OUTSIDE IN TOKYO
Johan Heldenbergh INTERVIEW

ヨハン・ヘルデンベルグ『オーバー・ザ・ブルースカイ』インタヴュー

3. ショーにヴェルル(・バーテンス)が登場すると、会場はまるで放電したようになる!

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Q:ブロークン・サークル・ブレイクダウン・バンドのコンサートはどこもソールドアウトです。観客のどれくらいが音楽を聴きにきて、どれくらいがあなたやヴェルルを観に来るんでしょう?
ヨハン・ヘルデンベルグ:いいポイントです。1/3はたぶん彼女(ヴェルル)が目当てでしょうね。ショーは最初、彼女なしで始まり、3曲目に彼女が登場するのですが、その時の会場はまるで放電したような感じです。彼女の声は激しいと同時に、誠実です。
いつか、わたし自身の曲を書こうと思っているんです。できればダッチ(オランダおよびベルギー北部の言語)か、ヘントの方言でね。

Q:方言はいいと思いますよ。The Stroatklinkers というバンドはフリージャンという50万人ほどがしゃべる方言で成功しています。
ヨハン・ヘルデンベルグ:まだ計画に過ぎませんが、そのときは必ずブルーグラスでやりますよ。

Q:映画の中で、個人的に感動したのは、トニー・ライスのすばらしいボーカルが聴けなくなったことに言及するシーンです。俳優も、役によっては声に危険なこともあるでしょう?あなたにとって仕事道具ですよね。
ヨハン・ヘルデンベルグ:その通りです。トニー・ライスはどうして声を失ってしまったのか、わたしの心を奪い、同情を禁じ得ません。わたしの声も昔はもっと良かった。でも演じていると完全に役に夢中になり、ときに深く演じてしまい、喉を痛めることもあります。主役のチャンスなんて滅多にないですから、どんな要求にも応えようとしてしまうのです。

Q:あるオランダの新聞紙のインタビューで、なぜ”間違った音楽”をやるのか?って聞かれたことがあるんです。フォークミュージックの世界でもそんな意見を耳にするのです。
ヨハン・ヘルデンベルグ:ブルーグラスはそんな”間違った”意味を含まれることがあります。たぶん『脱出』(72/ジョン・プアマン)のせいか、あるいは1950年代のバンドがどう見えたか、というせいでしょうか。とてもストレートです。ブルーグラスが生まれた地域や、その地方の宗教がヨーロッパの人々を怖がらせるのでしょう。でも、音楽にはなんの”間違い”もない。だって、ラルフ・スタンレーはオバマのサポーターなんですよ!わたしにとってブルーグラスは何の問題もありません。そして人々はわたしに”間違った音楽”についての質問などしません。人々はわたしが左翼だと知っています、リベラルなんです。そしてこの音楽が大好きなんですから!


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