フレンチタッチ・コメディ!
~30年から現在までのフランス映画のコメディ特集~



『ぼくの伯父さん』(58)のポスターデザインを初めとして、ジャック・タチの創作活動に大きな貢献を果たし、トリュフォー、カウリスマキ、ウディ・アレンら多くの映画人がリスペクトする喜劇映画の名優にして名匠、ピエール・エテックスの長短編作品を始めとして、フランスの怪物的名優ミシェル・シモンが主役を演じるルノワール作品とサッシャ・ギトリ作品、マチュー・アマルリック、ヴァンサン・マケーニュ、アラン・ギロディら、現代フレンチ悲喜劇まで、まさに"30年から現在までのフレンチコメディ"の粋を、映画史を踏まえた上で、楽しむことが出来る絶好の機会の到来である。"フレンチタッチ"という軽やかな言葉の下に脈々と息づく、偶像破壊的側面を持つ強靭なユーモアの精神、人生のままならなさへの深い洞察に満ちた問い掛けの数々に、人は些か仰け反りながらも、いつもよりほんの少し、軽やかな足取りで師走の帰路に着くことになるに違いない。
(上原輝樹)
2015.12.2 update
11月13日(金)~12月20日(日)
特別ゲスト:
ジャン=フランソワ・ロジェ(シネマテーク・フランセーズ プログラム主任)、ジャッキー・ゴルドベルグ(映画批評家、監督)
会場:アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
料金:一般1,200円/学生800円/会員:500円
※上映当日各回の1時間前から上映開始20分後まで。チケット販売時間内には、当日すべての回のチケットをご購入いただけます。

公式サイト:http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/cinema1511131220/
上映スケジュール

11月13日(金)
14:30
おかしな教区民
(92分)

16:40
イタリアのある城で
(104分)



19:00
ハジキを持ったおじさんたち
(112分)




11月15日(日)
15:00
うず潮
(107分)

17:30
素晴らしき放浪者
(84分)





11月20日(金)
14:20
リオデジャネイロ応答なし
(100分)
16:40
幸福な記念日
(12分)
恋する男
(83分)


19:00
絶好調
(13分)
桃源郷
(74分)



11月26日(木)
15:30
巴里の恋愛協奏曲
(115分)


18:30
我慢ならない女
(125分)
上映後、ジャン=フランソワ・ロジェによる講演あり
12月4日(金)
13:10
ソルフェリーノの戦い
(94分)
15:50
7月14日の娘
(88分)




18:00
ディス・イズ・コメディ!
(58分)
上映後、ジャッキー・ゴルドベルグと松井宏の対談あり
12月5日(土)
14:00
悲哀クラブ
(90分)


16:20
のらくら兵
(130分)




19:00
ティップ・トップ
(106分)
上映前に、ジャッキー・ゴルドベルグよる作品紹介あり

12月6日(日)
12:30
のらくら兵
(103分)

15:30
巴里の恋愛協奏曲
(115分)

18:10
破局
(11分)
健康である限りは
(80分)
12月11日(金)
14:30
ヨーヨー
(99分)

16:50
大恋愛
(85分)


19:00
その時が来た
(92分)


12月13日(日)
12:00
神のみぞ知る
(120分)

14:50
勇者に休息なし
(107分)

17:30
キング・オブ・エスケープ
(93分)

12月18日(金)
14:30
禁錮9ヶ月
(82分)


16:30
探偵ポーリーヌ
(100分)

19:00
さすらいの女神たち
(111分)


12月19日(土)
11:50
イタリアのある城で
(104分)
14:30
神のみぞ知る
(120分)

17:30
そして僕は恋をする
(178分)

12月20日(日)
11:00
さらばベルトよ
(100分)

13:30
そして僕は恋をする
(178分)
17:30
さすらいの女神たち
(111分)


※全席自由。整理番号順での入場とさせていただきます。また、上映開始20分後以降の入場は、他のお客さまへの迷惑となりますので、固くお断りいたします。
作品ラインナップ

【ピエール・エテックス特集】
長編作品

『恋する男』(Le Soupirant)
フランス/1963年/83分/モノクロ/デジタル/英語字幕付
出演:ピエール・エテックス、カリン・ヴェスリ、クロード・マソ、アメル

天文学の研究に没頭していたパリの富豪の息子は、ある日、両親から結婚を命じられ、伴侶を探しに街に出ることに......。公開時の邦題は『女はコワイです』。ルイ・デュリュック賞受賞。
『ヨーヨー』(Yoyo)
フランス/1964年/99分/モノクロ/デジタル/英語字幕付
出演:ピエール・エテックス、クロディーヌ・オジェ、リュス・クラン

大恐慌ですべてを失った大富豪は、サーカス団の曲馬師の女性と、その6歳の息子と旅に出る。成人した息子のヨーヨーはサーカス界で大成功を収め、かつて父が暮らした大邸宅を買い取るが...。親子二代のサーガを描き、サイレント喜劇とサーカスへのオマージュに満ちたエテックスの最高傑作。
『健康でさえあれば』(Tant qu'on a la santé)
フランス/1965年/80分/モノクロ/デジタル/英語字幕付
出演:ピエール・エテックス、デニーズ・ペロヌ、ロジェ・トラップ

ピエールは真面目で何事にも熱心な青年だが常軌を逸した近代化の波に脅えていた。ある誤解から婚約者が去ってしまい、ピエールは心の傷を癒すため、田舎に旅立つ。
『大恋愛』(Le Grand amour)
フランス/1969年/85分/カラー/デジタル/英語字幕付
出演:ピエール・エテックス、アニー・フラテリーニ、ニコル・カルファン、ルイ・マイス

ピエールは美しい女性の中でもフロランスを選び、結婚する。義父の工場で管理職を務め、夫婦仲も問題なく、何不自由ないが単調な日々を過ごす平凡な男。ある日、若い女性秘書が職場に現れ、恋い焦がれた彼の生活は一変するが...。男の夢想で繰り広げられる恋の身もだえが目にも楽しい傑作コメディ。エテックス初のカラー長編映画。
『桃源郷』(Pays de cocagne)
フランス/1974年/74分/カラー/デジタル/英語字幕付

1968年5月革命直後、ピエール・エテックスがヴァカンスに出かけるフランス人たちを辛辣ともいえる視線で捉え、ビュルレスク的に構成した初のドキュメンタリー作品。
短編作品

『破局』(Rupture)
フランス/1961年/モノクロ/11分/デジタル/英語字幕付
共同監督:ジャン=クロード・カリエール
出演:ピエール・エテックス、アンヌ=マリ・ロワイエ、アニー・ネルセン

恋人から破かれた写真が同封された手紙を受け取った男は、別れの手紙を書くため奮闘するが、万年筆、デスク、切手、便箋、インク、なにもかもうまくいかず、ついにはロッキングチェアによって窓の外へと放り出されてしまう。
『幸福な結婚記念日』(Heureux anniversarie)
フランス/1962年/12分/モノクロ/デジタル/英語字幕付
共同監督:ジャン=ピエール・カリエール
出演:ピエール・エテックス、ジョルジュ・ロリオ、ノノ・ザミ

結婚記念日に妻が豪華な料理を作って待っているが、夫はパリで渋滞に巻き込まれたり、トラブルに遭ったりとなかなか帰れない......。
『絶好調』(En plein forme)
フランス/2010年/モノクロ&カラー/13分/デジタル/英語字幕付
共同監督:ジャン=クロード・カリエール
出演:ピエール・エテックス、ロジェ・トラップ、ジャン・プレストン、ボッキー

都会の騒音にうんざりした青年は田舎に旅に出ることを決意する。気に入った場所にテントを建てるが、警官に怒られてしまう。警官にキャンプ場に行くように言われるが、キャンプ場のルールは青年に合わない......。
【20年代から80年代のコメディ】
ミシェル・シモン

『のらくら兵』(Tire-au-flanc)
フランス/1928年/130分/モノクロ/35ミリ/日本語字幕付
東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
監督:ジャン・ルノワール
出演:ミシェル・シモン、ジョルジュ・ポミエス、フリデット・ファトン

資産家の息子で詩人のジャンとその召使いジョゼフは兵役のため一緒に入隊するが、荒々しいことはまったく苦手なジャンは次々と珍妙な失敗をしでかし上官に睨まれる。若きトリュフォーに「フランスで作られた最も愉快な映画の一本」と言わしめた傑作喜劇。ルノワール作品では初の男性の主人公に選ばれたのは、本作以降常連となる怪優ミシェル・シモン。
「『のらくら兵』はムエジー=エオンよりはずっと、マック・セネットやシュトロハイムに多くのものを負っている。今日ではこの映画に、喜劇的なものと悲劇的なものの混淆を、幻想と残酷さの混淆をー要するに、10年後に『ゲームの規則』が完全な形で実現するはずの《楽しい悲劇》の模索をーはっきり見てとることができるのである」(アンドレ・バザン)
『素晴らしき放浪者』(Boudu sauvé deux eaux)
フランス/1932年/84分/モノクロ/35ミリ/英語字幕付
監督:ジャン・ルノワール
出演:ミシェル・シモン、シャルル・グランバル、マルセル・エイニア

主人公ブーデュは気ままな放浪者。この世はすでに楽しくないとセーヌに身を投げたところ、古本屋の主人に助けれ、神のように崇められ、その家に居候することに。持ち前の豪胆さで奥方を寝取り、主人の情婦だった女中のアンヌ・マリともネンゴロになり結婚することに。しかし水辺での披露宴の最終、舟がひっくり返り、ブーデュは再びどこへともなく流れ去っていく。すでに『牝犬』のラストで放浪者を演じたミシェル・シモンが自らルノワールに提案し、製作にも参加した作品で、怪優シモンの魅力が最も発揮された傑作のひとつ。
『我慢ならない女』(La Poison)
フランス/1951年/85分/モノクロ/35ミリ/無字幕・日本語同時通訳付
監督:サッシャ・ギトリ
出演:ミシェル・シモン、ポーリーヌ・カルトン、ジャン・ドゥビュクール

結婚30年目の夫婦ポールとブランディーヌの考えていることはひとつ。それはリスクなく相手を殺すこと。ポールは有名な弁護士の知恵を借りて計画を練る。妻が彼に猫いらずの入ったワインを飲ませようとするその時、夫の手にはナイフが握られていた......。「『我慢ならない女』は『殺人者と泥棒』、『Les trois font la paire』など、ギトリの法廷ブラック・コメディのシリーズ最初の作品であるが、何よりもギトリとミシェル・シモンという奇跡的な出会いとなる記念碑的作品である。ミシャル・シモンは本作で、戦前のヴィゴ、ルノワールらとの傑作以来、最も素晴らしい演技を見せている。ギトリが主役を他の俳優に任せるのは本作が初めてであり、その怪物的で見事な演技によって自らを超えられるだろう唯一の俳優をまさに選んだといえるだろう」オリヴィエ・ペール
ダリー・カウル

『巴里の恋愛協奏曲』(Pas sur la bouche)
フランス/2003年/115分/カラー/35ミリ/日本語字幕付
監督:アラン・レネ
出演:オドレイ・トトゥ、サビーヌ・アゼマ、ピエール・アルディティ、ダリー・コール、ランベール・ウィルソン

裕福な生活を送るヴァランドレ夫人は、若い芸術家の心を惑わせて楽しんでいた。その芸術家に恋心を抱く女性や、ヴァランドレ夫人との復縁を図るアメリカ人の元夫など、男女たちの様々な立場と思いが交錯する。1925年にパリでヒットしたオペレッタ作品を映画化したミュージカル・ラブコメディ。使用されている曲はオリジナルの舞台と同じナンバーで、実力派俳優たちが吹き替えなしで劇中の歌に挑戦している。'20年代風のゴージャスなファッションや美術が、歌と踊りたっぷりの恋のさや当てを華やかに彩る。
カルト的コメディ作品

『ハジキを持ったおじさんたち』(Les Tontons flingueurs)
フランス/1962年/112分/デジタル/モノクロ/日本語字幕
監督:ジョルジュ・ロートネル
出演:リノ・ヴェンチュラ、ブランシス・ブランシュ、ベルナール・ブリエ

死の床につく「メキシカン」と呼ばれる男を看取る旧友フェルナン・ノーディンは、彼の財産と愛娘パトリシアの面倒を一切任される。「メキシカン」が残した会社は数々のブラックビ ジネスを営んでいた。弁護士とボディガードを従えて、フェルナンはショバ代の対立を片づけるべく立ち向かうが、美しいパトリシアが次から次へと問題を運び込む......。スラップスティック・コメディを数々生み出したロートネルの代表作で、製作されて年月が経つほど、映画の中の台詞が流行るなどカルト的人気となる。
『おかしな教区民』(Un drôle de paroissien)
フランス/1963年/92分/モノクロ/デジタル/英語字幕付
監督:ジャン=ピエール・モッキー
出演 :ブールヴィル、ジャン・ポワレ、フランシス・ブランシュ

破産したカトリック系貴族の家の息子、ジョルジュはある日、神の啓示を受けたと信じ、周囲の者たちの生活を助けるべく教会の献金箱をくすねる。40年代に映画デビューし、それ以来フランスで最も人気のあるコメディアンのひとりとなったブールヴィルとジャン=ピエール・モッキーが、初めてタグを組んだコメディで、モッキーらしいアナーキーな笑いが冴える。二人はその後も数々のコメディを生み出す。
『うず潮』(Le Sauvage)
フランス/1975年/107分/カラー/デジタル/英語字幕付
監督:ジャン=ポール・ラプノー
出演:イヴ・モンタン、カトリーヌ・ドヌーヴ

世界的に有名な調香師だったマルタンは、その仕事から離れ、今は孤島でひとり暮らしている。そこにひとりの美しい女性ネリーが飛び込んで来る。彼女は結婚式の寸前、相手に嫌気が差して逃げてきたというのだ。堅物の男は次第に彼女の奔放な性格に惹かれていくが、実はネリーは本物のロートレックの絵画を盗み逃走していた...。 二大スターによるおしゃれなラブ・コメディの傑作。
【新世代の監督、俳優たちによる90年代以降のコメディ】
ヴァレリア=ブリュニ・テデスキ

『イタリアのある城で』(Un château en Italie)
フランス/2013年/104分/カラー/デジタル/日本語字幕付
監督: ヴァレリア・ブリュニ=テデスキ
出演: ヴァレリア・ブリュニ=テデスキ、ルイ・ガレル、フィリッポ・ティミ

ルイーズは突然現れた理想の人、ナタンに出会う。彼の病気の弟、母親、運命―イタリア中産階級大家族の一員、ルイーズを取り巻く数々の物語。
「滑稽かつ知性に溢れた作品。ロマンスを巡る真の人生とファンタジーを巡る悲劇を分ける微細なる線の上で、ヴァレリア・ブリュニ=テデスキが優美なる勇気を持って揺れ動いている」。ジャック・マンデルボーム「ル・モンド」
マチュー・アマルリック

『そして僕は恋をする』(Comment je me suis disputé... (ma vie sexuelle))
フランス/1996年/178分/35ミリ/カラー/日本語字幕付
監督:アルノー・デプレシャン
出演:マチュー・アマルリック、エマニュエル・ドゥヴォス、エマニュエル・サランジェ、マリアンヌ・ドニクール

29歳のパリ大学講師、ポール・デダリュスは3人の女性と付き合っている。10年来の恋人であるエステルは、ある意味愚かであるものの、その愚かさはどんな賢さをも上回る美点を備えている。ヴァレリーは少し狂気じみてはいるものの、同時に理性的な女性。そしてシルヴィアは聡明で手厳しいけれども、だからこそ寛大である。
「この作品の主題とはこういうことかもしれない。世界は存在しているのか?僕はそれを証明できるのか?世界について何らかの知覚を僕は持っているのか?(...)われわれの現実の生というのは衝動とか感情によって決定されるのではなく、単純に、演ずることを余技なくされているこの演技(ゲーム)の規則によって決定されているのだ」。(アルノー・デプレシャン)
『さすらいの女神たち』(Tournée)
フランス/2010年/111分/35ミリ/カラー/日本語字幕付
監督:マチュー・アマルリック
出演:マチュー・アマルリック、ミミ・ル・メオー、エヴィ・ラヴェル、ダーティー・マーティニ、ロッキー・ルレット

テレビ業界で名うての名プロデューサーとして知られていたジョアキムはトラブルを起し、子供も友人も、恋人も捨て、アメリカに渡る。数年後、アメリカのストリップ嬢たちのグループを連れて帰国したジョアキムは、「ニューバーレスク」という新しいタイプのストリップ・ショーでフランス中を魅惑すべく、最終目的地パリを目指して港町のミュージック・ホールを転々と巡業して行く。だが、いまや業界で干されてジョアキムはパリの小屋をブッキングすることができず、彼らの旅はしだいに目的を失っていく。舞台の上では大胆に、いきいきと輝きながらも、現実では脆さや繊細さを持つ女性たちを監督=俳優マチュー・アマルリックが愛情を持って描いている。2010年カンヌ国際映画祭監督賞受賞。
ヴァンサン・マケーニュ

『7月14日の娘』(La Fille du 14 juillet)
フランス/2013年/88分/カラー/デジタル/日本語字幕付
監督:アントナン・ペレジャトコ
出演 : ヴィマラ・ポンス、ヴァンサン・マケーニュ

7月14日、 勤務先のルーブル美術館でトリュケットという娘に出会ってからというもの、エクトルの頭は彼女でいっぱい。友人パトールも巻き込んでトリュケットとその友達シャルロットを海に誘う。シャロットの弟ベルティエも仲間に加わり、いざ海をめざしてフランスの田舎道を進むが彼らのほかに車はない...。というのも、世の中は経済危機のただ中なのだ。そんな時、政府はヴァカンスを1か月短縮することを決定し、国民に早々に仕事を再開するよう要請?!はたして「7月14日の娘」たちは無事に海にたどり着けるのだろうか...。2013年カンヌ映画祭監督週間出品作品。
『ソルフェリーノの戦い』(Bataille de Solferino)
フランス/2013年/94分/カラー/デジタル/英語字幕付
監督:ジュスティーヌ・トリエ
出演:レティシア・ドッシュ、ヴァンサン・マケーニュ、アルチュール・アラリ、ヴィルジル・ヴェルニエ、マルク=アントワーヌ・ヴォージョワ

2012年5月6日、大統領選の第二回投票当日。テレビリポーターのレティシアは、ソルフェリーノ通りの群集の中、取材をしなければならないが、今日が娘たちとの面会日だと信じきっている元夫のヴァンソンが押しかけて来て...さぁ、戦いが始まった!
彼らの周りには、泣き叫ぶ娘たちに手一杯のベビーシッター。招かれざる客、人間嫌いの弁護士、歓喜に沸く人々と悲嘆にくれる人々...。すべてが入り混じって...どうなることやら!
『悲哀クラブ』(Tristesse club)
フランス/2014年/90分/カラー/デジタル/日本語字幕付
監督:ヴァンサン・マリエット
出演:ヴァンサン・マケーニュ、リュディヴィーヌ・サニエ、ローラン・ラフィット、ノエミ・ルヴォフスキー

ペーパーチェイスゲームはお好きですか?ヴィンテージのポルシェも?妹は本当の妹じゃくて、死んだはずの父親が本当は生きている?湖とそこにまつわる秘密が気になる...そんなあなたは...「悲哀クラブ」へどうぞ!
まったく性格の異なる兄弟、ブリュノとレオンは、ある日、父の死の知らせを受け、地元へと戻る。そこでは母親違いの妹だというクロエが待っていた。彼らは奇妙なトリオを結成し、少しずつ子供時代の記憶、家族の過去を発見していく。
ジャン・デュジャルダン

『OSS 117 リオデジャネイロ応答なし』(OSS 117, Rio ne répond plus)
フランス/2009年/100分/カラー/デジタル/英語字幕付
監督:ミシェル・アザナヴィシウス
出演:ジャン・デュジャルダン、ルイーズ・モノ、リュディガー・フォグラー、アレックス・ルッツ

1967年。戦後、ヨーロッパから南米に逃れたナチの高官を追って、フランス最強のスパイ、ユベール・ボニスール(コードネームOSS117)が、リオデジャネイロへと送られた。現地での任務は思いも拠らぬ展開を迎え、OSS117はモサドの美女エージェントと共にブラジル中を飛び回るが...。魅力的な男女が繰り広げる恋と冒険の物語。『アーティスト』のオスカー受賞コンビ、ミシェル・アザナヴィシウス監督と主演のジャン・デュジャルダンによるスパイコメディ第2作。1960年代の「007」ブームで作られたフランス製スパイアクションへのオマージュが至るところに散りばめられている。
ブリュノ・ポダリデス

『神のみぞ知る』(Dieu seul me voit (Versailles-Chantiers))
フランス/1998年/120分/カラー/35ミリ/日本語字幕付
監督:ブリュノ・ポダリデス
出演:ドゥニ・ボダリデス、イザベル・カンドゥリエ、ジャンヌ・バリバール、ミシェル・ヴュイエルモーズ

優柔不断なアルベールは、彼が"正しい考えに至るための一瞬"と呼ぶためらいへのオマージュのせいで、「本当にラクレットを好きなのか?」や、「この道を渡るべきか否か?」はたまた「キューバの医療制度を擁護するために戦うことができるかどうか?」などを自らに問い続けている。そして、自分の住む市区町村議会選挙が2回目の投票に進む間に、個性的で挑発的な3人の若い女性に次々と出会うのだが...。晩年のアラン・レネにも協力し、現在最も注目される監督のひとりであるブリュノ・ポダリデスの長編処女作。監督の実弟のドゥニ・ポダリデスや、ジャンヌ・バリバールをはじめ、国立演劇学校の同級生からなる主要キャストは、当時の若手トップクラスの実力が揃っている。
『ベルトよ、さらば』(Adieu Berthe - l'enterrement de mémé)
フランス/2012年/100分/カラー/デジタル/英語字幕付
監督:ブリュノ・ポダリデス
出演:ドゥニ・ボダリデス、ヴァレリー・ルメルシエ、イザベル・カンドゥリエ、ミシェル・ヴュイエルモーズ

おばあちゃんが死んだ。ベルトはもういない。薬剤師のアルマンは" 少しだけ"祖母のことを忘れていたのだ...。アルマンには妻のエレーヌがいたが、彼のベッドの脇のテーブルの引き出しには、愛人アリックスの娘の誕生日に準備しているマジックの小道具が隠されていて...。さて、ベルトの遺体をどうしよう?埋葬する?それとも、火葬にする?そして、祖母のベルトとはいったいどんな人物だったのだろう?「透明さと寛大さに包まれた作品で、笑いと哀しみの両方の涙が今後に頬を伝う」アメリ・デュボワ{レザンロキュプティーブル}
サンドリーヌ・キーベルラン

『探偵ポーリーヌ』(Pauline Détective)
フランス=ベルギー/2012年/100分/デジタル/日本語字幕付
監督:マルク・フィトシ
出演:サンドリン・キーベルラン、オードレー・ラミ、クローディオ・サンタマリア、アントワーヌ・シャペイ

恋人にふられたポーリーヌは、姉に押し切られてイタリアの地中海リゾートへとやって来る。高級ホテルでイタリア流の"ファルニエンテ"、何もせずに過ごす贅沢を満喫するどころか、殺人事件が起きたと確信し、探偵に早変わり。捜査に魅力的なライフガードを巻き込み...。作品ごとに異なる表情を見せ、その活躍が見逃せないサンドリン・キーベルランがコメディ女優としての魅力を大いに発揮している作品。監督は最近日本公開されたイザベル・ユペール主演のラブ・コメディ『間奏曲はパリで』のマルク・フィトシ。
『ティップ・トップ』(Tip Top)
フランス=ルクセンブルク/2014年/106分/カラー/デジタル/英語字幕付
監督:セルジュ・ボゾン
出演:サンドリン・キーベルラン、イザベル・ユペール、フランソワ・ダミアン、キャロル・ロシェ

フランス北部でアルジェリア系の情報屋が殺された。その情報屋は、地域のドラッグの密売に関わっていたが、警察署内部を探るため、ふたりの女性監察官、エスターとサリが派遣された。ひとりは殴りこみをかけ、もうひとりは覗き見る...そう、ふたりは最高のコンビ!Tip Top !『フランス』(07)など、つねに独創的な作品を生み出し、映画ファンたちに注目されている監督セルジュ・ボゾンによる長編2作目。2013年カンヌ国際映画祭監督週間出品。
『禁錮9ヶ月』(9 mois ferme)
フランス/2013年/82分/カラー/デジタル/日本語字幕付
監督:アルベール・デュポンテル
出演:サンドリーヌ・キーベルラン、アルベール・デュポンテル、ノシラス・マリエ

アリアンヌ・フェルデーが妊娠!彼女が品行方正な裁判官で頑固な独身主義者であるだけに、その衝撃は非常に大きい。さらに父子関係確定検査の結果、子供の父親はむごたらしい暴行事件の容疑者、ボブであることが発覚して...。俳優であり、監督でもあるアルベール・デュポンテルが出演・監督した大ヒット作品で、2014年セザール賞で主演のサンドリーヌ・キーベルランが主演女優賞を受賞している。
アラン・ギロディ

『勇者に休息なし』(Pas de repos pour les braves)
フランス=オーストリア/2003年/107分/カラー/35mm/日本語字幕付
監督:アラン・ギロディ
出演:トマ・シュイール、トマ・ブランシャール、ローラン・ソフィアティ

奇妙な夢に自らの死を予感する青年バジル。それぞれ境遇は違いながらもバジルの打ち明け話に強く惹きつけられた二人の青年イゴールとジョニーが、その後姿を消してしまったバジルの行方を追うことに...。短篇時代から国際的評価を得てきた監督アラン・ギロディの長篇デビュー作で、批評家たちから高い評価を得た。
『キング・オブ・エスケープ』(Le Roi de l'évasion)
フランス/2009年/93分/カラー/35ミリ/日本語字幕付
監督:アラン・ギロディ
出演:リュドヴィック・ベルティヨ、アフシア・エルジ、ピエール・ロール

農機具のセールスマンであるアルマンは43歳。独身のゲイで、人生にうんざりしていた。ところが、生意気な10代の少女カルリに出会い、彼は異性愛者となる。さまざまな人々に追われ、あらゆる危険に抗いながらも、ふたりは許されない愛を貫こうとする。しかし、これは本当にアルマンが夢見たことなのだろうか?奇天烈な内容と独自の世界観で孤高の地位を築くアラン・ギロディ監督作。人間にとってのセクシャリティとは何かを問い、全く自由な発想と映像で観客を新たな映画体験へと誘う。カンヌ国際映画祭監督週間部門出品作品。
『その時が来た』(Voici venu le temps)
フランス/2005年/83分/カラー/デジタル/英語字幕付
監督:アラン・ギロディ
出演:エリック・ブルニョン、ギヨーム・ヴィリ、ピエール・ルイ=カリクテ

その時が来た。オビタニの戦士たちは、我が物顔でプルプル山の羊飼いたちを支配する領主リクソ・ロマディ・ブロンの娘を誘拐した強盗マンジャス=ケビールを追跡すべく、再び警戒態勢に入った。救出して報酬を得るか、虐げられている人々を開放するために戦うべきかで苦悩する。業を煮やした領主は山賊キビールに娘を殺されたと吹聴し、民衆を炊きつける。だが、無意味な戦争を引き起こすと危惧するフォゴと仲間たちは、姿をくらまし、羊飼い達を圧政から逃そうとしているマンジャス=ケビールとはいったい誰なのか、そして彼の不可能とも言える愛の物語について自問し始める。「夜の美しい待ち伏せシーンや祭のシーンがあるにしても、本作ではまずアクションよりも発せられる言葉たちが振動している」エマニュエル・ビュルドー「カイエ・デュ・シネマ」
アメリカン・コメディ

『ディス・イズ・コメディ〜ジャド・アパトーとその仲間~』(This is Comedy : Judd Apatow & Co.)
フランス/2014年/58分/カラー/デジタル/日本語字幕付
監督:ジャッキ−・ゴルドベルグ

アメリカの人気コメディ監督であり、プロデューサーでもあるジャド・アパトーに関して、フランスの人気カルチャー雑誌「レザンロキュプティーブル」の映画批評家でもあるジャッキー・ゴルドベルグがオマージュを込めて撮ったドキュメンタリー。インタビューやアパトー作品の抜粋をはさみながら、本作は、笑いを最も感動的な表現へと高めることができる例外的監督かつプロデューサージャド・アパトーとその仲間たち(ジョナ・ヒル、スティーヴ・カレル、ポール・ラッド、セス・ローゲン、レナ・ダナムら)との道程を辿ってみせる。




フレンチタッチ・コメディ!
~30年から現在までのフランス映画のコメディ特集~について、皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。
なお、ご投稿頂いたものを掲載するか否かの判断については、
OUTSIDE IN TOKYO 編集部の判断に一任頂きますので、ご了承ください。





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