2011年4月14日
『悲しみのミルク』
印象的な眼差しと歌声を持つ女優マガリ・ソリエルが即興で作り出した歌と彼女が演じる悲劇的人物ファウスタが、残酷さと笑い、悲しみと喜びが共存する「ペルー的感性」を持つといわれるクラウベル・リョサ監督(小説家マリオ・バルガス=リョサの姪)作品でどのように息づいているのか。『シルビアのいる街で』の撮影で知られるナターシャ・ブレイアの映像美とスサーナ・バカ等のメランコリックな崇高さが漂う音楽でも知られる国、ペルーから届いた本作を、このどさくさに紛れて見逃すわけにはいかない。