アレクサンドル・ソクーロフ監督作品『チェチェンへ アレクサンドラの旅』公開記念スペシャルイベント дорога ダローガ -- 道 --

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『太陽』『エルミタージュ幻想』のロシアの鬼才アレクサンドル・ソクーロフ監督の新作がいよいよ日本で12月20日に公開される。これまで同様、アクチュアルなテーマ選択と高い芸術性が同居する新作『チェチェンへ アレクサンドラの旅』は、ロシア軍の全面協力を得ながらも稀有な「反戦映画」として成立している、静かな「戦争映画」の傑作だ。
ソクーロフ監督の「私は戦争映画を好きではない。戦争のない戦争映画を撮りたい。」という言葉通り、『チェチェンへ アレクサンドラの旅』では戦闘シーンが描かれることはない。「戦闘はスクリーンの外で起きている」のだ。日本に住む私たちの多くは、この映画で描かれている背景について、映画を理解するのに充分な知識や感覚を持っているとは言い難い状況にあると言って差し支えないと思う。
このイベントは、映画の舞台となっている「チェチェン」の問題や「現代の戦争」について、ジャーナリスティックな視点から読み解くものになるという。本編を観る前に、このイベントを体験することで、『チェチェンへ アレクサンドラの旅』をより深く理解し、感応するための絶好の機会となるだろう。
(上原輝樹)
【第一部・トークショー】
チェチェン/映画/戦争
ソクーロフ作品を起点として、チェチェン潜入映像を交えながら、現代の戦争をめぐるトークセッション

出演者:

常岡浩介(ジャーナリスト)
1969年、長崎県島原市生まれ。早稲田大人間科学部卒。1994年から長崎放送に報道記者として勤務。98年10月からフリーに。以降、チェチェン、アフガニスタン、イラクなどイスラム世界の紛争地を中心に取材。雑誌、テレビなどで発表。00年、イスラムに改宗、回教名はシャミル。著書に「ロシア 語られない戦争--チェンゲリラ従軍記」(アスキー新書)

重信メイ(ジャーナリスト)
1973年、レバノン・ベイルート生まれ。母は元日本赤軍リーダー・重信房子。1997年にベイルートのアメリカン大学を卒業後、同大学国際政治学科大学院に進学。1997年、レバノン大学でジャーナリズムを学ぶ。28年間国籍を持たなかったが、2001年3月5日に日本国籍を取得し、同年4月3日日本の土を踏む。2004年から同志社大学の博士課程で中東衛星放送を研究。現在、ニュース専門CSチャンネル、朝日ニュースターの番組「ニュースの深層」のサブキャスターを務める。著書に『秘密 パレスチナから桜の国へ 母と私の28年』(講談社)、『中東のゲットーから』(ウェイツ)

若木康輔(放送作家、映像ライター)
1968年北海道生まれ、日本映画学校卒業。脚本家アシスタントやリサーチャーなどを経て、1996年よりフリーランスに。メインは放送/構成作家業で、番組、セルビデオ、PRビデオの台本を百タイトル以上手がける。2007年より「映画芸術」などで映画評を執筆。

加藤健二郎(バグパイプ奏者)
1961年、兵庫県尼崎市生まれ。早稲田大学理工学部卒。東亜建設工業勤務を経て、1988年より外国の戦場へ飛び込み、軍事ジャーナリストとなる。1997年より防衛庁オピニオンリーダーに任命され、2001〜2003年には、総合探偵社ガルエージェンシーの危機管理講師を務める。バグパイプ奏者でもあり、冠婚葬祭、アイドルショーなどで演奏している。著書に「戦場のハローワーク」(ミリオン出版)
【第二部・ライブ】
チェチェンの映像と音楽の邂逅
暗殺されたリトヴィネンコと首都グロズヌイの廃墟映像がライブ空間に乱反射する

出演者:

マイア・バルー
父、"ピエールバルー"のもと、幼少の頃より舞台が遊び場という環境で過ごす。ブラジル漫遊中に聴いた美しい音色に感銘を受けたのをきっかけにフルートを始める。ソプラノ歌手、深川和美と〈かずみとまや〉のユニット名でファースト・アルバム『アミチエ』を発表し、日本、フランス、カナダで発売される。フランスではEpizo Bangouraなど、アフリカンミュージシャンとのセッションや役者としてはチリ系フランス人劇団『Aleph』の一員としても活動している。2005年より『CABARET SHINJUKU』(日本の個性派ミュージシャンをフランスに紹介し日仏音楽の橋渡しをするイベント)のプロデューサーを務め、参加アーティスト大集合の初プロデュースオムニバスアルバム、"KUSAMAKURA"がフランス、カナダ、日本で発売。坂本龍一のレーベル、『コモンズ』から2008年7月にリリースされるオムニバスアルバム"にほんのうた"に参加。

工藤丈輝
1967年東京生まれ。慶大仏文科卒。在学中より演劇、ダンス、日舞を学ぶが、1989年、舞踏との出会いが以後の進路を決定付ける。玉野黄市、和栗由紀夫作品に出演ののち、1992年よりソロ活動を開始。1995〜1998年山海塾に参加。1997年には自らの集団「東京戯園館」を設立。さまざまな分野のアーティスト、カンパニーと関わりつつ、ソロをメインに世界各所で持続的に公演を行っている。

斉藤徹
1955年東京生まれ。 舞踊、演劇、美術、映像、書、邦楽、雅楽、能楽、タンゴ、ジャズ、ヨーロッパ即興、韓国の文化、アジアのシャーマニズムなど、様々なジャンルと積極的にプロデュース。最近は作曲やエッセイにも活躍。

あがた森魚
1948年北海道・留萌市生。函館で中、高時代を育つ。1972年「赤色エレジー」にてデビュー。20世紀の大衆文化を彷彿とさせる幻想的で架空感に満ちた作品世界を音楽、映画を中心に展開。アルバム近作に『佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど』('01)『タルホロジー('07)』。2008年還暦を迎え、全国縦断ツアー「惑星漂流60周年!」を展開中。
2008年12月12日(金)
Open 19:00 Start 19:30 2000円(+1Drink)
@六本木スーパーデラックス
http://www.super-deluxe.com
東京都港区西麻布3-1-25 B1F TEL:03-5412-051


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