OUTSIDE IN TOKYO
EMMANUELLE DEVOS & MARTIN PROVOST INTERVIEW

エレノア・コッポラ&ダイアン・レイン『ボンジュール、アン』インタヴュー

2. 車に乗るだけなら簡単ですけど、
 運転席で運転するっていうのはまた別の話ですよね(ダイアン・レイン)

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Q:ダイアンさんは、10代の頃から(フランシス・フォード)コッポラさんの映画に出演なさっていて、長い間ずっとコッポラファミリーの皆さんのことはご存知だったと思いますけれども、今回、エレノアさんから声をかけられた時にどう感じられましたか?
ダイアン・レイン:凄くわくわくしました。エレノアが、こういう夢を持っていたんだということに凄くわくわくしたんです。そんな夢を持っているとは思っていなかったので。この作品が公開されて、取材で彼女が色々な話しをするのを聞いていて、今度は私の番よって言うには、本当にたくさんの勇気が必要だったに違いないと思いました。
Q:監督としての彼女はいかがですか?
ダイアン・レイン:もちろん大変な経験値をお持ちだというのは知っていました。監督のお世話をして、映画制作の過程を見届ける、制作スタッフを応援し、育て、心配事に耳を傾ける、映画作りのそうしたプロセスは多くの人の目に晒されていきますから、それがどのくらい大変なことなのかっていうことも、彼女はもちろん分かっているわけです。でも今回、彼女は運転席に座り、監督をするぞって言ったんです。車に乗るだけなら簡単だし、人生ずっと乗っていられますけど、運転席で運転するっていうのはまた別の話ですよね。
エレノア・コッポラ:それは素晴らしい喩えね(笑)
ダイアン・レイン:今回は、その最初の瞬間から参加出来たので、私は彼女の勇敢さに触れることによって、映画作りのスリルを味わうことができました。それから『ボンジュール、アン』の物語は、エレノアにも言いましたけど、あの『ワン・フロム・ザ・ハート』(82)という映画、そのタイトル自体が意味しているものに凄く近いので、そういうタイトルでも良かったかなと思ったんです。もちろん、もう使われてしまっていますから、そうは行きませんけれどね(笑)
Q:アンを演じる時に、エレノアさんに似せるっていう感覚はありましたか?
ダイアン・レイン:それはなかったですね、エレノアはある種のハイブリッドを作ったのだと感じていましたから。自分のミューズと経験、友人に貰った最高のアドバイスを兼ね合わせたハイブリッドですね。それは彼女の聡明さの表れだと思います。最後の最後まで模索し続けるその姿勢、可能な限り最高の映画を作ろうとインスピレーションに従ってその可能性を追求し続けること、そうした彼女の映画作りの経験を、彼女が語る物語を介して経験出来たということは、私にとっては本当にご褒美のような体験でした。


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