OUTSIDE IN TOKYO
JOSH BOONE, LILY COLLINS, GREG KINNEAR & JUDY CAIRO INTERVIEW

『ハッピーエンドが書けるまで』オフィシャル・インタヴュー

3. この脚本は僕の希望の引き出しでした。
 僕の信念や僕にとって大切なことは全部、この脚本に込めたから(ジョシュ・ブーン)

1  |  2  |  3  |  4


ジョシュ・ブーン インタヴュー

Q:脚本について。
ジョシュ・ブーン:脚本はかなり自伝的な内容です。両親が厳しくて、子供の頃はスティーヴン・キングを禁止されていましたから。だから別の表紙をつけて見つからないように読んでいました。でもある日、ベッドの下に隠していたら、母に見つかって燃やされてしまった。12歳の時、「僕も作家を目指します」とキング氏に手紙を書いた。サインが欲しくて、何冊か本も一緒に送った。彼が住むメイン州のバンゴーに送ると、数週間後彼から家に荷物が届いた。本の内表紙に「ぜひ書き続けなさい」と素敵なメッセージを僕宛てに添えてくれていて、それを見て両親も読むのを許してくれたのです。

ある意味では、この脚本が僕の希望の引き出しでした。僕の信念や僕にとって大切なことは全部、この脚本に込めたから。僕はこの脚本で、両親の物語に別の結末を与えたかった。僕にとって大事なことでした。愛を信じているから。同時に、この映画には人間関係のあらゆる現実を盛り込みたかった。親子関係と結婚、離婚、失われた愛と初恋についての現実をね。なぜなら、誰もがその当事者だから。素晴らしい登場人物について、僕は全部本から学んだんです。そうして学んだ登場人物たちを、映画に登場させたかった。
Q:キャスティングについて。
ジョシュ・ブーン:作品への出演依頼は子供の頃からの夢だった。ジェニファー・コネリーも昔から大ファンだったんです。もう運を使い果たしちゃったかもね。スティーヴン・キング!ジェニファー・コネリー!ブライト・アイズからはオリジナル曲までもらってしまった。これ以上欲しいものはない。最高の形になった。何もかも上手く行った。物語の主な題材は、両親の離婚だけど、高校の頃好きだった薬物中毒の女子とか、思い出を脚色した作品になっています。楽しめる形でね。でも、エージェントは脚本を1年くらい売れずにいた。僕が監督をすることがネックだったみたいだね。1年経って、僕もついに我慢ができなくなって何人かプロデューサーに連絡をした。その一人がジュディだったんです。彼女なら、初めての監督も使ってくれると思ったから。脚本を送って読んでもらうと「ぜひやりたい」と言ってくれて、そこからは一気に話が進んでめまぐるしい1年になりました。
Q:俳優たちとの仕事について。
ジョシュ・ブーン:グレッグは特別な役者だよ。シリアルのシーンは彼の発明です。少し動きを入れるためにね。彼は、演技の中で小道具を使うのが好きなんですね。何度もそういう風にやりました。コネリーとは対照的でした。コネリーはシリアスで、グレッグは肩の力が抜けている。でもどちらも演技は最高なんです。相性も抜群だった。コネリーは常に誠実に演じる本当にすばらしい女優さんです!まだキャストが決まる前、エリカ役の理想は誰かと聞かれた時に、ジェニファー・コネリーだ!って話してたんですから。まさか実現するとは、驚きの多い1年だった。キャストやスタッフに支えられながらの監督業で、思ったよりストレスは少なかったんです。さぞかし大変だろうと想像してたけど、意外にもやりやすい現場でした。キャストやスタッフのおかげなんだろうと思いますね。意外と僕がやることは少ない(笑)。みんなをせっついて撮りたいものを伝えればいいだけで。やっているうちにだんだん自信がついてきたほどです。僕が書いた通りではなくて、役者たちが納得のいく演じ方で、好きにやるよう伝えたんです。僕は、細かく指示するタイプじゃない。周りの意見も聞いて、より良いものを作りたいと思ってるんです。
←前ページ    1  |  2  |  3  |  4    次ページ→