2012年1月 5日

『テトロ』


2010年のラテンビート映画祭で上映され、それっきり音沙汰がなかったフランシス・フォード・コッポラ監督、2009年の傑作『テトロ』が、急遽『テトロ 過去を殺した男』として劇場公開されることになった。当初マット・ディロン主演で構想されたことからも分る通り、『ランブルフィッシュ』を強く想起させる本作だが、主演にビンセント・ギャロを迎え入れたことで、コッポラが執着する兄弟の物語が、よりエキセントリックな緊張感の中で展開するさまを観客は目撃することなるだろう。アメリカでも限定公開に終わった本作は、日本においても、宣伝費も投入されない単館短期間上映となったが、仏カイエ誌が2009年年間ベスト10の6位に選出するなど、批評家やシネフィルの評価は高い。巨匠がブエノスアイレスで撮り上げた詩情溢れる傑作を、是非とも劇場でご覧になることを!

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