情により予告なく変更となる場合があります。予めご承ください。
※18歳未満の方は終映が23時を過ぎる上映回には、保護者同伴でもご入場いただけません。
※サイン会については後日、公式サイトでお知らせいたします。ご参加いただくには、基本的に該当上映回のチケットが必要となります。
作品ラインナップ

La Famille Bélier © 2014 - Jerico - Mars Films - France 2 Cinéma - Quarante 12 Films - Vendôme Production - Nexus Factory - Umedia
『エール!』(La Famille Bélier)
監督:エリック・ラルティゴ
出演:ルアンヌ・エメラ、カリン・ヴィアール、フランソワ・ダミアン、エリック・エルモスニーノ
2014年/フランス/105分/DCP/ビスタ/5.1ch
配給:クロックワークス、アルバトロス・フィルム

10月31日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー

フランスの田舎町。農家を営むベリエ家は、高校生の長女ポーラ以外、父も母も弟も聴覚障害者。美しく陽気な母、口(手話)は悪いが熱血漢な父とおませな弟。オープンで明るく、仲のいい家族だ。ある日、ポーラの歌声を聴いた音楽教師トマソンはその才能を見出し、彼女にパリの音楽学校のオーディションを受けることを勧める。夢に胸をふくらませるポーラだったが、彼女の歌声を聴くことができない家族は、彼女の才能を信じることもできず、もちろん大反対。ポーラは悩んだ末に、夢をあきらめる決意をする。しかしその歌声が、耳の聴こえない家族に届く出来事が起こるー。主演のポーラに抜擢されたのは、フランスで人気の歌オーディション番組で注目を集めたルアンヌ・エメラ。その奇跡の歌声で観客を魅了し、本年度セザール賞最優秀新人女優賞を受賞。本国で4週連続No.1、12週連続TOP10入り、動員700万人超えの驚異の大ヒットを記録した感動作がついに日本上陸。

<受賞歴>
2015年 セザール賞 最優秀新人女優賞受賞(ルアンヌ・エメラ)
2015年 リュミエール賞 最優秀新人女優賞受賞(ルアンヌ・エメラ)
2015年 リュミエール賞 最優秀主演女優賞受賞(カリン・ヴィアール)
© 2013 LES FILMS DU 24 - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - TF1 FILMS PRODUCTION
『ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲』(Qu'est-ce qu'on a fait au bon Dieu ?)
監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン
出演:クリスチャン・クラヴィエ、シャンタル・ロビー
2013年/フランス/97分/DCP/ビスタ/ドルビーSR

昨年4月にフランスで公開され、観客動員1200万人を突破した大ヒットコメディ。ロワール地方の町シノンに暮らすヴェルヌイユ夫妻は敬虔なカトリック教徒。三人の娘がユダヤ人、アラブ人、中国人と結婚し、せめて末娘だけはカトリック教徒と、と願っていた夫妻は、パリで暮らす末娘のボーイフレンドがカトリック教徒と聞いて安堵する。だが、末娘が連れて来たのはコートジボワール出身の青年だった...。宗教、異文化についての際どいギャグを交えつつ、多様な人種が混在するフランス社会の懐の深さを大いに感じさせる作品。

<受賞歴>
2015年 リュミエール賞 脚本賞受賞
© 2014 - Albertine Productions - Ciné-@ - Gaumont - Cinéfrance 1888 - France 2 Cinéma - British Film Institute
『ボヴァリー夫人とパン屋』(Gemma Bovery)
監督:アンヌ・フォンテーヌ
出演:ファブリス・ルキーニ、ジェマ・アータートン、ジェイソン・フレミング、ニールス・シュナイダー
2014年/フランス/99分/DCP/スコープ
配給:コムストック・グループ

7月上旬、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー

ノルマンディーの美しい村でパン屋を営むマルタン。毎日の単調な生活の中で文学だけが想像の友、とりわけボロボロになるまで読みふけっているのは、この村とゆかりのある「ボヴァリー夫人」。ある日、向かいに英国人のチャーリーとジェマ・ボヴァリー夫妻が越してくる。自分の作ったパンを官能的に頬張るジェマに魅了され、彼女から目が離せなくなったマルタンは、ジェマが年下の男と不倫するのを目撃。このままでは彼女が"ボヴァリー夫人と同じ運命を辿るのでは?"と、小説と現実が入り交じった妄想が膨らんでいき...。「ねこのパンやさん」で知られる絵本作家ポージー・シモンズが、フローベールの傑作小説「ボヴァリー夫人」を下敷きに描いたグラフィックノベルを、アンヌ・フォンテーヌ監督がユーモラスかつ官能的に映画化し、フランスでは4週連続興行成績1位を記録。スクリーンから香り立つフランスパンの数々と、誰も予想だにしないラストもご堪能下さい。
© 2014 MANDARIN CINEMA - MARS FILM - FRANCE 2 CINEMA - FOZ
『彼は秘密の女ともだち』(Une nouvelle amie)
監督:フランソワ・オゾン
出演:ロマン・デュリス、アナイス・ドゥムースティエ、ラファエル・ペルソナ
2014年/フランス/107分/DCP/ビスタ/5.1ch
配給:キノフィルムズ

8月、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!

絢爛豪華な極上のミステリー『8人の女たち』や、カトリーヌ・ドヌーヴ扮する主婦のサクセスストーリーを描いた『しあわせの雨傘』の華やかで心浮き立つフランソワ・オゾン・ワールドが帰ってきた!
親友を亡くし、悲しみに暮れていた主婦・クレール。残された親友の夫・ダヴィッドと生まれて間もない娘の様子が気になり家を訪ねると、そこにはワンピースを着て娘をあやすダヴィッドの姿があった。ダヴィッドから「女性の服を着たい」と打ち明けられ、戸惑うクレールだったが、やがて彼を「ヴィルジニア」と名づけ、女友達として認識するようになる。パリジェンヌのように美しく着飾った「彼女」と過ごすことが刺激と歓びに満ちた冒険へと変わっていくクレール。自分の夫に嘘をつきながらも、ヴィルジニアとの密会を繰り返すうちに、クレール自身も女性としての美しさが増してゆく。とある事件を境に、クレールが選んだ自分らしい人生とはー?

<受賞歴>
2015年 セザール賞主演男優賞ノミネート
2015年 サンセバスチャン国際映画祭最優秀映画賞ノミネート
© 2014 CG CINEMA - FRANCE 2 CINEMA - BLUE FILM PROD- YUNDAL FILMS
『EDEN エデン』(Eden)
監督:ミア・ハンセン=ラヴ
出演:フェリックス・ド・ジヴリ、ポーリーヌ・エチエンヌ、ヴァンサン・マケーニュ
2014年/フランス/131分/DCP/シネスコ/ドルビー5.1ch
配給:ミモザフィルムズ

9月、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー

90年代フランス、エレクトロ・ミュージックが速いペースで台頭する中、ポールはエキサイティングなパリのナイトライフでDJとしての一歩を踏み出していた。彼は親友と「Cheers」と呼ばれるデュオをつくり瞬く間に人気DJとしてオーディエンスの人気を得ていく。つかの間の成功と名声に溺れるうちに、ポールは実生活には盲目的になっていき、恋人との関係も仕事も次第に悪化していく・・・。『EDEN エデン』はレイブやエレクトロ・ミュージック誕生から、フレンチ・ハウスの世界的成功と、Daft Punk、Dimitri from Paris、Cassiusのような優れたミュージシャンを代表とする"フレンチタッチ"ジェネレーションの軌跡を辿りながら、その世代のエネルギーや野心を象徴するひとりのDJの成功と挫折、愛と友情を描いた青春ドラマ。
© DR
『夜、アルベルティーヌ』(L'Astragale)
監督:ブリジット・シィ
出演:レイラ・ベクティ、レダ・カテブ、エステル・ガレル
2014年/フランス/97分/DCP/スコープ/ドルビー5.1/モノクロ

アルベルティーヌ・サラザンの自伝的小説「アンヌの逃走」(1965年)の映画化。19歳のアルベルティーヌは刑務所の壁を越えて脱走するが、足首を骨折してしまう。偶然通りかかったチンピラのジュリアンに救われ、パリの部屋に匿われる...。1950年代末、アルジェリア戦争下の不穏な空気が漂うパリを舞台に描かれる痛切なラブストーリー。鬼才フィリップ・ガレルの元妻であり、女優としても活躍するブリジット・シィの監督第2作。ともにジャック・オーディアールの『預言者』に出演したレイラ・ベクティとレダ・カテブが共演。
© 2014 CG CINÉMA - PALLAS FILM - CAB PRODUCTIONS - VORTEX SUTRA - ARTE France Cinéma - ZDF/ARTE - ORANGE STUDIO - RTS RADIO TELEVISION SUISSE - SRG SSR
『アクトレス ~女たちの舞台~』(原題:シルス・マリア)(Sils Maria)
監督:オリヴィエ・アサイヤス
出演:ジュリエット・ビノシュ、クリステン・スチュワート、クロエ・グレース・モレッツ
2014年/フランス・スイス・ドイツ・アメリカ・ベルギー/124分/DCP/シネスコ/5.1ch
配給:トランスフォーマー

今秋、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー

大女優として知られるマリアは、忠実なマネージャーのヴァレンティーヌとともに、二人三脚で日々の仕事に挑んでいた。そんな中、マリアは自身が世間に認められるきっかけとなった作品のリメイクをオファーされる。しかし、そのオファーは彼女が演じた若き美女の役柄ではなく、彼女に翻弄される中年上司の方。主人公役は、ハリウッドの大作映画で活躍する今をときめく若手女優だった...。2014年のカンヌ国際映画祭で喝采を浴びた本作。きらびやかな世界に生きる大女優の葛藤と孤独を、スイスの大自然を切り取る美しい映像とシャネルの協力による華やかな衣装、そして壮大なクラシック音楽で優雅に綴り、観るものの心を惹きつける傑作だ。主演ジュリエット・ビノシュの圧倒的な存在感と名演はもちろん、クロエ・グレース・モレッツ、クリステン・スチュワートというハリウッド女優が、艶やかに競演。本年度セザール賞では、クリステン・スチュワートが米国人女優として初の助演女優賞を受賞したことも大きな話題を呼んでいる。

<受賞歴>
2015年 セザール賞助演女優賞受賞
© TS PRODUCTIONS - 2013
『ヴィオレット(原題)』(Violette)
監督:マルタン・プロヴォスト
出演:エマニュエル・ドゥヴォス、サンドリーヌ・キベルラン、オリヴィエ・グルメ
2013年/フランス/139分/DCP/ビスタ/5.1ch
配給:ムヴィオラ

12月、岩波ホールほか全国順次ロードショー

『セラフィーヌの庭』でセザール賞最優秀作品賞に輝いた名匠マルタン・プロヴォストが、"ボーヴォワールの女友達"と呼ばれた実在の女性作家、ヴィオレット・ルデュックの半生を描いた感動作。ボーヴォワールに才能を見いだされ、パリ文学界に大きな衝撃を与えるものの、当時の社会に受け入れられず、愛を求める純粋さゆえに傷ついた彼女が、やがてプロヴァンスの光の中に幸福を見いだすまでを、生涯にわたり続いたボーヴォワールとの関係を中心に描く。背景となる40〜60年代、サルトル、コクトー、ジャン・ジュネが出入りする出版社ガリマールなど当時の文学界の様子や戦後パリの新しい文化の胎動も見所の一つで、ヴィオレットのフェミニンなファッションとボーヴォワールのシックなファッションとの対比も大きな魅力。ヴィオレットにはセザール賞ノミネート5回、2度の受賞に輝く名女優エマニュエル・ドゥヴォス、ボーヴォワールをサンドリーヌ・キベルランが演じている。
© 2014 Les Films du Worso  ©Dune Vision
『ティンブクトゥ(仮題)』(Timbuktu)
監督:アブデラマン・シサコ
出演:イブラヒム・アメド・アカ・ピノ、トゥルゥ・キキ、アベル・ジャフリ
2014年/フランス・モーリタニア/97分/DCP/16:9/5.1ch
配給:RESPECT  配給協力:太秦

2015年公開予定

本年度セザール賞にて最優秀作品賞など7部門受賞、米国アカデミー賞外国語映画賞部門ノミネートの快挙を遂げた本作は、世界遺産にも登録されているマリ共和国の古都を背景に、音楽を愛する父と娘がイスラム過激派の弾圧に苦しみ、戦う姿を真摯に描いた感動作。ティンブクトゥからそう遠くない、ある街でキダーンは妻のサティマ、娘のトーヤ、そして12歳の羊飼いのイッサンと音楽に溢れた幸せな生活を送っていた。しかし街はイスラム過激派に占拠され様相を変えてしまう。恐怖に支配され、過激派の兵隊が作り上げた法によって住民たちは、歌、笑い声、たばこ、そしてサッカーでさえも禁止されてしまう。毎日のように悲劇と不条理な懲罰が繰り返されていく中、キダーンと彼の家族は、混乱を避けてティンブクトゥに避難する。だが、ある日漁師のアマドゥがキダーンの飼っていた牛を殺したのを境に、彼らの運命は大きく変わってしまう。

<受賞歴>
2015年 セザール賞最優秀作品賞・監督賞・脚本賞ほか7部門 受賞
2015年 アカデミー賞®外国語映画賞ノミネート
© Marie-Julie Maille / Why Not Productions
『チャップリンからの贈りもの』(La Rançon de la gloire)
監督:グザヴィエ・ボーヴォワ
出演:ブノワ・ポールヴールド/ロシュディ・ゼム/キアラ・マストロヤンニ
2014年/フランス/115分/DCP/スコープ/ドルビー5.1ch
配給:ギャガ

7月18日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー

喜劇王チャップリンの遺体を誘拐?! 全世界を駆けめぐった驚愕のニュースの正体は、ドジでマヌケな二人組のとんでもなくズッコケた犯行劇だったー。実際に起きたまさかの事件が、チャップリン遺族の全面協力を得て映画化。実際に住んだ美しい邸宅や墓地をロケ地に、チャップリンの息子や孫娘が当時の家族役などで特別出演。『黄金狂時代』『街の灯』『ライムライト』など往年の名画名曲名シーンを散りばめ、とことんツイていない人間たちのコミカルな大騒動を、巨匠ミシェル・ルグランの美しい音楽に乗せて描いた本作は、フレンチテイストが香る現代のチャップリン映画のよう。
世界中の人々に夢と笑顔を与え続け、多くの人の心を救ったチャップリン。「彼ならきっと救ってくれるー」。そう信じた2人はまさかの犯行に出た。人生どん底の二人に救いの手は差し伸べられるのかー。
そして彼らが最後に手にした、"人生の宝もの"とはー。

<受賞歴>
2014年 ヴェネチア国際映画祭 コンペティション部門正式出品
2014年 釜山国際映画祭正式出品
© Sebastião Salgado © Donata Wenders © Sara Rangel © Juliano Ribeiro Salgado
『セバスチャン・サルガド / 地球へのラブレター』(Le Sel de la terre)
監督:ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド
出演:セバスチャン・サルガド
2014年/フランス・ブラジル・イタリア/110分/DCP/ビスタ/5.1ch
提供:RESPECT 配給:RESPECT×トランスフォーマー

今夏、Bunkamuraル・シネマ他にて全国ロードショー

ブラジルに生まれ、ユージン・スミス賞をはじめ数多くの賞を受賞、後進たちに計り知れない影響を与え続ける世界的な報道写真家であり、大自然の保全や復元に尽力する環境活動家としても知られるセバスチャン・サルガド。"神の眼"とも呼ばれる奇跡的な構図、モノクロを基調とし荘厳なまでに美しい作品の数々を彼はいかにして撮りつづけて来たのか?
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』など、数々の傑作ドキュメンタリーを世に送り出してきたヴィム・ヴェンダース監督が、サルガドの長男、映画作家のジュリアーノ・リベイロ・サルガドの協力を得て、稀代の写真家であり、家族を愛する一人の男の波乱に満ちた足跡を解き明かしていく。本年度アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー映画賞ノミネートをはじめ、各国の映画祭で絶賛された感動のドキュメント。

<受賞歴>
2014年 カンヌ国際映画祭ある視点特別賞受賞、エキュメニカル審査員賞受賞
2014年 サンセバスチャン国際映画祭観客賞受賞
2015年 セザール賞ドキュメンタリー賞受賞
2015年 アカデミー賞®長編ドキュメンタリー映画賞ノミネート
© 1953 Gaumont (France) / Pazzoli Films (Italie)
『たそがれの女心』(Madame de...)
監督:マックス・オフュルス
出演:ダリエル・ダリュー、シャルル・ボワイエ、ヴィットリオ・デ・シーカ
1953年/フランス/95分/DCP/スタンダード/モノクロ
※デジタルリマスター上映
提供:アンスティチュ・フランセ パリ本部

フランスの大手映画会社ゴーモンは2015年、設立120周年を迎え、現存する映画会社では最長の歴史を誇ります。ゴーモンの歴史はフランス映画史そのものと言っても過言ではないでしょう。その珠玉のラインナップから、とっておきの1本を、フランス映画祭2015で上映します。
舞台は1900年、ベル・エポックの華やかなパリ社交界。賭けでつくった借金を返済するために、ある貴婦人マダム・ド...は夫の将軍から贈られたダイヤの耳飾りを無くしたことにしてひそかに売ってしまう。新聞で紛失事件を知った宝石商から連絡を受けた将軍は耳飾りを買い戻し、自らの愛人に餞別として贈る。耳飾りは将軍の愛人の次にドナティ男爵の手へと渡った。そして男爵はマダム・ド...と恋に落ち、彼女にこの耳飾りを贈る...。ダイヤの耳飾りをめぐり、運命の歯車にもてあそばれる上流階級の男女の人間模様を、流麗なカメラワークで描く大家マックス・オフュルスによるメロドラマの傑作。主演は特筆すべき美貌と存在感でフランス映画史を彩りつづけるダニエル・ダリュー。フランス映画の黄金期のみならず、近年もフランソワ・オゾンの『8人の女たち』(02)やパスカル・トマ『ゼロ時間の謎』(07)に出演するほか、マルジャン・サトラピ『ペルセポリス』(07)では声優に挑戦するなど、意欲的なキャリアで知られる。『たそがれの女心』では彼女の全盛期の香り立つような魅力が堪能できる。
フランス・パリでは、アートスペース「サン・キャトル」にて、ゴーモン社の大回顧展「120 ans de cinema : Gaumont, depuis que le cinema existe (映画の120年:ゴーモン、映画誕生から今日まで)が8月5日まで開催中。

<受賞歴>
1954年 アカデミー賞®最優秀衣装賞ノミネート




フランス映画祭2015について、皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。
なお、ご投稿頂いたものを掲載するか否かの判断については、
OUTSIDE IN TOKYO 編集部の判断に一任頂きますので、ご了承ください。





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